メリークリスマス!

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茶「真っ赤なふんふんふんふーん♪トナカイふんふんふーん♪」

無「何かご機嫌じゃないか。歌は継ぎ接ぎだけど」

茶「いっつもふんふんふんふーん♪ふんふんふんもーのー♪」

無「あのー」

茶「ふぇ?あ、色無さん。おはようございます」

無「うん、ああ、おはよう。何書いているの?手紙?」

茶「これは、サンタさん宛の手紙です」

無「サンタ?」

茶「さんをつけてください!もしくはフルネームで呼んでください!」

無「ご、ごめん。それでサンタさん宛の手紙って……」

茶「はい!これはですね、毎年私達にプレゼントをくれるサンタさんを労うために書いているんです!」

無「そう。まさか……」

茶「4歳から毎年です!」

無「なるほど、サンタさんも喜ぶな。ははっ(本気だよこれ……)」

茶「その目……私を馬鹿にしてますね!?サンタさんいないって腹をくくってますね!」

無「いやそんなこと」

茶「わかりましたいいでしょう!私がサンタさんがいることを証明してみせましょう!」

無「無理はしないほうが」

茶「灰ちゃーん!赤外線のシぇンサー貸してくださーい!」

無「えー!」

灰「赤外線のセンサーとブザー、あとネズミ取り」

無「完全武装だな」

黄緑「茶色ちゃんかわいいわね。それで色無さん?どう責任とるのかしら?」

無「セキニン?」

黄緑「朝起きて枕元にせっかく書いた手紙が残っててプレゼントもなかったら悲しむわよ〜?」

空「罪な人ね……」

青「(ピシッ)……」

空「痛っ。なんではたくのお姉ちゃん?」

青「とりあえずプレゼント用意して茶色ちゃんの手紙を回収したあとプレゼントを枕元元に置かないといけないわね」

無「プレゼントって?」

黄緑「一応私達も考えるから。ね?」

灰「スネークは色無がやってね」

青「パンツで寝てたからって変な気起こすんじゃないわよ!」

無「そんなぁ」

 茶色の部屋

茶「うっ……ん……」

青『ザー あまりジロジロ見ない!』

無「わかってる」

灰『ザッ ザー 目の前に赤外線あるから』

無「はいよ。(ヒョイ)」

灰『ザー 最初に机にある手紙を回収しちゃって』

無「OK。手紙は回収した」

灰『あ!茶色先輩を見て!』

無「なんだ?」

灰『クマさんぱんつ』

無「やめろ」

空『ザッ 罪な人ね……(ペシ)あ痛!』

茶「……たさぁん……」

無「お前ら少し静かにしろ。茶色が起きる。あとはプレゼント置いて終りなんだから」

灰『枕元のネズミ取りに気をつけて』

無「はいよ」

 ブッ

灰『これは……!』

無「クッションの下にブーブークッション……」

茶「(ジー)……」

無「はっ!茶色!違う!違うんだ!これには浅いプライドと山よりも高く海よりも深いわけが!」

茶「凄いですサンタさん……!」

無「はぃ?」

茶「サンタさん凄いです!凄すぎです!ドンピシャです!私のほしかったものがなんと目の前に!」

無「お、俺?」

茶「色無さん!サンタさんに連れて来られてきたんですよね!」

無「あぁ、まぁ」

茶「ほら見なさい!サンタさんいたでしょう!」

無「は、はい……」


『白×黒』

「十三、十四、十五……はあ、やっぱり二目たりない……また戻ってやり直しかあ」

 三回目の数え直しでようやくあきらめがついて、おっきなため息をつくのと同時に毛糸を引っ張った。編むときはあんなに時間がかかったのに、ほどけるのは一瞬。

「やっぱりお薬飲んでぼーっとしながら編んだのがいけなかったかなあ……今日はちっとも進まないや。あと少しなのに」

 気分が滅入ると、なんだか身体の具合まで悪くなってくる。少し休憩しよう。

「そうそう、ちゃんと編み針にキャップしなきゃ。またすぽって抜けちゃったら、もう絶対間に合わないもんね」

 思い出してよかった。前に抜けちゃって最初からやり直しになったときは、ショックで半日寝込んじゃったっけ。さすがにあんなことはもうこりごり。

「あれ、キャップどこに行っちゃったかな……」

 予備の毛糸や編み物の本なんかをまとめてあるかごの中をごそごそ漁って探してると、ドアをノックする音がした。

「白、入っていいかしら?」

「黒ちゃん!? ちょっと待って!」

 慌てて編みかけのマフラーをかごに放りこんで(針が抜けませんように!)ベッドの下に押し込んだ。隠し忘れがないのをチェック……うん、大丈夫。

「どうぞー。こんにちは、黒ちゃん。今日も寒いね」

 入ってきた黒ちゃんに早口で挨拶して、少し引きつった笑顔を向ける。ちょっといぶかしげな顔をしたけど、黒ちゃんはなんにも聞いてこなかった。

「今日は終業式だったわ。プリントとか持ってきたから目を通して。ロッカーの中のものはみんなで手分けして寮に持ち帰ったから」

「うん、ありがとう」

「通知表は預けられないから、後日郵送するそうよ。十中八九朱色さんが受け取るだろうから、見られる覚悟しといた方がいいわよ」

「やだな、いくら朱色さんだって勝手に人の通知表見たりしないよ……しないよね? 大丈夫だよね?」

「さあ。心配なら早く帰ってくることね。退院予定日はイブ当日だったかしら? それまでに届かないことを祈るのね」

 うー、なんか今日の黒ちゃんは意地悪い。いつもなら『大丈夫よ』って言ってくれるのに——あれ?

「黒ちゃん、それ……どうしたの?」

「それって、どれ? これ? これがどうかした?」

 そう。ようやく落ち着きを取り戻した私は、そこでやっと黒ちゃんがパイプ椅子の背中にかけたそれ——マフラーに気がついた。

「う、ううん。ただ、去年の冬はコートだけで通してたから、どうしたのかなって思って。買ったの?」

「ああ、そういうこと。これは灰のお下がり。新しいの買っていらなくなったって言うからもらったのよ。捨てるのはもったいないし」 外したばかりのマフラーを手に取り、もう一度首に巻いて黒ちゃんは私を見た。

「……そっか。よく似合ってるよ、黒ちゃん」

 ほほえんでそう答えるには、ちょっとだけ努力が必要だった。

 

 いつもどおり面会時間終了の五分前に席を立った黒ちゃんを見送ってから、ベッドの下のかごを取り出す。でも、続きを編む気にはなれなかった。

「もうマフラー持ってるんじゃ、私が編んだのをあげても迷惑だよね」

 黒ちゃんは昔から、灰ちゃんが飽きたものを何でももらっては、ぼろぼろになるまで使ってた。だけど、こんなタイミングでマフラーもらっちゃうなんて……。

「毛玉だらけでだいぶ痛んでたけど、私のだって目が飛んじゃってでこぼこだし……」

 初めてだと一番簡単なマフラーでも苦戦するって聞いてたから、せめていい毛糸でと思って奮発したけど、それも数回の編み直しでよれよれだった。

「でも、プレゼントもなしで寮のクリスマスパーティに参加するわけにいかないし……どうしよう」

 体調が悪いふりをして、退院を延期にしてもらおうかな……そんなことを考えているうちに、ずいぶん時間が過ぎてたみたい。

「白さん、まだ起きてるの? もう消灯の時間ですよ」

「え、もうそんな時間?」

 びっくりして時計を確認する私を見て、看護士さんはくすくす笑った。

「編み物に熱中するのもいいけど、あんまり根を詰めないようにね。イブの日に会えなくなっちゃったら彼氏も悲しむわよ」

「か、彼氏!? ちちち、違います! 彼氏にあげるんじゃありません! 彼氏なんていません!」

「あら、そうなの?」

 私が慌てて訂正すると、今度は看護士さんの方がちょっとびっくりした顔になった。

「ごめんなさい。マフラー編んでるときの白さんがあんまり楽しそうだったから、勘違いしちゃった」

 お仕事が忙しいみたいで、看護士さんはそれ以上詮索せずに廊下に戻ってくれた。

「もうイブには充分間に合うところまで編めてるんだから、今日はちゃんと休むこと。いい?」

「はい。おやすみなさい」

 明かりを消すと、カーテンの隙間から差す月の光が病室を薄く照らした。

 

 天井を見上げ、去年もらった可愛いペンダントをかざしながら、私は看護士さんの言葉を繰り返し思い出していた。

「彼氏……じゃないよね、もちろん。黒ちゃんは女の子だもん」

 じゃあ、なんなんだろう? 幼なじみ? 事実だけど、真実じゃない。友達? もちろんそう。でも、ただの友達じゃないよね。

「親友……うーん。親友って言ったら、寮のみんな、かな。私のこと、ずっと深く分かってくれてると思うし」

 友達をランク分けするのはよくないけど、やっぱり寮の子たちは特別な気がする。

「……それじゃ、黒ちゃんは?」

 親友以上の存在——そう考えたとき、脳裏にちらっと“恋人”の二文字が浮かんだ。

「!! だ、だから黒ちゃんは女の子なんだってば!」

 がばっとベッドから身を起こし、頭の上で手を振ってそれをかき消す。

「……一番、大切な人。今のところは、それでいいかな」

 ベッドライトをつけて編み針に手を伸ばす。心の中でさっきの看護士さんにごめんなさいと謝って、私はまた編み始めた。

「端っこはフリンジがいいかな。それともボンボンにしようかな。引っかけて、くぐらせて、ひっくり返して……」

 これを編み上げて黒ちゃんにあげることができたら、きっと答えが出るような気がしたから。


灰「クリスマスにいちゃいちゃするカポーは氏ねば良いと思うんだ」

無「またいきなり物騒な事を……」

灰「クリスマスってキリストの生誕祭なのに、どうして盛んになってるのやら」

無「生命が出来る日としては合ってるんじゃないか?」

灰「色無、下品」

無「……正直、すまんかった」

灰「……」

無「そうだ、なんなら俺と一緒に出かけるか?」

灰「……色無と?」

無「こんな日に寮でこもってるのもつまらないしな」

灰「んー」

無「まぁ、嫌なら寮にいるけど……」

灰「行く」

無「え?」

灰「行くって言った」

無「え、あ、うん。わかった」

灰「さーて、そうと決まったら準備しよー」

無「あ、おい、灰」

灰「ん? なーに?」

無「俺が言い出しといて何だが、外は寒いぞ?」

灰「大丈夫大丈夫」

無「周りにカポーばかりだぞ?」

灰「大丈夫だって。……色無が一緒にいるんでしょう?」

無「っ!! あ、ああ」

灰「(ニヤニヤ)色無、顔赤い」

無「う、うっさいな。ほら、行くぞ」

灰「はーい」

灰(姉様がよく使う笑顔、効果抜群だね)

無(灰ってあんな笑顔できたのか……)


黒「もうすぐクリスマスね」

無「クリスマスだな」

黒「色無はどうするの?」

無「どうするって?」

黒「言ったとおりの意味よ。今年のクリスマスはどうするの?」

無「黒、それは俺に対するあてつけか?」

黒「そんなつもりはないわよ。……ということは、今年も」

無「ああ、今年も寮で過ごすよ。家に戻る気もないし」

黒「……そう」

無「こういうときに男を誘えればいいけど、あいつは侍黒といるだろうからな」

黒「ねぇ、色無」

無「んぁ? どうした?」

黒「映画のチケットがあるんだけど、一緒に見に行かない? ……クリスマスに」

無「え、いいのか? 白と一緒に見に行けばいいんじゃ」

黒「はぁ……この朴念仁。分かっていたけど、鈍感男ね」

無「酷い言い方だな……」

黒「いい? 『私は、貴方と一緒に』見に行きたいのよ? 『クリスマスに』」

無「え、それって、もしかして」

黒「もしかしなくても、そういうこと。……行くの? 行かないの?」

無「え、あ、うん。行かせていただきます」

黒「よろしい♪ それじゃ、クリスマスを楽しみにさせてもらうわよ?」

無「っ!?(そんな笑顔で言われたら……)……ああ、分かった」

黒「ふふ、楽しみね♪」

無(あー……期待を裏切らないようにしないとな)


橙「んー……あ、色無」

無「おっす、橙。どうしたんだ? ていうかその格好……」

橙「あ、これ? 今度公民館で行われるイベントのお手伝いとして借りたの」

無「そ、そうか。それにしても、寒くないか?」

橙「ん? 寒くないよ? ……どしたの、顔そむけて」

無「い、いや、なんでもない」

橙「……ははーん、この格好にグッときちゃったんでしょ(ニヤニヤ)」

無「ばっ、おまっ、そんなことねーよ!」

橙「あはっ、色無、顔赤いよ♪」

無「う、うるせー!」

橙「ほらほら、今なら特別サービスで抱きしめられちゃうよ♪」

無「んなことするかー!」


 今日はクリスマスイブ。街にはカップルが溢れていたが、私には関係ない。

 奇麗に輝くイルミネーションを見ても、私には単なる電飾にしか思えない。

 恋人と一緒なら違うんだろうな、と柄にもなく考える。

 だが私の想い人は、今頃は寮で友達に囲まれてパーティをしているのだろう。

 そんなことを考えながら歩いていた。ふと目についた、電柱の傍で何かがうずくまっている。

 猫だった。こんな寒い季節に野良猫も大変だな。

「お前も一人か?」

 猫に一人というのも変だなとも思った。猫は怖がらずに近づいてくる。

「寒いか?よしよし、一緒に帰るか」

 猫を抱えて歩き出す。その時、電話が鳴った。着信を一目見てワンコール終わらないうちに出る。

「私だ」

「わっ!こ、焦茶さん?」

「色無どうした?めずらしいな、君からかけてくるなんて」

「えっとですね、寮でパーティやってるんです。もう始まってますけど、焦茶さんも来れたらと思って」

「そうか、ありがとう。お土産を持ってすぐに行く」

「わかりました。待ってますから……って茶色、あぶないっ!」

 電話の向こうで色無の叫び声と、茶色の「ふえぇ〜」という声が聞こえた。

 どうやら転んだようだ。やれやれ、相変わらずだな我が妹。

 電話を切ると自然と笑みがこぼれた。寮に向かう足取りも嘘のように軽くなる。

「今年は私も一人ではないようだ」

 そんな私を、腕の中の猫が心なしか不思議そうに見ていた。


黄「めりくり! めりくり!」

無「痛い! 痛い! なぜ叩く!?」

黄「クリスマスなのです」

無「はい」

黄「……」

無「……両手を出して何を期待してるんだ?」

黄「プレゼントはー?」

無「ない」

黄「ガーン!」

無「期待してたのかよ!」

黄「そりゃもう! そりゃもうね!」

無「何で期待してんだよ……大体黄は何かくれるつもりだったのか?」

黄「ふふふ」

無「?」

黄「プレゼントは」

無「プレゼントは?」

黄「あ・た・し」

無「……頭でも打った? あ、元かr」

黄「こら!」

無「あぶな! 何すんだ!」

黄「ふふふ、あれを避けるとは……なかなかやるのう」

無「目つきが危ないです」

黄「あー、暇だ」

無「何しにきたんだお前は……」

黄「え? 暇つぶし」

無「ああ、そう……」

黄「色無の部屋って何もないね」

無「あまり無駄な物は置かないようにしてるからな」

黄「生活感がないというか……」

無「そうか?」

黄「でも私は思ったんです。一見生活感がないように見えるのは、意図的に何かを隠してるからじゃないかって!」

無「こら、何をする」

黄「こことか!」

 バン!

黄「こことか!」

 ガラッ!

無「勝手に物色するな!」

黄「ああ!」

無「どうした! 何かあったのか?(ドキドキ)」

黄「100円めっけ」

無「……」

黄「貰っていい?」

無「うん……」

黄「やったー!」

無「もうそれがクリスマスプレゼントでいいんじゃない……?」

黄「ええ! そんな!」

無「なんか疲れた……」

黄「あ……」

無「あ?」

黄「……色無ってこんなのが趣味だったんだね……」

無「うぉい!」

黄「しかし、クリスマスって暇だね」

無「もう帰ってください……」

黄「そうだ、パーティーやろうよパーティー」

無「嫌だ」

黄「えー? だって私帰ってもどうせ一人でしょ?」

無「それを言うなよ……」

黄「私も一人だし……ね?」

無「……」

 そして

黄「にゃははははは」

無「こら、シャンパンを振るな!」

黄「いよっと」

 ブシュアッー!

無「こっちに向けるなー! うわっぷ! ……これ本物じゃねえか!」

黄「いやー、やっぱり細部にもこだわらないと盛り上がらないし?」

無「盛り上がらないしって……。あーあ、もう……これどうすんの? びしょびしょだよ……」

黄「風呂に入れば無問題」

無「あのなぁ……」

黄「後で一緒に入ろうぜ!」

無「本気で言ってんのか?」

黄「うそぴょん」

無「なんだそのテンション」

黄「あはは、なに色無その顔ー!」

無「もう無理……もう飲めない……」

 こうして夜は更けていきました

 次の日

無「そのまま眠ってしまった……ん?」

黄「zzz……」

無「(ドキ)眠っていればかわい——」

黄「むにゃ」

無「——くないな、アホ面だ……」

無「あー、頭痛い……」

 ガチャッ

水「あ……」

無「あ、水ちゃん。おはよう」

水「お、おはようございます……」

無「? どうしたの?」

水「あの、その……」

黄「あー、頭痛い……」

無「あ、黄も起きたのか」

水「……ゆ」

無「ゆ?」

水「ゆうべはお楽しみでしたか!?」

無「ええ!? 何言って——」

水「はぅ!?」

無「ああ、水ちゃんどちらに!?」

黄「……どうしたの?」

無「絶対誤解されてる……」

黄「誤解って……はっ! 水ちゃん! 違うんだ!」

緑「何が違うのかしら」

黄「緑! 違うんだ、誤解なんだよこれは」

緑「誤解?」

黄「私はやってないんだ!」

緑「やってない? ……詳しく話を聞かせてもらおうかしら」

紫「やってないという奴に限って怪しいんだ!」

黄「そんな!」

無「あああ……」


水「よいしょ、よいしょ」

橙「お? 何運んでんの? 水色ちゃん」

水「園芸部用の鉢植えがやっと届いたんです」

黄「そんな事言っちゃって、どうせ水色ちゃん自身が入ってあいつに、『私を育てて♪』とか言うつもりなんじゃない?」

水「え? そ、そんな事しませんよ」

黄「隠さなくってもいいよ、クリスマスだからって浮かれちゃってんでしょ?」

水「ほ、本当に違うんです……」

桃「黄ちゃん、水色ちゃん困ってるよ?」

黄「そういうピンクちゃんだって水着でも着て、『季節はずれのスイカをプレゼント☆』とか言うんでしょ、分かってるのよ!?」

桃「えぇぇっ、私にまで飛び火してきた!?」

黄「あ、私にできないと思ってバカにしてるのね!? チックショウ、やってやるわよ!!」

桃「待って黄ちゃん、あなたにスイカは無理よ!」

水「そこなんですかっ!? き、教室ですよここ、誰か助けてくださぁーい!!」

青「ああもう、何であんたは終業式ぐらい大人しく出来ないのよっ!!」

白「……すっごくハジけてるね、黄ちゃん。終業式だから?」

橙「クリスマスだから——っていうか、やっかみかな? 自分がしたい事失敗したみたいだし」

白「やりたい事?」

橙「そ、やりたい事。カレー鍋の中に入って、『私ごと食べて?』って言いたかったらしいね」

白「黄緑ちゃんにおっきい寸胴鍋ないか聞いてた理由がやっと分かったよ」

橙「左手入れたところで火傷して諦めたみたいだけど。煮立ってる鍋に手突っ込むって、そこまでバカとは思ってなかったわ」

白「……それで左手が包帯でぐるぐる巻きなんだ」

橙「ま、失敗しといてよかったっしょ? あいつにそれとなく聞いたら『そんなベタなのはどっちかって言うと引く。どうせなら捻ってほしい』ってさ」

白「そ、そうなんだ、あはは(クシャクシャ)」

橙「何その紙? レシート?」

白「あああ、ダメダメダメ見ないで〜っ!」

橙「……ホイップクリーム」

白「ケ、ケーキだよ、ケーキ。今年も頑張って作ろうかなって、ホント、それだけだよ?」

橙「へぇ〜、ほぉ〜、ふ〜ん」

白「信じてよぉ〜っ!!」

緑「……(ガサガサ)」

紫「あれ? それってプレゼント用って言ってなかったっけ? 開けちゃってもいいの?」

緑「いいのよ」

緑「やっぱり左手で書くのはなかなか難しいわね」

男「(ガラガラ)邪魔するぞ——って何で腕に文字書いてるんだよ」

緑「耳なし芳一?」

男「……何故に疑問形。ってか、お前が何から身を守るっていうんだ?」

緑「その逆よ」


『黄色と橙は色無へのクリスマスプレゼントを選んでいるようです』

橙「ここは無難にピアスかな。アイツあんまりこういうの付けてないし」

黄「うぉう!さすが橙、お洒落系でいくんだね」

橙「やっぱりあたしっぽいのでチョイスしないとねー。ホントはちょっとだけ手作りマフラーとかもやってみたいだけどさ、たぶん青とかが作るでしょ。かぶったりしたら気まずいしね」

黄「橙ってけっこう乙女だよね、手作りとか大変そうじゃん」

橙「そこはあげて、喜んでくれたときの嬉しさのためでしょーが」

黄「そんなもんかなぁ。あ、コレどうかな」

橙「……何そのセンスない人形。どっちかって言うとキモくない?」

黄「ふっ、むしろこういうもののほうが『お前バカだなぁ』って色無に笑ってもらえるのですよ!」

橙「作戦かよ!……それにしたって、あんた、ホントにそれでいいの?」

黄「何が?」

橙「あんたっていっつもそうだけどさ、それじゃあ色無とバカ話はできても『女の子』としては見てもらえなくない?」

黄「それが黄色チャンですよ〜」

橙「だって、あんただって……」

黄「うん、色無は好きだよ。でもほら、橙もさっき言ったじゃん。被ったらアレだよねって」

橙「は?」

黄「だってさ、『可愛い女の子』はもういっぱいいるじゃん。橙も含めてさ。だからあたしは『バカ話ができる友達』でいよーかなってね」

橙「黄色、あんた……」

黄「あたしは、もうちょっとだけ『友達』でいたいのさ」

橙「……どっちが乙女よ、バカ黄」

黄「バカとはなんだよぅ。褒めてんのかけなしてるのかどっかにしろぅ」

橙「褒めてんのよ。あたし、男だったらあんたを選ぶのにな」

黄「お、嬉しいねえ。あたしも男だったら迷わず橙だな。こんなに可愛くてイイコなのに。何故色無は振り向いてくれないのか」

橙「一番の問題点ツっこまないでよ。……じゃあさ、黄色、もしあたしが男だったら、色無とあたしどっち選ぶ?」

黄「ふえっ!?色無と橙?え、えっと……」

橙「どっち?」

黄「うーん……」

橙「なんてね。マジ悩みしてくれてありがと。ね、せっかく買い物来たんだし、あたしらのものもなんか買っていこうよ」

黄「あ、いいね!」

橙「この前黄色に似合いそうなアクセ見つけたんだ。見に行こうよ」

黄「マジ?行こう行こう!……ねえ、橙?」

橙「ん?」

黄「さっきの質問だけどね、あたし、たぶん橙を選ぶな♪」

橙「嬉しいこと言ってくれるじゃん。よし、行くぞ親友!まずは会計だ!」

黄「了解!れっつごー!!」







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Last-modified: 2012-10-21 (日) 15:20:51