侍黒メインSS

男「ノーパン……なのか?」

侍「はぁ!」

男「袴はいてる時ってノーパンって聞いたからさ」

侍「し、失礼な! 下着ぐらいははいておるわ!」

男「剣道やってる時ってはかないって聞いたからさ」

侍「それは……」

男「あぁ答えにくかったらいいよ。無理強いしないから」

部「どうしたの侍ちゃん? お腹痛いの?」

侍「相談、というか聞きたい所はあるんですが……」

部「侍ちゃんが悩み! 聞くよ! 部長に何でも聞きなさい!」

侍「その……はいてますか?」

部「はいてる?」

侍「下着を」

部「(ペロン)これ? 脱いでるよ?」

侍「!」

部「こんなのはいてたら汗でビショビショになるじゃん」

侍「……そうか。部長は幼児体型だから誰も見向きしないからできるのだ。そうだ、きっとそうだ……」

部「怒るよ。たしか男子はみんなはいてなかったはずだよ。顧問が言ってた」

侍「男子は別に興味ないが」

部「そんなんじゃそのうち侍ちゃんも男子共に抜かされる日も近いね……」

侍「どういう……!」

部「ほら、強いとこって脱いでるとかってよく聞くじゃん」

侍「どりゃあああああああ!!!!!!」

後「一本! 勝負あり! す、凄い……秒殺ですね!」

侍「ふっ、背負うものが違うからな」


男「やっほー。遊びに来ましたよー」

空「あっ、男先輩! こんにちは!」

灰「……こんちわー」

男「今なんか二人のあいだに緊張感が走った気がするけど、気のせい?」

空「えと……お姉ちゃんが『男と会うときは原則二人以上で。今いる部屋からの脱出経路を最低二カ所確保すること』って……」

男「はっはっは、おもしろいジョークだね」

灰「うちの愚姉は『見かけたら通報しなさい』って言ってたよ」

男「うーん、手厳しいねえ。二人とも、いつかぶっかけ女優も真っ青の目に合わせてあげないとね」

空「そんなことばっかり言ってるからお姉ちゃんたちに嫌われるんだと思いますけど……」

男「まあまあ、そんなことより暇だから遊ばない? そうだ、クイズしよう! 『四つの辺と角を持つ形の総称、四角形の別名は?』」

空「? えーっと……『方形』?」

男「はうっ! そう、ほうけい! 正解はほうけいです!」

空「?」

男「次は灰ちゃんね! 『大正三年に高村光太郎が発表した一作目の詩集のタイトルは?』」

灰「……道程」

男「うっ! ハアハア……正解! どうてい、どうていです!」

灰「キモイなあ……」

男「ふう……ところでさ、青ってよくポニーテールにしてるけど、たいていリボンとかクリップみたいので留めてるよね。アレは使わないの?」

空「アレ? ああ、ヘアゴムですか? なんか髪が引っ張られる気がするから好きじゃないって言ってましたけど」

灰「あー、お姉もそんなこと言ってたよ」

男「そ、それは要約すると『青と黒はゴムが嫌いだから使いたくない』ってことでよろしいですな!?」

空「まあ、そうですけど……」

男「青と黒はゴムが嫌い! 青と黒はゴムを使わなーい!!」

空「それがいったい——あ、お姉ちゃん、おかえりなさーい!」

灰「お姉も一緒だったんだ。お帰りー」

男「……え?」

無「最近男見ないなー。学校も休んでるし、どうしたんだろ」

青「さあ? 東京湾で水泳を満喫してるんじゃないかしら」

黒「潮に乗って太平洋を周回してるかもしれないわね」


男「人の弁当食うって何なのさ!」

侍「だから某が弁当を作ったと言ったであろう!」

男「あのグチャグチャな物体Xが弁当なわけあるか! 俺に首から足生やして歩けってか!」

侍「(シャキン)貴様……! 某の……某の作った弁当を愚弄するか!」

男「逆ギレですか? いいですよぉ斬っても。それで満足するならば何度でも無礼討ちしてくださいよ」

侍「ぬ……! (カチャン)ふん!」

男「(ガラッ)やっぱ昼休みは図書室に限るな。緑のおかげで最近はラノベまで置いて……ん?」

侍「……」

男「……チッ」

男「(ガチャ)ふー! やっぱ昼休みは屋上でコーヒー飲みながら……ながら……」

侍「(ゴクゴク)ぷぁ……やはり昼休みは屋上で……」

男「……チッ」

男「(ガラッ)先生ー気持ち悪ーい」

保険医「先生は気持ち悪くないはずよ。先客がいるから少し待ってね。体温測り終わったかー」

侍「(カシャ)はーい……」

男「……チッ」

侍「さっきはすまなかった……」

男「あの物体Xもなかなかうまかったからな。まぁ許してやろう」

侍「く、食ったのか! 後で某が家で食べようとしてたのだが……!」

男「煮付けうまかったぞ。俺が飯忘れた時また食わせてくれな」

侍「う……うん……(ウルウル)」

男「お、おい! 褒めたんだぞ? 泣くこたないだろ?な?」

白「(カシャ)あー! 男君侍ちゃん泣かしたー!」

男「やっぱりいたか保健室に!」


 侍宅

男「ふぇ……」

侍「茶色か」

男「冷静なツッコミご馳走さま。眠いだけだよ」

侍「ふぅん。よし!(パンパン)ほれ!」

男「……何してん?」

侍「某が添い寝をしてやろう。さぁ」

男「いやいいよ。寝るならうちで」

侍「いいから!(バンバン)」

男「わかったよ……」

侍「〜♪」

男「んー(ゴロン)」

侍「眠れんか?」

男「寝にくいんだよ。隣りにいられると」

侍「トントン、してやろうか?」

男「いつからお前は俺のお母さんになったんだよ」

侍「(トン トン)ねーんねーんーころーりーよー」

男「あ、少し眠くなってきた」

男「くー……ふぃ」

侍「ふふ、可愛い寝顔よのう」

男「(ゴロン)ん」

侍「(ギュ)お主はいつになったら某の気持ちに……いや、やめておこう。今は、このままで」


侍「懐かしいのう、この写真」

男「お前がまだ竹光もってたころじゃん」

侍「刀は重いからこの時はしょうがなかったのだ!」

男「可愛いなぁ。特に俺」

侍「某のほうが可愛いではないか。ダボダボの袴に刀、なんと愛くるしいことか」

男「さて、こんなこと話しているうち喉乾いたな。ちょっと自販機で飲みもんかってくる」

侍「某も行くが」

男「いいよ。どうせいつものお茶だろ。行ってくる」

侍「あ、待て……! 行ってしまったか……」

侍「遅いのう。何をやっておるのか……そうだ! ちょっと部屋を漁ってみるかの……む、これは昔流行ったよーよーか……! 時代を感じるのう。あ! これっ、某が小学生の時に折り紙で作った兜……! あやつめまだ持っておったか……! 次はベットの下だ。ぬ、早速怪しい箱を発見!では御開帳〜! まぁ予想はしていたがよもやこんなにあるとは思わなかった……男だからしょうがないのう。う、うわぁ……! こ、こんな体勢も……! できん! 人として絶対できん!」

男『ただいまー』

侍「む、むぁ! かかか帰ってきおった! 早く、早く戻さねば!」

男「(ガチャ)たっだいまー。なかったから少し歩いてきた。ってお前何やってんだ?」

侍「す、ストリングプレイ スパイダーベイビー!」

男「なんで?」


 寮

男「色無ちゅあ〜ん」

空『色無先輩ならまだ帰ってきてませんよ』

男「はぁ。ねぇ、なか入っていい?」

空『だ、駄目です! 今私一人だし脱出経路が工事中なんです!』

男「そこんとこ頼むよぉ。何もしないからさぁ」

空『『何もしないから』……えーっと28ページか。『何もしない=悪戯しちゃうぞw』、と。無理です』

男「なんのマニュアル!? 俺? 俺対策?」

空『侍黒先輩監修です』

男「残念だなぁ……色無さんが好きなファミリーマートのプリン買ってきたのに、これじゃ悪くなるなぁ」

空『食べればいいじゃないですか』

男「それがふたつあるから食べらんないよぉ。入れてくれたら空ちゃんにあげてもいいかなぁ……なんて」

空『(ゴクリ)だ、駄目です! 絶対駄目です!』

男「でもプリン食べないと……どうしようかなぁ……」

空『……本当ですね? 本当に何もしないんですね?』

男「本当さ」

空『本当に本当ですね!』

男「うんうん」

 ガチャ

空「本当だ! 美味しいですこれ!」

男「でしょ?」

青「ただい——空! 何してるの!」

空「プリン美味しいよ。お姉ちゃんも——」

青「駄目! 食べるのやめなさい! 貴方! うちの空にいったい何をしたの!」

男「だからプリンあげた——」

青「シャラップ! 正直にいいなさい!」

男「だからプリン、プリンを……」


水「ど、どうぞ。裏で取れたハーブ使ったんだけど……(カチャ)」

侍「出してもらったものに文句はつけぬ主義だ。ありがたくいただきます(ズズ)」

水「お、おいしいかなぁ……」

侍「うむ、あまり紅茶というものは詳しくはないが、これはうまい」

水「よかった」

白「いいにおいー」

水「白ちゃんも飲む? 寮の裏で取れたハーブのお茶」

白「ありがとう。いただきます」

白「それでね。看護婦さんが色無君に注射しようとしたんだよ」

水「あはは、何それー」

侍「うむ、切腹ものだなそれは」

白「はははっ、切腹まではしなくてもいいよー。おっかし」

水「極端すぎるよ、それは」

侍「冗談ではないか。ぁ」

白「あ! そうそう話は変わるんだけど、この前本屋に行ったら男君が女物の時計の本見てたよ!」

水「プレゼント……かなぁ。いいなぁ」

侍「ぷ、ぷれ……! そんな、まさか。あやつが某に……!」

水「男君だもん。驚かそうとしてるよ」

侍「そ、そうか。某、少し期待しておく」

白「少しっていいながらかなり期待——(ポロン)あ、クッキーが」

水「わ、私が拾——」

 コチン

白「いた。……ぷ。ふふっ……」

水「あはは、ははっ……」

侍「……」

侍「不覚にも、黒が白につきっきりになる理由がわかってしまった……!」


侍「雨……」

男「お、帰んの? 部活は?」

侍「休みなのだが……」

男「ズバリ傘がないと」

侍「左様」

男「相合傘でいいなら入る?」

侍「……」

男「……まさか今日こんなに雨降るなんて思わなかったよなぁ。な?」

侍「そうだな」

男「……今日の現社の燕脂先生ネクタイいつもと違かったよな」

侍「そうなのか?」

男「うん、ピンクのやつだった……」

侍「……」

男「お前肩濡れてないか? ほら」

侍「い、いい! こっちに傘寄せたらお主が濡れるではないか!」

男「俺はいいから! この傘持ってる俺が言うんだ! いいから!」

侍「なら……某がもう少し寄れば」

男「だからいいから多少濡れたって死なないし!」

侍「入れてもらってる側からすれば不服なのだ! ほれ! これでよかろう!」

男「ったく……」

侍「全く最初からこうすればいいものを……かっこつけおって……」

青「焦れったいじゃない! 見てるこっちが焦れったいじゃない!」

空「お、お姉ちゃん……!」


無「なぁお前、この前のテストの結果クラスで何番目だった?」

男「3番目。青、金が同順トップ。で?」

無「ちょっと勉強で教えてもらいたいんだが……」

男「いいですよ(ニコ)」

無「ホッ。よかった、てっきり『青に教えてもらえればいいじゃん』とか言われるかと」

男「そんなぁ。僕、悪い人に見えますぅ?」

無「今は聖人に見えるよ」

男「ともかく、どこがわからないんですか?」

無「ここなんだが……」

男「ふむふむ。なるほど……」

無「あ、それでいいの? 簡単だな」

男「でしょ?」

無「なぁ、この文章問題は……」

男「テストでは後回しにして時間があったら解いてください」

侍「それでまさかお主、間違った解方を教えたのではあるまいな」

男「そんなことしたら補習になっちゃうでしょぉ? 70から50ぐらいしか取れないようにか教えません」

侍「鬼畜め……」

男「頭がよければ教えてとせがまれて、悪ければ教えてやると言われる。恐ろしい男だよ、あいつは……!」


母「あら? 雨降ってきたわね」

男「行ってきます!」

母「ちょっとご飯は……!」

赤「うひゃあ。急に降ってきたよぉ」

男「白」

黄「もー! 最悪!」

男「白」

水「ビショビショ……!」

男「水色」

白「傘持ってきてよかったねー」

黒「白はしっかりしてるもの」

男「チッ」

無「ちっきしょー! すぶぬれだ!」

男「赤と黒のチェック」

無「何してるんだよ」

男「透けブラ確認」

無「お前……!」

男「いやぁ、緑とか見てて思うんだけど、腐女子って中にTシャツ着てる確率高いよねぇ。うん」

無「ここまで堂々とされると人としてどうかと」

茶「ひぃえぇえぇ〜!」

無「……」

男「……な?(ポン)」

無・男「イイヤッホー!!!!」


白「それでさそれでさ! 侍ちゃんって男君のことどう思ってるの?」

水「うん、私も気になる……!」

侍「だ、誰にもいわぬか……?」

白「(ボー)……」

黒「白」

白「ひっ! サム……! ……はぁ、ただの黒ちゃんか」

黒「私以外に誰がいるのよ」

白「そ、それは……(ドキドキ)」

黒「白、秘密にするなら構わないけど、負担になるようだったら私に話してみて。大丈夫、秘密は守るわ」

白「……侍黒ちゃんなんだけど」

黒「らしいのよ。秘密にするようなことかしら?」

橙「あんなの口にしなくても態度で告ってるようなもんじゃない」

桃「男君もわかってて何もしないんだもん。つまらないよ」

無「(ガチャ)何々? 男云々と」

桃「侍黒ちゃんのことなんだけど、男君には言わないでね」

男「凍えそうな季節にきーみは♪」

無「愛をどうこう言うな!(グシャ)」

男「うぉあ! ……ぁにすんだよ!」

無「それを言いたいのは俺だ! お前なぁ! 侍黒の気持ち——」

侍「とぅ!(シュパ)」

無「にゃん!」

侍「ふぅ……! 危なかった……!」

男「あの……」

侍「てゃ!(スパ)」

男「ひゃん!」


侍「(ブチ)なっ! 髪止めが! か、替え……!」

闇「ないね〜。結束バンドなら——」

侍「するか! もうよいこのまま出る!」

侍「お、おはよう」

男「おはよ。髪どうしたんだ? いつものポニテはどうした」

侍「髪止めが切れたんだが、替えがなくてな」

男「へー。(ジー)まぁいいんじゃないか? たまには。結構似合うし」

侍「そうか? 似合うか?」

男「新鮮さもあるからかも知れんがな」

桃「おはよう」

橙「お? 侍っちじゃん! 後ろから見たら誰だかわからなかったよ!」

黄「袴着た他の女と男が浮気したのかと思った」

男「浮気って……ねーよ」

侍「髪止めの替えがなくて仕方なくな」

桃「結構髪長いのねぇ。いつもしばってるからわからなかった」

橙「それに凄いサラサラじゃん! 艶もいいし最高の髪だよ、これ!」

黄「良かったな男」

男「なんで俺なんだよ」

桃「シャンプー何使ってるの? 私もそれに変えようかな」

侍「確かぱんてーんとかいう……忘れた、すまぬ」

橙「やっぱ日本人は黒髪が一番似合うなー。私生まれつき、少し色かかってて——」

黄「(バサ)見て見て! 貞子貞子!」

侍「……」

男「お前、それ輪ゴム——」

侍「言うな……」

男「ごめん」


撫子色「そうなの……? ははは、迷惑だったね。……ごめん」

男「そんなこと言わないで、ね? 俺も悪いとは思うんだけどさ」

侍「お主……本当なのか?」

男「嘘だよ」

侍「なぁんだ嘘かぁ……ふっざけるなぁ!!!」

男「圧倒的に足りない。主語が」

侍「倒置法はいい! お主、D組の撫子色のこと……!」

男「あーうん、振ったね。てか昨日のことなのにもう噂になってんの? 誰にも言ってないはずだけど」

侍「そんなことはどうでもよい! 何故受け入れなかった!」

男「お前にはまるっきり関係ないだろ。てかいきなり付き合って下さいって言われて付き合えるか?」

侍「某が知る限り、撫子色は気立てがもいいし芯もしっかりしていると聞いたが。まさかお主なんかに……」

男「俺も驚きだよ。俺みたいなのが告られるとは夢にも思わなかった」

侍「ふん。どうせ付き合い始めたところでお主の下卑た性癖に呆れて捨てられたろうがな」

男「自分でもそう思うよ」

侍「むぅ……! お、お主も自覚しておるなら少しは治す努力をせい! この屑! 変態! 死ね!」

男「死ねってお前」

侍「馬鹿! 痴漢! ペド! 童貞! 変態! バクテリア! 天然痘! ペスト! この世から消えてなくなれ!」

男「あの……」

侍「寄るでない! お主に触られると脳が腐るわ!」

侍「ぐすっ……! よがったぁ……! 本当によがっだ……!」

黄緑「よかったわね。男君が撫子ちゃんと付き合わなくて」

色「てか男が告られるっていったい……有り得ないだろjk……」


男「そんじゃ行ってきまーす」

母「行ってらっしゃい。気をつけるんだよ」

男「さて、久々に俺のマシンが駆け抜けるぜ、と」

侍「お、男よ。珍しいな自転車なぞ出して。どこへ行くのだ」

男「ちと隣の紅蓮市まで。予約してたゲーム取りにな」

侍「紅蓮市か。ちょうど某も新しい竹刀が買いたかった所だ(カシャ)よし、行け」

男「ま、待てよ。急に後ろに乗るなよ、な? 降りろ」

侍「何故。いいであろう。行くぞ」

男「ほら、俺ゲーム受け取ったらすぐ帰るしさ。その辺見てる時間ないかなーって」

侍「どうせ暇なら某の買い物にも付き合え。一人よか楽しいと思うぞ」

男「今日ギアスあるだろ? な?」

侍「ぎあすは明日だ間抜け。しかしさっきから取繕っているようだがもしやお主……(ジー ニヤニヤ)」

男「なんだよ……!」

侍「またいかがわしいゲームだな? 年齢詐称までして欲しいか?」

男「あーもうそれでいいよ! だから、な?」

侍「お主の痴態っぷりはよくわかっておる。今更おかしいとは思わん。どれ、れっつごー」

男「もう……! 一人にしてくれよ!」

侍「……! ……わかった。……すまぬ(トボトボ)」

男「あ、あの侍さん? 私が言ったのはそんな深刻なことではなくてですね……」

侍「ソウヨノウ、イツモツキワトワレテワメイワクモイイトコロ……シノウ……シタオキッテシノウ……(トボトボ)」

男「嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あ!」

無「うひょおおおおお!!!!」

男「ふぅ……。死ぬかと思ったぜ」

無「俺の台詞だよ!ったく、2ケツできないなんて有り得ないだろjk……」

男「練習もう少し付き合ってくれ、頼む」


男「侍黒いるか」

侍「あ……うん」

男「昨日のことなんだけどさ、俺」

侍「すまなかった(ペコ)某があまりにもお主に気を使わな過ぎて気持ちも考えず……」

男「いやその……」

侍「では」

男「ちょーっと待ったあ!」

侍「……何か用か?」

男「用があるから来たんデスッ! ほら、竹刀買い行くんだろ?」

侍「いい。一人で行く」

男「いいから乗りなさい!」

男「おっーっとっと。やっぱり難いな」

侍「お、おい! 相当揺れてるが大丈夫なのか?」

男「昨日練習した時はうまくいったんだがなぁ」

侍「練習って、お主……二人乗りできなかったのか?」

男「昨日色無さんと練習したんだぞ」

侍「練習してこれじゃ……!」

 ガコン

男「(キキー)あぶっ!」

侍「キャッ!(ギュ)」

男「……ごめん」

侍「う……うん」

男「まだ……後ろに人乗せるのは早かったな」

侍「そのようだな……」

男「あと……そろそろ離して。みんな見てる」

侍「(バッ)んぁ! す、すまん!」


男「うわぁ、また雨降ってきたよ」

侍「ふふ、お主は明日は晴れていたから傘なんぞ持ってこなかったであろう。だが安心せい! 某が傘を——」

男「よかった。折畳みもってきておいて」

侍「……ふーん、どれどれ。(バサ)某のより小さいのう」

男「返せ! 折る気満々だろ、その目は!(ヒョイ)」

侍「あ!」

男「メッ、ですからね!」

侍「(シュン)相合傘が……」


男「そんなに相合傘したかったら言えば! いいじゃない!」

侍「よし、某を傘に入れろ」

男「それが人に頼む態度とは思えんなぁ。もっと慎ましく頼むヴェきじゃない?」

侍「そ、某を傘の中に……」

男「何だネ?」

侍「入れて下さい……」

男「聞こえんヨ? もう一度言いたまえ」

侍「入れて下さい!」

男「あー。私はもう帰るヨ」

侍「某を中に 入 れ て 下 さ い !」

侍「ってなるからお断りだ」

男「お互いよく知ってるよね」


男「何だが悪いな。委員会終るまで待たせて」

侍「部活もちょうど終わったところだ。ここでお主をおいて帰るのはしのびなかろう」

男「しかしさ、暗いな」

侍「7時か。昇降口は閉まっておるから、下駄箱まで行って靴を持って職員用の出口までか」

男「遠いな」

侍「でも何故か暗い校舎にいると気分が高揚するな!」

男「じゃあ俺がここで一つ楽しい話をしてやろう」

侍「何だ?」

男「あそこの自販機の近くで昔いた住込みの用務員さんが蜘蛛膜下出血で死ん——」

侍「あー! あー! 聞こえん! 聞こえんぞ!」

男「黄緑さんとか灰も見たらしいな」

侍「(スス)ば、馬鹿なことを言うな。某は信じぬ。信じぬぞ」

男「そんなこと言って俺の影に隠れるなよ。さぁ、行こうか。ただ通るだけなら——いっ、痛っいだだだだ!!」

侍「ど、どうした! 憑かれたか! 誰か! 巫女! 拝み屋を呼んでこい!」

男「痛ってぇ! 誰だよ画鋲ポイ捨てする馬鹿野郎は!」

侍「……なんだ。画鋲か。大袈裟なのだ、馬鹿ものが」

男「ったく(クル)……ん?」

侍「どうした?」

男「今人の気配がしたような」

侍「まさか、息絶えた用務員が」

男「だってあれは嘘だし」

 カシャン

侍「何か落ちる音がしたぞ……」

男「に、逃げろ! 早く! 立て!」

青「なんであんな所で携帯落とすのよ! 逃げられたじゃない!」

空「えへへ、ゴメン」


侍「どうしたのだ? 某をこんな所に呼出して。仇討ちか?」

男「誰のだよ。そんなことより……」

侍「何だ?」

男「綺麗だよな。ここの風景」

侍「この山吹公園の丘は有名だからな」

男「でもさ」

侍「ん?」

男「侍黒、お前のほうが綺麗だ」

侍「……はぁ? 急に何なのだ気味悪い! 似合わぬぞお主にそのような台詞は」

男「こっちは真面目なんだ。侍黒、今までお前の気持ちに気付かないふりをしてたけどやっと踏ん切りがついた」

侍「……(ドキドキ)」

男「好きだ、侍黒。俺と付き合って欲しい(カサ)」

侍「この花は?」

男「今さら気を引くつもりじゃないがプレゼントだ。受け取ってくれるか?」

侍「(カサ)綺麗な花だ。お主にしてはいい趣味をしておる」

男「んなことより返事は……?」

侍「やっと某の魅力に気付きおったか馬鹿が。……某も人のことを言えぬがな」

男「つまりそれって」

侍「(ギュ)この馬鹿者ぉぉ!!!」

男「んむっ! 侍黒!」

侍「もう離すでないぞ!」

男「離せねぇよ」

侍「(ボー)みたいな展開ないかのー」

男「何一人で呟いてんだよ。早く駒動かせよ」


 寮

桃「ねぇ見て見て! これどう?」

黄「短いのもいいね」

侍「(ズズー)ふぅ。髪なぞどんな風にしようと中身が同じでは一緒であろうに」

桃「ちょっとー! 今のは聞き捨てならなーい!」

黄「せっかくいい髪持ってるのにMOTTAINAIよねー」

侍「だから某の髪はぱんてーんだと何度言えば」

桃「よーし! 今から侍ちゃんに髪は女の命であるということを御教授しよー!」

黄「じゃあ早速!」

男「おーい。帰りますよー」

侍「遅かったな」

男「えと……ツインテ?」

侍「桃と黄色がやってくれた。どうかのう?」

男「似合わなくはないよね。うん」

侍「に、似合わなくは……! 似合ってもいないということか!」

男「違う違う! 似合うよ似合う!」

侍「最初からそう言えばよいのだ」

男「でも実際、お前ってどんな髪型も似合うと思うよ」

侍「えっ……?」

男「なんだよ俺なんか悪いこと言ったか? 褒めただけだろ」

侍「あ……ありがとう」

男「お、おぉ」

侍「そういえばさっき灰にあってだな(シャキン ブンブン)刀をこう振ってだな」

男「こ、これは……!」

侍「武ッ士武ッ士にしてやる! と言うとお主にウケると聞いたのだが……」

男「お願い! 刀しまって! お願い!」

侍「う、ウケぬか……」


 男宅

侍「おはよう」

男「……おはよう」

侍「昨日は……なぁ」

男「何が?」

侍「い……言わせるな! ばっ馬鹿者!」

男「言わなくていいけど」

侍「嬉しい……(ギュ)」

男「暑苦しい」

侍「昨日はもっと熱かったではないか……」

男「いや知らんて」

侍「知らん……知らんだと!」

男「だって何もしてないし」

侍「酷い! 酷過ぎる! 某のことは遊びだったのか!」

男「そもそも遊んでないし」

侍「遊びですらないだと!? 某をなんだと……なんだと思って……!」

男「侍黒だろ」

侍「その通りだ。早く起きろ。遅刻したいのか?」

男「あのね、いちいち起こしくるのはともかくとしてもっと普通に起こしてくれない?」

侍「ならどんなのがいいのだ! 時代劇風も駄目で昼ドラ風も駄目なら何がいいのだ!」

男「だから普通……もういいや」


 ビー ビー ビー

男「何事だ!」

侍「座標参零弍に敵映を3、いや4機補足! 強襲だ!」

男「色無か……。『テンタクル』を準備しろ。出撃する」

侍「某も『正宗』で出撃る!」

男「駄目だ! 相手は色無だぞ! 侍黒の敵う相手じゃない!」

侍「向こうは色無だけではない! 黒や黄色、黄緑もいるのだ! お主だけではものの数分で墜とされる!」

男「そんなことわかってる!」

侍「ならなんで」

男「これは俺と色無の戦いだ……俺が墜ちればこの戦争も……」

侍「ならん! 断じてならん!」

男「もうこれ以上巻き込みたくないんだ、わかってくれ」

侍「……お主、覚えておるか? あの時某に『ずっと一緒だ』と言ってくれたことを。嬉しかった。だから誓ったのだ! 爪の先から髪の毛一本までお主に捧げると! だから……死ぬ時も一緒なのだ!」

男「……チッ、カーッわかったよ。厄介な奴に惚れられちまったもんだぜ」

侍「惚れ……! 何を言うか! お、お主から先に……あーもういいんだな! 先に出撃るぞ!」

男「生きて帰ってこいよ……!」

侍「お互い、な」

男「よし! 出撃する! 黙って俺に着いてこい!」

男「っていう世界だったらなぁ……」

侍「いいから王手ぞ。早く駒をすすめよ」


 無人島に漂着

男「よし。これで住家はできたぞー」

侍「あとは飯だな」

男「掴まえたか!」

侍「……できん。某にはあの兎を殺めるなぞ……!」

男「あれを仕留めないと俺達が生きていけないんだぞ」

侍「しかし某にはあんな円らな瞳で見られたら……!」

男「ならその脇差しを俺に貸せ」

侍「ならん! あの兎ちゃんの血をこの刀に吸わせるなぞ……!」

男「兎ちゃん……」

侍「ましてあの兎ちゃんはまだ子供で……とりゃ!(ガサ)」

男「おいおい。茂みになんかいたのかよ……」

侍「これだ(ビチビチ)今夜はこれを食おう」

男「それ蛇ですよ侍さん?」

侍「マムシだ」

男「これ毒蛇だろ。食えんのかよ」

侍「首を落とせば……」

男「嫌だよ俺は! なんか寄生虫いそうだもん!」

侍「ならお主は食わねばよかろう。某は食うがな」

男「わかったよ……」

男「うん、少し筋張って固いけどイケるぞこれ」

侍「だろう?」

男「しかしなんでだろう。なんだか頭がめっさ冴えてるんだか……」

侍「某もなんだが。やはりマムシは効くのう……」

 あはーん


侍「暑いのう……」

 パサ

侍「これなら少しは寝やすいな」

侍「く……くか……」

男「(コンコン)失礼しまーしゅ」

侍「ふぃ……」

男「これもし、起きなさい。学校行きますよ」

侍「む……はっ! もうこんな時間か!」

男「そんなことよりさ。その格好どうにかできんかね?」

侍「……」

男「いい歳した女が下着姿で大股開いていびきかいて寝るのはどうかと思うよ」

侍「きゃあああああ!!!!!」

男「あの、さっきはすいませんでした」

侍「(プイ)……」

無「なんだなんだ?喧嘩したのか?」

男「侍が下着——」

侍「フン!(ガッ)」

男「痛!鞘で足の甲突くのはやめろよ!」

侍「(プイ)……」

無「将来は尻に敷かれるタイプだな」


侍「これでよし、っと」

男「何がよかったんだ?」

侍「今日は七夕ではないか。短冊を吊すのが日本人というものであろう」

男「だから今日裏山で竹漁ってたのか。なんて書いたの?」

侍「武士たるもの高みを目指すのが望みだ。無論、強くなれるようにと願い申した」

男「つまんねーの。『慎ましくなれますように』とか『お淑やかになれますように』とかじゃないのか」

侍「貴様、それが某に望むことか?(カチャ)」

男「そんなことより俺も何か吊していい? 一応日本人だし」

侍「寄るな! 某の竹に寄るな!」

男「なんだよ急に……。短冊吊すぐらいいいだろ……」

侍「寄るな寄るな寄るな!(ブンブンブンブン)」

男「危ね!」

侍「斬られたくなくば笹には寄るでない! わかったか……!」

男「……はい」

『男といつまでも仲睦まじくいられますように』

侍「ふぅ、危なかった……!」

 カサッ

男「ったく……バレバレだっつーの……」

『侍黒に告白できますように』

男「……俺も大差ない、か……我ながら女々しいね、ほんと」

侍「zzz……ふぃ」


男「つまり今日はポニーテールの日でもあるわけでな」

侍「つまり某の日だな」

男「まぁそんなところだ」

侍「しかし何故七月七日は某の日なのだ」

男「ポニーテールの日な。何しろ織姫がポニーテールだったかららしい」

侍「つまりその方程式だと某=ポニーテール=織姫となるわけだな! つまり某は織姫——」

男「は?」

侍「だから某=織姫という方程式が成り立つわけだ」

男「ないだろそれはjk……」

侍「見よ! あれが我らの星だ!」

男「『ら』? 『ら』って何よ?」

侍「織姫がおったら彦星もいなければなかろう! 不服だか彦星役にお主を抜てきしてやる、ありがたく思え」

男「じゃあ今日終わったら来年まで俺と話すなよ」

侍「何故に!」

男「一晩限りしか会えないんだろあいつら。ならしょうがないな。なっ(ポン)」

侍「むっ……」

男「じゃああと数時間何しようか? UNOでもするか」

侍「(シュル パサ)」

男「ぇ? ちょっと待ってよ……。いきなりそういう不純なことを」

侍「髪をほどいただけだ馬鹿者! 誰が貴様とまぐわうか!」

男「女の子がそんなこと叫んじゃいけません!」

侍「帰れ! もう天の川を渡るな! 死ね!」

男「ひ、酷い!」

侍「一年も待ってられる女なぞいるものか……。織姫なぞこっちから御断りだ……」


幹「ねぇ、男君……少しいいかな」

男「どうしたのかな? 幹色さん」

幹「ここじゃちょっと……屋上まで」

男「いいよ」

侍(ガクガクガクガクガクガクガクガクガクガク)

青「貧乏揺すりうるさ」

黄緑「青ちゃん。侍ちゃんは知らないのよ」

侍「な、ななななにが! 何を知らぬというのだ!」

青「やっぱり知らなかったんだ」

侍「(バンバン)だーかーらぁ!」

黄緑「まぁまぁ。あのね、女の子が男君に恋愛相談すると成就するっていうジンクスがあるのよ」

侍「なんと!」

黄緑「女の子としては男君には相談しやすいのよね」

侍「何故だ!」

青「あんたがいるからよ」

侍「?」

男「(ガラッ)はぁ……」

黄緑「幹色ちゃん、やったわね」

侍「どういうことだ?」

青「男が溜め息をついたら成就の確率が上がるのよ」

無「一説では男がフラグを折ることによって相手のフラグを立てることができるという……!」

侍「いつの間にいたのだ?」

青「簡単にいうとドラマの最終回でヒロインにフラれる脇役を演じちゃうってことよ」

侍「結局ひろいんと主役が結ばれる、ということか」

男「お前ら……俺の話すんなよ。いいよなぁ……お前たちは……」


侍「暑い……」

男「(ペロペロ)暑いねぇ……」

侍「某の分はないのか?」

男「(レェロ)ないよ!」

侍「ぶぅ」

男「食べる?」

侍「お主が舐めまわしたアイスなど舐めれるか。男菌がうつる。びっぐだびっぐ」

男「ビッグとか懐かしいなぁおい。あーうまい(ペロペロ)」

侍「ゴクリ……」

男「(ペロペロ)うまうま」

侍「(ダッ)この!」

男「あ!俺のアイス!」

侍「勢いでもってきてしまったが……」

 ゴクリ……

侍「で、では満を持して……頂きます! ……ふぅ……」


侍「夏と言ったら?」

青「海よねー」

侍「海と言ったら?」

青「水着よねー」

侍・青『お(い)、男(色無)。これ、似合うかのう(かなぁ)? これで海に行こうかとおもうんだが(だけど)。』

男・無『え? あぁ、いいと思うよ。』

侍・青『思う? ハッキリ言え(言ってよ)!』

男・無『似合うよ。てゆうか綺麗……。』

侍・青『き、綺麗とは(だなんて)……!』

男・無『……』

侍・青『……もっと見ていいのだぞ(んだよ)?』

男・無『侍黒(青)……』

侍・青『某(私)の全部……見て欲しい(シュル)』

侍「……はっ! な、何を想像しておるのだ青よ! かっ顔が赤いぞ!」

青「侍黒こそ顔赤くして何考えてるのよ!」

侍「何をいいよる! 某は男のことなぞ……!」

青「あ! 私男なんて一言も言ってないのになんで男のこと言い出すの?」

侍「お主とて色無のことを考えておったのだろうが!」

青「わわわ、わっわわ私はそんなこっ、こと考えてなんて……!」

侍「くく、くくく……」

青「ふ、ふふっ……」

無「入る余地が見つからない」

男「てか入りたくない」


侍「ジメジメするわ暑いわで……あぁ! もう課題が湿気るではないか!」

男「イライラすんなよ暑苦しい。KOOLに行こうぜ。あくまでKOOLに」

侍「だって! だって!」

男「わからないからって駄々捏ねるな」

闇「(ガラッ)二人とも頑張ってるわね。麦茶よ」

男「ありがとうございます、おばさん」

侍「かたじけない」

闇「ささっ、グッと行っちゃって!」

男「では(グイ)」

侍「(コクコクコクコク)ぷぁ」

闇「ではごゆるりと(ピシャ)」

男「さっき飲んだ麦茶、あれ飲んだら。舌がピリピリするんだが」

侍「某もだ。ってか眠くなってきた」

男「つーか学校もこんな腐れた課題ばっか出すなよ。俺のテストの点見てから出せよなぁ」

侍「ふぅ、暑い(シュル)」

男「いつも学年で10位以内に入ってんだろうが。これぐらい免除しろよ、馬鹿じゃねぇの」

侍「袴なぞ着ておれるかー!(バサ)」

男「何脱いでんだよ。俺は確かに変態だよ。だけど犯罪者扱いとかはまじで勘弁」

侍「ふははははは! 自由だ! 某は自由だ!」

男「俺が女に固着するのはセッ○スがしたいとかじゃない。愛だよ、愛が欲しいんだよ俺は」

侍「サラシなんかも……Zz……ZZz……」

男「要するに人肌が恋しいんだよ。みんな引き過ぎなんだよ汚いもの見るような目で見やがって……」

侍「すぅ……」

男(ブツブツブツブツ)

闇「うん、失敗」


 サッカー中

侍「(ボー)なんか調子が……」

赤「侍ちゃーん。パァァァス!!!!!(ギュルルルル)」

侍「はぇ?」

黄「危ない!」

 コツン   パタ

男「侍黒!」

青「酷い熱! 脱水症状おこしてるわ!」

男「(ガバ)待ってろ! 今保健室まで連れて行ってやるからな!」

侍「ん」

男「起きたか」

侍「保健室……か。確か某は赤の凶弾に撃たれ——」

男「ないからそれは」

侍「さて、次の授業は……」

男「まだ寝てろよ。脱水症状なんだ。無理するな」

侍「確か……お主か。某を着替えさせたのは?」

男「か、勘違いするな! やましい気持ちとかは一切なくてだな! 先生とかもいなくて」

侍「ふふ、うろたえるでない。ありがとう」

男「お、おぅ。そうだ! あとアクエリアス飲んでおけ。話はそれからだ」

侍「んく……(タラ)……すまん。うまく飲めぬみたいだ。一寝してまた体力がついたら」

男「水分取らないで体力つくかよ。しょうがねぇなぁ、少し荒療治だが……(コク)んっ……!」

侍「むっ……んっ……(コクコク)ふぁ……!」

男「はぁ……。口移しなら飲めるだろ?」

侍「とかなっちゃったりして……。むふふ……」

白「(カシャ)それはないと思うよ、私の経験上」

侍「やはりいたか!」


男「むーしゃ♪ 武ー者♪ 微幸せー♪」

侍「どうだ? 侍黒さん特製混ぜご飯の味は?」

男「丸み屋の混ぜご飯美味しいです」

侍「だから侍黒さん特製混ぜご飯だどなんど言ったら——(ぬ! 口に米粒がついておる……! これは、あれをやるしかあるまい!)男!」

男「(ビク)は、はい! なんでしょう!」

侍「ここ、ここここっ……! ここ……!(プルプル)」

男「な、なんだその指は!」

侍「ここここっ! こめっこここめっ……!(プルプル)」

男「近寄るな! な、何が目的だ!」

侍「こめ! ぉめ……! こ、こめぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」

男「ひぃ!」

侍「こ、米が唇についておるッ!!!」

男「……」

侍「……」

男「あ、そうなの?(パク)」

侍「あぁ!」


男「夏と言ったら!」

侍「浴衣を着て花火大会に行き友人達と出会いひやかされるも心を打ち明けその後二人きりで線香花火に」

男「長い! 却下! 夏と言ったらあれしかないだろ!」

TV「(ドギャーン)キャー!」

水「(ビクッ)キャ!」

緑(ピクン)

黒「ふ、ふぅん。ま、まぁまぁってところじゃない?」

 バツン   パッ

水「て、停電……!」

黒「照明は!」

緑「(カチカチ)点かない」

黒「仕方ないわ、携帯の明かりを」

 トゥルルルルル トゥルルルルル トゥルルルルル

黒「電話よ水色」

水「わ、私ですか! 緑ちぁゃん……!」

緑「……すまない」

水「私ってなんでいつもこんな……。うぅ……」

黒「大丈夫、きっと色無からよ。心配で寮にかけてくれたんだわ」

水「そ、そうですよね!(ガチャ)もしもし、虹色寮です。……もしもし?」

 ……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛

水「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

黒「どうしたの水色! 緑! 受話器をしまって!」

水「あ、あ……!」

男「やっぱこれだね!」

侍「やりすぎではないか……?」


男「なんか最近つかれてんなぁ」

侍「つかれているのか? なら某に任せるがいい!」

男「なんでお前なんだよ、リポビタンでも飲めば一発だ」

侍「馬鹿者! 今の季節を舐めるでない! 大人しく某に任せい!」

男「何この白装束……。てかなんでお前は巫女服」

侍(グビグビ ブッー)

男「どぅわ! 何吹き掛けやがる! これ酒じゃねぇか!」

侍「(バンバンバンバン)ナンミョーホーレンゲーキョー」

男「痛い! 叩くな! だから痛い!」

侍「(バンバン)ここはお主のいるべきところではないぞ。帰るべきところへ帰れ」

男「んじゃ家に帰るから叩くのやめて」

侍「よーしいい子だ。あとは塩を振って、と。終わったぞよ男」

男「さらに疲れた」

侍「何! さらに憑かれたと!(グビグビ)」

男「もうやめてぇ……!」


 寮in風呂

侍「(ザバ)ふぅー! やはり寮の風呂は大きいから気持ちいいのぉ」

紫「ちっ……何気にでかい」

橙「うん。形もいいしね」

桃「男君も隅に置けないわねぇ」

侍「某の胸で品評会を開くな。(ザバ)桃、しゃんぷーを借りるぞ」

桃「どうぞ」

侍「(ワシャワシャ)胸なぞあまり大きくても邪魔なだけだ。緑や青ぐらいのほうがちょうどいい」

橙「(ザバ)それにしても侍黒ってさ、こっちの毛、濃いよねぇ」

侍「ふむぁ! 急に触るな!」

桃「あら? 紫ちゃんなんかツルツルなのにねぇ」

紫「ツルツルだから何なのよ。桃だって少し生えてるじゃん」

橙「いざとなったら男も見るんだからさ、少しは剃っておいたら?」

侍「お、男はそんなもの気にせん! ……はずだ!」

桃「あんまり生えてると舐めずら——」

侍「な、舐めるだと!」

橙「なんなら私が剃ってあげようか?」

無「聞こえない……! 聞こえないぞ……!」

男「あの娘らは色無さんが近くにいるから気を引くためにあんな会話してるんだよ? 聞いてあげなきゃ」

無「お前はよく紅茶なんか飲んでられるな」

男「いざと言う時に露呈する箇所で舐める場所と言ったら限られている、多分そこは」

侍『うなじなんぞどうでもよかろうが!』

男「と、言うことだ。どこと間違えていたんだね?」

無「あの会話だけでわかるお前がすげぇよ」


 ゴロゴロゴロ

侍「うー。雲行きが怪しい」

男「今日は夕方から降水確率80%だからな」

侍「夕立が降る分にはいいのだが……」

男「ほら、雨が降る前に早く家に帰りなさい。俺ん家いてもいいこと」

 カッシャーン

侍「きゃ!」

男「おおっ! なかなかでかい雷だったな」

侍「(ギュ)うぅ……」

男「コラコラ抱き付くな。離れなさい」

侍「(ギュウ)うー!」

男「なんだよ怖いのかよ」

侍「怖くなぞ——」

 カシャーン

侍「ふぬぁん!」

男「ふぅ……(ギュ)これなら怖くないんだな?」

侍「(コクン)ん」

男「(ギュウ)お前が怖いならずっとこうしていてやるから」

侍「ん」

侍「(意外だ。いつもなら某にカマをかけ出し抜こうとするのがこやつのやり口のはず……)(チラ)」

男(ニヤァ)

侍(ばれてる! 絶対ばれてる! 雷怖くないのばれてる!)

男「(ギュウウウ)いやぁ雷ってほんと怖いね。怖かったらいつまでもこーしてていいからね」

侍「すいません、もう怖くも何ともないですから放してくだされ」


緑「王手」

侍「ぬあぁぁぁぁ!!! 弟子にしてやられるとは何たる不覚! かくなる上は腹を……!」

緑「大袈裟すぎ」

男「いいや大袈裟ではない。満を持して斬るべきだ」

緑「いたの?」

侍「武士として秩序だけは乱すわけにはいかぬ。緑、介錯を頼む」

緑「私まだ刑務所には行きたくないわ」

侍「大事ないな?」

緑「刀重い」

侍「では(シャキン)」

男「そこだぁ! そこが違ぁぁぁあう!!!」

侍「何が! あとは斬った後斬ってもらうだけではないか!」

緑「斬らないから」

男「斬って斬られる前にすることあるでしょ!」

緑「だから斬らないから」

侍「じゃあ如何ほどか説明してみせい!」

男「あれだよ、袴脱がなきゃダメじゃない! こうなんてぇの?ほら、こうはだけさせるっていうか……!」

侍「(カチャン)……さ、もう一局指すか」

緑「刀返すわ」

男「だからこうバッと脱いでね、バッと……僕もマゼテー」


侍「(ウトウト)むぅ……次は謙信を使ってみるぞよ……」

男「お前眠いならゲームやめたら?」

侍「某はまだ全然眠くない……」

侍「ふ……」

男「ほらまた俺ん家で寝やがった」

侍「(ゴロン)ん……」

男「女の子がはしたない格好で寝ちゃっ……ってかもう袴の間から見えてるじゃないですか」

侍「んー……(シュル パサ)」

男「暑いからって下脱ぐなよ(グイ)よっと、あ、太腿柔らかい(ギシ)」

侍「男……」

男「お、起きたか。寝てたからベッドに移そうとしただけだから勘違いすんっ!」

侍「ふっ……んっ……っはぁ」

男「はぁ……。あの……これ、寝ぼけてるとかじゃすまないからね?ねぇ?」

侍「わからぬか……馬鹿。こんなこと全部わざとに決まっとろうが……」

男「なんで……」

侍「男に……その……某のこと……見てもらいたくて……」

男「いつも見てるだろ?」

侍「見るだけではない。男に触ってほしいし撫でてもらいたいし、あとは……あとは……」

男「侍黒ってさ、意外とそんな表情もできるんだな。いつもは無神経に笑ってるのに」

侍「……駄目か?」

男「かわいいよ(ギュ)」

侍「あっ……。……(ギュ)」

男「俺が侍黒のこと見てないわけないだろ? 俺だって」

侍「すぅ……む……」

男「ふぅ、王道だな」


 プ〜ン

男「あのさ、昨日の夜なんだけど……」

侍「昨日? あぁ結局お主のべっどで寝てしまったな」

男「ぁーそう、そうね。わかりまし——」

侍「はっ!(プチ)」

男「……なに?」

侍「蚊がお主の頬に」

男「潰したの?」

侍「早急に」

男「俺のほっぺたの上で?」

侍「(ネトォ)ぬ、少し血を吸っていたみたいだ」

男「(フキフキ)……できれば追払っ——」

侍「てりゃあ!(ペチーン)」

男「……いてぇ」

侍「見よ! 次は吸われる前にしとめたぞ!」

男「(フキフキ)……」


 ちゅるちゅる

侍「(チュルン)やはり食欲の減退する暑さには冷麦が一番であるな」

男「これ素麺な」

侍「太さなどどうでもよい。某が冷麦だと思ったら素麺も冷麦なのだ」

男「ふーん」

侍「あ!そのピンクの冷麦は某の!」

 カチッ

男「あ」

侍「何が『あ』だ。このピンクの冷麦は某だと何度言えば」

男「いや、今箸と箸が触れたなって」

侍「多少不謹慎だな」

男「そうじゃなくてだな」

侍「(チュルン)うむ。うまい」

男「間接キス……」

侍「……。早く食わぬとお主の分の冷麦が無くなるぞよ?」

男「だから素麺……(ジー)」

侍「変に意識をするな! 箸が触れただけではないか!」

男「じゃあ……満を持して」

侍「あ、その緑の冷麦某のだ。食うな」


空「ホントに何もないんですか?」

侍「ない」

空「そんな! 幼馴染みなんでしょ! 何もないわけないですよ! もう少し思い出してください!」

侍「ふぅ。お主と二人きりになるといつもこれだ。ないものはない! これが武人としての結果だ」

空「武士でも騎士でも女の子は女の子です!」

侍「お主、何故そこまでして某の恋愛に首を突っ込む? それこそ野暮というものではないか?」

空「これもお姉ちゃんのためなんです! 先輩から何かいい考えが思い浮かべば……!」

侍「姉想いよのう。某もお主のようなよい妹が欲しかったものだ」

空「お姉ちゃんを見てて思うんです。なんで人形にはあんなに優しくできて色無先輩本人には」

侍「まて! 人形? 人形とはなんだ!」

空「お姉ちゃんが自前で作った色無先輩人形です」

侍「ほ、ほぅ……」

空「寝る時は無論一緒、一人の時は話の練習とかしています。我ながら情けない姉です」

侍「……そうだな」

空「何しろキスの練習までしてるんですから。その後いつも不貞寝するんですけど。どう思います先輩?」

侍「……う、うん」

空「まさか……先輩!」

侍「はぃいぃ!」

空「今男先輩人形作ろう! って思ったんじゃないですか?」

侍「ないないないないないないないない!」

男『大変だったな』

侍「あぁ、大変だったんだぞ?」

男『お疲れ様』

侍「幼馴染みだろうが何だろうが知るか、な?」

男『俺はそんなこともないぜ?』

侍「男……ってこんな人形相手に何をしてるんだか、某は……!」


侍「最近寒いのう」

男「……おはようございます」

侍「おはよう。それにしても寒いのう」

男「……今何時?」

侍「5時半だ」

男「……そう」

侍「こらこら寝るでない。起きよ」

男「……なんで?」

侍「早起きは三文の得と言うぞ」

男「……三文は今じゃ10円以下だ」

侍「えぇい!理屈はどうでもいいから起きぬか!」

男「……はいはい」

侍「とぅ!(バサ)」

男「……」

侍「やはり布団は温かいのう。流石にお主がさっきまで寝ていた分だけある」

男「……(ガチャ)」

侍「どこへ行く?」

男「トイレ」

侍「こうしているだけであやつに包まれているような気分になるのう……はぅ……(しゃんぷーの匂い、香水の匂い、……男の匂い)よし! 完了!」

男「(ガチャ)なにが完了したんだ?」

侍「む、着替えたみたいだな。なら今日は某に付き合え! 釣りに行くぞ!」

男「お前そんな趣味あったか? ま、いいや。釣りは俺も嫌いじゃないしな」


侍「お主、身長はいくつある?」

男「170ぐらい」

侍「……」

男「168だよ悪かったな」

侍「(ヒョコ ヒョコ)……ちっ」

男「背伸びなんかして何してん?」

侍「届かんの……お主、少し屈め」

男「(クイ)ん?」

侍「よし、これで同じ目線だな」

男「あぁ」

侍「……ん」

男「……は?」

侍「ちゅー……」

男「蛸の真似か」

侍「……とりゃ!(シャキン)」

男「フン!(パシ)」

侍「し、白刃取り……!」


侍「男ぉ……」

男「ん?」

侍「(グリグリ)……欲しいなぁ」

男「何が欲しいんだよ?」

侍「某の口から言わせるなぁん。恥ずかしいであろぉん」

男「じゃああげない」

侍「男のケチぃ。某がこぉんなに欲しがっとるのにぃん」

男「ダメ」

侍「(ムギュ)ねっえぇ〜」

男「そんなことしてもダーメ」

侍「(ギュゥゥ)見・せ・て・宿題♪」

男「……」

無「で? 見せたの?」

男「……うん」

無「根性なし」

男「……ごめん」


侍「侍+黒で某か……」

男「黒:容姿、かな?」

侍「いや、黒:冷静、であろう」

男「お前からは冷静の欠片すら感じない」

侍「なら黒:御淑やか、だな、ふふぅん」

男「ないない」

侍「黒:高貴、どうだ?」

男「あーもう聞いてらんない」

侍「黒:かわいい!」

男「はぁ……」

 数日後

黒「侍黒、何か食べたいものある? ねぇ?」

侍「急であるな。何を考えておる? 某を殺してもましなことはないぞ」

黒「裏なんかないわ。強いて言うなら貴女はわかってる女だったから、かしら?」

侍「何を?」

黒「鏡を見て自分に問うといいわ」

侍「?」

黒「さ、貴方の好きな甘味処教えて。ご馳走するわよ、ふふん♪」


 チュンチュン

男「……」

侍「……おはよ」

男「おはよ」

侍「朝、だな」

男「だな」

侍「昨日は……な?」

男「なんだよ」

侍「……ばか」

男「今日始業式だぞ。遊んでないで早く準備しろ」

侍「(ギュ)いくの?」

男「行くよ」

侍「止めぬか? お互い昨日ので疲れたではないか」

男「何もしてないだろ」

侍「だからぁ」

男「聞けよ」

侍「今日は二人でサボ——」

男「らない!」

侍「……(バサ)ふぅ、生真面目よのぅ」

男「お前一人でサボればいいだろ」

侍「何故わからんが一人で、というのが……」

男「いるよな。そういう奴」


男「俺は小学生の時代、ずっとこう呼ばれていた。“終わりの神”と」

侍「ほほう、貴様らしからぬ異名だな」

男「だろう? しかも皆で呼ぶのさ……英語で、しかもラップ調で」

侍「……ラップ調?」

男「神を表してるのか、指を十字にクロスさせてな」

級「END GOD YOU(エン ガッ チュー)!」

級「END GOD YOU(エン ガッ チュー)!」

男「どうした侍黒……うらやましいのか?」

侍「なにかもう堪らなくって」


男「俺は準にゃんだな。」

色「俺は鰤かなぁ。」

緑「私は両方。」

侍「お主らは仲いいのう。ここへ来てから知り合ったのだろう?」

男「そう、あれは入学式だった。」

色「懐かしいな。」



一年前

男「あ、やばい!忘れ物した!お前先行ってろ!」

侍「ここで待っておる。」



男「(タッタッタッ)よし、ギリギリか……!あの角を曲がれば………!」

ドンッ ドっシーン ボヨヨーン

男「痛てて………!すいませぇん………!」

色「あ、食パンが………!」

男「……………チッ。それじゃ。(スタッ)」

色「あ!待て!」

男「(ボソ)待つかよクソ。」



先「じゃあ自己紹介、出席番号一番から。」

色「色無しです。よろしく」

男「あ!おまっ!」

色「………あぁ!」



色「懐かしいなぁ。」

男「あぁ、実に懐かしい。」

侍「そ、そうか………。」


侍「しゅん!」

男「ほら言わんこっちゃない。腹だして寝るから風邪ひくんだ。」

侍「すまない。ごほっ!」

男「それは言わないお約束。」

侍「むぅ。」

男「大分汗かいたな。着替え持ってくるか?」

侍「……………。」

男「覗かないから、わかってるよ。」



男「いいかー?」

侍『今体を拭いて………くしゅん!』

男「早くしないとこじらせるぞ。」

侍『むー………。男、入ってこい。』

男「(ガラッ)はいよ。ッ!(ピシャ)」

侍『何をしておる入らんか!寒いのだぞ!』

男「だって服着てねーじゃん!」

侍『背中だけではないか!手が届かんのだ。だからお主が……。』



男「(フキフキ)……………。」

侍「ひぅ!」

男「おぉう!どうした?」

侍「ちょっと、冷たかっただけだ。」

男「あぁ、なんだ。………よし終わり。早く服着ろ。」

侍「(パサ)む、さっぱりした。ありがとう。」

男「ほ、他に俺は何をすればいい?」

侍「ん。(ギュ)お主の手は冷たくて気持ちいい。」

男「そうか。なら、少しこのままでいいな。」

侍「ん。」


侍「んしょ……ん………!」

男「お?科学の胡桃色にノート運ぶの頼まれたのか。半分貸してみ。」

侍「す、すまん。」

男「堅くなるな気味悪い。今更だろそんなの。」

侍「すまん。」

男「………ばーか。」

侍「な、何を!」

男「ったく気付けよ。お前はそういうキャラじゃないんだよ。」

侍「お主に言われとうない!」



侍「……………。」

男「どうした?難しい顔して。」

侍「お主は某をどう思う?」

男「どうって……侍黒だけど?」

侍「お主は某………へ、変だっ…ヒック、変だとおっ思わっ、わぬ……のか……グスッ。」

男「いきなり泣くなよ。」

侍「だっ……て、きょ…今日、こ、クスン後輩に……変って………!」

男「何て言うかなぁ。馴れてるから言えるのかも知れないけど変でも何でもないぞ?」

侍「エグ………ほんとぉ?」

男「どうせ後輩とふざけてるうちに出てきた言葉だろ?真に受けるなって。な?」

侍「ほ、本当にお主は何も……。」

男「ないから。な?(ナデナデ)」

侍「んっ。(キリッ)ちょ、調子に乗るでない!」



侍「たまにこういう所があるから………こう、あれだ。」

青「わかるわ……。私も色無しが………。」


侍「(グシグシ)ふぅ。」

男「ふぁ……眠。やっぱ泳いだ後は眠いな。」

侍「よし、乾くまではこのままだな。」

男「髪下ろしておくのか?」

侍「濡れたまま結うと変な感じがするのでな。」

男「いつもそうしてりゃいいじゃん。悪くないぞ?」

侍「お主の期待には応えたいがこれでは邪魔なのでな。」

男「似合うのに。」

侍「………お主がそこまで言うなら。」



青「頂きます。」

侍「青は今日はさんどうぃっちか。」

青「侍黒はいつも精進料理みたいなね食べてるわね。」

赤「健康には良さそうだね。」

侍「(ムグムグ)うむ。無論健康にはよい。それに」

青「侍黒!髪の毛食べてるわよ!」

侍「ぬわ!ぷぇ!」



男「ふーん。部長引退したんだ。」

侍「そうなのだ。後任は某が(ヒュー)ぷっ!」

男「どうした?」

侍「髪が口に入りおった。話は戻すが部長として某が後任す(ヒュ)ぶ!」

男「またか。」

侍「(キュ)もうこんなものこうしてやる!」

男「あ、戻しちゃった。」


侍「お主、茄子は好きか?」

男「嫌いじゃあないが……。」

侍「では某の分も食べると良い。」

男「お前は嫌いなのか?」

侍「き、嫌いではないぞ!断じて!」

男「じゃあ食えばいいだろ。」

侍「いらん!あれだ!秋茄子は嫁に食わすなとかいうやつだ!」

男「嫁………。」

侍「いいから食え!な!」

男「まぁ、いいや。」



侍「あの皮とどんな調理をしてもぐぢゅっとする中身がちょっと………」


男「いってきまーす。」

侍「お、男………!それはなんというう、馬なのだ?」

男「馬じゃないだろ。ベスパだよ。中古で買った。」

侍「ほ、ほう。………速いのか?」

男「速いちゃ速いが30キロ以上は出せないからな。」

侍「ふ、二人乗りは……!」

男「できませーん!」

侍「できぬのか……。」



公園

男「この辺少し周るだけだからな。」

侍「うむ。」

男「ヘルメットはしたな?しっかり掴まってろよ。(ブロロロ)」

侍「ふおぉ!」

男「ニケツ克服の為に教習通ったかいあったぜ。」

侍「お主も頼もしくなったな。」

男「ここらで曲がるからな。」

侍「きゃ!(ギュ)」

男「だから掴まってろって言ったろ。やめるか?」

侍「もう少し……。(ギュゥ)」



男「どうだった?」

侍「中々良かったが音がうるさいな。」

男「そりゃニケツすりゃエンジンふかすだろうが。」

侍「今度また、乗せてくれぬか?」

男「次はガソリン代出せよ。」



侍「はぁ……。背中………広かったな。」


サムライブラック保守



侍「はぁ……。夏も終わって、秋か……。」

紫「寂しくなるようなこと言わないでよ。」

侍「今年の夏も何もなかった……。」

青「やめて……!言わないで……!」

侍「はぁ……。」

朱「あのなぁ、お前は何かした上で言ってんのか?」

侍「何かとは?」

朱「お前は結局待ってるだけで何もしちゃいないだろ!甘えるな!」

侍「し、しかし某は……」

朱「そんなに自身がないならな………」

    襲   っ   ち   ま   え   よ   !



男宅

侍「男………!」

男「ん?何?」

侍「ん。(ギュ グッ グッ)」

男「なんだよ抱き付いてきて。相撲したいのか?」

侍「フン!フン!(グッ グッ)」

男「お前、押し倒そうとしてるの?」

侍「くぅ!(グッ)」

男「(パタン)ほら、たおれたぞ。で?」

侍「………………(ダッ)」

男「おい帰るのかよ!」



侍「と、まぁ某もまだまだだったわけで……!」

朱「本当にしようとしたの?お前だから刀振り回して男を八裂きにするものかと思ったが……。」

侍「え………?( ///)」


二人三脚

侍「つ、次は某達の二人三脚か……。」

男「不安か?」

侍「ふ、不安なわけあるか!これは武者震いだ!」

男「リラックスしろリラックス。」

黄緑「侍ちゃん侍ちゃん。ちょっとこっち来て。」

侍「何用だ?」

黄緑「侍ちゃん、私が二人三脚で必ず勝つ方法を教えて あ げ る ♪」



パンッ

男「イチ、ニ、イチ、二!」

侍「フフフフーン♪フフフフーン♪」

男(こいつ余裕だな。)

侍「フフフフン♪フフフフン♪フフフフン♪フフフフン♪」

男(あれ?このリズム……もしかして………!)

パンッ

実況「今、男侍黒ペア一位でゴールイ、あ、マイク返して……!」

侍「あー、あー。ふぅ……昔、おばあちゃんが言っていた……!結婚とは夫婦の二人三脚である、と!」

男「え?」

侍「ありがとう!みんなありがとう!我ら、絶対幸せになっ」

男「コラッ!マイク貸せ!誰だ!こいつに変な事吹き込んだ輩は!今すぐ出てきやがれ!」

実況「新郎新婦は早くマイク置いて退場して下さい!」


借物競争Ver.侍黒

青「はぁ……。」

侍「甘い。」

青「え?」

侍「お主は甘いのだ!『好きな人』?そんなことでためらうからいつまでも前に進めんのだ!」

青「ならあんたは男の事連れていけるの?」

侍「まぁ見ておれ。」



パンッ

実況「さぁ速い侍黒選手!いち早くカード選択に入った!」

侍「(ペラ)違うのう。(ペラ)『腹黒い人』か、捨てがたいが違う。」

実況「なんと!カードを吟味しています!その間に後続がドンドン目当ての人を探しに行ってます!」

侍「あった。こぉぉぉぉい!!!男ぉぉぉぉぉ!!!!!(パチーン)」

男「何?何のカード選んだの?」

侍「それはゴールしてからのお楽しみだ。」

男「じゃあ行こうか。」

実況「カードを選んでいたのはこれが狙いだったのか!侍黒余裕で一位ぃ!」

男「で?何のカード?」

侍「そうだな。強いて言うなら殺したい人、だ。(スパ)」

実況「なんと!『好きな人』をその場で切り捨てた!なんという!なんという偏屈な愛なんでしょう!」

侍「愛とは奪い取るものだ!」



数日後

黄「ヒューヒュー!」

赤「幸せになってね!」

青「規制事実を作るなんて流石ね……!」

男「何の話?」


無しさんは大変だ。」

侍「2メートル進んだら交代してるな。」



男「………俺の手汗かいてない?」

侍「そ、某の手こそかいておらんか……?」

男「あとは腰に手を……。」

侍「ん!(ピクン)」

男「あ、悪い!」

侍「そこは脇腹だうつけが……。腰はもう少し下だ……。」

男「しかし、色無しさんはうまいな。」

侍「あれは予行練習をさせられてるな。」

男「…………。」

侍「…………。」

侍・男(顔あわせられない……。)

男「おい。」

侍「む?」

男「こっ、今度お前部活休みの時遊び行かないか?」

侍「う、うん。いいだろう。」



男「はぁー。なんつーか、俺ら向きじゃなかったな。」

侍「そうか?某は………よかったぞ。」

男「なら、俺もよかったってことだ。」



侍(意外に固いものだな男の手というものは。)

男(なんだか柔らかかったったなあいつの手。)


侍黒宅蔵

侍「ふふふ〜♪(ガチャガチャ)む!これは……!」



翌日

男「おはよ。今日は早くきてたんだな。」

侍「昨日蔵を漁っていたらな、古い刀があった。(シャキン)これだ。」

男「そんな抜刀してまで見せるなよ。刺さったら危ないだろ。」

侍「案ずるな、死ぬ時は共に死のう。」

男「は?」

侍「さて、そんなことより今日はお主に弁当を作ってきたのだが。」

男「ありゃ?気持ちは有り難いんだけど今日お袋に弁当作って」

侍「(ドス)フン。これで弁当はなくったな。」

男「あぁっ!お前っ、弁当……!てかバックごと……何すんだよ!遊びじゃすまねぇぞ!」

侍「……某が男の為に作ったのに……。怒られてしまった………。」

男「どうした、今日のお前おかしいぞ?なんつーが目が座ってる。」

侍「おかしい……?ハハッ、そうかそうだったのかぁ……!」

男「お、おい!」

侍「(ブツブツ)こんなにも好きなのに想ってるのに愛してるのに某がおかしいから(シャキン)」

男「なっ!」

侍「ならいっそのこと今ここで二人とも死んで」

男「まさか!この刀……!貸せ!」

侍「あ!………あれ?」

男「正気に戻ったか……!」

侍「正気もなにも某はいつも正気だが……おろ?刀がない。」

男「とりあえずこの刀没収な。」

侍「な、何故に?」

男「いいから没収!鞘も貸すんだ!」

侍「はぁ……。」


侍「だからその刀を返せ!某のだぞ!」

男「駄目だ!なんていうか危ない!この刀は危ない!」

侍「それがないと手持ちぶさたなのだ頼む!」

男「駄目だ駄目だ!これは」

青「あんた達さっきからうるさいわよ。(ヒョイ)男もいつも斬られなれて………。…………。」

侍「青よいい所にきた。その刀を某に返して……。」

青「色無しー♪」

色「何だ?」

青「(ハム)んふ……。」

色「おい!いきなり耳に……」

青「嫌い?」

色「嫌いっていうか……」

青「嫌いなの?」

色「嫌いじゃないが」

青「嫌いなんだぁ………そうかぁ……(シャキ)。」

色「あ、青さん!その刀は侍黒の」

青「ふふふっ♪死の♪」

色「や……やめ」



男「さっきのお前はあーなってたんだ!」

侍「止めるのが先ではないか?」

男「いいよいいよ。死なせとこ。」


侍「(パラパラ)ないのう……。」

男「(カチカチ)こっちも探したけどないな。」

侍「この妖刀は一体なんなのだ……。」

男「(カタカタ)『妖刀 ヤンデレ』っと。出るかなぁ?出ないだろうなぁ。」

侍「あ!男よ!あったぞ!」

男「あった?どれどれ。………『世界の神話の武器事典』?」

侍「『妖刀"病祢鈴゙』持つ者に身の破滅をもたらす程の愛憎を抱かせることができる、と書いておるな。」

男「なるほど。」

侍「名匠源氏鼠が打ったものであり、また、打った本人もこの刀で愛人であった濃墨に殺された、か。」

男「皮肉だな。」

侍「まだある。その後濃墨もこの刀を使い己の首を斬った、という。」

男「あー怖っ!こんな刀神社にでも預けて本当に神話上の話にしちまおうぜ。」

侍「最後に。最終的に濃墨の親族に遺品として受け継がれたが今では行方がわからなくなっている。」

男「へぇ。それで流れ流れて今にいたる、と。」

侍「確かにこのようなもの現代に置いていてはならぬ。即刻廃棄すべきだな。」

男「どうする?」

侍「あとで海にでも捨ててこよう。存在だけで危険だ。」

男「そうだな。」



翌日

侍「(ボー)……………。刀。」

男「どうした?刀なら昨日捨てただろ。」

侍「(パラパラ)…………(ピッ)」

男「なんだ?ここ読めってか?どれ」

尚、この刀は実在しており国の重要文化財に指定され、価値にすると2千万程である

男「……………。」

侍「……………。」




侍「男ー。男よー。」

男「ん、なん………のようだ?」

侍「今日は彼岸の入りだから墓参りに行こうとな。」

男「墓参りはともかくその着物だよ。それじゃサムライブラックから着物ブラックになっちまうよ。」

侍「御先祖様を供養しに行くのに流石に羽織袴では行けぬよ。」

男「ま、まぁそうなのか………?」

侍「では参ろうぞ。」



侍「どうした?さっきから某の後ろを歩きおって。」

男「何かお前の前とか横とか歩いちゃいけない気がして。」

侍「いつの間にか某の荷物も持ってるしな。」

男「俺、前世は付き人だったんだなきっと。」

侍「できれば日がさも持ってくれんか?」

男「甘えるな。しかしお前はそうしてりゃかわいいんだがなぁ。」

侍「つ ま り 普段は可愛くない、と言いたいのだな?(シャキン)」

男「おい!傘の柄に何仕込んでるんだよ!」

侍「(カチャン)まぁよい。ほれ、着いたぞ。」

男「デカい墓だなぁ。」

侍「線香と落雁を渡せ。」

男「線香に火着けるぞ。」

侍「(パチャ キュッキュッ)御先祖様は大事にせんとな。」

男「線香はここに置けばいいな。」

侍「うむ。いつも見守っててくれてありがとうございます。ほれお主も拝んでゆけ。」

男「それもそうだな。…………。何を拝むんだ?」

侍「これからも我らを見守ってくれるよう神頼みせい!」

男「『ら』!?」

侍「いいから!」


 侍黒宅

侍「喉が乾いたのぅ。ちょっとお茶をついでくる。待っておれ」

男「はいよー」

 ガラッ

男「ふーん。本棚は漫画だけじゃないんだなぁ。あ、こいつこんな哲学書読むのかぁ?」

男「〜♪」

男「お、中学の卒アルだ。……なんだこれ?」

ガラッ

侍「すまんな。茶葉がなく……(ガッシャーン)見たのか……?」

男「見たよ。二人で写ってる所全部に相合傘書いてあるね」

侍「(アタフタアタフタ)あの……これは……その……某が……その……!」

男「ご、ごめん……!」

侍「謝るな……! いいか! 誰かに言ったらお主の部屋にあった春画をお主の親に差し出すぞ! いいか!」

男「あぁ、うん。わかった」

侍「寮の者全員に言いおったな! 馬鹿者がぁ!」

男「あぁ、言ったな」

侍「しかもなんでお主の親はあんな微笑ましくあの猥褻物を受け取るのだぁ!」

男「(ニヤァ)あぁ、微笑ましかったな」


男「じゃあここからトランプ一枚引いて」

侍「む。こ、これは……ハートのA……! お主もこんな間接的な方法で愛を——」

男「はい戻そうねー」

侍「なっ!」

男「先に言い忘れたけど何のカードかは言わないでねー」

侍「わかった。では(くらぶの8……)」

男「はいじゃあ上に戻してー。では切りますよ。斬るじゃなくて切りますよー(シャカシャカ)」

侍「言わなくともわかっておるわ!」

男「これでどこにあるかわかりませんねー。念のため侍黒ちゃんも切・っ・て下さいー」

侍「だから強調するな。わかった……。ふぅ……(シャカ バラッ)」

男「……」

侍「……」

男「じゃあ気を取り直して。ここから一枚引いて」

侍(ハートのKか)

男「じゃあ戻して。そして切・り・ま・す・よー(シャカシャカ)」

侍「だから強調……もういい」

男「これでわからないな。はい、次はバラバラにするなよ」

侍「御意(シャカ シャカ)ほれ」

男「そこでこう、フッって息をかけると一番上が(ペラ)お前の選んだカードが!」

侍「違うんだが」

男「嘘? ちょっとどれよ?」

侍「貸せ! 某が選んだのは……あれ? ない……」

男「お、お前の頭の後ろにあるのじゃないか? ほら(ピラ)」

侍「おぉ! これぞ某が最初に引いて札ではないか! どこにあったのだ!」

男「だからお前の頭の後ろだって」

侍「やり方を某にも教えい!」

黒「キモいわね」

男「え?」

緑「最初のうちにカードを手の甲に隠していたわね」

青「そもそもこんな遊びで気を引くなんていいお笑いぐさね」

赤「同感」

侍「なぁ、前の教えてくれぬか? なぁ?」

男「……俺お前のこと好きになりそうだわ」

侍「えっ……!」


無「こんなのはどうよ?」

男「結構地味なの選ぶじゃないですか。色無さん顔いいんだから、こういうの着てみたら?」

無「なるほどな……」

 翌日

無「おはよう」

黒「あら? 秋のファッションかしら?」

無「ど、どうかな」

黒「まぁ、色無にしてはいいセンスよ。私の隣りで歩くには充分ね」

無「これ男が選んだんだけどな」

黒「言わないで! 本人には絶対言わないで!」

 体育

男「ヨッ! ヨッっと!(ポンポン)」

無「お前サッカーうまいな。やってたのか?」

男「いや全然。見よう見まね」

無「うますぎだろ……」

不良「何見てんねぇや!」

水(プルプル)

無「な、なんですか! いきなり!」

不良「そんな女連れてるからって——」

男「とぅ!(グシャ)ここは俺に任せて今のうちに逃げるんだぁ!」

無「すまん。恩に着る!」

男「俺の分まで幸せになれよ……!」

 翌日

男「小足見て昇龍余裕でした」

無「勉強できてスポーツできて喧嘩強い。なんでこいつこんなハイスペックなのにモテないの?」


侍「おーとこ♪」

男「何だ?」

侍「ふふん♪(クルン)」

男「?」

侍「どうだ?」

男「何が?」

侍「……もういい」

男「ってな感じでさぁ」

無「あ、あれか」

橙「あ! 侍ちゃぁん冬袴にしたんだ!」

侍「うむ」

桃「今年の袴の流行はワンタックなんだぁ」

侍「そうなのだが……」

橙「男、気付かなかったんだね……」

侍「うん」

桃「お、男の子はそういうの疎いからしょうがないよ」

侍「うん。ありがとう」

無「お前も隅におけないな」

男「えぇ……!」


男「おー、最近はめっきり寒くなってきたなぁ。さっさと家帰って……」

 ぐつぐつぐつぐつ

侍「ふぅ」

親父「はいよ。大根」

侍「かたじけない」

親父「今日は一段と冷えるねぇ」

侍「そうだのう。はふ、はふゎ。この大根、よく味がしみておる。流石よのう」

親父「ありがとうよ侍ちゃん」

侍「あと冷や一杯貰えるか?」

親父「はいよ(トクトクトク)」

侍「このマスからあふれる酒がいいのう。では(クー)」

親父「相変わらずいい呑みっぷりだねぇ」

侍「ふぃー……。武士たるものこのぐらい」

親父「ははは、それで最近どうなんだい彼とは」

侍「……知らん」

親父「そうかい。あまり聞かないでおくよ」

侍「あやつめ、某の好意をことごとく無視しおって……!」

親父「純粋な子なんだねぇ」

侍「純粋でなく鈍感なのだ!(ダン)親父、もう一杯!」

親父「飲み過ぎだよ」

侍「まだ呑める! あやつめ、某がこんなにもあ……s……て……(パタン)くー……」

親父「またか……。あ、噂をすれば兄ちゃん! 頼むけどこの子家まで送ってくれない?」

男「丁重に御断りします」


紫「色無ー帰ろー」

無「おう」

赤「あ! ボクもー!」

緑「ん」

無「帰りちょっとコンビニ寄るけどいいか」

男「あのぅ、色無くぅん。わ、私も一緒に帰っちゃ……ダメェ?」

無「駄目」

男「なんでぇ! どうして私じゃなくてこの子達ばっかりなのぉ! 馬鹿! 馬鹿! ま○こぉ!」

無「最悪だよお前……」

青「はぁ、70点か」

無「男、お前今回の数学何点だ?」

男「フッフッフッ……! 俺様を誰だと思っている! 世紀が産んだ超天才の俺様にかかればこんな紙切れ!(ピラ)」

無「100点……!」

青「嘘……!」

男「あぁもう怖い! こんなカリスマ的な超絶脳な自分が怖い! 怖すぎてもうR18指定!」

無「とりあえず殴るわ」

無「何してんだ?」

男「チャネリング。退屈だったからさ。する?」

無「いや、断……おい! なんか飛んできたぞ!」

男「あぁ、多分マーズピープルだろ」

無「そうか、だからモテないんだな……!」

男「いいんだ。俺には色無さんさえいれば……な?」

無「さわんな」


男「お? 珍しい。一人でTSUTAYAに来てるなんて」

侍(キョロキョロ)

男「(コソコソ)なんで俺はこんなことしてんだ?」

侍『(キョロキョロ)ここか』

男「恋愛ものか……かわいいじゃないか」

侍『む……。はぁ……(トボトボ)』

男「相手何借りようとしてたんだ? どれ。……あー。『武士の一分』か」

男「おーす」

侍「(ブン ブン)196、197……。どうした?」

男「映画借りて来たんだけど見ない?」

侍「(ブン ブン)そんなっ! 暇はっ! ないっ!」

男「お前好きそうな『武士の一分』って映画借りて来たんだけどなぁ」

侍「(シャキ)……お主か?」

男「へ?」

侍「お主がTSUTAYAで借りおったのか!」

男「ち、違う! 俺が借りたのはGEOだ!」

侍「そうか(カチャン)」

男「TSUTAYAにはなかったからさ」

侍「そうか……。ならはよう行くぞ」

男「おぅ」

侍「(ピタ)……まてなぜお主がTSUTAYAにないのを知っておる?」

男「あ……」

侍「(ピクピク)見てたな?」

男「す、すまん! 覗くつもりは……というか見られちゃまずいのか!」

侍「責任を取れ! 某に恥をかかせた責任を……!」

男「責任ってなんのだよ!」


男「はいぴーん。これもぴーん」

侍「ぬぅ……」

男「四十二点。厳しいな。今のうち遊んで、おとなしく赤点取って、補習受ければいいじゃない。ね?」

侍「ならぬ! 武士たるもの士道も勉学もおろそかにしてはならぬのだ!」

男「だってお前に教えるなら数学を中一から教えないと」

侍「なら中一から教え——」

男「その台詞を中一のときに言え」

侍「なぁ。もう少し簡単に式を覚える方法はないのか?」

男「ない。お前がモールス信号覚えるなら、テストのとき直に答教えてやるが?」

侍「某は卑怯な真似はせん!」

男「ならこんな下らん会話してる間に勉強しなくちゃな」

侍「ぐ……!」

男「だからここれはsinが30になるだろ?」

侍「ならここは270になるのか?」

男「基本テストは二次元の図形だ。そんな四次元の三角形はない」

侍「うー、わからぬ」

男「やめる?」

侍「……だいたい、こんな関数など今後何に使うと言うのだ」

男「出たよ」

侍「こんなものの前に我らのような童にはまだ学ぶことがあるではないか!」

男「ほぅほぅ」

侍「人としての生き様や礼儀、もらる……ったく……!」

男「人はそれを道徳という」

侍「それと……」

男「それと?」

侍「モールス信号とか……!」

男「……はぁ」


 コンコン

侍「お、男ぉ……!(ガクガク)」

男「ノックを覚えたのは褒めてやる。だが次は返事を聞いてから開けろ。寝間着姿でどうした?」

侍「風呂上がりに牛乳を飲もうかと思ったらなくてな。お主の家の飲もうと外出たら意外に寒くて」

男「待ってろ。カッチンカッチンに冷したの持ってきてやる」

侍「殺生なぁ!」

侍「(ズズー)ぷぁ……」

男「それ飲んだら帰りなさい。ね?」

侍「よいではないかよいではないか。明日もどうせ休みであろう?」

男「それもそうだが」

侍「うむ。足もポカポカだ。これでよく寝れる」

男「明日も休みだからとか言っておきながら寝るのかい、結局」

侍「(バサ)うむ。そうさせてもらう」

男「いやいやいやいや、自分ちで寝ろよ」

侍「某にまたあの極寒へ赴けというのか? 御断りだ」

男「そんなことしたら俺が寝れないだろ」

侍「懐かしいのう。幼稚園のときは一緒に昼寝したのう」

男「さすがにひとつの布団にひとつの枕はやりたくない。てか一緒に寝るの前提か」

侍「某と寝るのは……嫌か?」

男「悪いわけじゃないが……」

侍「お主なら、信じておるからな……」

男「(ピ ピ ピ)エアコンの温度上げるぞ」

侍「何故に?」

男「今にわかる」

侍「クー」

男「暖かくなったら寝るのが習性みたいなもんだしな。さて、おれも寝るか」


侍「103、104、105……」

男「勤勉ですこと」

侍「勤勉も何も……くしっ!」

男「風邪ひくなよ。必然的に俺が……あ、あれだから風邪なんかひかないか」

侍「あれとはなんのことかのぅ?」

男「自分の心に聞きなさい」

侍「某は馬鹿ではない。体が丈夫なだけ……け……けぅしゅ!」

男「早く着替えてこい! 本当に風邪ひくぞ!」

侍「だだだ大丈夫だ! お主とは違って……くしゅん!」

男「わかった、悪かった! ほら、これ着ろ!」

侍「むぁ」

男「ったく。風邪なんかひかれたら俺が困るんだよ」

侍「そんなに某の体を……!」

男「いや俺がお前の看病したくないから」

侍「……ふん!(シャキン)」

男「あ! 俺のコート!」

侍「今日の正義、完了!」

男「お前、最低だよ……」


侍「(ゴロン)腰がいたぁーいー」

男「そうかい」

侍「お主のせいだぞ [heart]

男「それはない」

侍「まぁないがな。腰痛い……」

男「昨日の試合お疲れ様です、姐さん」

侍「個人戦では一位だったが……」

男「表彰式の階段でこけるんだもんな」

侍「不覚だった」

男「そのうち投稿ビデオで出されるな。ソースは俺」

侍「うるさい。うー痛」

男「踏んでやろうか?」

侍「某はおじいちゃんではない……揉んで♪」

男「ふん!(グイ)」

侍「あ、そこそこ、って踏むな!」

男「普通に頼め! 普通に!」

侍「すまん、頼む(ゴロン)」

男「最初からそう言やいいんだ(グイ)」

侍「うむ。うまいな。某専属の按摩にしてやろう」

男「はいはい」

侍「あと少し下に」

男「これ以上は騙されん。『そこは某の尻だ!』とか言って抜くんだろ」

侍「しないから。そこらが気持ちいいのだ」

男「(グッ)(あ、やわらか……)」

侍「うむ、きもちよかった。次は肩を頼む。その次は」

男「ふん!」

侍「踏むな」


侍「もう限界よ……」

男「ちょっと待って、今……何て言った? 侍黒! 今何て言った!? 『もう限界!?』 もう限界とか言ってるあいだはずっと駄目なんだ! 考えろよ! もっと考えろよ!」

侍「標準語は無理よ……」

男「無理じゃない、無理なんてことはない! お前ならできる! 頑張れ!」

侍「……少し、頑張って……みる」

男「ほらできるじゃない! ほらみろ! できるじゃないか!」

侍「もう一度挑戦してみる……」

男「そうだ頑張れ!」

侍「今回の試合で私たちのち、ちーむは」

男「もっと! もっと!」

侍「一致団結をすることにより某の……あ!」

男「はい戻った! この侍戻った!」

侍「難しいのう……」

男「もう普通に喋れよ」

侍「全校生徒の前で話すのだぞ! 某みたいな喋り方……」

男「俺は変ともなんとも思わないがなぁ」


侍「それでだな! 青磁が……くしゅん!」

男「今日は曇りだし寒いな」

侍「お主は鍛え方がたりんのだ」

男「くしゃみしたお前に言われたくない。それで青磁君がどうしたわけ?」

侍「そ! 青磁がな! 昨日鈴……くしっ!」

男「お前もなかなか引きがうまいな」

侍「もったいぶるわけで……はっちっん!」

男「(パサ)ほら」

侍「お」

男「ほら、早く続き教えろよ」

侍「お主、寒くないのか?」

男「上着ぐらいどうと言うことはない」

侍「……それで、だな、青磁と鈴蘭が手を繋いで帰っていたのだ」

男「ふーん」

侍「……(ジー)」

男「どうした?」

侍「はっ?」

男「家、ついたぞ?」

侍「なっ! あっ!」

男「じゃあな」

侍「あ、上着……」

 キョロキョロ

侍「ここぞというときにあやつは『上着忘れてたw』とか言いながら来るからな」

 ギュ

男「(ガラッ)上着忘れてたw」

侍「……(ポカーン)」

男「失礼しました(ピシ)」


侍「菓子くれんと悪戯するぞ」

男「ほら。グミやるよ」

侍「(ムグ)ふぉひっふふぉわふぉひーと」

男「ハロウィンも何も、そもそも仮装も何もしてねぇじゃねぇか」

侍「普段が仮装のような——」

男「ストップ! この話ストップ! 絶対あとあとしんみりした『お前は普通の女の子』展開になるからストップ!」

侍「ちっ」

男「ったく、誰の入知恵だ」

侍「強いていうなら朱色殿」

男「あの人の言う悪戯は主にセクハラだから信じちゃいけません!」

侍「季節にのっとった行事をつとめるのも日本人として大事なことかと思って聞いたが、まさか夜這いが——」

男「ほら! 夜這いきたよ!」

侍「ではもう少し和やかな悪戯をすることにしよう」

男「どんなのだよ」

侍「んー……コチョコチョコチョ!」

男「(ビクン)ひひひひぃ!」

侍「ではさらばだ」

男「はぁ……あれ……夜這い? もしかして止めなかったら……え?」







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Last-modified: 2012-10-21 (日) 05:52:28