ギャグ・コメディ

赤「うぅー……ボク、ミニって苦手なんだよぉ……走るとその、見えるし」

黄「私は平気だけどなー。見られたくないなら見られないようにキッチリすればいいんだし!」

黒「とか言ってるそばから見えてるわよ、おバカ。それにしても私がまさかこんなの穿くとはね……我ながら信じられないわ」

白「でも似合うよ、黒ちゃん。私も長いのだったりパジャマだったりだから、すごく新鮮。ふりふりでカワイイよね♪ くるくるー♪」

水「だけど、こ、これ、色無くんに……あぅぅ」

緑「そこでなんで赤くなるのよ。それにしても、たかがスカートでなにを一喜一憂してるのかしら」

橙「それは裾を気にしながら言う台詞じゃないよねぇ、緑ぃ? あっはは!」

桃「オレンジちゃんはもうちょっと気にした方がいいかも。色無くん以外に見られたら嫌でしょ?」

青「ったく、なんでみんなして……私はただ、流行モノを押さえておこうと思っただけなのに……」

紫「むー……これ、去年もおととしも穿いたのに、今年もまだ穿ける……私、もうおっきくならないのかなぁ」

黄緑「ふふ、なんだかちょっと懐かしいわね♪ でも、まだ大丈夫かしら……?」

茶「あぁーッ!? これ昨日買ったばかりなのに、お尻のとこ破れてるよぅ……なんでぇ……?」

朱「なにしてんだろ、アレ?」

群「『今ミニを穿くともれなく色無の視線が釘付けですよ!』ってチェーンメールが回ってきたらしいわよ」

朱「……あんのエロガキ、いっぺん痛い目合わせなきゃダメみたいだね」

群「色無くんのせいじゃないでしょ。それにしても、若い子はいいなぁ……私だってあと十年、いやせめて五年」

朱「いや、姉さんも穿いてみれば意外とイケるでしょ? アイツのことだし、案外コロっと落ちるかもよ?」

群「そうかしらね? ……明日買ってこようかな」

朱(ね、姉さん!? 目がマジだよ!?)

群「ところで貴女は穿かないの?」

朱「アタシ? あぁ、パスパス。死んでもやだよ、あんなの。性に合わないしね」

群「……そういえば色無くんが『朱色さんって何着ても似合いそうですよねー』っていつか言ってたけど」

朱「なッ!? に、似合いそうってなんだ似合いそうって! アタシは何着たって似合うっての! ったくあのバカは!」

群「で、どうするの?」

朱「決まってるでしょ!? 思わず見惚れるくらいにバシっとキメて、あのボンクラにアタシの魅力ってモンを分からせるの!」

群(……なんだかんだで、この子も扱いやすいわねぇ)


『くしゃみ』

茶「くしゅん……グズ……」

無「茶はくしゃみも可愛いなぁ」

茶「あぅ、色無くん……」

水「くちゅん!」

無「水は、なんか微笑ましいな」

水「ぁぅ」

黄「いっくし!」

無「……」

無「なあ、くしゃみって性格表れるのかな?」

橙「関係ないんじゃない? だって——」

朱「くちっ」

橙「ほら」

無「……ああ、うん……」

朱「お前ら……どういう意味だ……」


 ひゅー

赤「きゃっ!?」

黄緑「きゃっ!?」

水「きゃあ!?」

男「いやーこの時期はいいですなぁー」

無「いいもんですなぁ」

茶「うう、風強いけどお買い物行きたいし……どうしよう……」

男「やめといたほうが……」

無「茶は行っちゃだめだ!」

茶「ほぇ!? どうして!?」

桃「あの、スカートはやめといたほうがいいと思うな……」


中庭にて

 ヒュー

青「きゃっ!?」

無「おおぅ!?」

青「……見たでしょ?」

無「み、見てねーよ! 視界の端にほんのちょろっとしか……」

青「なによ! やっぱり見たんじゃない!」

無「べ、別にちょっとくらいいいだろっ!? 減るもんでもないし……」

青「ひどーい、なにそれ! もうアンタなんかとは——」

黄「はいはーい、夫婦喧嘩は他でやってねー」

緑「まったく、羨ましい限りだわ」

無「ぐ……」

青「あぅ……あ、アンタのせいなんだからね!」

無「な、それはお前が……」


白「きゃあ!」

男「おお、純白パンツ!」

黒「きゃっ!?」

男「おお、黒さんがクマさんパンツ! これはレアだ! ねぇ色無さ」

無「んー? そうかー?」

男「あれ、反応薄い……なんで……?」

無「まぁ桃に抱きつかれたりとか、灰に寝ている布団に潜り込まれたりとかしょっちゅうだからなぁ……免疫ついちゃったのかも。なんかあんまり感動がないっていうか……」

男(くそぉ……この男が憎い……)


桃「きゃっ!?」

無「うわっ!」

桃「きゃあ!?」

無「ええっ!?」

紫「ねぇ、なんか不自然じゃない? いくら風が強いからってあんな桃ばかり……」

緑「そうね……。あっ……!」

桃親衛隊「うぉお〜桃さんのためならこんなことくらいィイイイイイイ!!!!!(ばっさばっさ)」

ビュオオオオオオオオ!!!!!

桃「きゃーん♪」

紫「こういうことだったんだ……」

緑「あの子たち、騙されてるわね……」

無(ドキドキ……。な、なんだ今日のパンチラ率は……)


 ヒュー。吹きつける風。

空「きゃあ!?」

無「うわっ」

空「……えへへ、せんぱぁ〜い?」

無「う……」

空「見ましたね?」

無「うん、ごめん……」

空「えへへ、いいんですよ先輩なら。いくらだって……」

無「……え?」

茶「はれれ〜!!!?」

青「茶!? そっち行っちゃダメよ!」

茶「はれっ!?(ガッ)」

 ズルッ!!!? ドサッ!

 こける茶。転んだ拍子に空のスカートをつかんでしまい、下まで下ろしてしまう。

空「え……?」

無「あ……」

茶「ふええ痛いよぉ」

空「(ふるふるふる)う、うわぁあああああああん!!!!(ダダダッ)」

青「あっ! 空!」

無「あちゃー……」

青「……私、あとでケーキでも買って慰めとくわ……」

無「う、うん。俺も半分出す……」

茶「ふ、ふぇっ!? ごめんなさいっ!」

緑「口は災いの元、ね」

黄「あはは、なんか違う気がするそれ……」


無「あれ? みんなで集まって何やってんの? ……卵?」

桃「あ、色無くん。今日はひな祭りだから、卵と端切れを使ってひな人形作ってるんだよ」

無「へえ、みんな器用なもん……でもないな。何人か四苦八苦してらっしゃるようで」

茶「うう〜」

赤「うるさいな! 気が散るから黙っててよ!」

無「それにしても、全員で作ったら人形多すぎやしないか?」

桃「ううん。ほんとはね、ひな壇は一人一式飾るのが正式なんだよ。だけどそんなに卵も端切れもないから、二人一組になってお内裏様とおひな様だけ作ってるの」

無「ああ、なるほど。で、桃は緑とペアなんだ。緑はお内裏様を作ってるのか……ずいぶん気合い入ってるな」

緑「別に。桃に誘われたからやってるだけだけど、やるからには手を抜かない。それだけのことよ」

無「立派な心がけだな。どれ、俺も一つ作ってみるかな」

桃「え? 色無くんはやめた方がいいと思うけど……」

無「え〜、いいじゃん。一個だけ一個だけ。卵もーらい!」

桃「あ! もう、どうなっても知らないからね……」

無「……できた! 思ったより難しかったな。だいぶ歪んじまったけど、ここに置いとくから隅っこの方にでも飾っといてよ。それじゃあとは女の子だけでごゆっくりー」

青「勝手なやつ。一つだけ作ったって半端に余るだけなのに……あ! ちょっと赤、なんであんたがピンクの布使ってんのよ! お内裏様には必要ないでしょ!」

赤「い、いいじゃん別に……やっぱりボクもおひな様の方を作りたいかなー、なんて……」

青「勝手なことしないの!」

紫(ソーッ)

黄緑「あら紫ちゃん。フライングで色無くん人形の隣に置こうなんて、めーですよ」

紫「(ぎくっ)ベ、別にそんなつもりじゃなくて、できあがったやつを置こうとしたらたまたま隣に色無のがあっただけで……って黄緑のもいつの間にかおひな様になってる!」

黄緑「あら、本当に。うふふふふ」

紫「本当に、じゃないよ!」

水(うるうるうる)

茶「……えっと、水ちゃんもおひな様にする?」

水「……いいの?」

茶「うん……ていうか、私が割った卵こぼしちゃったせいで、もうお内裏さま用の端切れ、残ってないしね……」

桃「結局、最初のペアでお内裏様とおひな様を作ったのは白ちゃんと黒ちゃんだけ……」

白「ふふ、黒ちゃんのお内裏様、かっこいいね」

黒「白のおひな様も素敵よ。もちろん、白の方がもっと素敵だけど」

灰(お姉ちゃんたち、真性だ……)

空(本物だ……)

緑「本物の百合ね」

黒「……緑、声が出てるわよ」

緑「あら。これは失礼」

水「色無くんのお内裏様に、おひな様が十二人……なんかハーレムみたい……」

青「心なしか、お内裏様がにやけてるようにも見えるわね」

紫「……なんかだんだん腹立ってきた」

黄緑「これは……お仕置きかしら」

赤「お仕置きだね」

『お仕置きだ!! おー!!』

 ドドドドドド

桃「あ、みんな! 行っちゃった……だからやめた方がいいって言ったのに。知ーらない!」


黄「みてみてー!」

橙「どしたー?」

黄「色無の部屋で題名のないビデオ見つけた!」

橙「……ぐっじょぶ!さっそく再生しようぜ!」

母『……お花ありがとう。色無も元気にやっているみたいなので安心しました。まさかあんたみたいなのがもてもてになるとは思わなかったわぁ』

父『それはないだろう母さん。仮にも俺の息子なんだし。ま、もてるのも今のうちだけだぞぉ?思う存分楽しむといいぞ!』

姉『え?何、いまビデオレター撮ってんの?粋なことするじゃん!あ、色無ー?姉ちゃんまた戻ってきちゃったぁ!』

母『この子はいつになったら結婚してくれるんだろうかねぇ……まったく。色無はそんなことないように頼みますよ』

黄「……」

橙「……」

黄「……なんか、私達バカみたいだね……」

橙「そっか……」

黄「?」

橙「色無は近親ものが好きなのか!!」

黄「そーなの!?」

橙「そうに違いないよ!これきっと誰か他の人に自分の名前つきで作ってもらったんだよ!」

黄「あぁそっか!」

橙「色無は変態だ!」

黄「変態だ!」

無「変態じゃねぇよ!っていうか大声で叫ぶな!人のビデオを勝手に見るな!返せこのやろう!」

橙「よぉしわかった!私お姉ちゃんになってあげる!」

無「やめぃ!」

無(危なかった……あれ以上再生されてたら、上から録ったSMものが流れるところだった……)


黄緑「あ、色無さん。ちょっとお願いがあるんですけど」

無「はい?」

黄緑「洗い立てのTシャツを一枚お借りしたいんですけど、いいですか?」

無「俺のTシャツ? 別にいいですよ。でも、何に使うんですか?」

黄緑「それは……ふふ、おたのしみということで」

無「?」

紫「はーっ、さっぱりした!」

無「お。風呂あがっ——むむ、紫ぃ!? オマエそのカッコ!?」

紫「あ、これ? 今日ね、パジャマ洗ったんだけど乾かなかったからその代わりにーって、黄緑がくれたの」

無「……そういうことですか。にしても、下まですっぽり隠れてるなぁ。さすが紫」

紫「なんか言った?」

無「いえ、なんにも。少しはマシになったとはいえ、油断すると風邪引くからな。気をつけろよ」

紫「子ども扱いすんなー!」

無(そんだけぶかぶかさせときながら子どもじゃないって言ってもなぁ……)

白「……」

水「……」

空「……」

茶「……」

灰「……ちびっ子&妹組、反撃のチャンス」

灰「寒いー」

無「ノックも無しか」

灰「緊急事態につき、ノックを忘れてもよしという結論を出してみた」

無「何かあったのか?」

灰「寝巻を全部洗ってしまったのだよ」

無(あれ、どこかで聞いたような……)

灰「ふふふ、私は何も知らないという事にしておいてもいいのだよ?」

無「う……わかった、そこから勝手に持ってけ」

灰「さんくす、ゆーあーちゃんぴおん」

茶「見て、水色ちゃん」

水「あ……灰色さんの服……」

茶「負けてられないよねっ!」

水「う、うんっ!」

茶「いい、色無くん!」

男「ん?」

茶「あの、えっと、Tシャツくだしゃい!」

男「……なんですと?」

茶「あぅ……そそ、その、パジャマがないから……」

男「……焦茶さんから借りればいいと思うけどなぁ。俺のとか、着るのイヤじゃない?」

茶「そ、そんなことないですっ!むしろお願いしたいというかっ、お願いしますっ!」

男「は、はぁ。なんか灰色も持ってったことだし、まだあるからいいけど……はいこれ、どうぞ」

茶「ああ、ありがとう!よいしょっ」

男「いやいやちょっと!ここで着替えないでー!!」

茶「なんだかんだで、服を借りてきました……こんな感じだけど、どうかな?」

水「あ、あの……」

空「え、えっと……茶色先輩らしいというか」

灰「まさかMサイズを借りるとは……これも作戦?」

茶「へ?」

白「あー、このしましまパンツかわいいね。いいなぁ」

茶「え、えええええッ!?」


橙「ちびっ子たちが面白いこと企んでたんだけどね」

桃「たくらんでたっていうか、もう実行してたよ?」

焦「そうだな。私の妹もその一味だったようだが……まさか、妹に先を越されるとは」

青「ねぇ、いったい何の話?」

黒「さぁ?」

橙「色無のシャツをパジャマにしよう大作戦!」

青「はぁ!?」

黒「……へぇ」

桃「きっかけは紫ちゃんで、企画発案は灰色ちゃん。既に実行したのは灰色ちゃんと茶色ちゃんと白ちゃん」

焦「残る水色、それに空色も時間の問題だろうな」

青「そ、空……なんてバカな企画を……うぅ、お姉ちゃんは悲しいわ……」

橙「で、そんなふうに盛り上がってるおちびちゃんたちに『ちょっと待ったー!』って感じで」

桃「私たちもこの企画に便乗しちゃおっか、ていう話なの」

青「え、えええぇッ!?」

焦「妹に先を越されたままでは姉の示しがつかないのでね。ならば、その上を行く必要がある」

橙「というワケで作戦会議中なの。私としては同じようにTシャツを借りればオッケーなんだけどな」

黒「でも、色無のシャツじゃ下は隠せないわよ?どうするつもり?」

青「ってなにノってるのよ黒!?」

橙「そこはもう、恥じらうように裾をぎゅーっとしつつも隠せてない、そんな感じ。お子様にはできないよん」

黒「……それはアナタとピンクの技ね。私には合わないわ」

焦「ふむ、ならば黒色。ベタではあるが裸Yシャツという手法はどうだ?私も色無のカッターで試すつもりだが」

黒「それならいいわ。やりましょう。妹に目にモノ見せてやるんだから……ふふふ、ふふ」

青(……この状況だと、もしかして私がバカなのかしら……? ううん、負けちゃダメ!ダメよ青!)


馴染みのない対談

水「……(モジモジ)」

緑「……(パラパラ)」

水「……あのぉ」

緑「なんだ」

水「その……花は……何が」

緑「薔薇だ」

水「バラですか!?私も好きなんですよ!」

緑「君はあまり人と話をしないからまさかとは思っていたが……」

水「どんなのが好きなんですか?」

緑「私が好きなのはやはりジャンプ系だな。ここらは非常に描きやすい。それに薔薇と言えばやはり山ジュンは欠かせないな」

水「なんですかそれ?」

緑「へ?そ、それは」

水「私は本物の花のことを聞いたんですが……」

緑「すま……ないな……」

水「あっ、いやいいんですよ!悪いのは聞いた私なんですから……」

緑「違う違う!勘違いした私が……」

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馴染みのない対談

紫「……」

赤「……」

紫(ちくしょー!なんでこの3人で留守番なんだよ!)

黒「ふぅ」

紫・赤(ビクっ!)

黒「あなた達、コーヒー飲む?」

紫・赤「い、頂きます!」

黒「ちょっと待ちなさい」

赤(黒がコーヒー入れてくれるなんて……)

黒「お茶のお菓子はクッキーでいい?」

紫「あ、ありがとう」

コポコポコポコポコポコポ

黒「紫」

紫「はっ、はい!」

黒「学校はどう?桃と喧嘩はしてない?」

紫「ちょっとだけ……」

黒「あれはあれで困る事が沢山あるのよ。たまには気づかってあげなさい」

紫「わかった」

黒「赤の部活はどう?陸上ははかどってるかしら?」

赤「最近は風が強くてめっきりだけどこれからガンガン行くよ」

黒「どんな大会でも一回しかないわ。次にベストを持ち越そうなんて考えないで頑張りなさい」

赤「わかったよ」

黒「ふぅ、じゃあ片付けるわ。食器貸して」

赤「私が」

黒「私がコーヒーを飲みたくなって一人で飲むのが悪いからあなた達の分も出したの。後片付けぐらいするわ」

赤「案外いい人だったね」

紫「意外だ……」

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馴染みのない対談

赤「今日は僕達がお留守番だねぇ」

水「そ、そうですね……」

赤「……」

赤「……みっ、水ちゃんはどんなスポーツが好きなの?」

水「ごめんなさい……私、あまりスポーツは……」

赤「……」

赤「……あはは、あまり動かないのも良くないよ」

水「そう……ですね……」

赤「……」

赤「……そう!そういや水ちゃん胸大きいよね!僕はAしかないから羨ましいなぁ!」

水「……」

赤「ごっ、ごめん!そういうつもりは……」

緑(いいぞ!赤!そのまま畳み掛けるのだ!)

無「何期待してんだよ」


馴染みのない対談

橙(難しいなぁ……)

緑「……(ペラ ペラ)」

黒「……」

橙(なんか2対1で攻められてる感じ……)

緑「(パタン)橙。ちょっといいかな」

橙「なっ、何かな?」

緑「橙が読んでるその雑誌は面白いのか?」

橙「読んでみる?」

緑「あぁ、少し拝借させてもらう。……ファッションなんて気にしたことはなかったからな」

黒(チラ チラ)

緑「そんなにチラチラ見るよりは堂々と見たらいいじゃないか」

黒「そ、そうね……」

橙(うわぁ、あの二人がそろってファッション誌読むなんて貴重な瞬間だよ!)

黒「橙、私がパーマかけたらどうかしら?」

橙「似合うんじゃないかなぁ」

黒「橙、あなただから聞いているのよ。お世辞は抜きにして」

橙「うぅん。本音を言えばちょーっと似合わないかなぁ」

黒「そう……」

緑「橙、私にこの服は」

橙「緑にそれはちょっと派手かなぁ」

緑「そうか……」

橙「ごめん!変な意味で言ったわけじゃ……」

青「助けてあげないの?」

黄「面白いからもう少しだけ!」


無「みんな、たまには男の俺が腕をふるって昼飯を作ろうと思うんだけど、なんか食べたいのある?」

赤「生姜焼きっ!!体力つけなきゃ!!」

青「べ、別に色無の料理だったら何でも食べれるなんて、そんなことないんだからねっ!!おいしくなきゃヤなんだからねっ!!」

黄「カレーに決まってるじゃん!そんでもって夕飯は黄色ちゃんが色無のカレーを使ってまた料理してあげちゃうよ!」

緑「……たぬきそば」

白「色無君が作ってくれるのならなんでもいいよ」

橙「パスタとか食べたいかも。でも色無じゃ美味しくつくれなそうだね〜」

桃「私はダイエット中だからサラダが食べたいかなぁ」

紫「手軽にサンドイッチなんてどう?え、そんなもんばっかり食べてるから背が伸びない?ち、ちっちゃいゆーな!!」

水「わ……私はなんでも……食べれます……」

黒「そうね、失敗もないだろうしこの大人数の量を作るのに簡単なのはうどんとか蕎麦あたりかしらね」

茶「い、色無君だけに作らせるなんてそんなのダメだよ!私も手伝……—ひぁっ!!(ガラガラドシャー)」

黄緑「ふふふ、折角だから男の子にしか作れない料理がいいかしら?炒飯なんてどう?私は非力だからフライパン振り回せないから美味しく作れなくて……」

朱「ん、食えりゃなんだっていいぞ」

群青「最近はコンビニ弁当と冷食ばっかりだったから、体に優しい物が食べたいわ」

灰「(ピコピコピコ)……お昼?ゲームが忙しいからパス」

焦「私は色無のピーが食べt(ry」

空「先輩が料理作ってくれるなんて感激です!何でも食べますよ♪」

無「……こいつらの好みを全てまとめて料理してる黄緑さんはスゴイな……ていうか約一名変な事言ってた人がいたような気がするけど、気にしないでおこう」


馴染みのない対談

紫「ごめんねみんな用事で私しかこれなくて」

白「みんな大変なら仕方ないからいいよ。私は紫ちゃんが来てくれただけで凄い嬉しいから」

紫「いい子だなぁ白ちゃんは。あ、これね黒が持っていけってさ」

白「これは……『すあま』だ」

紫「?」

白「もしかして紫ちゃん食べたことないの?」

紫「(ジュル)うん!」

白「じゃあ一緒に食べようか」

紫「うんうん!私お茶煎れるよ!」

白「(モチモチモチモチ)ふぅん。やっぱ甘あい」

紫「(モチモチモチモチ)凄い癖になるねこれ」

白「黒ちゃんに後でお礼言わないと。あ」

紫「最後の一個……。白ちゃん食べなよ!黒が本来は白に買ったものなんだからさ」

白「(ムチ)はい、半分こ」

紫「白ちゃんやさしい!ありがとう!」

もちもちもちもちもちもち

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無「入りたい!この空間に入りたいけどあと少し眺めたい!」


馴染みのない対談

赤「緑と留守番するのも初めてだね」

緑「そうだな。ところで赤、陸上は当然男部員もいるわけかな?」

赤「いるよ!みんな僕よりは遅いけどね!」

緑「今度見学に行ってもいいかな?」

赤「あれあれもしかして?好きな子がいるんだなぁ?」

緑「そういうわけではないのだが陸上部の日常から発見できそうなものがあるんだ」

赤「ふーん」

緑「そうだ。赤は無理なトレーニングはしていないか?あまり無茶すると体を壊すぞ?」

赤「1日10キロぐらい楽勝だよ!」

緑「それはよくないな。私が読んだ本によると……」

緑「そうだな。今日はあと2キロ走ろう」

赤「わかった!」

緑「帰ったら私がプロテインを調合してやろう。少くとも足に筋肉は付くだろう」

赤「ありがとう!」

緑「大したことはない。君の部活のためなら君のコーチをするぐらい」

無「スポーツと学力が合わさるとすごいな」


赤「色無ー、ボクの彼氏になって!!」

無「ぶっ!!!!い、いきなり何を……?!」

青「べ、別に色無のことが好きなわけじゃないんだからねっ!で、でも私と付き合って……欲しいの……」

無「ちょっ?!青まで……?」

黄「色無……あたし実は色無のこと前から好きだったんだ……」

緑「……これ。(手紙を渡す)」

白「色無君……わ、私をお嫁さんにして下さい!」

橙「あたしも色無と一緒に腕組んでデートしたりしたいな〜……なんて♪」

桃「色無君、今日の夜……泊まりに行ってもいい?あ、その……ちゃんと"アレ"用意しといてね……」

紫「い、色無は……あたしみたいなちっちゃい娘は……嫌だよ……ね?」

水「いろなひきゅんっ!!わ、わわたしとつきあ……やっぱりダメぇ!!」

黒「色無のこと好きみたい。私と付き合って頂戴」

茶「いろな……ひぁっー!!(ガラガラガシャーン)」

黄緑「毎日色無さんのご飯を作ってあげたりするぐらいしか私はできませんが、こんな私で良ければ……」

無「……。(ぷすん)」パタリ

黄「あ、倒れた」

水「きゃぁ!い、色無君……大丈夫ですか?」

青「いくらエイプリルフールだからって、やっぱりこれはやり過ぎだったのかしら……?」

橙「でもこれくらいで倒れるってことは結構純情なのかな?」

黒「ふーん、可愛いところもあるのね」

白「でも起きたらどんな反応するのかなぁ?」

全色『(見たい……見てみたい……。)』


男「あれ……?なんだ夢か……よかった……いやよかったでいいのか?」

赤「おっはよー色無し!『恋人同士』でランニング行こ?」

青「い、いつまで寝てるのよ!もう朝ごはん冷めちゃってるんだから!」

黄「おっはよーう!お味噌汁作ったよ!カレー以外も上手なんだから!」

緑「……図書館、行く約束よ」

白「今日は体調いいから、一緒にお花見行こう?」

橙「カラオケ行ってハッスルしようぜっ!」

桃「……もう、朝からするの?」

紫「ペットショップ行こうよ!猫一匹じゃ可哀想だもん!」

水「あ……あの……お花、手伝ってくれるって昨日……」

黒「映画館に行くわよ。もちろん愛の流刑地」

茶「いろな……ひぁっー!!(ガラガラガシャーン)」

黄緑「それじゃお買い物、行きましょっか?」

男「……(ぷすん)」パタリ

黄「あ、また倒れた」

黒「もう少ししっかりしてほしいわね……」


 入学式を明日に控えた春休みの昼下がり、だらだらと惰眠をむさぼっていた色無を衝撃が襲った。

「いっろなし〜、起きろー! えいっ!」

「ごふっ!」

 天使のような笑顔を浮かべた紫が、無防備な色無のみぞおちに肘をたたき込む。呼吸もできずに悶絶する色無の肩を持ち、紫はがくがくと揺さぶった。

「ほら、早く食堂行くよ。今日は新入生が入寮してくるから、紹介と引っ越しのお手伝いするって言ってたでしょ!」

「急かすくらいならもう少し丁寧に起こせよ……いくらお前がちっ——」

「『ちっ——』……そのあとは何? なんて言おうとしたの? ほら言ってみなさいよ、聞いてあげるから」

 ぐいぐいと容赦なく首を絞めながらにこやかに問いかける。色無の顔色が赤から青、そして白になり、全身から力がぐったりと抜けたところで紫は手を離した。

「ほら、さっさとしないと紹介始まっちゃう……色無? もう、また寝ちゃったの? 先行くからね!」

 パタパタと足音を立てて出て行く紫の後ろ姿を、色無は朦朧としながらなすすべもなく見送った。

 気を失っていたのはほんのわずかのあいだだったが、色無がふらつきながら食堂にたどり着いたときにはもう新入生の自己紹介は終わっており、在寮生がその周りを取り囲んでいた。

「あー、一足遅かったか。今年は二人か、少ないな。しかもまた女の子か……ふーむ、それにしても今年はなかなかレベル高いな……」

「ちょっとぉ、『今年は』ってどういうこと? 聞き捨てならないなあ」

「そうそう、去年までだって私たちがいたじゃない。こんな美少女たちに囲まれて暮らしてる高校生なんて、日本中探したって色無だけだよ」

 左右からまとわりついてきた橙と黄を、色無はうるさそうに振り払う。

「自分で美少女とはよく言うよ。むしろお前らのせいで、俺の女の子に対する可憐なイメージは粉々に打ち砕かれたんだけどな。ほんと、知らない方が幸せなことってあるよな……」

「うわー、キモッ! なんかこの人、女の子に幻想抱いちゃってますよ!」

「これだから童貞は始末に負えないわねー」

「だからそういうこと平気で言うなって言ってんだよ!」

 じゃれ合う三人に、新入生二人とその周りを囲んでいた女の子たちの視線が自然と集まった。

「おい色無、遅れてきたくせにそんなとこでだべってんなよ。こっちこい、紹介すっから」

「あ、はーい、すんません」

 呆れ声の朱色に手招きされ、色無は橙と黄を軽くこづいてからそちらに近づいた。

「まあ見れば分かるが、こいつら二人が今年この虹色寮に入ることになった新入生だ。面倒見てやれ」

「はい。えーっと……」

 二人の顔を代わる代わる見ていると、髪に少し癖のある子が一歩前に進み出た。

「初めまして、わたし空っていいます! 趣味はよかった探しです! お姉ちゃんの青がいつもお世話になってます!」

「よ、よかった探し? それは何というか、前向きな趣味だね。青の妹なんだ。よろしくね」

「はい!」

 続いて視線を隣の子に移す。しばし間が空き、その長い髪の女の子はしぶしぶといった感じで口を開いた。

「……灰です」

「……それだけ?」

「二度も自己紹介するのはめんどくさいので、あとはお姉ちゃんに聞いて下さい——いたたた、痛い、お姉ちゃん痛い!」

 灰と名乗ったその子の背中から、黒が手を伸ばして思い切り両の頬をつねりあげた。

「『めんどくさい』は禁止って言ったでしょう。ほら、ちゃんとしなさい」

「は〜い……えーと、灰です。黒の妹です。趣味は寝ることとゲームすることと時間を無駄に過ごすことです」

「はあ……それは何というか、後ろ向きな趣味だね……よろしく。あ、こっちの紹介がまだだった。俺は——」

「こいつは色無。虹色寮唯一の男だ。一年で出て行くかと思ったが居残ったあたり、相当なむっつりスケベだが、手を出すような度胸も甲斐性もないか安心してこき使ってやれ」

 朱色の身も蓋もない紹介に色無は膝から崩れ、周りの子たちはどっと沸きかえる。

「ちょ、なんてこと言うんですか! 二人とも誤解しないでよ? 俺がここに住んでるのは決して下心からじゃなくて……」

「大丈夫ですよ、ちゃんと知ってますから。ご両親が海外におつとめで、一人で日本に残ったんですよね」

「それで、入居予定だったアパートが引っ越し前日に全焼して……ここしか空いてるところがなかった、と」

 そのときの色無の顔は、控えめに言ってもかなり間抜けなものだった。

「……なんで知ってるの? エスパー?」

「お姉ちゃんから色無さんのことは何度も電話で聞かされましたから」

「わたしもー」

 二人がそう言うと、とたんに青と黒がそわそわしだした。

「ちょ、ちょっと空! よけいなこと言わないでよ!」

「灰、あんたもよ」

「……他にはどんなこと言ってた?」

「そうですねー。あ、弓道着姿が似合うって言ってもらったとか、ノートをコピーしてあげたお礼に買い物につきあってもらったとか——むぐっ!」

「あ〜、うちはたいてい悪口ばっかだったかなあ。誰かとイチャイチャしてたとか、鼻の下伸ばしてたとか。でもたいてい最後は——ふむ〜!」

 目だけは笑っていない笑顔を同じように浮かべ、青は空の、黒は灰の口をしっかりとふさいだ。

「さあもうおしゃべりはおしまい! さっさと荷物運び込まないと、今日中に終わらないわよ!」

「そうそう。こういうことはテキパキやらないとね。色無、私たちそれぞれ一緒の部屋で暮らすから、玄関の荷物を運んでくれるかしら?」

「いいけど……お前たちは運ばないのか?」

「私たちは、ちょっと妹たちに話があるから。それじゃお願いね。さあ、行きましょうか黒」

「そうね、青」

 恐怖に目を見開きながら引きずられていく空と灰を不憫に思いながらも、とばっちりを恐れた色無は顔を引きつらせて手を振った。

「今年もにぎやかになりそうだね、緑ちゃん」

「またいちだんと読書の時間を邪魔されそうね」

 楽しそうな桃の声に、緑は読んでいた本を閉じてため息をつく。

「読書より大切な時間が増えるんなら、それでいいじゃん」

「あなたも体を動かす時間が減らないといいけどね」

「うっ! べ、別にいいよ、ちょっとくらい。あの子たちが楽しくすごせるように、先輩のボクたちが手伝ってあげなきゃいけないんだからさ!」

 少しひるみながらも殊勝なことを言う赤に、緑も苦笑しつつ同意した。

「今夜は歓迎会だから、腕によりをかけてお料理しなくちゃね。そうそう、さっき連絡があって、夕方には白ちゃんも退院して、群青さんが連れてかえってくるそうよ」

「ほんと!? やった、これで新学期始まる前に全員集合だね!」

 穏やかに朗報を告げる黄緑に、紫が喜びを全身で表現して抱きついた。

「おーい、俺一人に荷物運ばせる気かよ! 軽いのだけでいいから、みんな手伝ってくれ!」

『はーい!』

 異口同音に返事をし、顔を見合わせてもう一度笑い合うと、全員先を争うように食堂をあとにした。

「また楽しい一年になりそうだな」

 最後に残った朱色は、タバコを灰皿にねじ込みながらそう呟いた。


『Liar?/Liar!』

 無理はするな編

水「……」

男「……」

水「……ぁ」

男「?」

水「ご、ごめんなさい、嘘ついてました……」

男「いつの間に!?」

茶「たたたっ、大変です〜っ!」

男「落ち着いて茶さん。どうしたの?」

茶「あのあのっ、黄ちゃんが交通規制に巻き込まれて怪我したらしいですっ」

男「……色々言いたいけど、とりあえず黄ならそこでピンピンしてるよ」

茶「……あれ?」

男「せめて見当たらない赤ぐらいとかさぁ……」

茶「じ、じゃあそれでっ! 聞いてくださいっ、赤ちゃんが怪我で交通渋滞ですっ!!」

男「騙す相手のアドバイスを受け入れてどうすんの」

 不器用ですから編

青「私ね、弓道部に入ってるけど本当はアーチェリーがしたかったのよ」

男「へぇ〜」

青「……こう、『フリーズ!!』みたいなね」

男「ふ〜ん」

青「……私が嘘ついてるんだからちゃんと突っ込みなさいよ!!」

男「そんな微妙な嘘、分かるかっ!!」

紫「ちょっと!~UFO見たのよ、UFO!!」

男「……へぇ?」

紫「私がぼーっとしてたらぴかーってなったから、ちらっと外見たらUFOがびゅーんって! ぎゅーんって!!」

男「……そりゃあ貴重な体験をしたなぁ(なでなで)」

紫「父親の顔で頭を撫でるなぁっ!!」

緑「何か用?」

男「いや、別に——あれ? 緑、本は?」

緑「あんな面倒くさい物、読む訳ないじゃない」

男「……エイプリルフールだからって無理すんなって」

緑「してない(トトトトト)」

男「机に16連射してる時点でイラつきすぎだろ」

緑「イライラなんかしてない。私は至って冷静よ(グイグイ)」

男「ほらほら、この本渡すからっ! お前が本の代わりにめくろうとしてるの俺の服っ! えっちぃ〜!!」

 ナチュラル・ボーン・ライアー編

橙「ね〜ね〜」

男「何だ?」

橙「耳がおっきくなっちゃった〜」

男「なってねぇよ」

橙「ちっちっち。嘘でした〜」

男「そういう次元じゃねぇだろ」

橙「なるっていうのが嘘でした〜」

男「小学生か」

黄「……」

男「どした?~この手のイベントでお前が黙ってるなんて珍しいな——ってか瞑想中?」

黄(くいくい)

男「メモ出してくるぐらいなら話せよ。『うそつきあつかいはうんざり。今日は一日はなしません』……せめてもうちょっと漢字使え」

黄「……」

男「ま、お前がそういうなら頑張れよ」

黄「や〜い、騙されたぁ〜! 私がこんなおいしいイベント見逃すワケない——って既にいねぇ〜っ!?」

桃「実はね、私胸のサイズ誤魔化してたの」

男「……はぁ」

桃「本当はBカップしかないんだけど、パットとかで水増ししてたの。がっかりした?」

男「そのサイズでも十分キレる奴いると思うけど。別にがっかりとか……」

桃「うそうそ、この胸は天然だよ。触ってみる?」

男「遠慮しておきます」

桃「皆に悪いと思ってサイズ誤魔化してたのは本当なんだよ? ふふっ……Dって言ってたけど、本当はFに近いEなんだ。触ってみる?」

男「遠慮しておきます」

 存在自体が……編

赤「いや〜、車にぶつかって怪我しちゃったよ」

男「嘘つけ」

赤「ありゃ、バレちゃった」

男「当たり前だ。事故った奴がそんな元気な訳ねぇだろ」

赤「ちぇっ。せっかく事故にあったのに〜」

男「何でそこが事実なんだよ」

白「ねぇねぇ、私幽体離脱できるようになったんだよ」

男「マジで!? すげぇぇぇっ!?」

白「やったぁ、騙された〜♪ いくら私が病弱でもそんなのできる訳ないよ〜」

男「……」

白「何か固まっちゃったけど大丈夫?」

男「……俺の目が大丈夫なら、白さんの体がダブって見えてるんだけど」

黄緑「はぁ。困りましたねぇ……」

男「どうかしたの?」

黄緑「台所でゴキブリが出たんです。私驚いちゃって、思わず手に持ってたフライパンを……」

男「うっわ、グニャグニャ。これは使い物になりそうにないねぇ」

黄緑「うふふ、嘘ですよ。これ、粘土でできてるんです」

男「嘘ぉっ!?」

黄緑「……あらあら、そこまで驚いてくれたのは私の演技のおかげなんですか? それとも——(ギリギリ)」

男「あだだだっ、腕っ、折れっ!? 俺の腕はフライパンより脆いんだから、黄緑さんなら簡単に——じゃなくて、か弱い黄緑さんにはそんな事無理だからっ、ギブギブ〜ッ!!」

 いつもの生活の、有効活用編

黒「今から一つ嘘つくわね」

男「宣言するもんじゃねぇだろ」

黒「好きなの」

男「は?」

黒「大好き。誰にも渡したくない」

男「いやいや、ちょっと待て」

黒「あんたの事を好きな他の誰よりも、愛してる」

男「嘘って分かっててもテレるから」

黒「ふぅ、大分気が晴れたわ」

男「何だったんだよ、一体」

黒「……嘘をついたのよ。宣言通り、ね」


 慣れないことをやってみよう:あか

赤「むぅ〜……!」

無「なぁ、そんな無理すんなって」

赤「こ、これぐらいなんてことないってば——っつぅ!!」

無「ちょっ!?お、おいオマエ、血が出て!」

赤「うぅ、いったぁい……で、でもこれぐらい平気だよ。ホント、色無ってば大げさだなぁ」

無「いやでもけっこう出てるじゃん、血ぃ。めっちゃ痛そうなんだけど」

赤「だから大丈夫だってば。これくらい舐めとけば治るって」

無「んな大雑把な……まぁそれはそれとして、いつ直るんだ?このボタン」

赤「そ、それはえーと、ゆゆ、指の手当てが終わったらすぐ終わるよ!」

無「とか言ってかれこれ30分。取れたボタンを1個着けるだけでこれとはね。オマエ、裁縫苦手なんだな」

赤「うぅ……だ、誰にでも得意不得意はあるもん」

無「まぁそうだな。代わりにスポーツじゃ右に出る者無しってことでいいんじゃねーか?」

赤「でもそれはそれでなんか負けた気がする……あ!ほら色無、できたできた!ほらほら!」

無「ん、どれどれ。 ……なぁ赤、玉止めって知ってるか?」

赤「へ?」

 慣れないことをやってみよう:き

黄「……」

無「手が止まってるぞ、そこのバカ」

黄「うぅ……バカっていうなぁ……」

無「だからー、画像を挿入するときはここをクリックするんだってば。もう4回目だぞ?この説明」

黄「4回目だろうが10回目だろうが、覚えられないものは覚えられないんだもん」

無「それがバカだって言ってるんだけど。お年寄りじゃあるまいし、いい加減覚えろよな」

黄「うー……パソコンなんて嫌いだぁ」

無「そうも言ってられないだろ。この課題、明後日までにプレゼンしなきゃいけないんだからさ」

黄「パソコンなんて調べものさえできればいいじゃん……なんでこんなことまでしなきゃならないのー……?」

無「嘆くヒマがあるなら努力しろ。わかんなくなったら教えてやるから」

黄「い、色無ぃ……ありがとーっ!」

無「うわっぷ!? だ、抱きついてねーでさっさと作れーッ!」

先「——で、完成させたはいいがそのデータを持ってくるのを忘れたと。 はぁ……黄色らしすぎて何も言えんよ」

無(ホントだよ……あぁ、俺の苦労が水の泡……)

 慣れないことをやってみよう:あお

青「……」

無「なぁ。顔が青いっていうか白いけど、大丈夫か?」

青「だ、だだだいじょうぶじゃないわよ!」

無「みたいだな。にしても、青が高所恐怖症とは……ちょっと意外かも」

青「ちっ、違うッ!私はただその、か、風邪で具合が悪いってだけで!」

無「そんな人がどうして遊園地に来るのやら」

青「そ、それはみんなが付いて来いって言うから仕方なく——」

無「企画発案は青空姉妹って聞いてますけど、僕」

青「うぅ……」

無「つーか無理して観覧車に乗らなくてもいいのに。これ狭いから余計怖いぞ?」

青「だ、だって下で待ってても退屈だし、それに……」

無「わざわざ怖い思いするよりは退屈してる方がいいんじゃないのかなぁ。あ、下のゴンドラから赤が手ぇ振ってる」

青「——動かないで!」

無「ッ!?」

青「……お願いだから、そのまま……揺れると、怖いの……」

無「あ、わ、わかった。わかったからそんな泣きそうな顔するなって!」

青「うぅ……ご、ごめ、ごめんなさい……」

空「——どうだった?おねえちゃん。例の恐怖症は治りそう?」

青「……」

空「……気長にがんばろ。ね?」

青「……うん」

 慣れないことをやってみよう:みどり

緑「……」

無「黙って睨みつけないの」

緑「睨んでない」

無「そりゃよく知ってる俺からすればわかるけど。でも、普通の人からすれば睨んでるように見えるから」

緑「悪かったわね」

無「あぁもう怒らないの。そんなんじゃ面接なんて受かりっこないぞ?」

緑「……」

無「それじゃもっかいな。 えーと、では緑さんにお聞きします。本校への進学を希望した理由はなんですか?」

緑「はい。貴学への進学を希望した理由は……」

無「理由は?」

緑「……貴方がいるから、です」

無「——は?」

緑「……」

無「……」

緑「……」

無「いや、試験官にそんなこと言うつもりかオマエ?そんなカッコイイ人なんて、小説とかマンガじゃないんだから——」

緑「……もういいわよ、馬鹿」

 慣れないことをやってみよう:むらさき

紫「……」

無(……)

紫「……」

犬『ワンワンワンッ!!』

紫(ビックゥ!!!)

無「またダメだったか……」

紫「な、なんで急に吠えるの!?私、なんか悪いことした!?ねぇ!?」

無「あーはいはい落ち着け落ち着け。動物ってのは心に敏感だから、びびったりしてるとダメだぞ」

紫「そ、そんなこと言ったって!」

無「にしても、ネコは平気なのにな。なんで犬はダメなんだ?」

紫「……だって、吠えるもん」

無「いやそりゃしょうがないって。つーかここ帰り道なんだからさ、一人でも通れるようになっておかないとマズいぞ?」

紫「うぅ……どうしよう、色無ぃ」

無「——あぁもう。とりあえず慣れるまでは俺が付き合ってやるから、早いとこ克服しようぜ。な?」

紫「ぁ……う、うんっ。 その、ぁ、ぁりがと……」

無(あんな捨て犬みたいな顔されたらほっとくワケにもいかないっていうね……ったく)

 慣れないことをやってみよう:みずいろ

無「かれこれ5分が経過しておりますが……」

水「え、えっとね、えっと……」

無「歌えそう?」

水「も、もうちょっとだけ待ってください」

無「そっか。期待してるからな」

無(とは言ったものの……ただでさえ臆病なのにカラオケなんて、悪いことしたかなぁ)

水(うぅ、歌いたいのがいっぱいありすぎて選べない……どうしよう、いきなりラブソングなんてやっぱダメだよね……?)

水「ただいまー♪」

無「ただいま……」

朱「お、帰ってきたか。ちょうどいい、メシできてるから食べるぞ」

水「はーい♪」

朱「? 水色のヤツ、えらく機嫌がいいな。何したんだ?」

無「……さっきまでの名残じゃないッスかね、あはは……」

朱「は?」

無(み、水色のイメージが……いや、アレはアレで可愛いけど、けどッ……!)

水(またカラオケ行きたいな……♪)


 風邪ひき色無の休日

無「わるいな、せっかく退院したってのに」

白「ううん、しかたないよ、風邪ひいちゃったんじゃ」

無「でもせっかくのデートの約束が……」

白「いいのいいの、またこんど誘ってくれれば、ね?」

無「うぅ……でもなんか申し訳ないし」

白「あ……じゃ、じゃあ……いっ一緒に寝ても……いいかな?」

無「……え?」

白「あ……ほ、ほら、体あっためるには人肌がいいっぽいし、風邪ってうつしたほうが治りがはやいって言うし……だめかな?」

無「え……いや、だって白にうつっちゃったら大変だし———」

白「デートの代わりってことで……ね?」

 コンコン ガチャ

黒「色無、ここに灰が来てない——」

白「あ、黒ちゃん」

黒「……色無」

無「は、はいっ!!」

黒「私の白に手を出すとはいい度胸じゃないか(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ)」

無「いや、これは白が——」

灰「言い訳とは見苦しいですぜ、旦那」

無「って灰?!いつの間に人のベッドに?!」

黒「なっ?!白だけじゃなくて灰まで?!」

灰「か弱い乙女を2人も連れ込んで何をしようとしてたんだか」

無「ご、誤解だ!ま、まて……落ち着け 黒!!」

黒「こうなったら……」

無「へっ?!」

黒「こうなったら私も入ってやるーーー!!」

灰「あ、壊れた」

無「えぇえ〜!!?」

ガチャ

紫「色無〜、こないだ空ちゃんに貸してたゲームあとで私にも————」

無「……あ」

パタン

無「まて!紫!無言で去るな!!誤解だ!!誤解なんだーーー!!」


男「茶さん、トランプなんか持ってどうしたの?」

茶「あ、あのっ、5段くらいのトランプタワーを作ってみようかなって思ってるんですっ」

男「……何事もチャレンジしないとね。頑張って」

茶「はいっ、がっ、頑張りますっ!!」

男「……がんばれ〜」

黒「何で必要以上に優しい目で見守ってるのよ」

男「だって……なぁ? 茶さんだぞ?」

黒「あんた、茶の事馬鹿にしてるでしょ。あの子手先はかなり器用よ」

男「はっはっは、いくら俺でもそんなのに騙されたり——」

茶「……ふぅ」

男「って既に4段目!?」

黒「ほら、器用でしょ? でもね——」

茶「へくちっ」

バラバラバラ

黒「……今まで私が見てきた限りでは完成させた事ないんだけど」

男「……さすが茶さんって言うべきなのかな」

茶「あうぅ……」

男「ってかさ、お前茶さんがこれしてるの結構見てる?」

黒「ええ」

男「何となくお前って、こういった細かい作業とか嫌いだと思ってたんだけど」

黒「確かに自分でやる分には嫌。ただ、人がしてるのを見るのは好きよ。例えば今の茶みたいに頑張ってる顔とか」

男「あぁ、いいな」

茶「(ツルッ)っきゃあぁぁっ!?」

グシャッ

茶「あうぅ……」

黒「特に今の失敗して泣きそうな顔とか最高ね。頑張っても報われない所なんてゾクゾクするわ」

男「……さすが黒って言うべきだな」


無「暇だなぁ……メールでもするか」

無「『暇だからメールしないか?』送信……っと」

—10分後

無「(ピリリリリリ)お、やっと返信きた」

from:赤

本文:

いいっ……よっ!……でもっ……腹筋……

してるっ……からっ……返信……遅くっ……

なるねっ!

無「……メールなのに臨場感が伝わってくるんですが……」

 

無「赤は大変そうだったから青に送ってみるか」

無「『暇だからメール(ry』送信……っと」

—1分後

無「(ピリリリリリ)うおっ、早っ!」

from:青

本文:

い、色無からメールしてくれるなんて珍しいわね! [heart]

べ、別に嬉しくなんかないんだからねっ! [heart]

毎日メール待ってるなんてことないんだからねっ! [heart]

無「……なんかハートマークがいっぱいついてる……」

 

無「青の相手するのは大変そうだから黄色に送ってみよう」

無「『暇だからメ(ry』送信……っと」

—5分後

無「(ピリリリリリ)まぁ、普通このくらいの時間だよな」

from:黄

本文:

やっほー☆あたしも暇してたんだぁ☆

なんの話するぅ?カレーの話?

やっぱ夏はカレーよね!この夏も黄色

ちゃん特製カレーで夏バテしらずだよっ☆

無「……カレーのことしか頭にないのか、コイツは……」

 

無「黄色とは話がかみ合いそうにないから、緑にメールしよう」

無「『暇だから(ry』送信……っと」

—20分後

無「(ピリリリリリ)やけに遅かったな。風呂でも入ってたのか?」

from:緑

本文:

「やらないか」

そう言うと男は突然チャックを下ろし始め

はち切れんばかりの(ピー)を露にした。

色無は、ゴクリと息を呑むt(以下自主規制)

無「……うわぁ……」

 

無「緑は危なすぎだろ……常識的に考えて……。次は白だな」

無「『暇だか(ry』送信……っと」

—5分後

無「(ピリリリリリ)お、来た来た」

from:白

本文:

いいよ!わたしも暇だったんだ!

色無君は今日何してたー?

無「やっと……やっと普通のメールが出来る!よし、早速へんし……」

黒(ジー)

無(なんか黒がこっち見てる!ていうか変なオーラ出てる?これもしかして死亡フラグたった?)

黒(ジー)

無「……『ゴメン、急用できちゃった。』送信……っと(命には代えられないよなぁ……)」

 

無「今度は橙か。まともなメールが帰ってくるといいけど……」

無「『暇だ(ry』送信……っと」

—3分後

無「(ピリリリリリ)早いなぁ。メール打ち慣れてるって感じだな」

from:橙

本文:

レヽレヽ∋→★(≠ょぅ±→、

ヵ〃ッ⊃ゥσヵゝぇレ)レニ

ぉレヽUレヽヶ→≠ゃ±ωレニ

∋ッT=σ→★

ξUT=らレまω`⊂レニぉレヽU<τ±→、

⊇ω`⊂〃レヽЗTょUм○

⊃яёτレヽッτぁレナ〃ゑЙё☆

無「……読めねぇ……」


無「さてと、今日もメールしてみるか。まずは桃に送ってみよ」

無「『暇ならメールでもどうですか?』送信……っと」

—5分後

無「(ピリリリリリ)お、着たな」

from:桃

本文:

入浴中にメールしてくるなんて色無君のえっちぃ [heart]

今身体洗おうと思ってたんだよ?

あ、今ちょっと想像したでしょ?

ふふふ、でも想像なんてわざわざしなくても、ちゃんと言えば見せてあげるよ?

私のカ・ラ・ダ [heart]

無「……ごふっ!(鼻血吹き出しt(ry)」


無「……ん……あれ、俺何やってたんだろ。あ、そうだ。メールしてるんだった。えーと、次は紫?」

無「『ちっちゃいは正義』送信……っと」

—1分後

無「(ピリリリリリ)うわ、もう着たよ」

from:紫

本文:

ちっちゃいゆーな!

色無のばか!あほ!どじ!

まぬけ!

正義なんて言われたって嬉しくないもん……。

無「……なんか分からないけど物凄い罪悪感が……」

 

無「さぁ、気を取り直して水にメールしてみよう!」

無「『暇ならメールしよ?』送信……っと」

—10分後

無「(ピリリリリリ)ちょっと遅かったな」

from:水

本文:

メ、メールですか……?

い、いいですけど……その……

あの……え、えーっと……

な、何を話したりすれば……

無「……どう考えてもメールが続かなそうだよなぁ……」

 

無「次は黒か……あんまり良い反応しなそうだなぁ……」

無「『たまにはメールしない?』送信……っと」

—5分後

無「(ピリリリリリ)うーん、なんか開きたくないな……」

from:黒

本文:

色無が私にメールしてくるなんてめずらしいわね

そういえば色無は今度のテストはどうなの?

あれだけ授業中も爆睡してるんじゃさぞ余裕なんでしょうね?

無「……テスト……すっかり忘れてたぁぁぁぁ/(^o^)\」

 

無「あー、なんか黒からのメールで一気にテンションが……でもここまで来たらみんなにメールしなきゃ!次は茶色だ!」

無「『メールする?』送信……っと」

—5分後

無「(ピリリリリリ)着た……」

from:茶

本文:

いいゆー?私む兆℃暇だったんだー、

細菌メールとかしないから欲遣い方

わかゎないゅ><:

あ、顔も痔とか浸かってだいしょうぶ!〜

無「……もうドジッ娘ってレベルじゃねーぞ!」

 

無「最後は黄緑さんか。そういえば黄緑さんが携帯使ってるとこってあんまり見たことないな……」

無「『たまには生き抜きにメールでもしませんか?』送信……っと」

—5分後

無「(ピリリリリリ)あ、結構早い」

from:黄緑

本文:

あら、色無さんからのメールなんてめずらしいですね^□^

でもすいません、明日も朝が早いのでそろっと寝ておかないと……^□^ι

また今度ゆっくり時間がある時にでもメール下さいね。

じゃあ、おやすみなさいZzz

無「……割と使いこなしてる?!ていうか黄緑さん、俺たちのために毎朝早起きしてくれてるんだよな……感謝しないとな……」


無「あれ?こんなところに緑の創作本が……」

本『……柔らかな風が私の頬を撫でていった。木々のざわめきが心地よく……』

無「珍しいな。いっつも肌身離さず持ってるのに」

本『……そして目の前に現れたのは、私の思っていたよりもずっと大きな背中だった。……』

無「……ん、ダメだダメだ読んじゃ。完成してないのに読むと怒るんだよな、あいつ。……でも気になる」

本『……彼は言った。「お前のカレーが食べたい」と。……』

無「……ん?」

本『そして私ことカレーの勇者はハヤシ魔王から福神漬け姫を助け出す旅に出たのであった!』

無「……あの野郎……勝手に書き足しやがったな」


『皆料理ぐらいできますよ、オンナノコですから』

茶「っきゃぁああ〜っ!?」

黒「あら危ない。包丁持ったままこけられるのは心臓に悪いからやめてもらえる?」

緑「茶、貴女はこれの火加減見ておいて。それは私が切っておくから」

青「ちょっと!? 二人とも茶の世話ばっかり焼いてないでこっちの手伝いもしてよね!!」

緑「青なら大丈夫でしょう? 別に、茶を好きな様にさせておいてもいいなら貴女の手伝いをしてもいいけど」

青「……ゴメン、こっちは任せて」

紫「よっ……と(トン)。よっ……と(トン)」

黄緑「そうそう、その調子です紫ちゃん。あと少し早く切れるようになったら完璧ですね」

桃「ねぇ水色ちゃん、これってもうちょっとお塩入れた方がいいかなぁ?」

水「(ペロッ)わ、私はこれぐらいの方がいいんじゃないかと思います……」

桃「ホント? 水色ちゃんがそう言ってくれるならこのまま続けるね」

黄「……」

赤「……」

橙「……」

黄「……隊員集合っ!」

橙「してま〜す」

赤「どしたの?」

黄「まことに言いにくいのですが、非常にピンチです」

橙「分かりきってる事じゃん」

赤「期待の星だった白ちゃんが保健室行っちゃったしね〜」

黄「そう! まさにそれが原因っ!! 早く帰ってきて白隊長、総員テレパシー送信開始っ!!」

橙「へ〜るぷみ〜」

赤「おなかすいた〜」

男「白さんがいてくれて助かった、サンキュ」

白「お礼なんていいよー。私がしたことなんて消毒液出したぐらいだし」

男「俺じゃあどこにあるか分からなかったし、お礼を言うのは当然だって」

白「うぅっ、何か照れるなぁ」

男「ま、いいからさ。それより白さんはなんでここに? 体調でも崩した?」

白「ちょっと薬をもらいに来たんだけど、先生がいないから帰ろうかなって」

男「そっか、残念。しばらくここにいるんだったら俺のサボりに付き合ってもらおうかなって思ったんだけど」

白「ふぇ?」

男「でも、白さんが帰るっていうなら仕方ないか」

白「……あ、ちょっと疲れてるかも。しばらく休んでいこうかな?」

男「そう? じゃあしばらく話でもしない?」

白「うんっ!」

男「ってかさ男子だけ外でマラソンとか嫌がらせって思わない?」

白「あはは、確かにツラいよね——」

黄「……『ゴメンね、無理』って言われた気がした」

赤「私も〜」

橙「以下同文〜」

黄「……現時刻をもってこのチームは私の指揮下に入るっ! いいわねっ?」

橙「どうでもいいで〜す」

赤「さー! いえっさー!!」

黄「じゃあ手早く行くわよっ、今日のテーマは和食。それぞれの得意ジャンルを言いなさい! 隊長の私はもちろんカレー専門っ!!」

橙「インスタント専門」

赤「食べるの専門」

黄「……」

赤「……」

橙「……たいちょ〜、どうすんの〜?」

黄「幸い材料は全部揃ってるし、こうなったら私がミソスープをなんとかするわ」

赤「ほうほう。ボク達は?」

黄「赤は魚の切り身をなんとかして、オレンジは卵をなんとかしなさい。これで解決よ」

赤「ラジャった! ……で、具体的には?」

黄「なんとかしなさい。他に質問は?」

橙「たいちょ〜、オチが分かってるのに続けるんですか〜?」

黄「皆まで言うなっ!!」

黄「よし完成っ!~あぁ、自分の才能が怖すぎる……」

青「何作ってるのよ、あんたは」

黄「何って、見ての通じゃない青ちゃん。味噌汁よ」

青「これだけカレー臭い味噌汁がある訳ないでしょう!!」

黄「さすが青ちゃん、わたしの『トーフカレースープ〜味噌をのせて〜』の隠し味に気付くなんて侮れないわね」

青「……一切隠れてないじゃない」

黄「私だって味噌を隠し味にしたかったし、オリジナルのスパイスを使いたかったわ、でも今日の課題が和食なんだから仕方ないじゃない!?」

青「逆ギレするのはやめなさい。それより赤もオレンジも、見てないで最初のうちに止めなさいよ」

橙「だって隊長が——」

赤「だって隊長が——」

黄「ちょっと待てぇ〜っ! どうせあんた達だって無茶な調理してるんだから同罪でしょ!?」

橙「隊長。鍋見て、鍋」

黄「(まぜまぜ)……あれ? いつの間に魚と卵が入ってんの? ってか生臭っ!!」

橙「隊長の言いつけ通り、『なんとかした』結果よ?」

赤「とゆーわけでボク達は悪くありません、青ちゃん」

橙「全部あの子がやりました」

黄「げ、下克上っ!?」

青「……はぁ、罪の擦り付け合いはともかく作っちゃった物は仕方ないか。ちゃんと食べきりなさいよ、それ。ちょっと生臭いけど」

橙「……げ」

橙「これは食べるのに勇気いるなぁ……」

赤「(パクパク)なんで? 美味しいよ?」

黄「(パクパク)うん、これはこれでアリじゃん。もちろん改良の余地はあるけどね」

橙「……こういう時ってあんた達が凄く頼もしく見えるわ」


『勉強——しますか?』

 前フリ編

男「という訳で勉強を教えてください皆さん」

黄「あんたがそんな事言い出すなんて珍しいわね〜」

青「いきなりどうしたって言うのよ?」

男「オレホシュウイヤ。デモベンキョウデキナイ。タスケテ」

白「……何で片言?」

黄「あっはっは、あんたにしては殊勝な心がけね」

緑「とりあえず勉強する気になったのは良い事ね。私でよかったら教えてあげるわ」

茶「わ、私も頑張りますっ」

青「とりあえず反対する子もいないみたいね。それじゃあやりますか」

男「マジか? サンキュー、助かる」

黄「ホント、恩に着なさいよ〜?」

男「なぁ、黄。さっきから言いたかったんだけど」

黄「?」

男「俺は、お前に、教えてもらう、事は、ない」

黄「……へ?」

男「自分よりバカに何を聞くっていうんだ?」

黄「……」

男「ま、お前も俺と同じ教わる立場って訳だ。皆で大人しく勉強しようか」

黄「私の気持ちも知らないでそんな事言うなんて……。バカぁ〜っ!!」

男「……分かりやすく逃げたな」

桃「……逃げちゃったね」

男「ま、あいつの相手してるヒマはないし。早速教えてもらおうか」

 もっと落ち着け編

紫「……一応、解法はわかってきたみたいね」

男「そうか? それならもう大丈夫だな」

紫「そんな訳ないでしょ。せっかく私が教えてあげてるっていうのに、つまらない計算ミスで全部間違いってどういう事よ」

男「昔から計算ミス多いんだよな〜。やっぱ小さい頃にドリルとかやっとくべきだったな」

紫「……つまり私は小さいから計算ができるんだろって言いたいの?~ふざけてる?」

男「どれだけ曲解するんだ」

男「文法って覚えにくいし、嫌なんだよね」

茶「それは口に出さないから覚えられないんですよ?」

男「そうかなぁ?」

茶「そうですっ。じゃあ早速私についてきて下さいね? ありおりはべっ!?」

男「……」

茶「ひ、ひまほかひ」

男「……ありおりはべっひまほかひ」

茶「ひがいまふよ〜、はひほひはへひひまほかひ、でふ」

男「……さっきと全然違うんだけど」

橙「音楽のテストにはやっぱ音感が必要じゃない?~って事で歌おうか」

男「……それでカラオケか。短絡的すぎないか?」

橙「そんな事ナイナイ。とりあえずいっきま〜す♪」

男「……」

橙「どしたの? ちゃんと聞いてる〜?」

男「おまえばっか歌ってて、何の意味があるんだよ。俺にも歌わせろ」

橙「人の話聞いてた? あんたの音感鍛えるんだから歌ってどうすんの」

男「……」

橙「あ、そこに私の提出用のノート持ってきてるから、ついでにやっといて〜?」

男「お前が遊びたいだけじゃねぇか」

 リアルを重視編

赤「わかんない事あったら何でもボクにまっかせなさーい!」

男「……って言っても保体で聞く事なんてなぁ」

赤「ほらほら早くっ、早くっ」

男「あ〜、じゃあこの穴埋め問題。サッカーコートのサイズって?」

赤「えっとね、バレー用のコートと比べて奥行きが約5.83倍、横が約7.56倍だよ」

男「……センターサークルのサイズは?」

赤「土俵の約4.02倍かな。分かった?」

男「余計にわかんねぇよ」

黒「あんた、中和適定の実験してなかったのよね?」

男「確か俺が休んだ時にしたんだっけか? 理論は聞いたから分かるけど、やっぱ実験はしてみたいよなー」

黒「そう言うと思って、ここに塩酸と水酸化ナトリウムを持ってきました」

男「おぉ〜」

黒「それじゃあ早速、あんたのちょっといいトコ見てみたい。それ、イッキイッキ」

男「できるワケねぇだろうがっ!?」

黒「何よ、どうせ結果的に胃の中で食塩水になるんだから大丈夫でしょ?」

男「途中過程を考えろ!!」

水「ど、どうですか……?」

男「公式とかはそれなりに覚えたけど、何となくねぇ……」

水「?」

男「与えられた値を代入するだけならできるんだけどさ。ほら、よく理解してないから応用が利かないんだよ」

水「……」

男「例えば落下速度とか、実際にそんな高い所から物落とすことないしね」

水「ぁ、あの、今まで大変お世話になりました……」

男「思いつめた顔で窓際に行くのやめようか」

 勉強? ナニソレ?編

白「じゃあまずは、学校から君の家までの地図を描いてもらいます」

男「何の意味があるの、それ?」

白「ま、いいからいいから。深く考えずに描いてみて?」

男「一応描くけどさ。(サラサラ)はい、できあがり」

白「ふむふむ、こう行くんだ……コホン、とりあえずこれは預かっておきます。じゃあ、ワークの——」

男「ポケットにしまう前に評価してくれない?」

男「『——彼は、力の限り彼女を抱きしめた』本当にこれお前が書いたの?」

緑「そうよ。いいから早く問題を解いて」

男「へいへい。『彼の彼女に対する気持ちを答えなさい?』うーん、好きなんじゃね?」

緑「そんな答え方じゃあ駄目。この彼になりきって、気持ちをこめて言いなさい」

男「……『好きだ』」

緑「もっと具体的に、もう一回」

男「その本格的な録音機材はどこから出てきたんだよ」

青「あんたが英語出来ないのはちゃんと英文が読めてないからよ」

男「もっと色々とダメだと思うんだが」

青「自分で言うなっ!! とりあえず教科書読むから、ついてきなさい。Do you say it seriously?」

男「ドゥーユーセイイットシリアスリー?」

青「Of course,……」

男「どした?」

青「なっ、なんでもないわよっ! ……ア、ア、アイラブユー」

男「オフコース、アイラブユー」

青「っ!? え、英文読むのはこれで終了っ!!」

男「2行しか読んでねぇよ」

 (大人の)勉強編

黄緑「家庭科も教えにくいですし、実践形式で問題に答えてもらいましょう」

男「……実践形式?」

黄緑「そうです。一旦教室から出て、入り口から入ってきてもらえますか?」

男「う〜い」

ガラガラ

黄緑「おかえりなさい、あ・な・た。今日はあなたが食べちゃいます? それともいつも通り私に食べられちゃいます?」

男「……」

黄緑「あぁっ、これだけ私が誘ってるのに最近のあなたっていつもそう! 私に飽きちゃったの!? 悔しいから食べちゃいますっ」

男「……」

黄緑「はい、ここで問題です。この若奥様の不満を解消するにはどうすればいいでしょう?」

男「……家庭科じゃなくて家庭の問題じゃんか。ってか服を脱がさない」

桃「今回の実技は、人物のスケッチらしいね」

男「らしいね。って事で、ピンクちゃんモデルになって」

桃「ごめんね、顔じっとみられるの苦手なの」

男「じゃあ横顔でいいから」

桃「無理だよぉ、十分恥ずかしいし」

男「うーん、どうしようか……」

桃「あ。身体だけならなんとか我慢できるかな? はい、どうぞ」

男「……胸を突き出してるその体勢の方が恥ずかしいと思うんだけど」

 真面目がイチバンです編

男「やっと終わった……」

黄「お疲れ〜!~いや〜、疲れた!!」

男「……」

黄「テンション低いよどうしたどうした!!」

男「……お前が高すぎるだけだ。テストどうだったんだよ?」

黄「出来るわけないじゃん。バカ?」

男「どっちがだよ」

黄「とにかくテストが終わった所で私のテンションは最高潮! 今なら何でもできそうっ!!」

青「それはよかったわ。じゃあ行きましょうか」

黄「青ちゃんから誘ってくるなんて珍しいね? 何しにいくの?」

青「勉強」

黄「……塾の時間が来たんで。じゃっ」

橙「は〜いすと〜っぷ。逃がす訳ないでしょうが」

男「ってか、何故に勉強? 補習受けさせればいいじゃんか」

青「私だってそうしたいわよ……。でも、私は補習を受けたくないんだから仕方ないでしょ」

男「何でお前が受ける事になるんだ?」

水「黄ちゃんが補習前の追試でそれなりの点数を取らないと、私達も連帯責任で補習を受ける事になるらしいです」

男「……なんだそりゃ」

黒「先生が言うには、黄を放置してた私たちにも責任があるらしいわよ」

男「先生が補習するの面倒臭いだけなんじゃねぇか?」

紫「でしょうね。全く迷惑な話でしかないわ」

黄「ね、ね、私自分で頑張るからさ、とりあえず今日の所は自由にしてくんない?」

青「あんたが自力でやる訳ないでしょ。さっさと行くわよ」

黄「ちょっ、へ〜るぷ、へ〜るぷ!!」

男「……あいつもテスト前に真面目にやっとけばよかったのにな」

緑「そうね。それじゃあ私達も行きましょうか」

男「……緑?~そっちは黄達が行った方向なんだが?」

黄緑「あなたも連帯責任の一員ですよ? さあ、一緒に黄ちゃんを教育しましょうか」

男「ちょっ、へ〜るぷ、へ〜るぷ!!」


無「黄緑さん、その荷物、俺が持ちますよ」

黄緑「いいんですよ。軽いから……」

無「でも、女の子がそんな大きな俵持ってるの見過ごせないし……」

黄緑「女の子……うふっ、それじゃお願いしようかしら?」

無「遠慮なんかしなくってもいいんですよ。ところで、これ何?」

黄緑「寮の中が湿っぽくなってきたから、炭買ってきたんです」

無「炭?」

黄緑「湿気も嫌な臭いも炭が吸ってくれますからね」

無「へぇ〜(なんだか婆ちゃんみたい)」

黄緑「で、夏休みにはこの炭でバーベキューしましょうね」

無「そいつは楽しみだな。頑張って持って帰らなきゃ」

黄緑「それじゃ、私はお野菜とか買ってから寮に帰りますから」

無「お、重い。黄緑さんこんなものどうやって片手で……」

黄緑「色無クンは男の子だもの、60�くらいなら片手でも持てるわよね」

無「あ〜、安請け合いしちまった」

灰「あ、いいところで色無見つけた!寮まで……」

無「おい、ちょっと待て!お前、俺が何してるかわかんない?」

灰「俵持って歩いてる」

無「それで、その上どうやってお前を負ぶって歩けと……」

灰「フフフ、簡単なことだよ、色無君……」

無「どうすんだよ!」

灰「その俵は縄を少し緩めて背負え。手で持つよりは少しは楽になる」

無「……」

灰「私は今日は趣向を代えてお姫さま抱っこでいいから。それじゃ逝こうか!」


黄「色無ぃー♪」

無「よ、黄色」

黄「うわっ!なにその眼鏡?伊達?伊達?」

無「最近目が悪くなってきたから買ったんだよ」

黄「ふーん」

無「似合うか?」

黄「なんかちょっとインテリって感じ?まぁ、色無のイメージではないよね」

無「そっか」

黄「(ぼそっ)でもこれはこれでカッコいいってのがなんか許せないわ……」

無「なんだ?」

黄「なんにも言ってませんよー!」

青「色無ちょっ——」

無「ん、どした?」

青「な、なんでもないわ!」

無「はぁ……そんなに俺って眼鏡似合わないか?」

青「だ、誰もそんなこと言ってないでしょ!……(ぼそっ)むしろその逆なのよ」

無「なに?」

青「なんでもないわよ!」

空「あ、色無先輩……って、あれ?眼鏡……?」

無「あぁ、最近目がちょっと悪くなってさ」

空「そうなんですか?でも似合ってますよ♪」

無「そ、そう?」

空「えぇ!何か新鮮な感じもしますし」

無「そっかぁ……じゃあ俺は空ちゃんのためだけに眼鏡を掛け続けようかな!……なんてね」

空「色無先輩が……私だけのために……私だけの……私だけ……」

無「……おーい?大丈夫?」

空「はっ?!わ、私は一体……」


『色鉛筆達にお酒を飲ませてみました』

赤「う〜……」

無「赤、どう見ても飲みすぎ」

赤「まら缶びーる7本めらよぅ……」

無「ビールばっかり良くそんなに飲めるな……」

赤「すぽーつのあとのびーるはさいこーなんですよ〜」

無「アスリートに有るまじき発言だよな、今のは」

青「ひっく……」

無「まだチューハイ2本目だぞ?」

青「わかってるわよぉ……ほぉらさっさと次のお酒よういしなさいよぉ……」

無「いや、まだ2本目空いてないって」

青「うるさぁい……そんなことばっかりいってるからあなたは彼女のひとりやふたりがつくれないのよぅ……」

無「話が飛躍しすぎです。まったく関係ないと思います」

青「だいたいねー、こんなにおんなのこがたくさんいるのに……(ぶつぶつぶつ)」

無「説教すか……」

黄「ほらほらじゃんじゃん持ってこぉい♪」

無「もう止めないか?」

黄「なぁに言ってんの!あたしはまだまだ素面だよぉ〜!」

無「確かに全然酔ってないよな」

黄「でしょー?はい、色無もジョッキ持ってー!!」

無「え、ちょ待て待て!」

黄「いっくよー!ハイ!飲ぉんで飲ぉんで飲んで、飲ぉんで飲ぉんで飲んで、飲ぉんで飲ぉんで飲んで!イッキっ!!」

無「ぷはっ!!つ、付いていけねぇ……」

緑「……(ごくごく)」

無「無言だけどいいペースで飲むなー」

緑「一人酒は慣れてるの」

無「楽しいか?」

緑「えぇ、それなりに」

無「ふーん」

緑「……でも色無と二人きりならもっと楽しいわね」

無「ん、何か言ったか?」

緑「……何にも」

白「きゅ〜……」

無「あらら、もうギブアップか」

白「うぅ〜ん……めがまわるよぉ〜……」

無「大丈夫か、白。ほら、水」

白「みずぅ?……みず……み……みず……みみずー!あはははは!みみずー!みみずー!!」

無「白が壊れたーっ!」

橙「おいしいわね、このお酒」

無「お、分かるのか?」

橙「ちょっとくらいならね」

無「お前と一緒なら美味い酒が飲めそうだな」

橙「ついでにアフターもどうかしら?」

無「え……そ、それは……」

橙「なーんて冗談。今の冗談を見抜けないようじゃ大人の世界はまだ色無クンには早いよ♪」

無「そ、そうですか……」

橙「(半分くらいは本気だったんだけどね。)」

桃「いろなしきゅーんっ♪(だきっ)」

無「わっ?!い、いきなり抱きつk……」

桃「ほっぺにちゅー♪(チュ)」

無「ちょ?!桃さんやめ……」

桃「離さないよー♪んー……(チュゥ)」

無「だ、誰かこのキス魔をなんとかして……じゃないと俺の理性が……」

紫「ふにゃー……」

無「なんか紫に酒飲ませるのは凄い罪悪感が……」

紫「ちっちゃくてもがんばるよー♪」

無「な、なんというポジティブ……」

紫「いろなしはぁ、ちっちゃいのやだぁ?」

無「え……い、いや別に……」

紫「じゃーちっちゃくてもいいもーん♪」

無「普段からこんな感じになってくれればなぁ……」

水「ふぇぇぇ……」

無「ど、どうした水?!」

水「ふぇぇぇ……」

無「なんで泣いてるの?!」

水「ふぇぇぇ……」

無「……ダメだこりゃ」

黒「そりゃぁさ、私だって本当は言いたくないのよ?」

無「……何が?」

黒「でもね、本当のことなんだから言わないと相手に失礼でしょ?」

無「……はぁ」

黒「やっぱり一人くらいはそういう人が居ないとダメだと思うのよ。色無もそう思うでしょ?」

無「……うん」

黒「世の中楽しいことばっかりじゃないのよ。私はそれをみんなにわかってもらいたくて……(ぶつぶつ)」

無「(黒も割とストレスが溜まってんのかなー)」

茶「でね、その案を東京特許許可局に持ってってー」

無「(凄い!茶色が難しい早口言葉をいとも簡単にスラスラと……)」

茶「それでね、となりの客は良く柿食う客だったみたいでー」

水「(ガッ)はぅっ!」

茶「み、水ちゃん危ないっ!!(がしっ)」

水「ち、茶色ちゃん……?」

茶「足元は気をつけよーね!」

水「う、うん……ありがと……」

無「コイツ、酒飲ませたほうがしっかりするのか……」

黄緑「色無さん、手酌はめーですよ?(トクトク)」

無「あ、すいません。……黄緑さんは飲まないんですか?」

黄緑「私はあんまり飲めないんですよ」

無「一杯くらいはどうですか?」

黄緑「断るのもなんですから、一杯くらいなら頂きますね」

無「どうぞ。(トクトク)」

黄緑「ふふ、なんかいいですね。ゆっくり時間が流れてるって、感じで」

無「(ゆっくり飲みたい時は黄緑さんと飲むのが一番だな)」

朱「おぅおぅ、色無から晩酌に付き合ってくれるなんて嬉しいねぇ」

無「まぁ、たまには……と思いまして」

朱「はぁー、こんなできた子が居てくれて私は幸せだよ」

無「どこの中年おばさんの台詞でs(ドス)」

朱「一言余計なんだよ」

無「いたたた……」

朱「でもホント、こんな弟がいれば私だってもっとまともに……」

無「ならないと思いm(ドス)」

群青「色無くぅん……」

無「なんですか?」

群青「……(ジー)」

無「な、なんですか?」

群青「……す……」

無「す?」

群青「……す……き」

無「?!」

群青「……やき〜……(ドサ)」

無「ちょ、群青さん?」

群青「……すーすー……」

無「寝てる……」

灰「いろなしぃ……」

無「なんだ?」

灰「おんぶしてぇ……」

無「やだよ。吐かれるかもしんないじゃん」

灰「じゃあだっこぉ……」

無「だっこは何か恥ずかしいじゃん」

灰「……いろなしあたしのこときらい……?」

無「ぅっ……(酔ってるせいで顔が紅潮してるうえに潤目での上目使い……これはヤバイ……)」

灰「ねぇ、きらい……?」

無「ぅぅ……」

灰「……もうどっちでもいいからだっこしろぉ!(ぎゅ)」

無「灰に襲われるー?!」

侍黒「すまぬな、付き合わせてしまって」

無「いやいや、男との近況報告も聞きたくてさ」

侍黒「む、あやつの話をだしてくるか……」

無「まぁ嫌ならいいんだけどさ」

侍黒「別に嫌ではないぞ。ただ……その……」

無「ん?」

侍黒「の、惚気話になってしまうが……よろしいか……?」

無「なんだよ、そういうのが聞きたいんだから全然大丈夫だよ!」

侍黒「こ、こほん!では……まずはあやつとの馴れ初めから……」

—2時間後

侍黒「—でな、その時男が……」

無「(2時間惚気っぱなしかよ……男、君は良い彼女を持てて幸せだな……)」

焦茶「色無、好きだ」

無「ありがとうございます。とても嬉しいですよ」

焦茶「……ふむ、酔った勢いで言ってみたのだが、やはり色無の反応は普段と変わらないか」

無「え、酔ってるんですか?全然素面っぽいんですけど……」

焦茶「あぁ、酔っているさ。……色無、キミにな」

無「……ぽっ」

焦茶「む、手応えありと見た!」

空「おにぃちゃん♪」

無「その呼び方は(俺の理性が危ないから)止めろって」

空「えへへー、怒られても今日はおにいちゃんって呼んじゃうからね♪」

無「ていうかいつの間にか敬語も外れてる?!」

空「おにいちゃんだいすきだよー♪(ぎゅっ)」

無「ちょ、空?!」

空「あ、おにいちゃんもお酒のむ?」

無「え、俺はいらn……」

空「(コクコク)~……んー」

無「お、おい?空?まさか口移しで飲ませるとか言うなよ?ちょ待て!顔近づけアッー!」


黄緑「今日のお昼は素麺ですよ〜」

一同「頂きま〜す!」

桃「それじゃ、ワサビを入れてって……」

黒「えっ、貴女、ワサビなんか入れるの?」

桃「あれ、黒は何も入れないの?」

黒「ワサビは蕎麦。白い麺類はショウガに決まってるでしょ!?」

青「そうそう。ショウガじゃないと繊細な味がわからないわよ」

赤「ワサビよりもショウガの方が体力強化につながるし!」

空「私はワサビの方が美味しいと思うよ」

水「わ、わたしもワサビ……かな」

黄緑「私もワサビの方が好きですね」

桃「うふ、ショウガ入れると胸を小さくできるのかしら?」

黒・赤・青・紫「な、なんですって!?」

無(や、やばい。この雰囲気を救うには!?)

黄「やっぱり、麺類にもカレー——」

全「カレーは黙ってろ!」

黄「うわぁ〜。ひど〜い。ねぇ、色ないまの聞いた?」

無(黄色、GJ!)

無「黄色、本当はショウガ派だったんだろ?」

黄「えッ、ばれてた?」

無「カレーにはショウガを入れるけど、ワサビは入れないからなw」

黄「ひ、ひどい。色無まで……グス」

無「いや、それ冗談」

黄「実際、そりゃそうなんだけどね」

無「でも、あそこでボケ入れることできるのはお前だからな」

黄「もしかして、褒めてくれてるの?」

無「それに桃色の理論からいけば、お前も貧にゅ(ry 」(ボカ!)

黄「どうしてコイツは……」

無「灰色、お前もしょうがか?」

灰「……なんで?」

無「いや……なんとなくだよ(桃色理論だなんて言っちゃぁさすがに傷つくよなぁ……)」

灰「桃色理論だなんて言っちゃぁさすがに傷つくよなぁ……って顔してるけど」

無「な!?」

灰「まぁいいや……んー、私はねぇ、なんにもつけないよ」

無「そっか、つゆのみかー」

灰「いや、生」

無「……なま?」

灰「盛られてる器から直で食べる」

無「……よく黒が何も言わなかったな……」

灰「チ、チ、チ。わかってないね、色無君!」

無「何が?」

灰「麺類の味を堪能するため、汁なんぞに漬けるのは邪道!」

無「そうか?」

灰「通の間では蕎麦はそのままか、せいぜい塩を付けて食べるんだよ」

無「ふ〜ん」

灰「全く物を知らないと言うのは悲しいものだなwwwwwwwwwww」

無「……」

灰(まさか辛い系全般が苦手だとは言えないもんなぁ。フゥ〜)


黄緑「みなさん、お買い物に行かれてしまいましたわね」

朱「そーだなぁ……酒でも土産に頼めば良かったよ」

黄緑「また〜、朱色さんはそんなことばっかり言ってぇ!」

朱「だって雨だし暇だけど外でたくな……うわっ、何っ!?エ、エプロン!!?」

黄緑「そんなに暇ならみなさんが帰って来たときに食べてもらえる用におやつを作っておきましょう♪」

朱「えぇっ、やだよメンドクサイ(汗)」

黄緑「暇なんでしょ?はい卵とお砂糖混ぜてください。今日はマフィンにします☆」

朱「とほほ〜……」

黄緑「さ、あとは少しだけオレンジキュラソーをいれて……あら?見当たらない」

朱「……(コソコソ)」

黄緑「朱色さん何してるんですか?」

朱「い、いやっ、何でもないよ;」

黄緑「?」

朱「あ!オ、オレンジキュラソーだよな、入れといたよ!!」

黄緑「まぁ、ありがとうございます。見当たらなくて」

朱「あはは、茶色のヤツ片付ける場所間違えたみたいだな」

黄緑「そろそろみなさん帰ってきますわね♪」

朱「おっし、とっとと焼いちゃおうぜ」

水「ただいま……です」

黄「わっ、なんか良いにおい〜!」

黄緑「おかえりなさい。朱色さんと作ったマフィンがあるからどうぞ♪」

水「……え、朱色さんが……」

黄「いただきまーす!!!」

水「……(チラ見)」

黄「……ほわ〜……」

黄緑「黄色さん?」

黄「ひっく、もういっこちょうら〜い」

黄緑「あ……! 朱色さん、どのくらい入れたんですか〜!?」

朱「でへへ……ちょっとって言ってたから……ちょっとってどんくらい?」

黄緑「も〜あなたって人は〜!」

水「……ほっ(食べなくて良かった)」


青「ハァ……」

桃「?どうしたの青ちゃん」

青「……桃って本当スタイルいいよね」

桃「え?そ、そうかな?」

橙「そーよ、出るとこちゃんと出てるのに腰とかちゃんとくびれてるし」

紫「あたしと真逆だよね、同い年なのに……」

桃「む、紫ちゃんも十分可愛いよ」

紫「うー……」

橙「ダイエットとも縁遠そうで羨ましいわー」

桃「あう……実は最近ちょっと増えちゃって……」

青「そうなの?でもそんなに変わっては見えないけど」

桃「でも体重は増えてたんだよね……」

橙「ふむ、とりあえず測ってみればはっきりするかも」

桃「じゃあちょっとお願いします……」

橙「原因がわかった」

桃「な、なんだったの?」

橙「この胸よ!」

桃「ひああっ!?」

橙「春のデータと比べてまた増量されてんのよ!」

桃「なんでそんなの持ってるのー!にゃー、やめてー!」

橙「ええい、このけしからん乳め!しかも揉み心地も極上ときたもんだ!」

紫「いいなー……揉めばご利益あるかも……」

青「あ、私も揉んどこ、せっかくだし」

桃「やーめーてー……」


無「はー、そろっと部屋の模様替えしたいな……よし、みんなに意見を聞いてみるか!」

赤「もちろん赤一色の部屋でしょ!赤はテンションがあがるんだよ!あと運動できるようにスペースは広めにねっ!」

青「そうね……私はそんなに気にしないけど、綺麗にはしておいてもらいたいわね。汚い部屋でイチャイチャしたくないもn……って、何言わせるのよバカ!!」

黄「明るい部屋がいいよ!青とか冷めたような色は使わないでね!」

緑「本棚と本をもっと増やしたほうがいいわ。あ、本棚の空いてるスペースは私が使わせてもらうから心配しないで」

白「んー、清潔な部屋がいいな。観葉植物とかも置くといいかも」

橙「暖色系の色を中心にしたちょっとポップな部屋なんてどう?あ、でも色無にはちょっと似合わないかなー……」

桃「もうちょっとムードが欲しいかもね。ちょっと怪しげな雰囲気にしちゃったりして♪」

紫「ソファーとか欲しいな。え?べ、別に一緒に座って怖いビデオとか抱っこされながら見たいなんて思ってないもん!」

水「あ、あの……お花とかおいてみたらどうですか?良かったら……その……こ、今度一緒に選びに行きませんか?」

黒「シンプルな部屋がいいわね。色は白と黒に統一して、できるだけ物は置かないで」

茶「お部屋?と、とりあえず生活できればなんでもいいんじゃないかなー?……だめ?」

黄緑「落ち着いた部屋がいいですね。カーテン、壁紙なんかは花柄の模様のなんてどうでしょう?」

朱「んぁ?部屋なんか寝る場所があるだけで十分だろ」

群「AV機器に凝ってる部屋とかは凄い魅力よね。あ、でも色無君はまだ学生だからそんなの買うお金はないわね」

灰「でっかいテレビ買ってよ!そしたらゲーム持ってくからさ!もちろん毎日色無の部屋に入り浸っちゃうよ♪」

焦「むしろもう君の部屋はいらないよ。私の部屋に来ないか?そうすれば毎晩あんなことやこんn(ry」

空「私は色無先輩の部屋ならどんな部屋でも遊びに行けますから大丈夫ですっ!え?そういう意味じゃない?」

無「……やっぱやめとこ」


空「お姉ちゃん」

青「何?」

空「ふふ、呼んでみただけ♪」

青「……そう?」

灰「お姉ちゃん」

黒「何?」

灰「ふふ、呼んでみただけ♪」

黒「喧嘩売ってるの?」

茶「お、お姉ちゃん?」

焦「ん?どうした?」

茶「よ、呼んでみただけだよ(汗」

焦「ふふふ。変なやつだな」

朱「姉さん?」

群「何?」

朱「いや、ちょっと呼んでみただけで……」

群「お小遣いの相談ならお断りよ」


白「あっ……」

男「(パサッ)ん? 体操服?」

白「ごめんね〜、それ私の。風で飛ばされちゃって。すぐ取りに行くから」

男「俺が持って上がるからいいよ。そこで待ってて」

白「ありがとう、やっぱり優しいね」

男「照れるからそういうのやめて」

白「うん、それじゃあ言い直すよ。そういう所、やっぱり可愛いね」

男「もっと恥ずかしいんだけど」

緑「……彼の顔、見た?」

茶「……はい。照れてましたね」

緑「……もっと見てみたくない?」

茶「……見たいですね」

茶「あっ、あぶなぁ〜いっ!!」

男「(トストスッ)うおっ、マジで危ねぇっ!? カッター、はさみに鉄製の定規——殺傷能力ありすぎだろ、これ」

茶「だ、大丈夫ですか?」

男「……何とか。これは茶さんの?」

茶「そ、そうですっ、筆箱が風で飛ばされちゃって……。す、すぐに取りに行きますからっ」

男「俺が持っていくから、茶さんはそこで待機」

茶「ありがとうございますっ、優しいんですね」

男「自分の安全を確保したいだけだから気にしないで。後、茶さんが窓際に来るの禁止」

茶「あ、あれ?」

緑「……」

男「(ドスドスドスッ)うおおおっ!? 今度は百科事典かよ!?」

緑「大丈夫?」

男「何となく誰か読めてたけどな。これはお前の物か?」

緑「そう。ちょっと風で飛ばされて」

男「飛ぶ訳ねぇだろこんな物!!」

緑「……チッ」

男「舌打ち!? お前、今チッって言っただろ絶対!?」

男「ふぅ、死ぬかと思った……」

茶「緑さんも失敗しちゃいました?」

緑「えぇ。何がいけなかったのかしら」

茶「ひょっとして、二番煎じだったのがよくなかったんじゃ?」

緑「そうね、もっと意表をつかないと——」

男「……」

黒「何よ、相談って——最近自分の命が狙われてる気がする? 今頃気付いたの? 命はともかく、そんなのずっと前からじゃない」


空「暑い……こんなときに限ってクーラーは買い替えでないし……ちょっと姉さんの部屋で涼もう」

空「姉さん、起きてる?」

青「……なんの用よ、空」

空「いや、ちょっと姉さんの部屋で涼ませてもらおうかと」

青「あー、アンタ聞いてなかったんだっけ……この機会に全部屋のエアコン買い替えってことでどの部屋にもないわよ」

空「嘘ぉ!?」

青「ちょうどお盆だしみんな帰ると思われたんでしょうね」

空「そんなぁ……」

青「我慢しなさい。お姉ちゃんだって暑いんだから……あ、そういえば」

朱「お、お前らも来たか」

青「朱色さん」

空「こんばんは」

朱「すまんなー、姉貴もまさかこんな残るとは思わなかったらしくて」

青「いえ。ところで『も』って言うのは?」

朱「ああ、あの三人だよ」

黒「こんばんは、二人とも」

青「あら黒」

灰「あ、空。ちょーどよかった、一緒にゲームしよ。お姉ちゃん弱くて弱くて」

黒「あなたが強すぎるのよ。あそこは勝てると思ったのに……」

青「あなたたちも涼みに?」

黒「ええ。今夜は特に暑いからね。白もそこで寝てるわ」

青「このぶんだて全員揃いそうね」

緑「なんだ、みんないたのか」

黒「あら緑。こんばんは」

青「噂をすれば影ね。ということは……」

桃「わー、ここ涼しいー」

青「やっぱり桃も……ってあんたなんて格好してんのよ!」

桃「あ、青ちゃんこんばんは。どうしたの慌てて?」

青「汗で透けてエラいことになってるのよ……そこ鼻血ふいて前かがみにならない」

空「姉さんそれは無理だって……桃先輩のそんな格好見ちゃったら男としては……」

灰「……スケベ」

黒「白が起きてたら倒れてたでしょうね……よかった……」

青「緑よく平気「話しかけないでくれ、頼む……」……ごめん」

桃「緑君も興奮してくれたんだ……よかった……」

青「なんで嬉しそうなのよあんたは。とにかくなんか羽織ってきなさい。ただでさえ薄着なんだし風邪ひくわよ」

結局みんなで雑魚寝したそうな


 ついてない。本当についてない。こんな大事な日に限って補習とは。普通補習ってお盆前には終わるもんじゃないか? 教師の都合で日程変えんな!

「え〜、つまりこの場合はさっきの公式を応用して——」

 イライラと貧乏揺すりしつつ、まだかまだかと時計をにらむ。できればさぼりたかったが、欠席即留年と言われてはそうもいかない。

 ジジ……キ——

「先生お疲れ様でした! お先に失礼しまっす!」

 ——ーンコーンカーンコーン——

 スピーカーにノイズが入ると同時に立ち上がり、チャイムの一巡目が終わる前にダッシュで教室を飛び出す。遙か後方で先生がわめいてるが、知ったこっちゃない。

 今日はこの夏で一番大切な日なんだ!

 

 炎天下もお構いなしに、寮まで全速で駆け抜ける。全身から汗が滝のように噴き出し、暑さで目が回ってくるが、ここで倒れるわけにはいかない。

「つ、ついた……」

 ぜえぜえと荒い息を懸命に整え、乱れた髪を整える。何とか落ち着きを取り戻したところで玄関をくぐる。

「ただいまー」

 努めて冷静に、『やっと補習終わったよ、だりーなーもう』てな感じを演出しながら朱色さんを探す。あれはもう届いてるだろうから、寮母の朱色さんが代理で受け取ってるはず。

「あ、朱色さん、ただいま」

「おー、おかえり。そういやお前宛に宅配便が来たぞ。代わりに受け取って部屋に放りこんどいたから」

「あ、そうですか。ありがとうございます」

 よっしゃ! 表面上は興味なさそうにしながら、心の中でガッツポーズ。

「ちょうど菓子折くらいの大きさだったけど、なんだあれ? 酒のつまみになりそうなもんならちょっと持ってこいよ」

 来た——ここが第一関門だ。オーケーオーケー、中身を詮索されるのは想定の範囲内だ。

「食いもんじゃないですよ。参考書です。近所の本屋になかったんで、ネットで注文したんです。ほら、俺も来年は受験生ですし。伝票に『実用書』って書いてませんでした?」

「そうだったか? まあいいや、食いもんじゃないならどうでもいいや」

 用意しておいた答えに朱色さんは興味を失ったようで、抱えた一升瓶からコップになみなみと酒を注ぎ、きゅっとあおった。

「それじゃ失礼します」

 よし、最初の障害を難なくクリア。まだまだ油断はできないが、今日の俺はいける! そんな根拠のない自信がわいてきた。

 階段をことさらゆっくり上り、誰もいない廊下を忍び足気味で歩く。震える手をドアノブにかける。ここを開ければ新しい俺の始まりだ——。

 

「あ、色無、おかえりー。荷物が来てたから、この橙ちゃんが開封しといてあげたよ。ついでにインストールもね!」

「もちろんフルインストで、ディスクレスパッチも入手済み。そこらへんはこの黄色様にお任せあれ。いまメインヒロイン攻略中〜」

「うっわー、この子胸おっきーねー。スイカくらいあるんじゃない? 色無くん、こういう子が好みなの? もう、言ってくれれば私がいろいろしてあげるのに」

「ほほー、これが実用書か。色無は来年の受験より童貞の卒業を心配しないとなあ」

「フ、フケツです! エッチです! ふしだらです! こういうのはいけないと思います!」

「とか言って、空もモニターめちゃめちゃ見てるじゃん。それにしても全体の95%がエロシーンの『色鉛筆たちの午後』をチョイスするとは、色無の旦那も通ですなあ」

「灰、あんた詳しいわね……」

「まあ蛇の道は蛇と申しますか……あれ、どしたの色無、固まっちゃって」

「……うわああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

 

「それでは、手を合わせて。いたーだきーま——あら? 色無さんがいないみたいだけど、どうしたのかしら?」

「あー、色無なら『プライバシーの守られる桃源郷を探して旅に出る』って言って、荷物抱えて出てったけど」

「あら、じゃあ侍黒ちゃんと男君のところかしら。あとで電話しておかなくちゃ。それで、今度は何をしたの?」

「実はかくかくしかじかで……」

「あらあら。だめよ、男の子はそういうところデリケートなんだから。みんな、色無さんが帰ってきたら何もなかったかのように優しく温かく迎えてあげてね」

『はーい』

「それはそれでいたたまれないと思うけど……」

「まあまあお姉ちゃん、黄緑さんの言うことには従わないと」

「……灰、あんたはおもしろがってるだけでしょ」


 おしえて色無せんせぇ

無「おーすみんなおはよう」

青「起立!礼!……黄色!今礼しなかったでしょ!」

黄「頭は下げたよ!」

無「まぁまぁいいから、うん。それで出席は?」

青「在席12名。欠席無」

水「茶色ちゃんいません……」

青「……欠席一名、茶色。現在11名」

無「誰でもいいから1組か3組見てきて。後ででいいから」

茶「……おはようございます」

無「遠足は来週だぞ?お菓子は職員室で預かるから」

茶「ふぇ……」

無「それにしても夏終わりだけど暑いな。みんな、こまめに水分はとるんだぞ。脱水症状はキツイからな」

橙「ジュース持ってきちゃダメですか?」

無「ダメ。先生怒られちゃうだろ?」

黄「カ」

無「さて、次の話題だけどあれだね。隣のクラスの深緑が石油見つけた話だけど」

青「着席!」

無「あぁごめん。まだ着席してなかったね。それで先生思った」

キーンコーンカーンコーン

青「起立!礼!……紫!」

紫「ちっさい言うな!」

無「一時間目体育だから早く校庭集まれよー。ドッチボールだからなー」


赤「ねぇ色無。……僕、泳げないんだ。色無、教えて」

無「お前泳げるだろ」

青「色無!私泳げないからおし」

橙・黄「うそつけーい!(ドン)」

青「(バシャァ)あんた達何するの!危ないでしょ!」

無「泳げてるように見えるんだが」

橙「ねぇ?お姉さん達に泳ぎ方教えてよぉ」

無「プールでプロレスやる奴らに教えることはない」

桃「ねー。色無くーん。泳ぎ方教えてほしーなー。(ムニィ)」

紫「とぅ!(バシャ)色無!騙されるな!このおっぱいは浮袋だ!」桃「あれぇ。紫ちゃんに浮袋ないわね」

紫「こっちこい!海のもくずにしてやる」

茶「(ツルン)きゃ!(ザバァ)助けて色無君!」

無「そこなら足着くから。……はぁ」

黒「ねぇ色無。この二人にクロールでも平泳ぎでもいいから教えてあげて」

白「お願いします」

水「す、すいません」

黒「後……私にも」

無「……黄緑さーん」


灰「悲しいときー」

空「か、悲しいときー」

灰「ネカフェから投下しようとしたら公開プロクシではじかれたときー」

空「ね……こ……くしを……ときー」

灰「ねこくし?」

空「猫用のブラシ?」

灰「ちょうどネコ耳をつけた焦茶さんがいるねー」

焦「ふふふ……この姿で色無を」

灰「とりゃー」

空「りゃー」

焦「ん?」

コンコン

無「はーい」

がちゃ

焦「にゃあ」

灰「なぉー」

空「みゃー」

無「……」

焦「硬直している、チャンスだにゃー」

灰「わかったにゃー」

空「み、みゃー」

無「!!!」

青「色無の部屋が騒がしいわね」

赤「見に行こうか?」

青「宿題が先よ、ひとりでやるなら行ってもいいけど」


 おしえて色無せんせぇ

無「よーしテスト返すぞー。赤ー」

赤「はい!」

無「何でマラソンランナーの時間求める問題だけ完璧なんだ。次頑張れ。青ー」

青「はい!」

無「100点。次は100点より上目指せ。黄色ー」

黄「はーい」

無「カレーの落書き消しとけな。緑ー」

緑「はい」

無「いいか、6×3はうほっでもなけりゃアッーでもないから。な?橙ー」

橙「はいはい」

無「頼むから少数第2まで書いてくれ。水色ー。白ー。黒ー」

水「は、はい」

黒「行くわよ白」

白「うん。はぅ!ちょっと目眩が……」

無「ツッコミどころなし。次も頑張れクラスの良心。紫ー」

紫「はぁい」

無「お願いだから文字もう少し大きく書いて。虫眼鏡はきついよ。茶色ー」

茶「は、にゃい!」

無「これ算数のテスト。マルクス資本主義は関係一切ないから。桃ー」

桃「はぁい」

無「わからないからって答えの後ろに『?』つけるのやめて。黄緑ー」

黄緑「はい」

無「テストはいいけど裏に書いてある『兎~600グラム 鶏~300グラム』ってここ学校だからね。養殖場じゃないからね?」


 おしえて色無せんせぇ

無「よーしみんなのお母さんは世間の残念なお母さん達と違ってみんな給食費出してくれたな。先生嬉しいぞー」

無「おーすみんな!大変な事件が起こったぞ!」

青「起立!」

無「青、これは授業とは関係ないから。それでだ、給食費がなくなったんだ。このままじゃ先生全額負担だぞー」

橙「いいじゃん。それはそれで」

無「良くないからなー。先生、こう見えて貧乏だぞー。公務員を甘く見るなー」

青「誰よ!早く貧乏な先生に返してあげなさい!貧乏な先生に!」

無「青、嬉しいが先生悲しいぞ。さてそこでだ、みんな目を瞑れー。正直に手をあげろー。今なら怒らないぞー」

橙「(チラ)」

無「こら橙!今チラって音がしたぞ!薄目はやめな(チャラン)ん?今金の音が……」

緑「先生の教科書に挟まって……」

無「あ。……みんなー疑ってすまなかった。悪い子は先生だったな。先生、廊下に立ってるからみんな自習しててくれ」







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Last-modified: 2012-10-21 (日) 12:55:49