ギャグ・コメディ

白「夏休みはどうするんですか?」

男「さぁ、どうするかな……だいたいはバイトと遊びの二択っぽいけど」

橙「ふふふ、いろんなところに引きずってでも連れて行くから覚悟しておきなよ?」

男「……なぁ。ネタか本気かつかめんぞ、ソレ」

白「私も夏休みの間くらいは、ここから出れそうです。もっとも、家にいるくらいが精一杯ですけど」

男「おー、それはよかった。最近は調子いいのか?」

白「はい。みんなもまめに来てくれるから、退屈することもないですし。夏休みになると、逆に退屈かもしれません……」

橙「………ふーむ」

男「ん?どうしたよ、オレンジ」

橙「ねぇ白ちゃん。夏休みの間さ、自分の家じゃなくて私たちのところに来ない?」

白「えッ!?」

男「お、おい。それはいくらなんでもムチャだろ」

橙「大丈夫よ。ちょっと耳貸して、白ちゃん。 ……………(ゴニョゴニョ)………」

白「—————……わかりました。今夜にでもお母さんに言って、話をつけておきます」

橙「おっけー。じゃあ、こっちは朱色さんと群青さんに伝えておくから」

男「いや待て待て待て!白もちょっと落ち着けよ。そんなの許してもらえるハズが……」

白「だいじょうぶです。お母さん、みんながお見舞いに来てくれてることをちゃんと知ってます。だから信用してるんですよ」

男「……いや、そういう意味でなく」

白「身体ならどうとでもなりますから、心配しないで。 ……不束者ですが、よろしくお願いします」

男「ッ……いやそれ違うからッ!」

橙(さっすが白ちゃん♪こういうときの行動力はバツグンだね)

男「——ところでさ、オマエさっき白になんて言ったワケ?明らかに人が変わってたんだけど、白のヤツ」

橙「あぁ。えーと、『ウチらのところに泊まるなら、色無の部屋を使うことになるんだけど』って言ったの」

男「………は?」

橙「だってほら、ウチらの寮って二人一部屋なのにアンタだけ一人で使ってるでしょ?」

男「いや、アタリマエだろうが。俺は男だぞ?」

橙「それをそういう意味で気にしてるのはアンタだけ。みんな、建前上なんにも言わないだけよ」

男「———……んなの、知らんけど……」

橙「ま、それはそれとして。楽しみだなぁ、夏休み」

男「あぁ……。今まで以上にキツい毎日になりそうだけどな」

橙「今年はみんなを振り回すからね。もちろん白ちゃんも含めて!」

男「お、おい。それはだから……」

橙「昔から言うでしょ?病は気から、ってね。 まぁだいじょうぶ。大抵は家の中で振り回すからさ」

男「………それはそれでかなり危なそうだな」

橙「女三人寄れば姦しいって言うけど、三人どころじゃないもんね。……特に夜とかタイヘンそうだねぇ、色無くん」

男「……待て、その言い方はものすごく違うと思うぞ」

橙「そう? まずガチでえっちぃ朱色さんでしょ。次に天然ながらもエロい桃でしょ。で、最後に私と。……これだと姦しいっていうか、ね」

男「ッ……、ふ、フツーに自分を混ぜつつ危ない台詞を口走ってんじゃねー!!」

白(お泊まり、楽しみだなぁ……色無くんと、いっしょのベッド………)

黒「……白。何を考えてるのか知らないけど、ものすごくアブない顔してるわよ」

白「ッ!なな、なんにも考えてないよッ!?どど、どうしたら色無くんに喜んでもらえるかなんて考えてないよッ!?」

黒(……異様なまでに赤い顔と、さっきの恍惚とした表情………白もとうとうそっちの道に入っちゃったか。あれだけピュアな子だったのに……)


白「ちょっといい?~……あのね、お腹空いてない?」

男「別に空いてないなぁ」

白「じゃあ、甘いものが食べたいな〜、とか」

男「思わないなぁ」

白「じゃあじゃあ——」

黒「……はぁ。やっぱり白じゃ無理か。あんた、お腹空いてて甘い物食べたいわよね?」

男「だからさっきから——」

黒「分かってると思うけど、これは質問じゃなくて確認。も・ち・ろ・ん・食べたいわよね?」

男「……はい」

白「本当!? じゃあはい、コレ!」

男「クッキー?」

白「さっきの家庭科で作ったの。食べてくれる?」

男「そういう事なら喜んで。(サクサク)お、美味い」

白「そう? 次、食べて食べて」

男「ん〜、ちょっと待った。おい、黒」

黒「何?」

男「お前も作ったんだろ?~よこせ」

黒「あら、私のも食べたいの?」

男「お前が作る物がマズいはずがないからな。とっととよこせ」

黒「もう渡してるわよ?~そうじゃなかったらわざわざ口出しするもんですか」

男「……」

黒「それは私と白の合作で、ちなみにあんたが食べたのは私の分。美味しいって言ってくれて嬉しいわ」

男「どういたしまして」

黒「さて、ここからが本番。あんたは白が作った分を見分けて、私のと同じ様に食べた感想言ってあげられるかしら?」

白「(ドキドキ)」

男「……悪魔かお前」

白「(ドキドキ)」

男「ぬぅ……」

緑「困ってるみたいね」

男「いい所に来た緑!~助けろ!!」

緑「そういう事なら(ザラザラ〜)」

男「何余計に混ぜてるんだよオマエ!?」

緑「選びかねてるから選択肢を増やしてあげたのよ」

男「……」

緑「当然私の作ったのも美味しいって言ってくれるんでしょう? ……黒に言ったみたいに」

男「……何でちょっとキレてるんだよ?」


「……」

「お、緑。今日は何読んでるんだ。絵本か、それ?」

 色無に声をかけられた緑は、ほんの一瞬視線を上に向けると、読んでいた本の表紙を見せてやった。

「ぐりとぐら」

「あ、わたしもその絵本知ってる。イガイガした果物とどんぐりとかをカリカリ齧る動物の話だよね」

 ここぞとばかりに、面白いものを見つけたときのにんまりとした笑顔で橙が話に加わってきた。

「……お前」

 色無が冷めた視線を橙に向けるが、白が笑顔で間に割って入ってきた。

「やだ、違うよ橙ちゃん。それはクリとリスじゃない。ぐりとぐらは栗鼠じゃなくて野ねずみだよ」

 その瞬間、教室の空気が一瞬にして凍りつく。

「ぐりとぐらはいい絵本だよね。わたしも病室で……あれ? どうしたの、みんな?」

 またしても共通の話題が出来たことが嬉しかったのか、笑顔で話を続ける白。

 だが、白はどうしてみんなが微妙な表情で凍りついたのかがわからなくて、きょとんとするばかりだ。

「あれ? あれ? もしかして、ホントにクリとリスの話だった? わたし、タイトル聞き間違えちゃったかな?」

「い、いや、あの、そのー……おい、橙!」

「あははは……ごめーん、前よりちょっとは成長してるかなー、と……」

 小声でやりとりする色無と橙に、やっぱり白は首をかしげたままだった。

「あ、そういえばわたし、この間甘栗買って食べたよ。クリって皮を剥くのが楽しいよね、もうすぐおいしい実が出てくるって思うとわくわくしちゃうの」

 白は何気なく、自然な流れで話を広げたつもりだったのだろう。

 だが、またしても教室に戦慄が走った。

「あれ? 色無くんはクリって嫌い?」

「へっ!? あっ、いや、好きかなー、っていうか……」

「実物は見たことないもんね、チェリーくん」

「なっ! そそそ、そんなことないぞ、クリくらい……!」

 きししと笑って囁く橙に、 色無はかっとなって怒鳴り返した。だが、ドモリ具合が図星を指されたことを明言しているようなものだった。

「あっ、そっか。色無くんはクリの皮を剥くのが嫌いなのかな。そうだよね、最近は剥いてあるクリが多いもんね」

 どこをどう解釈したのか、「剥くのが好きなわたしって、ちょっと変わってるかな」と苦笑する白。

「そうだ。今度機会があったら、わたしが色無くんの分も、皮剥いてあげるね」

 にっこりと微笑んでそう告げた瞬間、最大級の衝撃が教室を揺さぶった。

「白さんが……色無の皮を……剥く……」

 一瞬の沈黙。

「うおおおおおお!!!」

「ちょ! お、俺は包茎じゃないぞ!!!」

「ちょ、ちょっと白! ストップストップ!!」

「……!!」がたーん!!

 男どもが前かがみになりつつ雄叫びを上げるのと、色無が弁解するのと、橙が慌ててストップをかけたのと、緑がひっくり返ったのは同時だった。

「ちょっと、やっぱ男子ってサイテー!」

「うわっ、緑がまた鼻血拭いたぞっ!」

 たちまち、教室中は阿鼻叫喚となった。

「……どうしたんだろう? でも、こんなにぎやかなのは、嫌いじゃないな」

 雄叫びと怒号と鼻血が乱れる教室で、白は満面の笑みを浮かべてその様子を眺めていた。


無「ゔあー……疲れた」

橙「そんなときは適度に甘いモノを食べるといいよ。ホラ」

薄黄「え?ちょ、ちょっとッ!なんでわたしを指差すんですか!?」

橙「なんでって、最近の『甘いモノ』と言えばクリームちゃんじゃない。ねぇ?」

無「なにが『ねぇ?』だ、アホ。クリームはお菓子じゃないっつーの」

橙「へ?——あ、あははははッ!やだ、アホはアンタじゃない!!」

無「……は?」

薄黄「お、オレンジさん?」

橙「お菓子じゃないんだって、それじゃアンタはクリームを頭からまるかじりするつもり?そんなの深緑しかやらないわよ?」

薄黄「………この前、紫さんと緑さんにも襲われかけましたけど」

橙「まぁ、それはいいの。 で、ここまで言ってもわかんないのかなー?色無くんは。オトコノコのくせにそれはないよねー?」

無「……—————オマエ、まさか」

橙「そうそう、そのまさか。 この娘はぷにぷにのあまあまですよ、ダンナ。昨日ばっちりお風呂で確認しましたぜ♪桃とはまた違ったおっぱいが特に……」

薄黄「お、オレンジさんッ!!?ちょ、ちょっと……やぁッ…」

橙「へっへっへ、どうです?食べ頃ですよダンナ。いかがですか?」

無「オマエはどこの越後屋だ!!つーかシャレにならんくなってきたからやめろー!」

橙「ちぇー、つまんない。クリームちゃんも美味しく食べられたかったでしょ?色無にならさ」

薄黄「わ、わたしは、そんなッ……そ、そ、それならッ!オレンジさんが、その、……食べられれば、いいじゃないですかッ」

橙「んー?そうしたいのはやまやまだけど、残念ながらそうはいかなかったりするんだよね」

薄黄「……なんでですか?」

橙「決まってるじゃない。疲れたときには甘ったるいくらいがちょうどいいでしょ?だから、今はオレンジよりもクリームって、そういうこと♪」

薄黄「—————は」

橙「私はそこまで甘ったるくないもの。疲れを取るどころか疲れさせちゃうかもしれないからさ。ねぇ?」

無「〜〜〜……やったこともないくせに『ねぇ?』とか言ってんじゃねぇー!!」

薄黄(……オレンジさんって、………すごいなぁ)


男「あっち〜……」

黄「暑いねぇ〜」

赤「きみたち、こんなんでバテてるの?やっぱりぼくと一緒に運動して体力つけたほうがいいよ!?」

男「遠慮しとく。体力どうこうの前に体がもたないよ……」

黄「………」

男「ほら見ろ、黄色でさえ黙っちゃった。…………そうだ」

赤「?」

男「やるか………あれ」

黄「………あれ?」

男「あれ」

白「いいですよ私はwwすごく楽しみです!!みんなまた怖がってくれるかなぁ……」

男「よし、語り手ゲット!!んじゃあとは、ばらばらに人集めようぜ!」

男「みぃどりぃ、開けて〜色無ですよ〜」

緑「(がちゃ)………何?」

男「その、今日暑いな!」

緑「……だから?」

男「怪談しようぜ!!」

緑「!!(バタン」

男「痛い痛い!!手ぇ挟まってるよ!!」

緑「あれだけは嫌!!もうあれだけは…!!」

男「痛いから!わかったからドア緩めて!!」

緑「…あ……ごめん」

男「ひ〜、マジで痛ぇ……。ところで怪d」

バタン

男「そんなに嫌なのか……あいつも可愛いところあるんだなwww」

男「緑は駄目だったかぁ。まああそこまで怖がってるんじゃしょうがないな。……あ、あれは…」

深緑「あら?色無くんこんばんわ」

男「深緑さんそれは俺じゃなくて芸能人のポスターですけどこんばんは。突然ですが、怪談に参加しませんか?」

深緑「階段?いいけど、転げ落ちるの?」

男「…まさかそのボケで来るとは思いませんでした。怖い話のほうですよ」

深緑「あら、怪談ね。いいわよ、大賛成!最近暑いものね」

男「よし、日時はまた連絡しますね!!」

橙「緑はきっと駄目だろうなぁ…。ほんと怖い話苦手だからねwww……っと、ここここ」

ピンポーン  

水「はぁい」

ガチャ

水「オレンジちゃん?どうしたんですか?」

橙「やぁ、ここんとこ暑いねぇ水色ちゃん!」

水「え?あ、まぁそうですけど……」

橙「ってことで!!またあれやります!怪談百物語〜!!」

水「やるんですか?」

橙「もちろん出る、よね?」

水「え〜と…どうしましょう…」

橙「ようよう姉ちゃん姉ちゃん、色無に『きゃー』とか言いながら抱きつくチャンスだぜ?」

水「………出ます!!」

橙「はい一丁あがりぃ!あでも、色無は渡さないからwww」

水「はい!!頑張ります!!」

橙「……よし、あとはみんなを待とうかな?」

赤「紫いる〜?いるよねぇ」

紫「もううるさいなぁ…寝てたのに。なに?」

赤「またこのあいだみたいにあれやろう!怪談!」

紫「…………あれほんとに怖いんだけどな……」

赤「いいじゃんいいじゃん!!そしたらまた色無に一緒に寝てもらえば!!」

紫「…私は別に一緒になんて……」

赤「いいからいいから!!はい、参加決定!」

紫「ちょ、まだ決めてないじゃん!!」

赤「…じゃあ色無がオレンジにとられちゃってもいいの?あいつほっといたら色無なんかあっというまに…」

紫「………参加する」

赤「おっけ〜、じゃ日時はまた伝えるから!!」

黄「あ、クリームちゃん!!怪談百物語にさんかしようよ!?」

薄黄「え?」

黄「けって〜い!!じゃ、時間とかはまた伝えるから!!」

薄黄「え?…えぇ!?」

男「……よし、前の連中は緑以外全員集まったな。あ…灰色…どうするか。前はいなかったよな?」

灰「……参加する」

男「わ、灰色!?いきなり背後に立つなよ!!」

灰「私も参加する」

男「珍しいな、灰色がこんなイベントにでるなんて。普段ならめんどうくさがるのに」

灰「夜のイベントは別だよ。夜は私テンションあがるからね」

男「わかった、参加だな。じゃあこれで全員か?」

灰「………朱色さん」

男「………は?」

灰「なんでもない、じゃ」

男「………あの人は無理だろ……ってか呼んだらひどいことになる…」

男「黄色、お前クリームちゃん呼んだのか!?」

黄「そだよ〜?なんか悪いことした?」

男「いや、俺深緑さん呼んじゃったんだけど!!」

黄「?みんな集まっていいじゃん」

男「深緑さんとクリームちゃんは同じ場所にいさせるわけにはいかないでしょ!!」

黄「なんで?」

男「クリームちゃんの命に関わるの!!」

橙「まぁまぁいいじゃん!!席を離せばいいでしょ。むしろその二人が同じ場所に一晩いるとどうなるのか見てみたいんだけどwww」

男「人事だと思って……本当に危ないんだぞ」

橙「そしたら色無が助けるんでしょ?ならいいじゃん」

男「……まぁ大丈夫かな…?そうか、俺が助ければいいんだ」

橙「……あれ、墓穴掘ったかな?これじゃあ色無が私に構ってくれなくなるような……」

男「……それじゃ、始めようか。白、お願い」

白「うん、いくよ?」

青「……少し緊張してきちゃった」

桃「青ちゃん怖がってるの?」

青「こ………怖がってなんかない!!」

黒「無理はしないほうがいいよ。白の話は本当に怖いから」

紫「…………(やっぱりやめればよかった……)」

白「……これは、入院してるときに担当の看護婦さんから聞いた話なんだけどね?」

白「……飾ってある絵の裏にはね?血で書かれた「ノロッテヤル」って文字がびっしりと…」

赤・黄・青「ぎゃ〜!!!」

橙「きゃ〜www怖いよう色無ぃ!!」

男「だからなんで笑顔で抱きつくんだ!!」

橙「いいじゃんいいじゃん、ほんとは嬉しいくせにぃwww」

紫「……………色無のバカ」

黄緑「紫ちゃんも抱きついてみればいいじゃない?」

紫「…そんなことしたくないもん!!」

黄緑「じゃあどうしたいの?」

紫「………ぅ………」

深緑「ごめんなさいね、どうでもいいんだけれど、なんだかシュークリームの甘い匂いがしない?」

薄「…ひ……!!」

男「…!!しませんよそんなの!!!さ、白、続き続き!!オレンジはさっさと離れて!!」

白「うん。それでね………………………だったんだって」

赤・黄・青「ぎゃ〜!!」

白「おしまい♪やっぱりこんなに怖がってくれるとやりがいあるなぁww」

橙「きゃ〜怖〜いww」

男「だからお前は……って、え!?水色ちゃんまで!?」

水「ごめんなさい……でも怖…いん…です」

橙(やるなぁ水色ちゃんwww恋は女を強くする、かwwww)

紫「………………バカ」

黄緑「ふふ………紫ちゃんも恋する乙女ねww」

灰「………私だったら洗濯物頼むけどなぁ」

黒「…いやなんの話だ?」

灰「さっきの話に出てきた男の子」

黒「こいつには心霊の類もきかないのか………」

深緑「やっぱりするわよね?甘〜い匂い」

男「しません!!断じてしません!!」

深緑「暗くてよく見えないけれど、ちょうど向こう側の席から……」

薄「……ひ…もう…駄…目…」

男「深緑さん座ってください!!百物語中は立ち上がっちゃいけないっていうルールですよ!!」

深緑「あら、ごめんなさい。私としたことが」

桃「…そんなルールあったかな?確か部屋から出ちゃいけないだったような……」

男「と…とにかくまだ終わってません!!立たないで!さ、続き続き」

白「でも、もう私の話はネタ切れだよ?」

男「うぅ…なんとか持たせないと、クリームちゃんを避難させられないよ……」

??「待て〜い!!」

黄「何奴!?」

??「色無、貴様このような席に某を呼ばぬとはいい度胸だな!!」

男「侍!?」

侍「某は実際に戦へ赴いたことも、落ち武者の霊の除霊に立ち会ったこともあるのだぞ!!某、怪談の一つや二つどころか八つ九つぐらいは持ち合わせておるぞ!!」

男「いやお前いつの人だよ!!学生じゃないのか!?でも今はちょうどよかった!!そのネタ話してくれないか?」

侍「よいだろう。これは長篠の戦いで討たれた武者の話だが……」

橙「……やめたほうがよかったね」

赤「も〜駄々すべり!!wwww」

青「最後のほうなんて、みんな笑ってたじゃない」

侍「うぅ…………(ちら」

男「いや見られても……悪いけど今回ばかりは」

侍「うわぁぁああん!!!!!切腹してやる〜〜!!」

男「ちょ、まずいって!!侍〜!!待てって!!」

橙「ほっときなって、切腹なんてしないから……ってもう行っちゃった」

黄「『おぬし、なかなかやりおるな?』」

赤「『拙者はまだまだ未熟故、お手合わせはご遠慮願いたい』」

黄「………」

赤「………」

黄「……ぷ」

黄・赤「あっはっは〜〜〜!!!」

赤「『問答無用、切』…き…ひ〜!!腹いてぇwwww」

黄「あれのどこをどう怖がればいいんだwwwwww」

黄緑「あんまり笑ったら悪いですよ〜?」

赤「だって、ねぇ!?」

青「あれはむしろシュールなんじゃない?素シュールに行けばそれなりにいけるはずよ」

灰「…………米、か」

黒「…なんか言った?」

灰「何も」

深緑「あら?そういえばクリームの匂いがしなくなってるわね……どう思う水色ちゃん?」

水「え…あの…それは私じゃなくて柱ですけど……私は最初っから匂いなんてしなかったと思います…」

深緑「あら?おかしいわね……絶対したはずなのに…」

男「待てって!!…………あれ?おかしいな、今こっちに侍が逃げてきたはずなのに…」

黄「色無、それはないでしょ〜!!だってあの駄々すべりした後にまた戻ってこようなんてさすがに……ぷぷ」

橙「ちょっと黄色、思い出させるなってのwwwwwww……って白、あんたさっきから黙り込んでどうしたの?」

白「………なるほど、ああいう話の展開のしかたもあるんだ。確かにこれは怖いかな……私が鳥肌立つなんて」

黄・橙・赤・男「 通 じ て る ! ! 」


緑「……」

黒「……」

茶「……(か、会話が無い……、何か話さないと……」

緑「……」

黒「……」

茶「み、緑さん、何読んでるんですか?」

緑「……(タイトルを見せる」

茶「面白いですか?それ?」

緑「……それなり」

茶「そ、そですか……」

緑「……」

黒「……」

茶「黒さんは何か調べ物ですか?」

黒「……何で?」

茶「いや、その、図書室に来たからにはそうなのかなぁーと……」

黒「別にそんなこと無いけど?」

茶「えと、じゃぁ何で……」

黒「クーラー効いてるから、ここ」

茶「そ、そぉですか……(泣」


男「……寝苦しい」

灰「お主、修行が足りんな。いつでもどこでも寝れなくては、あっという間に死んでしまうぞ」

男「どこの風来爺だオマエは。つーかその寝苦しい元凶がオマエだってわかってる?」

灰「Zzz……」

朱(ガチャ)「色無、ちょっと晩酌に付きあ………」

男「あ゙」

橙「ちょっと、朱色さん?なんで固まって………———……あー、なるほど」

朱「ふ、ふふふふふ……」(ベキャッ

男「し、朱色さんちょっと落ち着いて!てか、怖いですからアルミ缶を握り潰さないで!」

灰「……………」

橙「朱色さーん。もしかしなくても、そこのベッドに乱入するんですよねー?」

男「は?」

朱「とーぜん。灰色がよくてアタシがダメな理由ってないよねぇ?いーろーなーしーくん」

男「うあ、酒くさッ!なんでもう出来上がってるんですかアンタはッ!」

橙「そうなると私が入っちゃいけない理由もないよねー♪ほら色無、大の字になってよ。腕をまくら代わりにするからさ」

男「いや待て!冷静に考えてそれはない!暑さどうこうじゃなくて俺が寝れんから!!」

朱「はいはい、もう観念してアタシと橙にはさまれろ。悪いようにはしないからね……ふふふふふ」

橙(マジで暴れないほうが身の為だよ?朱色さん、かなりキてるから。暴走したら護ったげるから、ここは我慢して。ね?)

男「〜〜〜……ッ、………あれ?そういやアイツはどこに……?」


黒「……アレ?あんた、今までどこに行ってたの?また色無の部屋?」

灰「んー、なんだか寝苦しくなったから戻ってきたの。それじゃおやすみ……姉様」

黒(………この子が寝苦しいですって?……色無、まさか灰色に………いや、それはないわよね。うん)


黄『シャクシャク)んー、夏は冷やしパインだね〜』

赤『夏は氷イチゴがウマウマ』

無「赤、急いでたべると…」

赤『キーーーン)ー!!』

黄『アハハ、バッカだね〜あ(キーーーン)ー!!』

無「お前だ。一気に3つも喰おうとするから…」


それは、壮絶な光景だった。

キーンコーンカーンコーン。

色無センセ「それでは授業を始めます」

色鉛筆たち「はーい」

パタパタパタパタ

色無センセ「えーっと、ここはこうなります……」

パタパタパタパタ

色無センセ「そしてここはこう……」

パタパタパタパタ

色無センセ「あーっもう、スカート扇ぐな!」

色鉛筆たち「え〜〜〜っ」

橙「あーっ先生やらしい目で見てるw」

黄「いくら私たちがカワイイからって、そんな目で見ちゃイヤン先生w」

パタパタパタパタ

無「orzごめんなさいお願いですから止めて下さい。目の毒です……」

黄「あっははっw先生が発情しちゃったw」

赤「もう、しょうがないな」

青「暑いのに……」

黒「クーラー付けて下さい」

色無センセ「そんな権限は無いよ……。一応言ってみるけどさ……」

仕方が無いなと色鉛筆たちは止めてくれたけど、10分もすると、また……。

パタパタパタパタ

まあ、暑いからしょうがないけどさぁ……。

女子校の教師と聞くとうらやましがられるけど、この時期はツライ……orz


だーれだ? ベタ編

青「だっ、だーれだ?」

男「その微妙に恥ずかしがってる感じは青だな」

青「わ、私のどこが恥ずかしがってるって言うのよっ!?」

男「首を絞めるな」

桃「(ふにゅん)だ〜れ——」

男「ピンクちゃん」

桃「まだ言い切ってないのにぃ〜。何で私って分かったの?」

男「……ピンクちゃんは声以外にも特徴あるから、うん」

黄「だ〜れだっ☆」

男「黄だろ」

黄「……ブ〜ッ、正解はどどめ色でしたぁ〜!!」

男「くやしいからって嘘つくな」

水「だ、だ〜れだ?(テテテッ)」

男「水色ちゃん?~……って答え聞く前に逃げない」

だーれだ? バイオレンス編

赤「だぁ〜れぇ〜だっ!!(ドカッ)」

男「タックルは目隠しじゃないっていい加減理解しろ」

紫「(ピョンピョン)だ〜れ……(ピョンピョン)だ〜れ……(ピョンピョン)うぅ〜っ!」

男「何人の後ろで遊んでんだ?」

紫「いいからしゃがんで歩けぇーっ!!(ゲシゲシ)」

男「八つ当たりすんな」

茶「だだだっ、だ〜れだっ?(サクッ)」

男「目がぁ〜っ、目がぁ〜っ!!」

黄緑「だ〜れだ♪」

男「きみ——赤、いや青かな?」

黄緑「ぶ〜っ♪~(ミシミシ)だ〜れだ♪」

男「ず、頭蓋骨がっ!?~調子こいてました許して下さい黄緑さんったら黄緑さんっ!!」

だーれだ? マイペース編

橙「だぁ〜れだ?」

男「お前は——」

橙「オ〜レンジだ〜」

男「自分で答えるな」

緑「さて、誰でしょう?」

男「緑」

緑「正解よ、むらさ——あら、貴方だったの」

男「どう間違ったんだよ」

黒「私は誰?」

男「真正面から来て何言い出してんだ」

だーれだ? ベタベタ編

白「だ〜れだ?」

男「白さん?」

白「ピンポ〜ン……って思ったけど、やっぱり不正解ー」

男「何その気分しだいの変動性の解答」

白「ペナルティとして、君が正解するまで私は離れませんっ」

男「……そういう事なら正解する訳にはいかないなぁ」

白「ふふっ。そんな事言わないで、早く当てて?」

男「じゃあヒント出して、ヒント」

白「ん〜、ヒントはねぇ——」


男「……というわけで、肝試しやろうと思う。最近また更に暑くなってきたし、ちょうどいいだろ?」

三人組「人集めは任せろww」

男「もうやる気まんまんだなwwwよっしゃ、じゃあどこでやるか?

橙「あ、私のおじさんが近くの寺の住職やってるよ〜」

男「本当か!?」

橙「あの人私には甘いから、たぶん使えると思うよ!」

男「よし、決定だな」

赤「あ、あとさぁ、今回こそは朱色さんも呼んであげようよ?前の百物語のときも、自分だけ仲間はずれだっていじけてたよ?」

黄「いい年した大人が何を言うかwwww」

男「う〜ん、まぁ今回は寺まで行くし、保護者ってことで呼ぼうか」

橙「じゃ、またその日に集まるってことで!!」

男「そうだな。んじゃ」

橙(計  画  通  り  !さ、早く色無と私が二人っきりになれるような罠を張り巡らせないと………wwwww)

男「んじゃはじめよっか」

橙「盛 り 上 が っ て ま い り ま し た !」

青「またこんな馬鹿なことやるの?」

黄「あれ?さっきと言ってることがちがうよ?色無もいるって言ったら一瞬で食いついt」

青「そ、そんなことない!!」

赤「う〜ん、夜はさすがに涼しいねぇ!」

緑「あんたタンクトップだと蚊にくわれるわよ」

赤「大丈夫、虫除けしてあるから!」

紫「…………」

黄緑「怖いの?」

紫「………うん」

黄緑「…ねぇねぇ、見てごらんあの水色ちゃんの決意に満ちた目」

紫「……?」

黄緑「じっと色無くんのこと見つめて………。あの意味がわかる?」

紫「……!」

黄緑(よし、これでこの子にもやる気が出てきたわねwww)

灰「お〜ば〜けさ〜ん、出っておいで〜」

桃「灰色ちゃんもしかして全く怖くないの?」

黒「違うよピンク、こいつには怖いという概念がないんだ」

灰「凶暴化したお姉ちゃんに比べればこんなもの〜」

黒「……こいつ…私が暴れられないからって…」

白「あれ?そういえば緑ちゃん、肝試しなんて出ちゃって大丈夫なの?」

緑「肝試しなんて歩くだけでしょ。怪談より数倍マシよ」

男「よ〜し!!じゃあペア決めしよう!」

橙「この割り箸で決めるよ〜。割り箸の先に番号が書いてあるから、同じ番号を引いたものどうしがペアね。さ、誰からでもいいよ〜」

男「オレンジが最後ってことか。なら俺その前でいいや」

赤「じゃあ私引く!……これだ!あ、やった1番だ!!」

緑「最初の一人なのに『やった』の意味がわからない……あ、4番」

黄「私5ば〜ん!」

水「2番です…」

灰「1ば……いや3番だったなぁ」

男「引きなおすな!!」

灰「1番だよ……厄介なやつとなったな…熱血は苦手……」

赤「灰色ちゃん頑張ろうね!」

灰「………何を?」

黒「…3番」

紫「えと、6番」

黄緑「4番……ってことは緑ちゃんとか。よろしくね」

緑「よかった黄緑で。よろしく」

茶「2番だぁ。水色ちゃん頑張ろうね!」

水「は…はい!」

白「(水色ちゃん、ちょっと残念そうに見えたなww)…ん、7番だね」

薄黄「えぇと……5ば

黄「よろしくぅクリームちゃん!!」

薄黄「うぅ…また食べられちゃう……」

桃「3番。黒とだね」

黒「そだね」

青「7番…白ちゃんか」

白「頑張ろうねww」

男「んじゃ次は俺かなぁ……っと、6番か。誰だったっけ?紫か」

紫「…………!!」

水「あ…」

男「?どうした紫?」

紫「な、なんでもないっ!」

橙「じゃ、じゃあ私は…8番か。余っちゃってるけど…誰と?朱色さんと?」

男「いや今回朱色さんと群青さんには、道程のおばけ役とかやってもらってるんだ」

橙「なら誰と?まさかほんとにあまりとか…」

男「たぶんそろそろ来るはz……」

?「待たれい!」

橙「うわぁヤツかよ……。っていうかもう正体わかってるんだから、名前のところをいちいち?にするなっての!」

侍「むむ、そうか。それにしてもこのような席に某を呼ばぬとは(ry」

男「さ、それじゃ始めるか。ろうそくを持ってって、お堂に置いてあるろうそくから火をもらって消さずに帰ってくるのがルールな。順番は番号順で。まずは1番から」

赤「ほいじゃ、ぱぱっと行ってくるよ!!」

灰「…あぁ〜……赤に体力吸われてる気がする〜……」

橙(……おかしいな……私が色無とペアになるように)

黄緑「細工しといたのに、って?」

橙「うわ、黄緑!」

黄緑「あんな細工ばればれですよwだから私が普通に戻しました。みんなにチャンスがあるように、ね」

橙「あら〜、黄緑には嘘つけないわwww」

灰「……もう少しスピード落とそうぜ〜…」

赤「もう疲れちゃったの?まったく、普段ごろごろしてるからだよっ!」

灰「いや、それもあるかもしんないけどさぁ、肝試しだよ?登山部じゃないんだよ?森の中走らなくても」

赤「それもそっか。じゃ、歩こ」

赤「あ、ほら、カブトムシが!うわ、これなんて凄くおっきい!」

灰「………肝試しじゃなくなってるよぉ〜…。朱色さんたち、早く驚かしてくれないかなぁ…」

赤「このへんの木にはたくさんカブトムシいるなぁ。…あ゛………」

灰「ん?どうしt………」

赤・灰「ギャー!!!!!」

黒「あ、帰ってきた」

青「意外と早かったのね……ってろうそくに火ぃついてないじゃない」

男「帰ってくるときに火が消えちゃった場合、またとりにいくことになってるよ?」

赤「もういいの!じゃあギブアップでいい!!」

灰「っていうかお堂までたどり着いてないし!!出たの!顔が割れてたの!!」

黒「灰色がこんなに興奮するなんて……そこまで怖いものなんて存在するのか?」

茶「これは朱色さんたち、かなり気合入ってるっぽいね。じゃあ次私たち、行こっか水色ちゃん!」

水「う、うん」

水(色無くんと一緒だったら……ううん、そんなこと考えちゃだめ!茶色ちゃんに失礼!)

茶「水色ちゃん?」

水「あ、なに?」

茶「実は私だいぶ怖いんだけど……水色ちゃんはこういうの平気なの?」

水「まぁ……実家が田舎だったからこういうとこ毎日のように通ったし…」

茶「そうなんだぁ!!じゃあさ、くっついてていい?頑張ったんだけどね、やっぱり私ヘタレだったwww」

水「そ、そんなことないよ!普通は怖がるって!」

茶「ついちゃったねぇ。あ、これかな?よし、火ももらったし、帰ろっか!」

水「……………あ…あ」

茶「…?水色ちゃん?私の後ろに何か……」

茶・水「キャー!!!」

黒「あ、帰ってきた」

緑「さっきと同じような帰り方ね。

茶「もう、む、無理!!」

水「怖かった…怖かったぁぁ!」

男「うぉっ!?ちょ、ちょっと水色ちゃん、抱きつかないで落ち着いて!!」

水「…あ…ごごごめんなさい!!」

男「ろうそくの火はなんとかついてるから大丈夫だけど、何があったの?」

水「顔…顔が割れてる女の人が…」

橙「またそれかぁ。どんだけ怖いんだろ?www」

桃「よっし黒、行ってこよ?」

黒「うん」

男「帰ってこないな……どんなに時間かかっても30分もすりゃ帰ってくるはずなのに…」

橙「とりあえず次の人たち出発させちゃえば?そのうち帰ってくるでしょ。迷うような森でもないしさ」

男「……だな」

緑「黄緑、行こう」

黄緑「緑と二人っていうのも久しぶりだねww」

緑「……行くよ」

男「か……帰ってこない……こりゃあさすがに何かあったんじゃ……」

橙「…大丈夫!きっと朱色さんたちの仲間になって私たちを驚かすつもりなんだよ!!」

男「そう…かな…」

黄「次私たちだし、確認してくるよ!」

薄黄「そうですね……心配ですし」

黄「たっだいま〜……ってあれ?何事もなく帰ってきちゃったよ?」

男「ほんとだ…何かなかったのか?」

薄黄「うぅ…黄色ちゃんに何回か食べられたぐらいで…」

男「おかしいな……じゃあ黒たちはどこに行っちゃったんだ?」

紫「色無、次私たちの番だし、本格的に探してみようよ?」

男「うん、そうだな。じゃあ行ってくるよ」

男「……あんまりひっつくなって…」

紫「…怖いんだからしかたないでしょ」

男「まったく、まだまだこどもだな」

紫「ちっちゃいゆーな!」

男「なら少し離れてもらえる?」

紫「…う……」

男「離れないのかww」

紫「……色無のばか、意地悪!」

男「ごめんごめん、やりすぎたな。いいよひっついてて。ともかく黒たちを探さなきゃだもんな〜」

紫「……ねぇ色無、あれ、何?」

男「ん?……あれは…懐中電灯の光?」

男「なんでこんなとこに懐中電灯が落ちてるんだ…?」

紫「これ……黒の懐中電灯だ」

男「え?」

紫「灰色が懐中電灯2つ持って遊んでるときに見た。一つはお姉ちゃんのだ、って……」

男「じゃあ……黒はこのあたりで何かあったってことか?」

紫「たぶん………(ぎゅっ」(色無に強くひっつく)

男「……………」

紫「……………」

男「……もうこのへんには誰もいないみたいだな。とりあえずお堂まで行ってみるか」

紫「うん……」

男「結局お堂にも何もない、となると……あいつらどこ行っちゃったんだ?朱色さんたちも見かけないし…」

がしゃ がしゃ がしゃ がしゃ

紫「!!色無!」

男「うん、なんか近づいてくるな。静かに」

がしゃん がしゃん がしゃん がしゃん

侍「黒、ぴんく、緑、黄緑〜。いるのなら返事をなされ〜!」

男「侍かよ!!」

橙「ごめん、なんとなく怖くなったから早めに来ちゃった」

男「そっか。……その様子じゃあそっちも見つけてないみたいだな」

橙「ほんとどこ行っちゃったのか…」

紫「さっき、これ見つけたの」

橙「懐中電灯?」

男「これ、黒のヤツらしいんだ。もう少し先のところに落ちてた」

侍「……ただ事ではない予感がするぞ」

紫「うぅ……なんかいるような……」

男「なんもいないから大丈夫だよ。……やっぱりひっつくのは歩きづらいからやめてくれるか?手ぇつないでやるから」

紫「うん……」

橙「ずる〜い!!私とも手ぇつないでよぉ!」

男「そしたら懐中電灯持てないだろうが!!っていうかお前は明らかに怖がってない!」

侍「そもそも江戸時代の日本でも霊の存在とは万人に信じられていたのであってな」

男「う〜ん……どうしよう、どこ探せばいいんだろう」

橙「とりあえずもう一回お堂のほう行ってみない?どこか隠れてるかもしれないし」

男「だな。行ってみるか」

侍「イタコが山という山にいた時点でその信憑性は確たるもので」

紫「ねぇ……やっぱりなんかいるよぉ……」

男「…ん?どこに?」

紫「…そこ」

橙「あ、草むらが揺れてる。モンスターか!?」

男「猫とかじゃないのか?」

侍「霊を斬りに行くと言い出した武士が何人も集い、」

紫「でも……猫にしちゃあ草むらの揺れ方おかしくない?」

男「確かに…………。い、いや気にしちゃだめだ!先を急ごう!!」

橙「なぁに色無、怖がってんのぉ?ww」

男「怖いわんなもん!!早く行くぞ!!」

紫「わ、走らないでよぉ色無!!」

橙「色無可愛いなぁwwww」

侍「と、こうして退治物語は完結するのだ。…ぬ?色無たちは何処へ?」

男「ついた……」

橙「見てぇほらヘビがいる!!」

男「危ないから!!指出すなって噛まれるぞ!!」

侍「とぉう!!」

バサッ

橙「あぁっ!?」

侍「蛇は昔から邪なるものであった。実際蛇には毒を持っているものも多いし」

男「だからっていきなり斬るなよ!!っていうか結構グロイから!!見ちゃだめだ紫!(紫の目を手で覆う)」

橙「あ、私にもそれやってよ〜wwww」

男「だからおまえ怖がってないだろ!!」

橙「けち〜」

男「侍、精神的有害だからそれ向こうにやってくれよ!!」

侍「むぅ……血抜きした蛇は種類に関わらずうまいんだぞ?もったいない…」

男「食うな!!……っていうか…結局ここにもあいつらの姿は見当たらないけど?」

紫「色無……あそこ、あ、足が」

男「お堂の裏…?」

男「黒!ピンクも緑も黄緑もいるじゃんか!!よかった無事で……」

橙「でもなんで気絶してるんだろう……」

「……ろ……くろ……黒!!」

黒「…色無……?」

男「黒……いったい何があったんだ?」

黒「何がって…私なんでここに?あぁ、肝試しだったっけ。……思い出した、顔の……」

男「……?」

黒「顔の割れてる女がいた」

男「顔の割れてる……女?」

黒「……私にはそうとしか表現できないけど……でもその表現が一番ぴったりだと思う。ねぇ?」

桃「うん……それであの女を見てから……記憶がないってことは、そこで気絶しちゃったのか…な?」

黒「……たぶん」

紫「色無、いま緑たちも起こして話聞いてきたけど、黒たちと同じようなこと言ってるよ」

男「そうか……。いったい何が起こったのかはわからないけど、とにかくみんな無事なんだな?」

橙「ちょっと色無何言ってんの!」

男「あ……そうだ、朱色さんたちはどうした!?」

黒「あぁ、朱色さんと群青さんなら途中で会ったよ。驚かしてきたけど、全然怖くなかったなぁ」

桃「朱色さんが待ち時間にお酒飲んで酔っ払っちゃったらしくてさ、群青さんがおぶって寮に帰ったよ?みんなに謝っといてくれって群青さんが」

男「そっか……ならあの人たちはこの件には関係なさそうだね。でもよかった、これで全員の無事が確認できたよ」

侍「うひゃっ!?」

男「どうした!?」

侍「鎧の中に……虫が…虫が入ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!」

男「それじゃあ、スタート地点に戻ろっか。いつまでもこうしてても意味ないしね」

橙「肝試し中に謎の失踪事件……そしてそれには顔の割れた女が関係している…?……予想外だったけど、なかなかおもしろくなったじゃんwwww」

緑「……不謹慎」

侍「虫がぁ!虫がぁぁぁぁ…ひゃ!?そ…そこはまずいっt……ひうっ!!」

橙「ほんと昨日はありがとねおじさん。私有地使わせてもらっちゃって」

叔父「なに、安いもんだよ。楽しめたかい?」

橙「そうね、楽しめたけど、ちょっと怖い出来事もあったんだ〜」

叔父「怖い出来事?」

橙「そう、顔の割れた女が出た、っていう子がたくさんいてさ。も〜、このへんおばけ出るんだったら最初っから言ってよね!」

叔父「…?このあたりには墓地はないからねぇ…霊のうわさも聞いたことないけど」

橙「……マジで?」

叔父「あ、もしかしたらあの人かな?オレンジちゃんが色無くんって子と二人っきりになりたいって言うからさ、肝試しのスペシャリストに依頼してあげたんだよ」

橙「すぺしゃりすと?」

叔父「私の友達の娘だったから、ただで引き受けてくれたよ。その人がやりすぎちゃったのかもしれないな。軽いヒトダマ程度って聞いてたんだけど…」

橙「スペシャリストか……いったいどんな人だろ?」

乳白色「突然だが」

オトコ「…ん?うわっ!!!!!!〜〜〜〜びっくりしたぁ!!」

乳白色「可愛いお面だろう?私の妹だ」

オトコ「毎度のことながら意味がわからんよ……。あそだ、昨日初めてのバイトだったみたいじゃん。どうだった?っていうか何の仕事?」

乳白色「今回の任務は………Cマイナスといったところか」

オトコ「いや……どんな任務?」



黄「うっわーっ。これは無理だわ……」

橙「あたしもこれはちょっと……いくら色無だからって……」

赤「うわ……凄い……」

茶「はぅ、はぅぅ」

青「最ッ低ーね、色無」

緑「過激ね……」

桃「……この女の人、わたしよりも大きい……」

黄緑「色無さんはこういうのが好きなんでしょうか……」

紫「いっ色無の馬鹿ぁあああっ」

黒「色無がこんな趣味なんて意外ね……白と水は見ないの?」

水「ひいいいっ! わたしはいいですっ!」

黒「そっか、そういえば水が掃除してて見つけたんだっけ……白は?」

白「わっわたしはいいよ……」(わたしあんなことできないよ……どうしよう……)

色無「あっあーっ!!!!巨乳の文字につられて間違えて買ったSM誌が無い!!!

あんな物捨てるに捨てられなかったから隠しておいたのに……あんなのがバレたらトンでもない事に((((~;゚Д゚)))ガクガクブルブル」


白「それで、水色ちゃん、どうなの?」

水「え……うん、まぁ……」

白「まぁ?」

水「好き……だけど…」

白「……やっぱりね。そうだと思ったの」

水「…もうみんな知ってるよ?」

白「え?そうなの!?なぁんだ、私気付かなかったなぁwww」

水「……でも、色無君は大人気で…」

白「そうだね、すごいよねぇ。まずはオレンジちゃんでしょ?それに紫ちゃんピンクちゃん、あとたぶん黒もかな。朱色さんと群青さんもいたね」

水「そ、そんなにいたんだ……」

白「でも大丈夫だよ?水色ちゃんなら」

水「え?」

白「私が入院してるとき、いっつもお見舞いに来てくれたでしょ?おかげで黒か水色ちゃんが必ずそばにいてくれて、退屈しなかったから」

水「うん……」

白「優しさでは絶対一番!!私が証明する!!それにじゅうぶん可愛いし」

水「白ちゃん……///」

白「あとは少しの勇気だよ。絶対うまくいく。応援してるからね、私!」

水「あ……ありが

朱「こぉらぁ色無ぃぃ!!そんな猥褻な本を寮に持ち込んでいいと思ってるのかぁ!!」

男「こ…これは友達に渡されてぇ!!」

朱「そんな言い訳が通用するか!待てぇ!!」

白「…………ちょっと不安になったから聞くけどね、ほんとにあれでいいの?」

水「…………」


男「ただいま帰りましたー、っと……ん?」

橙「……」

朱「……」

男「な、なに?なんでそんなに神妙な顔をしてるんですか、おふたりさん」

橙「………これ」

男「は——ッ!!!!!そ、それって、……ななな、なんでそんなモン持ってるんだよ!!?」

朱「……」

橙「……」

男「あ、いやそれ、は、あの……えっと、ですね………」(うう……なんたるザマだ。絶対にバレないところに隠したつもりだったのに……)

橙「———ぷっ」

朱「くっ、くく……あはははは!! ダメだ、我慢できない!」

男「……は?なッ、え?」

橙「色無、顔真っ赤だよ?それに、いくらなんでもビビりすぎだってば、もう。あははっ」

朱「まさかエロ本一冊でここまで面白い反応をするとはね。くくくっ、今の顔は一生忘れられないよ!」

男「………いや、あの。えーと……なんか、その反応っておかしくない?」

橙「え、なにが?」

男「いや、自分で言うのもなんだけど……もっと、つめたーい目で見るのがフツーかなと」

朱「はぁ?たかがエロ本ごときでアンタを軽蔑するとでも? どう、オレンジ?今の意見について」

橙「私ですか?んー、朱色さんと同じということで問題ないですよ。健全な男子の証拠ってことで、ね?」

男「………」

橙「あと付け加えるなら、写真なんてつまらないモノより、私を頼れってことぐらいです。そういう意味ではちょっと怒ってるかなぁ」

男「ぶッ!!なな、なにを!」

朱「あぁ、それはそうだね。さすがねオレンジ、もう義妹にしたいくらいだわ。 まぁ、そういうことで色無クン。もう二度とこのテのモノは買わないように」

男「——いやちょっと待てッ!その理屈は限りなくおかしいだろッ!!」


黒「黒よ。黒ったら黒よ!」

緑「……違う、緑」

無「おいおい、珍しいな、お前ら2人がもめるなんて」

黒「だって、緑ったら!」

緑「黒が間違ってる」

無「いったい何のことで言い合いしてるんだ?」

黒・緑「来年のスーパー戦隊の配色」

無「………はぁ?」

黒「赤青黄桃は必ず出るでしょ。残り1色のことよ」

緑「…黒は今年もう出てる。だから来年は緑」

黒「あら。じゃあ去年はどうだったかしら? デカ、マジ続いてグリーンだったでしょ? なら今度は黒が続く番よ」

無「……好きにしてくれ」


赤「イロエンレッド!」

青「イロエンブルー!」

黄「イロエンイエロー!」

桃「イロエンピンク!」

黒「イロエンブラック!」

緑「イロエングリーン」

黒「なっ! だからあんたは敵役だっていってるでしょ!」

緑「敵なら黒のほうがそれっぽいでしょ。私が5人目よ」

黒「なんですって!」

緑「……何よ」

無「あのさー。思ったんだけどどっちかが6人目のテコ入れヒーローでいいんじゃないのか?」

黒「テコ入れだなんてイヤよ、そんなとってつけたようなキャラ!」

緑「メインより出番が少ないからイヤ」

無「でも6人目は5人よりも強いのが定石だろ?」

黒・緑「!」

黒「じゃあアタシが折れて6人目ってことでいいわよ?」

緑「私が6人目をやる。ドラゴンレンジャーだってシュリケンジャーだって緑色」

無「……今度はそうくるのか」

橙「でもさー、6人目が強いのって最初だけだよね」

黒・緑「!!」

無「ああ、余計なことを……」

以下エンドレス。


男「あちぃぃ〜〜」

赤「だらしないぞ。色無」

男「だって暑いんだも〜ん」

朱「そこで提案がある」

黄緑「せっかくの夏だから色々やらないと。ねぇ、色無クン?」

男「提案って何?」

朱「ズバリ!」

朱「名づけて『夏バテをふっ飛ばさせる!虹色バーベキュー』だ!」

黄緑「というわけで色無君は荷物運びをしてほしいの」

男「やっぱりそうなるのかよ!」

朱「色無!遅いぞ!」

黄緑「早くしてくださいね。皆待ってるんですから」

男「ハァ ハァ ハァ   死ぬ・・・」

橙「色無マダー?」

黒「白は日陰で休んでろ。無理はするなよ」

白「ありがとうございます」

緑「・・・」

黄「にーく!にーく!」

青「時間なくなっちゃうじゃない」

赤「だらしないぞ!色無!」

朱「おーい!色無はもう少しで来るからもう少し待ってくれー!」

黄緑「あらあら、皆楽しそうねぇ」

男「ハァ・・・ハァ・・・」(ドサッ

男「やっと着いたぁ〜」

朱「お疲れさん。でもお前の仕事はこれだけじゃないからな」

男「ちょ・・・朱さん・・・・・・それ・・・ひど・・・」

黄緑「じゃあ色無君も来たことだし始めましょうか」

朱「そうだな」

朱「ゴホン!『夏バテをふっ飛ばさせる!虹色バーべキュー』開始!」

朱「おい!そこ!肉ばっか食うな!野菜も食え!」

朱「あぁ!そっち焦げてるよ!」

朱「まだ肉も野菜も残ってるから慌てるなよー!」

黄緑「あらあら、朱さんも大変ねぇ」(モグモグ

赤「おい黄!それは私の肉だ!」

黄「違うよ!これ私のだも〜んだ!それに赤はさっきから肉しか食ってない!」

赤「私は体動かしてるからそれなりのエネルギーが必要なんだよ!」

黄「とにかくこれは私のだからね!」

橙「なあ緑、野菜だけじゃなくて、肉も食えよ。遠慮しないで、さ」

緑「野菜でいい・・・」(モグモグ

黒「ほら白、食え」

白「別にいいよ私小食だし・・・」

黒「だったらなおさらだ。しっかり食べないから駄目なんだ。白はちゃんと栄養を取れ」

白「でも黒さんの分が・・・」

黒「私は大丈夫だ。だから食べるんだ」

白「・・・」(モグモグ

青「朱さーん!肉なくなったー!」(モグモグ

朱「青も肉ばっか食ってないで野菜食え!ほら、緑を見習うんだ!」

男「緑はもう読書を始めてるけど?」

朱「え・・・?」

黄緑「色無君もお肉食べたら?」

男「いや、そこまでする体力がない・・・」

黄緑「じゃあ、あ〜ん」

男「あ〜」(モグモグ

男「・・・確かにうまいな」

黄緑「おいしく焼けてるでしょう。疲れてるならなおさらだわ」

男「よし、食うか!」

黒「白!もっと食べるんだ!」

白「もう無理だよ・・・」

黒「頑張れ!ほら、肉だぞ!」

白「肉はもう食べあきたよ・・・」

黒「むむぅ・・・」

橙「緑、肉焼けてるぞ」

緑「いらない・・・」

橙「いらないのね?じゃあ私が全部・・・!」

黄「もーらいっと!」(モグモグ

橙「そ、それは私がじっくりと育ててきた肉・・・!」

橙「黄、覚悟しなさい!」

黄「ひぃ〜〜〜〜!」

赤「青、野菜はどこへ消えた?」

青「さあねぇ〜♪」

赤「食ったな?」

青「し、知らないなぁ〜」

赤「苦労して山積みして一気に食おうと思ったのに・・・!」

赤「肉より野菜のほうが好きなのに・・・!」

青「あ、赤。せっかくのバーベキューなんだしもっと楽しく・・・」

赤「うるさい!」

男「オラオラオラオラオラオラオラ!」(シュバババババ

朱「色無!私の分を取るな!」

男「あ、ごめん!」(モグモグモグ

朱「貴ぃ様ぁ〜!私に何も食べさせないつもりかぁ〜!」

男「朱さん!そんなに怒らないで!今焼いてるの全部朱さんが食べていいから!」

橙「き〜い〜ろ〜」

黄「ガクガクブルブル」

赤「あ〜お〜」

青「ガクガクブルブル」

朱「い〜ろぉ〜なぁ〜しぃ〜」

男「ガクガクブルブル」

男青黄「ミギャアァァァァァァァァ!!!」

黄緑「あらあら、楽しそうですねぇ」

黒「白!しっかりするんだ!白!」

白「う〜ん・・・もう食べられないよ・・・」(ぐるぐる

黒(しまった!食べさせすぎてしまったか!どうしよう・・・)

    〜数時間後〜

橙「あ〜たらふく食った!満足満足!」

赤「今日のはいつになく美味かったな」

朱「肉も野菜もなくなったし」

黄緑「ここでお開きにしましょうか」

朱「よし!バーベキュー、終了!」

緑「・・・人がゴミのようだ・・・」(ボソッ

男青黄「ばたんきゅ〜」

白「あうぅ〜」(ぐるぐる

黒「どうしようどうしようどうしよう」(あたふた

朱「色無!起きろ!」(ビシッ!

男「・・・」

朱「起きろ!」(ビシ!バシ!

男「う〜ん・・・」

朱「さっさと起きんかぁ!」(ビシ!バシ!バチン!

男「痛ってぇ!」

朱「色無、荷物運びだ」

男「・・・orz」

今日の緑の日記

『今日は皆でバーベキューをした。肉はあまり好きじゃないから食べなかったけど

その分野菜をたくさん食べたから満足。その後私は皆が騒いでる中「ラピタ」とい

う本を読んだ。面白かったからつい夢中になってしまった。

 朱にこき使われる色無がかわいそうだった。もう少し優しくしてもいいと思った。

 追伸 また皆で何かやりたい』


黄緑「うん、似合ってるわ」

紫「そう……かな?」

黄緑「やっぱりぴったりだったわね。でもごめんね、私のお古で…」

紫「ううん、すっごく嬉しいよ!! だってこんなに綺麗じゃん!!」

黄緑「…よかった、気に入ってくれて。じゃあ、色無君に見せにいこっか?」

紫「!……もう見せるの?」

黄緑「だって……一緒にお祭り行くんでしょ?始まっちゃうよ?」

紫「……そっか。じゃあ黄緑も一緒に来て…?」

黄緑「はいはいww」

紫「色無……どう、かな?」

男「どうって……すごく似合ってる…かな///」

紫「……ほんと!?」

男「うん……まさかこんなに似合うとは思わなかったよ」

紫「ぇ…そんなに///」

男「これぞまさに馬子にも衣装ってやつだnぐはぁ!!」

紫「ばか色無!!さっさと行くよ!!」

男「あ、ちょい待ってよ〜!」

黄緑「……色無さん」

男「ん?」

黄緑「……食べちゃだめですよ?www」

男「しないよ!ってか出来ないよ!!」

黄緑「よかったwwだって食べちゃいたいのは私も同じですもんw」

男「…黄緑さん、冗談ですよね?」

黄緑「さぁ…どうでしょうww」


水「うぅ……」

茶「色無くんと、海……行きたかったなぁ……」

水「うん……でも……」

茶「……こんな、ぺたんこ……見せられないよね……」

水「色無くん、おっぱいおっきい人が好きみたいだし……」

茶「そういえば、この前見つかった、その……いわゆる、ああいう本でも……そうだったよね」

水「やっぱり、オトコの人ってそうなのかなぁ……」

茶「……」

灰「………おっぱいがおっきいからってぇ……」

水「ひゃぁあああッ!?」

茶「はは、灰色ちゃん!?ななななんでわたしのベッドから出てくるの!?」

灰「ふふふ。拠点はなにもひとつではないのだよ……。 ところでなに?さっきのしょんぼりオーラ……」

水「しょ、しょんぼりおーら……?」

灰「落ち込みまくりのへこみ過ぎな二人から発生していた真っ黒オーラ。姉様とは正反対の黒だったけど」

茶「う……だ、だって」

灰「ところで、色無のカバンを漁ってたらこんなの出てきたよ。ほい」

水「い、色無くんのカバンを……? ……………ッ!!!」(ボッ

茶「こここここ、これって……え、えええええッ!?どど、どこ見ても、ぺたんこばっか……だけ、ど……こここ、これ……」

灰「……おちつけ。二人とも、鼻から血が出てるよ」

男(……………ん?さっきまでベッドがふくらんでたような気が……気のせいだったのかな?)

 「……あれ?カバンが空いて—————!!!!!? 友達が忘れていったあの裏本、どこいったッ!?」

紫「……」

男「なぁ、なんでさっきからそんなに睨んでくるんだよ。俺、なんかした?」

紫「うるさいッ!どうせ私はガキだもん!ピンクとか黄緑みたいにおっきくないもん!!」

男「……なにを今更。そんなこと分かりきってるじゃん」

紫「黙れこのバカぁッ!!」

男「………誰かに、比べられるのがイヤなのか?」

紫「……!」

男「みんなと海に行って、バカにされたり笑われたりするのが、イヤなのか?」

紫「……」

男「あのな。気にするなってのは無理かもしれないけど、それで拗ねるのは勘弁してくれよ」

紫「だ、誰も、すねてなんかないッ……」

男「オマエはオマエだ。他の誰とも違うんだ。みんながそういうふうだから、一緒に居て楽しいんだろ?」

紫「……」

男「ほら、顔上げろ。 大丈夫、オマエはオマエで可愛いし。だからな、ピンクや黄緑と比べることはないんだよ」

紫「ッ……! い、色無ッ……」

男「それにな。俺はそんなオマエが好きだぜ、紫」

紫「—————ぁ」

紫「………ぁ……? ……………ばかみたい………、……………なんて、夢……見てるんだろ、私……」

橙「ん?紫ちゃんからメール……参加する気になった?……ってことは、これで水色も茶色も紫ちゃんも来るんだぁ」~(……うーん、いったい3人になにがあったんだろう?)


紫「色無」

無「ん?どうした?あらたまって」

紫「あれが…来ないの」

無「あれ?あれって何だ?」

紫「もう…鈍いわね!!あれ以来生理こないのよ」

無「は?」

紫「どうしよう…赤ちゃん出来てたら」

無「えぇ!!(ちょっとまて!!俺…紫に何かしたか??という以前にここ最近紫とはあまり話してもいないし…)」

灰「くっくっく…色無が騙されたら後はこのドッキリ看板を見せるだけ…ヌカるなよ!!紫!!」

紫「(アイヨボス)責任…とってよね」

無「……」

灰「はいは〜いドッキリで…」

無「わかった…責任取って結婚する」

灰「…え?」

紫「色無…私…うれしい」

灰「…はい?ちょっとお二人さん?これはドッキリ…」

無「もう決めたんだ…気付いたんだ俺は紫が好きだ!!」

紫「色無…」

灰「ちょっと何いってるの?だ…だめだよぉ私は色無が…え?何キスしようとしてるの?」

無「…紫愛してるよ」灰「うわーんダメだよぉ!!」

パンッパンッ

灰「え?おねぇちゃん?」黒「フフッドッキリだよ(笑)」

紫「まだまだケツが青いのぅ」

灰「紫まで!?」

無「ハハハ…逆に騙されてやんの(笑)」

灰「い…色無」

無「そもそも俺は紫みたいちっちゃいのよりもっと胸の…ん?」

紫「い〜ろ〜な〜し〜」

無「うわぁ!!」

黒「…アホだな」

紫「死ぃねえぇぇ!!」

無「うわぁぁぁ!!」


無「さぁて、寮にもどるかな」

赤「色無君」

無「ん?」

赤(走りながら)「私を受けとめてくれー!!」

橙「そうはいかんざき!!」

赤「なに!?」

橙「あんたみたいなガサツな女に色無はわたさないわ」

赤「んだぁ、てめぇ」

橙「文句あるの?」

無(帰りたい……)

赤「てめぇみたいな(ピー)女は家に帰って色無でも妄想しながら(ピー)に(ピー)でも突っ込んで(ピー)してろ」

無(下ネタオンパレード)

橙「ばっ、馬鹿じゃないの!?すこしは恥じらいなさいよ!!ていうかキャラ変わりすぎよ!!」

赤「(色無を見ながら)とりあえず色無君は私と帰ろうね♪」

無「え、はい……」

赤「(橙をみながら)つうわけで俺と色無が帰るわけになったからな。今日は俺の勝ちだ」

橙「く、くやしい!!」

無(なんなんだ……)


男「おーい、そこにいる人たちー。今夜の晩御飯はなににしますかー?」

朱「ん? あぁ、好きに決めちゃってくれていいよ」

橙「私も特にないかなぁ。ていうか、色無が作るんだったら味の方は心配しなくてもいいしね」

桃「へー、そうなんだ。主夫なんだね、色無くんって」

男「うぐ……まぁ、本来ならそこでくつろいでる朱色っていう人がやることなんだけどな」

朱「あはははははは。いやー、色無くんってホンットにいい男だね!!」

男「朱色さん……まぁ、いいです。 で、何か食べたいモノは?メニューが思いつかないんで教えてほしいんだけど」

橙「えー。だからなんでもいいんだって」

桃「私も……うん。あえて言うなら、色無くんの得意料理とかかな?」

朱「そういうコト。適当でいいからさ、いつもみたいにちゃちゃっと作ってよ」

男「んー……まぁ、そういうことなら、オムライスでも作っておこうかなぁ……」

灰「……食べたいモノ、あるくせに」

朱「うおッ!!?」

橙「わぁ!?」

桃「ひゃあ!は、灰色ちゃん……え?ど、どこから出てきたの?」

灰「どこからって、フツーにドアから。 それより姉さん方、嘘をついちゃあいけねぇなぁ。いけねぇよ」

朱「嘘だって?」

橙「へぇ。じゃあさ、灰色。イマ、私たちが食べたいモノってなぁに?」

灰「野暮なことを言うねぇ。そりゃもう、アレしかないじゃん。ア・レ♪」

桃「……台所?あそこになにかあるの?」

灰「うーん、ボケともとれないボケをどうも。 そうじゃなくて、アレだよアーレ」

橙「……!……え、まさか……」

朱「……い、色無……の、こと?」

桃「—————ぁ」(ボンッ

灰(ふーん……この人たちもダイタンそうに見えて、意外とウブじゃん……うふふ、面白……♪)


紫「えー、これより第一回、どうにかして胸を少しでも成長させる会議を始めたいと思います」

水「よ、よろしくどうぞ」

茶「よろしく〜」

黄「よろしくぅ!」

緑「……何やってんのかしら、あの子達?」

男「さぁ?」

紫「じゃあまず、胸を大きくする方法について意見を出していきたいと思います」

茶「えぇと……牛乳飲んだら大きくなるって本当かなぁ?」

紫「……それならもう私やったんだけどなぁ……」

茶「そか……ごめんね?」

黄「なぜ謝るwww」

水「やっぱり、規則正しい生活……でしょうか?」

茶「ピンクさん、結構夜更かししてるよね?」

水「あぁ……そっか……」

黄「はいはいはい!」

紫「黄色さん、どうぞ」

黄「確かぁ、揉まれると大きくなるって聞きました!これは結構本当っぽいよ?」

紫「揉まれると……(誰に……色無?)」

水「大きく……(色無君……?)」

全員「……」

全員「……(ボンッ)///」

緑「あ、みんなショートした」

男「なんなんだ?」


ロビーにて

男「……ただいま〜」

朱色「おかえり〜」

橙「バイトどうだったぁ!?」

男「……」

重い足取りで階段を上る色無。

橙「あれ……まさかスルー?私いまスルーされた!?」

朱「どどんまいwwww」

橙「この胸元のがっつり開いた服でグラマラスな私をスルー……?許せない!!絶対に振り向かせてやる!!」

色無の部屋

橙「色無ぃ!ねぇ今日のバイトどうだったぁ?」

男「ん〜……あ〜……それなり……」

色無はベッドにうつぶせになり、顔だけ横にしている。

橙「(相当疲れてるのかな?)大丈夫ぅ?色無?」(甘えた声)

男「……一応」

橙「よ〜し、このオレンジちゃんが子守唄でも歌ってあげよう!」

オレンジは色無の顔に近づき、胸元を強調しながら歌いはじめた。

男「……本当にごめん、今日はもういい」

橙「……!!……そっか、ごめんね……」

がちゃ

橙「この私が……負けるなんて……っ!」(ダッ

灰「……なにあれ、オレンジどうしたの?」

朱色「バイト疲れの色無を癒してあげようとして失敗したらしいぞw」

灰「バイト疲れ……なるほど、これはいいこと聞いた」

灰「あ、水色ちゃん水色ちゃん」

水「ん?なぁに灰色ちゃん」

灰「あのね……ごにょごにょ」

水「……行ってきます」

水「あ、あの……色無くん」

男「……ん?あぁ水色ちゃんかぁ、どしたの」

水「えと……色無くんがバイトで疲れてるって聞いて……」

男「……誰から?」

水「……は、灰色ちゃんから……」

男「あいつ……そろそろ一回ガツンと言っとくか……」

水「そ……それで!」

男「あぁ、心配かけてごめんね。でもそこまで疲れてもないから大丈夫だよ。寝れば元気になるから……」

水「……そうですか?」

男「だから安心して。ありがとう。ちょっと一人にしてくれるかな?」

水「は……はい……(ガックリ」

がちゃ

水「じゃあ、しっかり休んでくださいね?」

男「ん。おやすみ〜(ヒラヒラ」

ばたん

水「今日の色無くん……何か冷たい……!!」(ダッ

灰「水色でも駄目か……」

灰「紫は……無理か」

紫「何か言った?」

灰「いや何も」

紫「言ったでしょ」

灰「言ってないです」

紫「教えなさいよ!っていうかなんで私だけいっつも呼び捨てなの!?年上なのに!」

灰「年上とか年下とかそんな概念にとらわれてる時点で青い青い」

紫「ちっちゃいゆーなぁぁ!!」

がちゃ

男「……うるさい」

紫「あ……ごめん色無……」

男「人の部屋の前で騒ぐなよ……って灰色いるじゃん。ちょっとこっちこい」

灰「え?いや私は……ちょ手ぇ引っ張らないで!助けて紫さま〜!!」

ばたん

紫「……いつもと雰囲気違う……?」

男「おまえはいったい何を言いふらしてるんだ……」

灰「いやぁ喜ぶかなぁと思って」

男「喜ぶも喜ばないも、俺は寝たいんだ。灰色ならわかるだろ?」

灰「(コクコク)わ……わかった!(目が怖い……」

男「そっか……ならほら、帰れ」

灰「え……?ベッド?」

男「入りな。呼んどいたから」

灰「?何もいちいち隠し通路から帰らなくても……ってお姉ちゃん!?」

黒「帰るぞ灰色。宿題やろうな?」

灰「助けてぇぇ!!」

男「……やっと静かになった……」(ボフ


赤「……あの人に違いないんだが……何かが足りない……何かが……」

橙「そういえばここから出る前に、何か言ってたよねぇ?屋根がどうとか……」

赤「……そうか、わかったぞ!だからあの人はあんな行動を起こしたんだ!!よ〜し、後は全員をこの部屋に集めて……」

黄「探偵さん、また集めて何するんですか?これは事故じゃなかったんですか?」

黄緑「そうよ!私たちだって予定があるんだから!」

白「まぁそう騒がずに。これから……ふにゃあ」

黄緑「探偵さん!?」

白(赤)「これから……ちょっとしたショーを見せようかと思いましてね」

黄「な……何をふざけているんだ!」

白(赤)「……というわけで……このトリックを出来るのはただ一人、あなたなんですよ!!青色さん!!」

青「!!」

黄「こいつが犯人なわけないだろう!」

青「そ、そうよ探偵さん!そのトリックをするには部屋に行かなきゃいけない!でも私はあなたたちと一緒にいたでしょう!?」

白(赤)「そう……アリバイはある。それこそが、盲点だったんですよ」

男「……何してんの?」

橙「暑いから探偵ごっこ」

黄「吹雪で外に出れない山奥のペンションって設定!!」

男「あぁ、そう……」


朱「暑い……」

無「ならその熱視線やめてください」

橙「熱いよぉ……」

無「一文字違うだけでさらに暑苦しくみえるからやめて」

朱「脱いでいい?ってか脱ぐ」

橙「なら私も脱ぎますぜ先輩」

無「なら私出てきます。今なら絶対外の方が涼しく感じるはず」

ガチャン

黒「やぁおはよう」

無「爽やかに振る舞うのはいいけど上下黒のズロースをどうにかしてください。ここ廊下よ?」

黒「いいか色無、黒というのはな熱を吸収す」

無「あーはいはい。喉渇いた」

無「だからなんでタオル一枚なんだよ!」

赤「暑いじゃん」

無「違うだろ!ツッコミどころ満載」

紫「赤ーコーラくれぇ」

無「家でスク水着てんなあ!」

茶「私に麦茶くださーい」

無「だっ、なんでパンツ……いつものことか」

赤「色無はなに飲みにきたの?」

無「……あー俺も麦茶」

紫「なぁ……この水着どうだ?」

無「あー生き返ったー。赤サンキュ」

紫「なぁおい?どうよ?」

無「んぁ?スク水?あー普通」

紫「もっとましな」

桃「あぁ色無さん。おはようございます」

無「貝殻ビキニ!?」


『DeadLine』

ある日の朝。

 俺、色無がコンビニから帰ってくると小さな影がとてとてと走り寄ってきた。

 紫だ。

「色無、英語の課題、最後の問題やったー?」

「あー、すまんがやってない」

「そっかー、ごめんね」

 ふと、俺は疑問に思った。まだ夏休みは半分も過ぎてない。答えを他人に聞くような時期ではないはずだ。

「なあ、紫」

「ん、何?」

「課題提出って……夏休み終わってからだよな?」

「え、それ本気で言ってる?」

 聞きたくもなかったが、紫の口から放たれた言葉は予想通りのものだった。

「明日、夏期補習でしょ。一時間目の最初に提出だよ」

 こうして俺、色無の挑戦が始まった……———

「これから第一回色無救済会議をはじめます」

 橙が宣言するとその場に居た数名が厳かに……いや、ニヤニヤしながら色無に視線を向けた。

「明日提出するのは国数英の課題の一部……プリントだけど色無、どのくらいできてる?」

「数学は半分、国語と英語は全くできてません……」

 俺が談話室のなかで一人身を小さくしていると、ついに耐え切れなくなったのだろう、赤と紫が笑い出し、それにつられて皆が笑い出した。

 俺がますます小さくなると、不意に黒が机を叩く。

「はいはい、笑うのはそれくらいにしときなさい。それより、どうする?」そこまで言うと黒は一つ間を置いて俺に視線を投げかけた。「写させるという意見が出たら、私は即刻異議を唱えるつもりだけど」

「あ、それは賛成」赤が賛同する。「ボク達が苦労したのに色無だけが楽してちゃ、ねえ」

「そうですね、勉強にもなりませんし」

 と、これは黄緑。

 ……ちっ、あわよくば写させてもらおうと思っ——。

「な  に  か、言ったかしら?」

「いえ、何でもありません……」

 黒に凄まれて、俺はさらに小さくなるしかなかった。

「今十時か。登校時間を考えると、明日朝七時には寮を出なきゃならないわね」

 黒が時計を睨みつける。

 AM~10:00

 タイムリミットまであと二十一時間

カリカリ、

 カリカリカリ、ゴシゴシ、

 カリ……

「ストップ。そこはその公式だと時間がかかりすぎるから、y=xのn乗を導関数に直して……」

「ああそっか。ありがと、黒」

「礼には及ばないわ」

 会議によって出た結果は『とにかくがんばる』という極当然のものだったが、一人でやっていると永久に終わらないだろうという配慮により、黒・緑・紫が交代で俺につくことになった。

 さぞめんどくさがるだろうと思いきや、黒はいつもどおりしれっとしてるし、青は邪悪な笑みを浮かべてるし、紫は……違う意味で裏を感じる笑みを浮かべていた。

黒『まあ、任されたからにはやれるだけやるか』

緑『……』

紫『勉強中は色無と二人っきり♪』

 それぞれの思惑を含みながら、勉強は始まった。

「……よっしゃ、数学完成!」

「さて、お昼時ね。食堂に行きましょうか」

「そだな。腹減った」

「あら?」

 食堂に半分足を進めた黒が疑念の声を上げる。

「どうした?」

「誰もいないみたいね」

 俺も食堂に入る。

「本当だ……」俺はホワイトボードを見た。「……ほとんど部活か買い物だな。まったく、人が勉強してるからって留守まかせやがって」

「まあまあ。……仕方ない。私の手料理でも食べさせてやるか」

「……」

「どうしたの?」

「黒って料理できるのか?やたらと几帳面にやった上に黒焦げにするイメージがあるんだが……」

 そう俺が言うと黒は、

「失礼なことを言うんじゃない」といって、右手を振りかぶった。

「……」

「ま、まあ落ち込むなって。こんな日もあるさ」

 目の前の皿には黒が作り出した……それこそ黒い塊が鎮座していた。

 卵焼きらしいんだが、どうすればこんなに焦がせるんだろう?

「それにほら、こんな見てくれでも実はむちゃくちゃおいしいかもしれないじゃないか!」

 黒は端で塊の一部を取り上げた俺をじっと見た。

「やめなさい。そんなもの食べると腹壊すわよ」

 しかし俺はその言葉を無視し、パクリ、と黒塊を一口に食べた。

 黒がこちらをじっと見ている。

「おいしい?」疑念のまなざし。

「……おいしいよ」

 眼に涙を浮かべてこんなことを言っても何の説得力もなかっただろうが。

 黒はふっと笑って「やはり君は優しいね」とつぶやいた。

「昔から色無はそうだった。いじめられてる子がいればその子をかばって、つらそうな人がいればその人を慰める。自分が傷つくことなんてお構い無しでさ」

「そのせいで損ばっかりだったけどな」

「そのくせそうやって自分が褒められるとすぐに茶化す。……人のことを誰よりも見てる優しい人、それがあなた、色無よ」

「褒めすぎだって」

「いいえ、そんなことないわ。……私は、私はそんなあなたがs———」

「たっだいまー!」

 黒の言葉を遮ったのは橙の威勢のいい声だった。

「みんなで差し入れ買って来たよーって、もうお昼ご飯食べてるんかい!」

「お帰り、みんな」

「……(少し血迷ったかしらね)」

「で、黒、何だって?」

「なんでもないわ」

 黒はいつものしれっとした顔で——いや、いつもより少しだけ優しく微笑んだ。

PM~1:30

タイムリミットまであと十七時間三十分

午前中の黒といい、今教えてもらっている青といい、やはり横に誰かいると違うものだ。なんというか、緊迫感がある。

 じ—————っ。

 カリカリカリ。

 じ—————っ。

 というか、なんか威圧感が……。

「あ、あの……」

 じ—————っ。

「み、緑?」

「……何?」

「あ、いや、さっきからじーっと見てるだけだから飽きないのかなあと思ってさ」

「そんなことないよ。君の解答を見てると非常に面白い」

「そ、そうかな」解答見て面白いってことはないと思うけどなあ。

「面白いよ。古典なのに『念ず』を念じるととってたり、『つとめて』を朝と読んでたり……あ、『え取らず』を絵を取らないって訳すのは非常にユニークだと思うわ」

「ま、間違えてるなら言ってよ」

 そう、俺は……国語、特に古典が大の苦手なのだ。単語の意味は覚えられないし、文法事項という単語を聞くだけで頭が痛くなる。おまけに今回の課題で最も多い量を誇るのが国語課題なのだ。

「すまん、緑。ここの意味が取れないんだが……」

「どれどれ。ああ、『あだなる』はあだなりの連体形で儚いって意味。あと、ち……」そこまで言って緑の言葉が途切れる。

「ん、どうした?」

「た、たまには自分で調べなさい。辞書あるんだから」

 そういう緑の顔は真っ赤だ。

「それもそうだな。えと……『契り』——男女の交わり……って何だ?」

「わ、わわわ私に聞くな!分かんないならそのまま書いて次に進みなさい!」

 何なんだいったい。と、疑問には思ったが、逆らうと怖そうなのでそのまま続ける。

 カリカリカリ

「なあ、さっきの『男女の交わり』って……」

「しつこい!」

 結局国語が完成したのは七時が過ぎたころだった。

PM~7:00

タイムリミットまであと十二時間

英語の担当は紫だった。

「あ、ここ違う。間接話法のときは基本的に時制を一致させるけど、これは歴史上の事実だから……」

いや、紫だから別にどうということもないんだが……

「あっ、馬鹿。助動詞の後まで過去形にしちゃだめでしょ?」

「……紫」

「何?」

「お前、見かけの割に俺より勉強できるんだな」

「それはちっちゃいってことかな?へー、ふーん」

「いや、待て、冗談だからシャーペン握り締めるな。ちょ、あぶなっ……いてえっ!!」

「もう九時か……なかなか終わらないね。早めにでかしといてよかった」

「あてつけか?」

「先生の話聞いてない色無が悪いの。それより早く手を動かす!まだ半分残ってるぞ」

「はいはい」

 時は刻々と進み、気がつくともう十一時を回っていた。一向に進まない。

 それにしても紫がさっきから黙り込んでいる。飽きたのかな、と思って横を見ると……。

「……紫?」

「(……?……、……はっ!)ね、寝てない。私は寝てないぞ色無!」

「いや、まだ何にも言ってないんだが」

「っ!……ごめん」

 しおらしく謝る紫もかわいいもんだな。ちっちゃいけど。

「今ちっちゃいとか思わなかった?」

 俺は必死に首を振る。肯定すれば何をされたものかわからん。

「そう?ならいいけど」

PM1:00

 ねむい。正直何も考えられない。隣の紫を見ると……予想通り舟をこいでいた。

「小さいだけに眠気には弱いのかね」

「ちっちゃい……ゆー、な」

 

「やった……できた」 

人間死ぬ気になれば何でもできるものだ。いや、それでは手伝ってくれたみんなに失礼だろう。

「ありがとう、みんな」

 そう一人でつぶやいて、隣を見る。

 紫は完全にダウンしていた。

「おい、紫、できたぞ。紫!」

 だめだ、おきない。

 仕方がないから紫をベッドに運ぶ。どうやら今日は床で寝ることになりそうだ。

PM2:30

タイムリミットまであと四時間三十分時間

目標達成

 何かの衝撃を受けて、俺は唐突に目覚めた。

「……し」

 妙に寝苦しい。夏だから暑いのは当然だが、それにしてもやけに暑かった。

「……ろ……し」

 おまけに俺を呼ぶ声がする。……その上動けない。これは、もしかして金縛……

「———っ!」

 恐る恐る目を開けると、そこには紫がいた。おそらくベッドから落ちてきたのだろうが、そこは紫のこと、平然と……笑みすら浮かべてすやすやと寝入っていた。

 いや、それはいい。問題は俺が動けない理由だった。その紫が落ちてきた場所というのが俺の真上だったのだ。しかも妙に顔が近い。

 意識するともうだめだった。紫の肌の感触、顔にあたる吐息……。徐々に理性が飛んでいく。

 首をあと少し傾けるだけで、紫の唇に触れる……。

 唇の感触を妄想して、俺の胸は高鳴った。

 ——だめだ、もう紫しか見えない。

 徐々に視界が狭まっていき、顔が紫に近づいて……。

 じ———————————————————っ。

 ふと視線に気がついた。

「ぅわあっ!」

 叫んでからあわてて紫を見る。どうやら起きてはないようだ。

 ほっと胸をなでおろして、視線を不法侵入者のほうへ向ける。

「……灰色、こんな時間になんでここにいるんだ?」

「いや、お姉ちゃんが今日に限って寝言うるさくて」

 だからって人の部屋くるなよ。

 いや、それよりも今の行動を……。

「うん、見てたよ。キスしようとしてたんでしょ?」

「いや、俺は別に紫にキスしようとなんて……!」

「してたんでしょ」

「……」

「……」

「……何が望みだ?」

 その言葉を聞いて灰色の顔が思いっきりにやけた。

「このゲーム。新しいのが出たんだけどお小遣いが足りなくてさあ」

 いや、待て。こんなの買ったら今月の俺の生活が———。

「ねえ起きて!今、色無が……」

「OK、わかった。応じよう。応じるからだまってくれ」

「まいどー♪」

 まったく、やなタイミングで入ってくるやつだ。

「軽めに済ませてあげたつもりだけど?」

「どこがだ」

(紫にキスしてたら私もおねだりできてたのにな)

「何か言ったか?」

「なんにも」

(ちぇっ)

 期待外れのような顔で紫が顔を背けたことに、色無が気付くことはなかった。

 

 翌日、午後二時。

「あっはっはっはっはっは……」

 俺の顔は決して機嫌がいい時のものではなかった。

「そんなに笑いすぎると悪いですって赤さん」

「だってこの馬鹿、課題提出できたはいいけど、結局寝不足で起こられてやんの」

「うるせ」

 その少し後ろ

「ふふふ。……寝てたといえば紫も寝てたけど、そんなに時間かかったの?」

「うーん、実は私、途中で寝ちゃったのよ」

「じゃあ、なんで?」

 白の問いに思わず昨夜を思い出して……紫は顔を赤くする。

「どうしたの?顔赤いよ」

「な、ななな、なんでもないの!」

 思わず出た大声にみんなが振り返る。

「おーい、紫。小さい割によくそんな大声出るな!」

 色無が遠くから叫んでいる。

「ちっちゃいゆーな!!」

 紫は色無を殴るべく走りだした。

 空は青く、風は蒸し暑い。

 追う紫と逃げる色無を見てみんなが——追いかけっこをしている本人たちさえもが——いつもと変わらぬ日常に安心し、微笑んだ。


男「さっさと風呂入って寝よう……」

朱「あぁいま何人か入って……って聞いちゃいねぇ。まぁおもしろそうだしいいかw」

風呂場の前の脱衣所にて

男「あー……眠い……」(脱ぎ脱ぎ

ガラガラ

紫「は〜いいお湯だった。オレンジたちも早く出なよね〜!よくのぼせないなぁ……」

男「……」

紫「……キャーッ!!」

男「……」(全く気にせず風呂場へ向かおうとする)

紫「かかか、隠しなさいよちゃんと前!!私の裸も見たでしょ!!///」

青「どうしたのぉ紫……って色無!?あ、あんたそんな格好で何やってんのよ!!///」

橙「なになに色無がいるのぉ!?……あホントだ!色無にしては積極的じゃん!!もぉ、ここまできてアピールしなくても言ってくれればしてあげたのにぃ!w」

黒「色無……。なんとなく小さいもんだと思ってたけど……結構あるじゃないか」

男「……」(全員スルーで風呂につかる)

橙「……このオレンジちゃんの悩殺ボディを素通りするなんて!!」

紫「早く出て行ってよぉ!!///」

黒「……こいつ、目に生気が感じられない……」


寮の平穏な空気を引き裂く重大事件発生!! 
背筋も凍るその恐怖!! 
未曾有のカタストロフ!! 
青「きゃぁー!!」

黄「わぁー!!」

橙「きゃー♪」

無「うわっ!?ってどさくさにまぎれて抱きつくな!!」

白「いやぁ!!」

黒「くるな!!こっちに近付くなぁ!!」

桃「もうだめ……」

緑「……お願いだからどっかいって」

茶「うえ〜ん……」

紫「だれかどうにかしてぇ!!」

黄緑「みんなとにかく逃げて!!」

水「目眩が……」

赤「こいつは私が叩き潰す!!」

無「おぉ!!Gハンター登場!!」

Gとは? 

Gとは古代から存在する人類に敵対する生物である。戦闘力はたいしたことはないが繁殖力と生命力が強いため一撃で仕留めるのが重要だ!! 

カサカサ……

無「あそこだ!!」

赤「失せろ!!!!」

ぐしゃ!! 
赤「二度と現れるな」

無「さすがゴキブリハンター」

赤「ゴキブリハンターはカッコ悪いからGにしてよ」

無「はいはい」

〜Gハンター2〜

赤「Gのやつを今日は一網打尽にするわ」

桃「張り切ってるわねぇ」

赤「このGホイホイを仕掛ければあんなやつらいちころよ」

桃「じゃあそのGホイホイを仕掛けてきましょうね」

〜5分後〜

赤「よし、Gが出る場所に仕掛けたわね」

桃「今度見るのが楽しみねぇ」

赤「とりあえずGホイホイを仕掛けた場所を地図にまとめておいたから」

桃「Gが出る場所だから名前はGスポッ……」

赤「エロイの禁止」

桃「あらあら」

〜Gハンター3〜

赤「今日はGもでないみたいね」

桃「きゃー!!」

赤「!!」

背中から新聞紙を丸めた棒を取り出す赤

桃「Gが冷蔵庫から……」

赤「てやっ!!」

ぐしゃっ!! 
赤「大丈夫?」

桃「冷蔵庫から牛乳を取り出そうと思ったらびっくりして転んで頭からかかっちゃった」

赤「……」

近くの鏡をみる桃

桃「あらあら、これじゃ顔し……」

赤「エロイの禁止」

無(くっ!!息子がイオナズンを唱えそうだぜ!!)

〜Gハンター4〜

赤「あー、私のチーズかまぼこ!!」

橙「早いもの勝ちだよ!!」

赤「……」

無言で背中から新聞紙の棒をとりだす

橙「ちょ、ちょっとまって!!」

赤「問答無用!!」

バシっ!! 
橙の持つチーズかまぼこに一閃!! 
橙「チーズかまぼこが!!」

赤「もらったぁ!!」

すぽっ

赤&橙「あ……」

赤に弾き飛ばされたチーズかまぼこはなんと桃の谷間の中へ!! 
桃「あぁん……胸の中にチーズかまぼこが……」

赤「そのチーズかまぼこ渡してくれない?」

桃「ええ、いいわよ……ん……奥に入り込んでなかなかとれないわねぇ」

橙(なんで下の方から押し上げてるんだろう?)

桃「やっと先の方がでたわ」

赤「よし!!」

桃「あら……これってパイズ……」

赤&橙「エロイの禁止」

無(耐えろ!!俺の息子よ!!)

〜Gハンターファイナル〜

ゴキブリよ永遠に

赤「ねぇ、桃さん」

桃「なぁにぃ?」

赤「Gホイホイを仕掛けた場所のことなんだけど」

桃「あぁGが出てくる場所だからGスポッ……」

赤「エロイの禁止。というかなんでそんな自然に淫語がでてくるのかあたしにはわかりません」

桃「あらあら」

白「ねぇ、二人でなにはなしてるの?」

赤「Gに正義の鉄槌を下すための作戦会議」

白「なるほど。わたしもG嫌いだから参加します」

桃「仲間が増えたわねぇ」

赤「新加入者のためになにか飲み物でも持っていきます」

ギィ、ガチャン

桃「じゃあ早速なんだけどこの地図をみて」

白「いたるところに印がつけられてますけど」

桃「それはねG〇ポッ〇といってねGとのエンカウント率が一番高い場所よ」

白「把握しました」

桃「Gを発見したら私赤にG〇〇ットAにてGを発見と連絡してね」

白「わかりました大佐」

ギィ、ガチャン

赤「コーラ持ってきたよぉ」

桃「赤がいない間にGと遭遇したときの対処法を教えておいたわ」

白「Gはまかせてください!!」

赤「頼もしいわね」

〜次の日〜

あいつらはいつも音をたてず忍び寄る……

黒光りする体!! 
長い触角!! 
多数の足!! 
黄「で、でたぁ!!」

黄緑「きゃあ!!」

緑「もう嫌……」

水「誰か……」

紫「怖いよぉ……」

茶「助けてぇ!!」

黒「くっ……」

青「逃げるのよみんな!!」

橙「きゃ〜♪」

無「だから抱きつくな!!」

白(わたしがやらなきゃ!!)

いつもGにやられてばかりの色鉛筆達……

だが今日は違う!! 
なぜならあらたなるGハンター白がいるからだ!! 
白(赤さんと桃さんに連絡しなきゃ!!でも携帯電話がないし……)

そう、いま白は携帯電話を持っていなかった。

白(大声で叫べばくるはず!!)

白「Gスポ〇〇にてGを発見!!繰り返す!!Gス〇〇トにてGを発見!!」

色鉛筆達「え……」

この瞬間寮の空気が凍りついたとのちの色無は語る

赤「わぁー!!なにいってるのよ!!」

白「え?だって桃さんが……」

赤「桃ぉ!!」

桃「あらあら」

G(もうこの寮から出ていこう……)


赤「ふぅ……シャワー浴びてさっぱりしようかなぁ」

〜シャワー室〜

赤「あれ桃」

桃「あら」

赤「桃もシャワー浴びにきたの?」

桃「ええ、そうよ」

キュッキュッ、シャー……

赤「ああー、気持いい……」

桃「あぁん、いい……」

赤「エロイ声を出すのやめなさい」

ガラガラ……

赤「あ、紫」

紫「……」

赤「人の体じっとみてどうしたの?」

紫「はっ!?いや、なんでもないよ!!」

赤「変な紫」

桃「なにかあったのかしら」

〜寮の一階〜

赤「ねぇ青」

青「なに?」

赤「さっき紫とシャワー室であったらさ、様子が変だったんだけど。なにかしってる?」

青「いや、しらないわね」

赤「そう。なんか紫に悪いことしたかなぁ……」

〜紫の部屋〜

紫(あー、なんであたしはこんな体なんだろう……赤みたいに背が高くてスレンダーで桃みたいに胸があれば……うぅ……考えるだけで悲しくなってきた……)


緑「それでは、第一回『緑の会』を始めます」

黄緑「緑さん、最初の議題は何ですか?」

緑「そうですね……」

翠緑「『色無の女癖の悪さについて』でどう?」

黄緑「それは……色無さんは女子に人気なだけで、女癖が悪いと言うわけでは……」

緑「確かに、色無の女癖の悪さは目に余るが、女子面にも責任がないわけではないと思う」

緑翠「でもこの際鉄拳制裁で性格矯s(ry」

黄緑「男手があって助かるって朱色さんも言ってましたし、とりあえず現状維持でどうでしょうか?」

翠緑「朱色姐さんが?……なら迂闊に手は出せない……」

緑「それでは、色無については現状維持で。異議は?」

黄緑「ないで〜す」

翡翠「ありません」

緑「では本日の『緑の会』はここまで」

黄緑「お疲れさまでした」

翠緑「……あれ?」

緑「ん?どうした?」

翠緑「深緑は?」

黄緑「さっき『黄色の会』会場に入っていくのを見ましたが……」

緑「……」


黄「第1回!!『黄色の会』が始まるよ〜!!」

橙「わ〜〜〜〜!!」

黄「そして議題は……っ!!」

黄「『色無(ry』」

橙「ちょっと待った!!」

深緑「どうしました?」

橙「何で深緑ちゃんがここに??」

深緑「え〜……何か、甘い匂いがしたから〜」

黄「!!まさかっ!!」

バタバタ……ガチャッ

薄黄「あっ!!」

橙「あ〜!クリームちゃん!!久しぶり〜」

薄黄「って出会い頭に食べるのは止めて〜」

黄「クリームちゃん夏休みどこで何してたの?」

薄黄「あの、田舎のおじいちゃんの所に行ってたんですよ」

橙「何だ〜、ずっと探してたのに〜」

薄黄「た〜す〜け〜て〜」

深緑「……三色シュークリーム……」

黄・橙「え?」

深緑「いただきま〜す♪」

黄・橙・薄黄「アッーーー!!!」

青「……何だか騒がしいな……」

紫「早く行こっ。群青さん待ってるよ」

青「そうだな」


青「遅れてスイマセン……って水色早いわね」

水「あ、みんな来たね……それじゃあ議長の群青さんお願いし……」

紫「水色〜、群青さんと何話してたの?」

水「え……それは……」

群青「人生の先輩からいろいろアドバイスをね」

青「それは是非聞いてみたい。今日の議題はそれでどうだ」

水「あ……うん……」

紫「先輩!!お願いします!!」

群青「そうね〜……まずは……(ry」

青「そ……それは本当ですか?」

紫「ふ〜ん(今度色無に試してみよっと♪)」

水「……(嗚呼……私だけの秘密が……)」

群青「でね〜、さらに(ry」

青「なるほど……参考にするか……」

紫「今日はなかなか良い話し合いができたなぁ。アリガトね」

水「じ……じゃあ今日は解散で……」

群青「みんな頑張ってね♪(さて、どうなることやら……)」

橙「(チッ!ここからじゃ遠すぎてよく聞こえない!!)」

赤「橙……何やってんの?」


紫「あー!!」

桃「どうしたの?」

紫「あたしの牛乳がない!!」

桃「あ、それ飲んだの私よ」

紫「貴様ぁ!!」

桃「また買ってあげるから。許して、ね?」

紫「うぅ……あれがないと……」

桃「あれがないと?」

紫「身長がのびないじゃないのよぉ!!」

桃「大丈夫よ。世の中には紫ちゃんみたいな小さい子も好きな人がいるわ」

紫「フォローになってない!!」

桃「あらあら、困ったわねぇ」

水「さっきからどうしたんですか?」

桃「紫ちゃんの牛乳を私が飲んだから紫ちゃんがご立腹なのよ」

水「あぁ、なるほど。大丈夫だよ紫ちゃん。わたしも身長あまりないから」

紫「うぅ、水色ぉ……ん!?」

水「どうしたの?」

紫「水色のバストのサイズっていくつ?」

水「え?Dだけど……」

紫「この裏切り者ぉ!!」

水「えぇ!?あっ……どっか行っちゃった……」

桃(身長150cmなのにDとは……なかなかやるわねこの子)

紫の牛乳事件により寮には水色が実はDカップの乳の持ち主であることが広がっていた

寮にいる人間は自分の胸に手をあて思考していた

赤(そ、そんな……)

青(よりにもよってDですって!?)

黄緑(負けた……)

橙(身長が胸にまわったのかなぁ)

黄(認めん!!このような結末、私は断じて認めん!!)

茶(水色さんの胸にはおっぱいミサイルが2発……桃さんもの胸にも2発……)

黒(着痩せしすぎだろ……)

白(なんだろう……この敗北感……)

緑(反則だ……)

その時買い物から色無が帰ってきた

無「ただいまぁ……って、なにみんなやってんの?」

紫「色無さん」

無「え?はい」

紫「これからちょっとした会議があるから自室にいってもらっていい?」

無「わかった」

部屋からいなくなる色無を見送り紫が叫ぶ

紫「これより第一回おっぱい会議を始める!!異議は!!」

一同「ありません!!」

桃「私たち仲間はずれねぇ」

水「なんでですかねぇ?」

朱「あいつら若いなぁ」

群青(自分の胸に手をあてる)

朱(まさか姉さんも気にしてるのか!?)

 

『第一回おっぱい会議』

紫「これからおっぱいを大きくするためにみなさん知恵をしぼってください!!」

一同「サー、イエッサー!!」

群青「おっぱい会議、私も参加させてもらうわ」

一同「ぐ、群青さん!!」

紫「心強い味方も加わったところで、なにかいい案はありませんか!!」

赤「よせてあげるブラを寮生に支給するのがいいと思います!!」

一同「おぉー!!」

青「待った!!」

紫「はい、なんでしょうか青さん!!」

青「よせてあげるブラ。一見誰でも谷間をつくれるほどの便利さを誇っているが盲点があります」

赤「そ、それは?」

青「元が真っ平なら意味がないということよ!!」

一同「な、なんだってぇ!!」

赤「それは私に対する嫌がらせかぁ!!」

ザワザワ……ザワザワ……

紫「静粛に!!静粛に!!よせてあげるブラはお金がかかるため可決できないかもしれませんよ」

群青「資金については私が朱の給料から引き落とすわ」

一同「おぉー!!さすが群青さん。私たちに出来ないことを平然とやってのける!!そこにしびれるあこがれるぅ!!」

朱(なにか嫌な予感が……)

 

『第2回おっぱい会議』

紫「前回は赤さんのよせてあげるブラが可決されなかったので次の案を誰か述べてください!!」

黒「ここは私が行かせてもらおう」

一同「おぉー!!」

紫「では黒さんお願いします!!」

黒「胸を大きくするといったらあれしかなかろう!!」

一同「ごくり……」

黒「揉む!!もしくは揉まれる!!最低でも一日一時間は自分の胸にマッサージをほどこすことを義務づける!!」

一同「な、なるほど!!」

紫「自分で揉むのはいいとして揉まれるというのはどういうことでしょうか?黒さん」

黒「そんなの分かりきっていることだ、色無にでももんでもらえばいい!!」

一同「奇才あらわる!!」

橙「ちょっとまった!!色無に揉まれるのは倫理的におかしいと思います!!」

黒「倫理?そんなもの知らぬ!!ほとばしるリビドーに従い暴走しろ!!好きな異性に胸を触らせないでどうする!!愛ゆえの暴走おおいに結構!!」

茶「さ、さすが思ったことをズバズバいう黒さんです!!」

紫「静粛に!!静粛に!!とりあえず自分で一日マッサージ案は可決でよろしいでしょうか!!」

一同「異議なし!!」

紫「では可決ということで第2回おっぱい会議終了!!」

 

『おっぱい会議外伝』

群青「みんなこれをみなさい!!」

一同「こ、これは!!」

群青のもってきたものをみた色鉛筆たちに衝撃が走る!!

胸マッサージマッスィーン出現!!!!

群青「これを使えば自分で揉まずともマッサージが可能よ!!」

一同「おっぱい神降臨!!」

群青「一人一個ずつあるからねぇ」

水「そういえば朱色さんのサイズってなんですか?」

桃「あ、私も気になりますね」

朱「たしかEだったかなぁ……あれ?」

桃(なかなかのおっぱいの持ち主……)

水「どうしたんですか?」

朱「あれぇ?わたしの給料が減ってるよぉ?」

群青(ふふふ……朱色に負けないぐらいのおっぱいを手に入れて見せるわ)

一同(な、なんだ……群青さんのあの悪魔のような微笑みは……)


『第三回おっぱい会議』

紫「これより第三回おっぱい会議をはじめます!!」

一同「おぉー!!」

紫「合言葉は!!」

一同「おっぱいのおっぽいによるおっぱいの為の会議!!」

紫「そうだ!!諸君たちはおっぱいの為にいまを生きる同士……いや、戦士だ!!われら貧乳同盟の勝鬨をあげるために頑張ってくれ!!」

一同「おぉー!!」

紫「さて士気もあがったところで誰かいい案をお願いします!!」

白「じゃあ私がいきます!!」

一同「まってましたぁ!!」

紫「ではどうぞ!!」

白「胸を大きくするには体内の男性ホルモンの分泌を抑え、女性ホルモンを分泌するようにすればいいと思います!!」

一同「続きwktk!!」

白「おっぱい弾道ミサイルこと桃さんの話によればオ〇二ーという行動をすればいいそうです!!」

白の発言のあとその場にいた全員が凍りついたという

黄緑「え〜と、白ちゃん、自分のいった言葉の意味わかる?」

白「いえ、まったく」

紫「と、とりあえず今日の会議は中止です!!」

白「なにか変なこといったかなぁ?」

一同(桃ぉぉぉ!!!!)

 

寮はいままでにないほどの熱気に覆われていた……轟く怒号!!響き渡る悲鳴!!泣き叫ぶ声!!だがそれらに耐えた時真のおっぱいが手に入れられるのだ!!

いままさに真のおっぱいを手に入れるべくおっぱい会議が開催されようとしている!!

『第4回おっぱい会議』

紫「ただいまより第4回おっぱい会議を開始する!!」

一同「うぉー!!」

紫「合言葉は!!」

一同「おっぱいのおっぱいによるおっぱいの為の会議!!」

紫「そうだ!!私たち貧乳同盟は蝶が蛹を破り空を舞うように貧乳を卒業し水着を着ても恥じない体を手に入れるべく今日も努力するのだ!!」

一同「サー、イエッサー!!」

紫「さあ、誰かいい案をあげてくれ!!」

黄緑「あのぉ」

紫「なんでしょうか?黄緑さん」

黄緑「貧乳同盟はどのサイズより下からとか貧乳についての基準は定まっているんですか?」

紫「それはもちろんB以下。Bより上は認めません」

黄緑「この前測ったらCサイズだったんだけど……」

一同「なにぃ?聞こえんなぁ!!」

黄緑「だからC……」

紫「Cサイズが貧乳を語るなど言語動断!!この裏切り者め!!追放しろ!!」

黄緑「ちょ、ま、あっー……」

水「荒れてますね……」

桃「そうね……」

朱「また給料が減ってるよぉ?」

 

『おっぱい会議外伝2』

 黒の自室にて

黒「ふぅ……今日も有意義な時間をすごせたな……」

灰「んしょ、んしょ」

黒「なにやってるんだ?」

灰「いやぁ、最近通路が狭くなったから拡張工事をね」

黒「またなんで?」

灰「通路を通る度に胸がつっかかるんだよねぇ」

黒「……胸のサイズは?」

灰「え?なんでそんなこと聞くの?」

黒「とりあえず答えなさい」

灰「たしかCぐらいはあったはず……最近急に大きくなって」

黒「……」

灰「辞書なんてとりだしてどうしたの?」

ガスガスッ

灰「痛い、痛い!!お姉ちゃん辞書の角で殴らないで!!」

黒「この胸が憎い!!憎い!!」

灰「誰か助けてぇ!!」

 

みんな知っているか!!いまこの寮では清純(?)な少女達によって貧乳を卒業すべく熱い議論がかわされていることを!!その議論を人はこう呼ぶ……おっぱい会議と!!

お兄さんわくわくしてきたぞぉ(by色無)

『第5回おっぱい会議』

紫「いまここに第5回おっぱい会議を開始する!!」

一同「うぉー!!」

紫「合言葉は!!」

一同「おっぱいのおっぱいによるおっぱいの為の会議!!」

紫「その通り!!我等貧乳同盟は雨にも負けず風にも負けず自らのおっぱいを大きくするために鍛練しなければならない!!肝に命じろ!!」

一同「おぉー!!」

紫「今日は特別にゲストをお呼びしている!!」

ザワザワ……ザワザワ……

紫「外国生まれのおっぱいの持ち主、翠緑さんだ!!」

翠緑「どうも」

一同「わぁー!!」

紫「質問がある人は挙手をしなさい!!」

茶「はい!!」

紫「どうぞ!!」

茶「翠緑さんのおっぱいについて教えてください!!」

翠緑「んー、やっぱり遺伝とかで大きさが変わるよ。私は中学校を卒業したときにDはあったと思う」

一同「中学校卒業時にDですと!?」

茶「というか遺伝とか言われたら手の施しようが……」

翠緑「諦めるしかないわね。アメリカで遺伝子の研究機関にでもいけばいいかもしれない。まあ冗談だけど」

紫「アメリカの遺伝子について研究している機関を検索して!!」

緑「把握した」

翠緑「いや、だから冗談……」

紫「目指すはアメリカ!!いざゆかん!!」

一同「おぉー!!」

翠緑(もういいか……)







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Last-modified: 2012-10-21 (日) 12:25:55