1年目

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侍「おばんですぅ」

男「いい加減窓からの侵入遠慮してほしいのだが。それでその格好はなんだ?」

侍「10月ははろうぃんと紫から聞いたからな。なにしろこの様な格好をするだけでお菓子がもらえると」

男「お前年中ハロウィンじゃん。落ち武者の格好してさ」

侍「よーし某貴様を叩き斬っちゃうぞぉ」

男「わかったわかった。何欲しい?柿ピー?」

侍「ちょっとそこらは……煎餅とかない?」

男「あーあったあった。干し芋くれんよ」

侍「有り難くいただこう。これでお前は某に悪戯される心配はない」

男「どうせこれからもするんだろ?さっさと帰れ」

侍「よしせっかくだ一緒に食おう!」

男「なら洗面台貸してやるからその~超~圧塗りの口紅と頭に刺さった矢を取ってこい」

侍「わかった」

男「後ろの火の玉はちゃんと火消せよ」

侍「はーい」


 我が道を行く編

ピンポーン

男「はーい」

赤「とりっくおあとり〜と〜♪」

男「お、もう来たのか。ほれ」

赤「わ〜い!!(パクパク)……ふぅ、ごちそうさま。とりっくおあとり〜と〜♪」

男「帰れ」

ピンポーン

男「はーい」

桃「トリックオアトリート? ……ご、ごめんね、恥ずかしいからあんまりじっくり見ないで?」

男「……あ、ゴメン。でもその衣装ちょっと小さくない?」

桃「うん、実は去年作った服なんだけど、どうも私成長したみたいで——って、こんなにお菓子もらっていいの?」

男「見物料込みでお納め下さい」

ピンポーン

男「はーい」

橙「お菓子ちょうだ〜い」

男「ハロウィン調べて出直して来い」

ピンポーン

男「はーい」

黒「Trick or Trick?」

男「一択かよ」

 悪戯成功? 編

ピンポーン

男「はーい」

紫「トリックオアトリート?」

男「……えっと、そのジャック・オ・ランタンの被り物自分で作ったの? 凄いね、お菓子あげるからお兄ちゃんに名前教えてもらえるかな?」

紫「……(スポッ)」

男「紫!? ……迷子じゃなかったのか!?」

紫「……(ガッガッ)」

ピンポーン

男「はーい(ガチャッ)……あれ?」

ピンポーン

男「はーい(ガチャッ)……またかよ」

ピンポーン

男「はいはいっ!(ガチャッ)……やっぱいねぇ——ん、張り紙?」

水『Trick or Treat?」

男「既に選択済みじゃん」

ピンポーン

男「はーい(ガチャッ)……今度は誰の悪戯だよ!?(バタン)」

黄緑「あ。お邪魔してます〜。お菓子もいただきました、ありがとうございます〜」

男「……何でリビングから出てきてんの?」

黄緑「あらあら、言い忘れてました。トリックオアトリート☆」

男「遅いよ」

 いろんな意味で空回り編

ピンポーン

男「はーい」

黄「はっはっは、とりっくおあ——」

男「これやるから帰れ」

黄「とり——って最後まで言わせなさいよぉ〜!!」

ピンポーン

男「はーい」

青「トリック・オア・トリート?」

男「お前に普通に渡してもなぁ……。そうだ、お菓子やんないって言ったらどうする?」

青「……へ? え、えーっと——あんたを的にして狙い撃ちにする、とか?」

男「悪戯どころか傷害事件じゃねぇか」

ピンポーン

男「はーい」

白「トリックオアトリート!」

男「お、今日はやけに元気だね。何か透けてる気もするけど」

白「うんっ、実はさっきまで調子悪くて家で寝てたと思ってたんだけど、気付いたら外に立ってて。すっごく体調よくなってたから飛んできちゃった♪」

男「へぇ……あれ?~し、白さん浮いてる!? これあげるから早くお家に帰ってぇ〜!!」

ピンポーン

男「はーい」

茶「トトットッリクオアアトリトォ〜!?」

男「……」

茶「……も、もう一回言わせてくださいっ!! トリクッ……うぅっ、もう一回——」

男「やり直さなくていいから」

 やっぱりどこか空回り編

ピンポーン

男「はーい」

緑「Trick or Treat?」

男「ちょっと待ってろよ……悪い、お前に渡す分俺が食っちまってた」

緑「……そう(スタスタ)」

男「おいおい、何上がりこんでんだ?」

緑「貴方がハロウィンに何もくれないんだから当然でしょう?」

男「それなら丁度いい、誰もいないからヒマだったんだ。相手してくれ」

緑「……誰もいないって、おばさん達は?」

男「知り合いの所に行くってよ。いつも通り、今日中には帰ってこないだろうな」

緑「つまりしばらくは二人っきりなのね?」

男「ま、そうなるな」

緑「……(グッ)」

男「何でガッツポーズっぽいことしてんだよ?」

緑「……そんな事してない」

男「お?~まだポッキーあったか。仕方ねぇ、これやるから帰るか?」

緑「……(ズボッ)」

男「モガッ!? 俺に食わせてどうすんだよ!?」

緑「ハロウィンの悪戯だから気にしないで。ほら、早く貴方の部屋に行くわよ。何か貰えるまで帰らないから」


こんこん

男「は〜い」

灰「とりっくおあとりーと」

男「お、結構みんなハロウィン好きなのね。さすが日本人。ちょっと待っててお菓子持って来るから」

灰「あ……待……」

男「確かこのへんに昨日の買い置きが〜……」

ガシャン

男「っ痛〜……たらい?」

灰「……」

男「……」

灰「まさかくれるとは思わなくって……昼間のうちにセットしてました」

男「こんなことのために早退してたのかよ……」

灰「恐縮です」

男「褒めてないぞ」


薄「とりっくおあとりーとですよ色無くん!」

男「お、クリームちゃんは魔女かぁ。うん、みんな華やかでいいね」

薄「えっと、いたずらはしたくないんでお菓子でお願いします!」

男「自分から言うのかん、ちょっと待っててね〜」

薄「はーい」

赤「色無ぃトリックオアトリートぉぉ!!」

男「その声は赤か?いま持っていくから待ってろ〜」

赤「おっけい、お菓子はありがたくいただいたぜ!!じゃね!」

男「え?だから今持ってい——」

ガシッ

薄「へ?」

赤「次へレッツゴーだ!!」

薄「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!助けて色無く〜ん!!……」

男「人一人小脇に抱えて走るとは……なんという亡者!!じゃなかった、クリームちゃ〜ん大丈夫〜!?」


焦「トリックオアトリート」

無「うん……そうですね」

焦「トリックオアトリート」

無「分かりました今持ってきますね」

焦「……」

無「スイマセン今チョコバットしかなくて」

焦「それより色無のチョコバットが食べたい」

無「……」

焦「ストラーイク」

無「アウトですよ」

焦「別にお菓子なんかいらないから君にいたずらさせてくれ」

無「何言ってるんですか?」

焦「いたずらされたくないのか?」

無「ないですよ」

焦「なるほど、むしろいたずらしたいということだな」

無「どういう解釈したらそうなるんですか?」

焦「まぁ、話はベッドで聞こうか」

無「……」


朱「色無ーほりっくおあほりぃとぉぉ!!」

男「うわっ!酒臭さが尋常じゃないよ!朱色さん、また飲んだんですか?」

群「色無くんトリックオアトリートぉ」

男「わ、群青さんまで!?」

朱「ほら言ってやったんだから早く酒出せー!」

群「出せー!」

男「ちょ、もらうのはお菓子でしょうが普通!!っていうかもう今日はそんなに飲んだんだから駄目です出しません!」

朱「いいのかなぁ?」

男「な、なんですか」

群「いたずらしちゃうぞぉ」

朱「ふっふっふ」

群「ふっふっふっふ」

男「ちょ……目が怖い!酒臭い!手つきが怪しいですって!!」

朱「覚悟ぉ!!」

群「あら、隠さなくたっていいのよぉ?」

男「アッー!!」


青「お前がお菓子をもっているのは全てまるっとどこまでもお見通しだ!!」

赤「夜に人の部屋に訪ねてきてなんなのさ……しかもジェイソンの格好して……」

青「トリックオアトリート」

赤「あぁ、お菓子ね……あ、ごめん。さっき食べたチョコパイが最後のお菓子みたい」

青「え〜」

赤「あ、そういえばチョコレートがまだ残ってたかな」

青「じゃあそれ頂戴」

赤「ほい」

青「やった!!久しぶりに甘い食べ物をたべれる……ん!?」

赤「どうしたの?」

青「カカオ99%……」

赤「おいしいよねそれ」

青「ぶるあああああ!!」

赤「ちょ、斧を振り回さないで……あっー!!」


紫「ほーちょーいーっぽんさらしにまいてーぼいん!」

焦「あれは……」

紫「さて、誰の部屋に行こうかなぁ……ん?」

『次の角を右」

紫「何この張り紙?とりあえず行ってみよーっと」

『次の角を左」

紫「ん?まだあるの?」

『階段を上がる」

紫「むー……まだある……」

『ゴール→」

紫「やっと着いたー!さてと……トリッ……」

焦「待ってたよ紫」

紫「!!」

焦「さぁ、早く部屋の中へ入るんだ。紫の大好きなお菓子が山ほどあるぞ」

紫「……じゅる」

焦「お菓子をあげるから私にいたずらしてくれ」

紫「……(絶対に茶色のお姉ちゃんじゃないよぅ……)」


焦「色無、さぁ私の唇にいたずらするんだ」

無「……(何か良い方法は……そうだ!このカボチャを使って)」

そーっ

焦「ちゅ……」

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無「……」

焦「カボチャ……?」

無「……」

焦「色無、それを貸せ」

無(うわ……怒ってるよ……)

焦「色無」

無「は、はい……」

むぎゅ

無「……?」

焦「間接キッス」

無「……」


深夜、ここ数日の残業続きで疲れた体を引きずるようにして寮に着くと玄関の前に小さなカボチャのランプが置いてあった。

少し考えて今日がハロウィンだと気付いても、もはや準備をするような時間はない。

それに寮の子たちならまだしも、私が仮装したって滑稽なだけだろうし。

「ただいまー」

「あ、群青さん遅くまでご苦労様です」

色無君、いつも遅くなる私を出迎えてくれる優しい子。だけど今日はちょっと違った。

「どうしたのその格好?」

「狼男です。去年はあいつらにたっぷりイタズラされたんで今年はこっちで」

彼はエプロンと一緒に、どこから手に入れたのか犬耳の付いたカチューシャをつけ頬に3本づつヒゲを書いていたのだ。恥ずかしそうに笑いながら彼はキッチンへと戻り、彼が大鍋をかき混ぜる後ろ姿を眺めながら私はテーブルに着いた。

「そういえば群青さん、今お菓子持ってます?」

「え?あー、部屋になら何かあるかも知れないけど今は持ってないわ」

そうですか、といいながらシチューを持ってこちらに来る色無君。

「それじゃ、イタズラされても仕方ないですよね」

彼はシチューの皿をテーブルに置くと私の左手を取って、

「ちょ、ちょっと色無君何を……」

手の甲にキスマークが付くぐらいに熱いキスをしたのだった。

「群青さんって肌が白いからやっぱり綺麗に残りましたね」

見上げた彼は耳まで真っ赤にしながら、嬉しそうに笑っていた。多分私の顔も同じぐらい真っ赤なのだろう。

「それじゃ食べ終わったら水に漬けといてください。明日洗いますんで」

「う、うんありがとう」

「はい、群青さんお休みなさい」

足早に部屋に戻っていく彼と入れ違いに朱色が食堂に入ってきた。

「姉さんおかえり……なんか嬉しいことでもあった?」

「まぁ、ね」

朱色からはビールの臭いがプンプンしたけれど、今夜は許してあげることにした。


2年目

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灰「色無〜、いたずらするけどお菓子ちょうだいっ!あとお金とゲーム!」

無「それは最早ハロウィンじゃないとか、そもそもまだハロウィンじゃないとかツッコミどころが多いんだけど。

  それともなにか、ハロウィン本来の魔除けの儀式としてお前を退治すればいいのか?」

灰「黙って菓子を寄越せばいいのだよ。私は心が広いから残りの二つは勘弁してあげよう」

無「じゃあもう少し大人になってお菓子もあきらめてくれ」

灰「それは出来ない相談ですぜダンナ」

無「さよけ。食料棚にあるチョコ以外を適当に持ってけ。チョコは白からの貰いもんだから食うなよ」

灰「ん、わかったナリ」

無「んで、どんな悪戯するつもりだったんだ?」

灰「大した事はしないって。この部屋の廊下側の壁をまるっとなくしたり、借金の連帯保証人になってもらったり。

  あと学校の出席日数を改竄して留年させる程度かな」

無「悪魔かお前は。せめて冗談で済む範囲にしろよ」

灰「そういうと思って、ここに来る前にあらかじめ軽めの悪戯はしてきた」

無「そうか。後で黒に叱ってもらおう」

灰「女に頼るとは落ちぶれたな色無よ」

無「んで、何したんよお前」

灰「婚姻届に色無の名前書いて実印押して玄関に放置してみた」

ごすっ!

無「ぜんぜん洒落じゃすまないじゃないか!」

灰「いって〜な畜生。女性に手を上げるなんてジェントルマン失格だぞ〜。それに心配しなくっても大丈夫だって。

  あれは受理されない限り効力持たないから。みんな純情だから名前を書いてニヤニヤするくらいで、役所に行きはしないって」

無「そうかもしれないけど、笑って済ませられる類の悪戯じゃなからNG。回収してきなさい」

灰「ふむ、仕方がない。当方としても色無に嫌われたくはないので素直に退きますか。後でまた謝罪にくるから」

無「ん。俺も叩いて悪かったな」

焦「ふははははははははは!これはいい。実にいい物を拾ったぞぉぉ!!」

灰「しまった!この人の存在を忘れていた!」


 コンコン

無「はい?」

青「と、トリックオアトリート!」

無「……えーと、青さん?」

青「な、なによ!恥ずかしいの我慢してやってるんだからね!べ、別に色無にこの格好見て貰いたくてやってるわけじゃないんだからね!お菓子が食べたいだけなんだからね!」

無「ふーん。じゃあ今お菓子ないからご自由に悪戯してって下さい」

青「え?」

無「ほら、悪戯し放題だぞ?」

青「ほ、本当に?」

無「どうぞ遠慮なく」

青「出来るわけないでしょ!」

無「じゃあ代わりに俺が悪戯してあげようか」

青「ちょっと、それじゃあ立場が逆……って、どさくさに紛れてなんてこと言ってるのよ!」

無「いや、その格好は正直反則」

青「え?」

無「可愛いし、エロ……っと、この言葉は青の前ではあんまり言わない方がいいな」

青「か、可愛い……?」

無「と、言う訳でとりあえず一歩前に」

青「は、はい」

無「(ガチャン。カチャリ)玄関ドアを閉めました。鍵も閉めました」

青「……う、うん」

無「それでは、悪戯開始!」


紫「トリックオアトリート!」

水「と、トリックオアトリート!」

無「おー、二人とも中々さまになってるな」

黄緑「はい、クッキーの詰め合わせ。あ、今日はもう遅いから食べちゃダメよ?」

水「は、はい。あ、ありがとうございます」

紫「……クッキー食べたら美味しかったかどうか感想聞かせなさいよ?」

水「え?……う、うん」

無「(ヒソヒソ)もしかして、アレ紫ちゃんが作ったんですか?」

黄緑「(ヒソヒソ)ええ。少しアドバイスはしましたけど、ほとんどみんな自分で作ったんですよ」

無「(ヒソヒソ)俺の分は……」

黄緑「(ヒソヒソ)残念ですけど、ありませんよ」

無「(ガーン)」

紫「じゃー、水君またね!」

水「うん、おやすみ!」

無「ね、ねぇ紫ちゃん?水君にあげたクッキーって、もうない?」

紫「ないよ?どうして?」

無「(ガーン)」

黄緑「い、色無さんっ!……む、紫ちゃん、あとで色無さんにもクッキー作ってあげて?ね?」

紫「う、うん」


灰「とりっくおあお菓子」

無「ちゃんと言えよ」

灰「っていうかお菓子ぷりーず!」

無「珍しいな、灰色だったらいたずらじゃないのか?」

灰「いたずらするにも頭使うんですよ?そんな得のないいたずらはしません!」

無「まぁ俺としては助かるけど。ほい、どうせ来るだろうと思ってミルキー」

灰「ミルキー程度で引き下がるとでも?」

無「程度ってなんだよ失礼な。じゃあ何だったらいいんだよ?」

灰「チョコパイ!」

無「微妙にリッチなもん要求しやがって……。ねぇよそんなもん」

灰「じゃあチョコバットでいいよ」

無「一気に下がったな!」

灰「……あ、なんかもし今のが焦茶さんだったら色無のチョ

無「言いそうだけどお前はいちいち言わなくていい!」

灰「いいから出すもん出せよー」

無「どこの不良だよ……ほら、これで帰れ」

ガチャッ バンッ

焦「色無が出すもん出すという話を小耳に挟んだんだが!」

無「帰ってくださいよ!っていうかどこで聞いたんですか!」

焦「今しがたこの部屋の前で!む、チョコバットがどうとかも聞いたな」

無「ずっと聞き耳立ててたんですか!?」

灰「……やっかいなことになってきたから今のうちに逃げよう……」


黒「こんにちは、trick or treat?」

無「……珍しいな。黒がこんなことに参加するとは」

黒「あら、私がこんなことに参加するほうが珍しいかしら?」

無「うん、緑の次に珍しい」

黒「そうね。緑はこういうの苦手だからね」

無「……それで、『お菓子か悪戯か』だっけ?」

黒「ええ、そうよ。どちらにする?」

無「悪い、お菓子は今切らしてるんだ。だから悪戯されることにするよ」

黒「そう、それならこれね」

無「……袋?」

黒「そう、袋。ちなみに中身は白からのお菓子」

無「いいのかよ、お菓子なんて」

黒「いいのよ。——私は、貴方の使い魔ってことにしておきなさい」

無「! ……そういうことね。後から、もっともらいに行かなきゃな」

黒「ええ、それとあの子に『色無』という悪戯をしに行かないと」

無「……はぁ、全く。黒にはかなわないよ」

黒「ふふ……かなわなくても仕方ないわよ」

無「?」

黒「私にとって、色無と白は大切だから、ね」


無「ただいま〜」

しろ「トリックorトリート?」

無「ちょっと待て! それって外から来た奴がいうセリフだろ?」

しろ「いいの! トリックorトリート?」

無「カボチャのお面被ってそんなこと言ってる段階でトリックだろうが!?」

しろ「ちぇっ。ぶーぶーぶー!」

くろ「色無お帰り。夕飯はカボチャの煮付けと鯖の塩焼きでいいか?」

無「ありがと。今日ほどくろがマトモに見えたことってない……」

くろ(一応褒め言葉だと受け取っておくか)


『たまには逆襲』

灰「トリックオアトリートぉー」

無「なんだその気の抜けた言葉」

灰「いいからいいから。で、お菓子くれるの?」

無「はい」

灰「あれ? てっきり『お菓子はお前が食っていくからない』とか言うと思ったのに」

無「さっき買ってきたんだよ。ジュースのついでに」

灰「……まぁいいや。それじゃ、貰っていくねー」

無「おーう」

−数時間後−

灰『……! ……!!(涙)』

無「……ハバネロたこやきスナック、辛いからなぁ」


空「色無先輩!」

無「はい?」

空「トリックオアトリート?」

無「ぶっ!!そ、空!その格好……」

空「む、あんまり似合ってないですか?それとも先輩の趣味じゃなかったですか?」

無「い、いや……あまりにもど真ん中過ぎて……というかもう少し露出を控えなさい」

空「水着に比べればこんなのどうってことないです!」

無「そもそも比べることが間違ってるだろ」

空「でも先輩に喜んで頂けたようで何よりです」

無「おーい、主旨がズレてないか?」

空「いいんです。ハロウィンは仮装がメインなんですから!」

無「そうなのか?」

空「多分そうです!でも、ついでにお菓子も欲しいです」

無「はいはい。手作りとか出来ないから市販のお菓子をラッピングしただけだけど……」

空「わぁ、綺麗ですね!ありがとうございます♪」

無「どういたしまして。そこまで喜んでもらうのも何か悪いような気がするけど……」

空「そんなことないです。私も先輩に喜んでもらえたみたいで、この衣装を着て来た甲斐がありました♪」

無「でもこれどっかで見覚えがあるような……」

空「あ、分かります?コレ桃さんが着てたんですよ」

無「……な、なんだってー!?(桃が着てた衣装を空が着こなしているということは空の今のスタイルはその当時の桃のスタイルとほぼ一緒ってことはつまり空は実は巨乳なんじゃないかと言う仮設が浮上s)」

空「もしもーし?色無せんぱーい?」

無「……ん、あ……ぅぁ……」

空「どうしました?顔がちょっと赤いですよ?」

無「な、なんでもない!なんでもないんだ!決してやましいことなんて一片たりとも思ってない!うん、俺は大丈夫!大丈夫だぞ!!」

空「……?」


黄緑「トリックorトリート?」

無「それじゃ、黄緑さんにはこれね」

黄緑「うわぁ、ポンタン飴とうぐいす餅。うれしい!」

無「うん。以前、黄緑さんがそれ好きだって言ってたから……」

黄緑「覚えていてくれたんですね!!!」

黄「それにしても黄緑ちゃんの好みって地味と言うか……」

橙「ストップ! それ以上は危険水域よ」

黄「おっと、そうね。くわばらくらばら……」

青「べ、別に黄緑なんか羨ましくなんかないんだからね!」プンスカ!

空「さすが、色無先輩。天性のジゴロだわ」


橙「あれ、珍しいですね朱色さん。なにしてるんですか?」

朱「ああ、ハロウィン用のお菓子を作ってるんだよ。ほら」

橙「うわっ、なにこれ、キモっ!」

無「せっかくのハロウィンだし、こんなのもいいかと思ってさ」

橙「それにしてもこれはちょっと……。指の形のクッキーに、脳みその形のゼリー、コウモリの形のチョコに、今作ってるのは?」

朱「ガイコツマシュマロ。チョコレートで顔描くのがなかなか大変でね、色無に手伝ってもらってるんだ」

無「手伝いっていうか、7割がた作らされたような気が」

橙「うっは〜。なんていうか、ご苦労様です」

朱「おう、楽しみにしてろ」

灰「朱色さ〜ん、頼まれてたものの試作品出来ました〜」

橙「灰ちゃんはなにを作ったの?」

朱「ヒモを引くとアメが飛び出すクラッカー作ってもらってんだよ。座敷童子たちにゃこういうヤツの方がウケると思ってね」

灰「面白いアイデアなんだけど、市販されそうもないから自作してみた。火薬の調合と量の調節に苦労したよ」

橙「ふ〜ん。……ね、ちょっとやってみていい?」

朱「お〜う、いちおう人には向けるなよ」

橙「やたっ!せ〜のっ」

ぱんっ!!ちゅいん……しゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ

灰「おっと、これは色無のイタズラ用だった。失敗失敗。テヘっ」

無「死ぬわっ!!ここにある菓子つまみ食っていいからもうちょっと穏やかなの頼む」


黄「トリックオアトリート」

薄「はい、お菓子どーぞ!」

黄「……」

薄「どうしたんですか?」

黄「やっぱりこっちのお菓子をいただきます」

薄「えぇっ!?だから私はお菓子じゃないっていうかこれじゃいつもとおんなじ……って噛んじゃダメですぅぅぅ!」


 目が覚めると、橙がオレの腕にしがみついてオレを見つめていた。

「とりっく おあ とりーと」

 にっこりと無邪気な笑顔で そんな言葉を耳にする。

「そこは、おはようだろ。それに、オレのベッドに潜り込んで抱きついているのは どういうことだ?」

 我ながら愛想もクソもないと思ったが、寝起きの一番にこれでは気が滅入る。なんせ、体の一部は生理現象の真っ最中だ。マチガイがおきたらどうするんだ。

「それは、悪戯ってことで機嫌直してよ。悪かったわよ。今度は意識のあるときにするからさ」

 甘えた声で耳元で囁き、腕をキツク抱きしめる橙の感触に陥落しそうになる。男ってダメだなぁ……。

「ん?」

 橙の言葉を反芻する。

『今度は意識のあるときにするからさ』

「え? あれ? 橙、なんかした?」

 にへら〜っと橙が笑う。さっきとは まるで違う、悪魔の笑みだ……。

「まあ、ハロウィンのおばけが悪戯しにきたってことで、いいでしょ」

 ちゅっ

「え?」

 一瞬の隙を突いて橙がベッドから滑り降りる。おいおい、その姿って……

「パジャマの下はどこへいったんだ? 上だけって、しかもノーブラじゃねぇかよ!」

「とりっく おあ とりーと。お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞ。眠っていた色無君はお菓子をくれなかったので悪戯させてもらいました。ホラ! お休みだからっていつまでも寝ていたらダメよ。あとで朝ごはん食べに連れて行ってね。じゃあ、またあとでね」

 無邪気な小悪魔ほど恐ろしいものはない。そのことを思い知らされた朝の出来事。


無「オレンジー、入るぞ」

橙「……」

無「メール見たから色々買ってきたけど。少しはマシになったか?」

橙「ん。大丈夫だから、みんなのとこ行ってくるといいよ。せっかくのハロウィンなんだし」

無「あぁ、なんか賑やかだと思ったらそれか。忘れてた」

橙「相変わらずそういうとこニブいね、色無は」

無「ほっとけ。それに病人ひとりにしておくのもなんだしな」

橙「だから大丈夫だってば」

無「そんな強がり真に受けるワケないだろーが」

橙「……かっこつけんな、バーカ」

無「言ってろ」

橙「あはは……うー、汗かいたから気持ち悪いや。ねぇ色無、身体拭いてくれる?」

無「はぁ!?」

橙「みんな騒いでて頼めるのアンタしかいないんだし、お願い」

無「う……わかった、やるよ」

無「ふぅ——これでいいか?」

橙「……」

無「な、なんだよ」

橙「ハロウィンなんだし、いたずらしてもよかったのに」

無「ば、ばッ、い、いいから寝てろ!」

橙「あはは、でもそんなマジメなとこも好きだよ。おやすみ」

無「〜〜……あぁもうッ」

黄「あれ、そういえばオレンジは?」

桃「え? 色無にいたずらするんだー、って言って部屋に戻ってたけど……?」


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焦「……がおー」

無「いきなりどうしました?ていうかその牙みたいな歯はなんですか?」

焦「悪いが少々血を吸い取らせてもらえないか?」

無「なんの悪ふざけですか……」

焦「そうだな。すまなかった。愛すべき人の血を吸うなど以ての外の行為だな」

無「いや、だからなんなんですか一体?」

焦「実はな、灰から薬を貰って服用したらどうやら吸血鬼になってしまったようなんだ」

無「……それで?」

焦「それで無性に血が欲しくなってだな、色無の血を貰いにきたんだが……」

無「……焦茶さんがそれで満足するなら……いいですよ」

焦「なんと!そんなことを言われたら堪えている理性が飛んでしまうというかもう遅い。いただきm(ポン)あふっ!」

無「?~……あれ、歯が元に戻ってる」

焦「……ここまで来たら後になど退けるものか!えいっ!(かぷ。ちゅー……)」

無「はぅ……こ、焦茶さ……」

焦「んっ……ふぅ。このくらいでいいだろう」

無「ちょっ、これ……き、キスマーク……」

焦「ふふふ、色無の体に私の跡を残せる日がくるとは思わなかったよ」

無「なんという……あぁなんという……なんという……」


3年目

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 ドンドンドン

無「あーい?」

黄「お菓子がないのでいたずらされに来ましたー!」

無「よし、帰れ」

黄「そんな! 顔も見ずに帰らせるだなんて!」

無「今年はどんなメイクしてるんだ?」

黄「今回可愛い! 普通に可愛い! 魔女! 魔女だから! 可愛い!」

無「しょうがないな……」

 がちゃ

黄「ばぁー」

 ばたん

黄「待って! 何か悪かった!?」

無「お前……大仏ってお前……せめてスクリームぐらいかぶれよ……」

 がちゃ

黄「ごめん! 確かに手ぇ抜いた! 寮の押入れから出てきたヤツ使った! 金欠だった! 悲しいことに!」

無「勝手に入ってるし。ほら、そんなお前にはたまごボーロで充分だ!」

黄「ちょ! もっと甘いものにしてよー!」

無「っていうかごめん。今ちょうど持ってない」

黄「なんでたまごボーロは持ってたの!?」

無「ちょうど飼育委員の当番だったんだよねー」

黄「鳥と同レベルですか私は! ……じゃあ」

 ちゅう

無「お? ……おぉぉ!? いきなり何を……」

黄「ここにあるじゃない、甘ぁ〜いもの」

無「……ったく、お前から誘ったんだからな?」

黄「や〜ん☆」


ピンポーン

男「は〜い(ガチャ)」

緑『Trick or Treat?』

男「……」

緑『Trick or Treat?』

男「……緑、だよな?」

緑『ええ。Trick or Treat?』

男「いや、もういいから。それはアレだよな……そうそう、ジェイソ○」

緑『そうだけど。何か間違ってる?』

男「ジェイソ○としては間違ってないけど、ハロウィンの仮装としては間違ってるな」

緑『……そう』

男「とりあえずホッケーマスク外したらどうだ? 息苦しいだろ?」

緑「少し、ね」

男「……あれ? お前眼鏡つけてなかったのか?」

緑「これを被るのに眼鏡はかけられないじゃない」

男「よくここまで来れたなぁ」

緑「チャイムを押してから眼鏡を外したのよ」

男「さいですか。って、マスク被ってないんだから眼鏡かけてもいいんじゃね? そのままだと俺のハンサム顔が見えないだろ?」

緑「……好みは人それぞれだから」

男「待て待て、ちゃんと見てみろ。ハンサムだろ?(ズイッ)」

緑「よく見えない」

男「これならどうだ?(ズズイッ)」

緑「ぁ……ま、まだ見えない」

男「この距離ならどうだっ!?(ズズズイッ)」

緑「あと……もう一歩」

男「額ぶつかってんのにこれ以上は近づけねぇよ……それ以前に、目つぶったら見えるわけないだろうが」


4年目

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焦「トリックオアトリート。お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ。というかさせろ」

無「何を口走っちゃってるんですか」

焦「む、すまない。つい本音が出てしまった。あわよくばこの機に乗じて君のハジメテを奪おうなんて思っていないから、安心してくれ」

無「だから言っちゃってますって、全部」

焦「すまない……」

無「……あぁもう。これあげますから、そんな顔しないでください」

焦「これは……」

無「クッキーですよ。念のため作っておいたんです」

焦「これを、食べていいのか? 私が?」

無「どうぞ。もともとそのために作ったんですから」

焦「今日はなんていい日だ。君の手作りのお菓子が食べられるなんて」

無「大げさだなぁ。そんなのでよければいつでも作りますよ」

焦「ほ、本当か!?」

無「そこまで喜んでくれるなら、いくらでも」

焦「! ……!! ……今日は、本当に……人生最高の日だ……!」

無「大げさだなぁ、ホント……」

無「ちなみに今気付いたんですけど、その耳と尻尾はなんなんですか?」

焦「オオカミ女だ。ガオ」

無「つまり俺が羊で、これから焦茶さんに食べられてしまうわけですね、わかります」


黄「トリックオアカレー?(カレーをくれなきゃイタズラしちゃうぞ?)」

無「お前らしいというか、何というか……」

黄「ほれほれ、カレーはないのかなー? イタズラしちゃうぞー?」

無「ねーよ。普段からカレーなんて作んねえのに」

黄「えー? ないのー?」

無「俺はお前の作ったカレーが食べたいの。だから、自分では作らねえ」

黄「ふーん……」

無「ほれ、イタズラしたきゃイタズラしろ」

黄「……いいよ、やっぱりやめた」

無「?」

黄「色無が黄色ちゃんのカレーを愛しているのがわかったから、勘弁してあげる」

無「そか……そんじゃま、トリックオアカレー?」

黄「ほへ?」

無「カレーはないの?」

黄「えと、あの……」

無「じゃあイタズラな(ごそごそ)」

黄「ちょまっ! 今すぐ作るからそれはヤーーっ!!」

無「ほんじゃよろしく」

黄「まったく……食べたいなら食べたいって言えばいいのに……あんなんじゃムードもへったくれもないじゃない……(ぶつぶつ)」

無「それじゃ芸がないだろ……あぁ、それと」

黄「なに?」

無「愛してんのはカレーじゃなくて、お前だから」

黄「……バーカ、知ってる」


5年目以降

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Last-modified: 2013-03-24 (日) 23:38:43