侍黒メインSS

侍「(パラパラ)……」

男「おい」

侍「(ペラ)ふぅん」

男「おーい」

侍「(ジーン)……くすん」

男「こらっ!(ポン)」

侍「ひゃ! ななななな!」

男「『何か』といいたそうだな?」

侍(コクンコクン)

男「先生が国語のノート取りにこいとよ」

侍「(パタン)そうか」

男「お前が本を読むとは珍しい。死ぬのか?」

侍「ほっとけ」

男「あと、その眼鏡は……」

侍「最近細かい字を見るときに霞むのでな。勉強するときなどにはつけることにした」

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男「勉強って……しないだろ」

侍「うるさい!」

男「まぁ、似合ってる。かわいいぞ」

侍「んー……そうか?(ニコッ)」

男「……そ、それじゃ」

侍「どこへ行く」

男「ト、トイレだ! ついてくるな!」

男「黒髪ポニテに眼鏡は破壊力でかすぎだろ……! てか壊れた」


侍「(カリカリ)男よ、これはどう解けばいい」

男「あぁこれは助動詞だからな……(眼鏡……か)」

侍「こら、助動詞だから何なのだ」

男「おっ、悪い悪い」

侍「お主、さっきから某の顔を見ては何か言いたそうな顔をしよるな」

男「そんな顔してたか?」

侍「そんなに某の眼鏡は変か?」

男「変じゃない! そう、変じゃないぞ!」

侍「お主の言葉はどうもアテにならぬ。馬鹿にされてるような気分だ(カチャ)」

男「そんなことない。俺はありのままの感想を言っただけだ」

侍「口だけは達者だな」

男「俺はお前がかわいいからかわいいって言ってるんだ! ホントのこと言っちゃ悪いか!」

侍「え……!」

男「だから変に勘ぐるな! 俺は嘘なんか言ってないからな! わかったか!」

侍「わかった……」

男「続きするぞ! 確か……どこだ?」

侍「えっと……ここだ」

男「ここは助動詞だから過去形にする時はだな……」

侍「どうした、また」

男「言い忘れたけど眼鏡が可愛かったんだからな! お、お前じゃないんだぞ!」

侍「わ、わかったからムキになるでない」

男「ホントだぞ! 勘違いするな!」

侍「わかった。眼鏡をかければいいのだな。わかった(カチャ)」


侍「ボタン鍋の季節よのう」

黄緑「そうですねぇ」

侍・黄緑「「ねー」」

侍「やはりとれたてがいいのう」

黄緑「新鮮さが大事よねぇ」

侍・黄緑「「ねー」」

侍「近くの山では活きがいいのがとれるらしいのう」

黄緑「そうみたいねぇ」

侍・黄緑「「ねー」」

侍「黄緑殿はボタン鍋は好きかな? 某はだぁいすき!」

黄緑「私だって大好きよぉ」

侍「黄緑殿は食べるより仕留めるのが好きなのではぁ?」

黄緑(ピキッ)

侍「うぇえぇぇん……男えもーん!」

男「どうしたんだい侍黒ちゃん?」

侍「黄緑にまた刀取られたぞよー! 悔しいぞよー!」

男「うんうん。悔しいね。諦めろお前が悪い」


侍「(シャキン)こら! 某の通行手形を返さんか!」

男「これ!? これ手形なのか! 話をき、あ!」

桃「あの二人ってさぁ……」

緑「男がSで侍黒がMだ」

桃「ああん! 先に言おうとしたのにぃん!」

緑「普段は……」

男『いやー、今日の痛かったわ』

侍『堪忍してくだされ……!』

男『どうしょっかなぁ〜?(ギュゥ)』

侍『謝りまする! 謝りますから!』

男『そう、謝るんだ?(ギュ)』

侍『ひぃん!』

男『あれ? 今のけっこうキイタんじゃない?』

侍『そっ、そんっ、にゃ……!』

男『(ギュ)♪』

侍『ひぃゃぁぁぁぁ!!!!(ガク)』

男『あーオチちゃった。少しこのままにしとこ』

緑「はぁはぁ……!」

桃「緑ちゃん……!」

緑「ふぅ……何?」

桃「ないよ、それは」

緑「!」


侍「早よう! これへ! これへ!」

男「引っ張るな! 急がなくてもあいつら逃げないから!」

侍「着いたな!(ガラッ)」

桔梗「あ! 侍黒! 久し振りぃ!」

水仙「御久しぶりです」

鳳仙花「よーこそ彩高校へ!」

侍「元気にしてたか? 変わりないか?」

水「はい、みんな元気です」

男「はぁ……やっぱり水仙ちゃんの澄んだ声を聞くと脱力するねぇ……」

桔「男君は相変わらずだね……侍黒はどう?」

侍「うむ、まぁ、ぼちぼち」

水「二人とも元気そうで何よりです」

桔「茶道部で侍黒が好きそうなお菓子とか用意してるから、食べていってよ」

侍「そうしよう」

男「じゃあカステラ二つ」

鳳「まいどありー! ひとつは厚くてもうひとつは薄く切ってー!」

侍「厚いのが某のな」

男「均等に切れ! 均等に!」

水「やっぱり二人は仲がいいですね」

鳳「仲がいいって言ったら水仙ちゃーん。二人に言ったのぉ〜?」

水「へ?」

桔「水仙ねぇ、滅色と付き合っているのよねー」

水「(コクン)……」

男「物静かなカップだな」

鳳「それに比べてお前らはうるさいカップルだなー」

男「俺達つき合ってないよ」

全員「え……」

男「どうしたみんな暗くなって。俺何か変なこと言ったか?」


侍「早よう。朝ぞよ」

男「ん……(ゴロン)」

侍「起きよ(ユサユサ)」

男「チッ……!」

侍「早く。学校に」

男「今日は文化の日!」

侍「ケッ……!(ゲシ)」

男「ぬがっ!」

侍「そこは『やばっ! おい早く行くぞ!』ではないか!」

男「寝起きにギャグはトバせねぇよ」


文化祭

侍「焼き鳥ー。もし、そこの……! あ、買わぬのか……そうか……」

男「やる気だせ! お前はこの屋台の看板娘なんだ! お前の秀麗さは俺が保証する!」

侍「男……!」

幼女「お母さーん! お母さーん! お母さん……ひっく」

侍「どうした? 迷子か?」

幼女(コクン)

侍「ならお姉ちゃんと母上を探しに行こうか。名前は?」

常磐「ときわ」

侍「常磐か。ならよく常磐が見えるようにこのお兄ちゃんに肩車してもらうがよい」

男「は?」

侍「これも人助けだ」

男「わかったよ」

侍「常磐はなにが好きなのかな?」

常磐「おりょうり」

侍「ほぅ。今度某にも教えてほしいな」

常磐「いいよー。ねぇお姉ちゃん、お腰に何つけてるの?」

侍「これは刀だ。これは己の信念を貫く為、大事にものを守る為に使うものだ」

常磐「貸してー」

侍「重いから注意するのだぞ」

常磐「(ヒョイ)かっこいー」

侍「か、片腕……?」

黄緑「常磐ちゃーん! 侍ちゃん、男君、ありがとう! 常磐ちゃんのことみててくれたんだ!」

男「え……?」

侍「お、お母……さん?」

黄緑「姪です!」


男「いただきます」

侍「ふふん。よく味わって食すがよい」

男「お前がカレーなんて珍しいな。『南蛮の料理など某は食わぬ』とか前に言ってなかった?」

侍「はて、記憶にないなぁ」

男「まぁいいか。それじゃ(パク)」

侍「どうだ?」

男「普通にうまいな」

侍「普通……か」

男「なんか知らんが普通という感想しか……」

侍「いや、いいのだ。お主にとっての『普通』の味を目指してみたからな」

男「意味がわからん。(パク)でもうまいからいいか」

 夜

母「男ー。ご飯よー」

男「あら? 夜もカレーですか?」

母「お昼もカレーだったの?」

男「侍黒が作ってやつのあまりをね」

母「あ……あらあら」

男「カレーは嫌いじゃないからいいけど。いただきます(パク)……これは!」

母「どうかしたの?」

男「あ、ううん何でも……そういう意味だったのか(侍黒の作ったカレーとお袋のカレーの味が同じだ)」

侍「お袋の味を制してこそ男を制すことができる! 某の考えに狂いはなかったな!」


男「ここがcosが3だとするだろ。となるとtanが」

侍「……(ジー)」

男「sinは……おい」

侍「はっ! る、るるるるるーと6が……」

男「√は関係ない。人の顔見て何ぼーっとしてんだ」

侍「ぼーっとなどしておらん! つ、続きを……」

男「それでここの問題は終わりな。次は」

侍「……(ジー)」

男「今のはさっきやった二次関数の応用で……こら!」

侍「(ビクン)あぅ! と、なるとここは『みんな穴にゴミを捨てるようになりました』だな!?」

男「いつの英語だよ! 今は数学だろうが!」

侍「す、数学? あーそうであったな!」

男「ったく、この俺様が時間を割いてやって数学を教えてるんだからちゃんと聞きなさい! お願いします!」

侍「わ、わかった……」

男「それでここのXがまた曲者なんだが、ここはこれでX^2とすると」

侍「……(ジー)」

男「……聞いてるの?」

侍「(ガタッ)ふぉ!」

男「お前、冬休みに学校行きたいの?」

侍「青ー。教えてたもれー」

青「男に教えてもらったらいいじゃない」

侍「む、無理だ! あんなに密着しながら二人きりになるともう! もう!」

青「はいはい。体くねらすのやめなさい」


 戦場と化した教室に紫の叫びが谺した。

「なんで!どうして私の(ちから)が効かないの!」

 二人を『極小の紫(リトルパープル)』で小さくした。あとは二人を嬲りものにする、それだけのはず……。

 しかし当の二人は自分の眼前に、しかも通常の身長のままだ。

「一時はどうなるかと思ったが……やれやれ。やはりお主の(ちから)は便利だな」

「本当に死にかけなきゃ使えない能力だがな」

 『死にかけなきゃ使えない能力』その言葉を聞いて紫は我に帰った。

「お前が『我殺しの男(フラグブレイカー)』か!」

「そ、俺が俺たちに立った死亡フラグを叩き折ったのさ」

 そう言いながら男は笑っている。

「ならもう一度小さくするまでだ! くら——」

 くらえ、と叫ぼうとした刹那、ヒュと『何か』が紫の腕をすり抜けてた。

 ——カチン

「某を忘れてもらっては困るな。悪いがお主を斬らせてもらった」

 今の金属音は侍黒が刀を納めた音だ。だが紫は無傷である。

「どこも斬れてないじゃない! 脅しは効かないわよ! くらいなさい! ……あれ? あれ?」

 紫の様子がおかしい。

「某が斬ったのは、正確にはお主ではない。お主の(ちから)を斬っ

先「男、テストが簡単だからって余った時間で余白にラノベ書くのやめなさい」

男「あと八話ぐらいあるんですが……」

先「先生ちょっと楽しみにしてたけど、やめなさい」


男「どーれ。今日も一日勉学に努めるとしますか」

侍「今日の一限目は世界史であったな」

男「オクタヴィアヌスにウェスパシアヌスか。アヌスだらけだな」

 部活

侍「構えて。始めー」

後「やぁ!!」

男「さすがに食えねっつーの! 何? 何ですか? 貴女何様ですか?」

侍「昨日『明日学食にするかなー』とか言ってたではないか!」

男「気分によるだろうが! 第一なんで俺がお前に合わせなきゃいけないんだよ!」

 部活

侍「キィー!!!!!!!」

顧「(ガッ)ちょ! (バシ)あいた! (パツン)今の入っ、痛っ! (パァン)あっ!」

先輩「もうやめて! ダーリンのライフはもうゼロよ!」

男「よ、よぉ……」

侍「おはよう」

男「あのさ昨日作った弁当、あれ……うまかったぞ……」

侍「……フンっ! お世辞などいらぬわ!(プィ)」

 部活

後「先輩……練習……」

侍「鈴蘭、たまには落ちゆく紅葉でも眺めながら黄昏るのもいいのではないかな」

後「そうですね。もう冬ですねぇ……」


スターブラック「親父殿。こんなものを」

男「(パサ)ん? 昔の写真だな」

星「隣りにいるのは母上ですね」

男「そうだなぁ。あの時は母さんまだ若くてなぁ」

侍「(ドン ピチャ)お茶だ!」

男「母さん違うんだ! ほら! 年齢的にさ! 見た目は若いよ! うん! だろ? 星?」

星「年齢はしょうがないですよ……」

侍「年齢……!」

男「やぁ若かったなぁ。この写真は修学旅行のやつか。お前迷子になったよな」

侍「こら! 星の前で! もう!」

星(親父殿、話をうまく逸したね!)

ムーンレスブラック「(ガチャ)星黒、時間よ。早くしなさい」

男「ほら、通い妻がきたぞ。7時キッカリ」

星「通い妻じゃ——」

月「早く行くわよ」

星「引っ張るな! こら!」

侍「……」

男「お前も俺のお袋からああいう風に見えてたんだからな」

侍「ギク」


男「お前は黒飴!」

侍「いきなりか!」

男「黒いから黒飴!」

侍「なら飴でなくてもよかろう! ほら、ふ菓子とかもっとこう!」

男「だーめ」

侍「ぬぅ。(ユサユサ)某はふ菓子がいいのだぁ」

男「やーだよ」

侍「むぅ。……これでもか?(ギュ)」

男「お……おい……!」

侍「ふ菓子にしなければ離さんから」

男「ったく。だからお前は飴なんだよ……」


男「よく来たな。まぁ座れ」

無「お、おう(何だあいつが座ってる玉座みたいなのは……?)」

男「侍黒」

侍「はっ!(カチャン)」

男「静岡から取り寄せた茶だ」

無「その、お茶はいいとしてその椅子は何? どっかの魔王が座ってそうなんだけど」

侍「陛下に向かって魔王などと不遜な!(シャキン)」

男「(スゥ)控えよ」

侍(カチャン)

無「侍黒はずっと立ってるの?」

侍「陛下を御守りするのが某の役目故」

無「あっそ」

男「ところで君が俺の元に来るとは珍しいな」

無「この前貸したあれなんだけど」

男「外してくれ」

侍(ス ガチャ)

男「で、どうだった?」

無「ガーターベルトは男のロマン!」

男「やっぱ自然なエロを人為的に作ろうとするからやっつけ感が」

侍「(バァン)天誅ゥ!!!(パシ)」

男「あ!」

侍「(スパ バキン)打ち取ったりぃ!」

男「む、謀反……!(ワナワナワナワナ)」


侍「遂に手に入れた……!『乳輪火山』『ドエロでござる』『バンブーソード』。あとはこれを仕込めば……」

侍「今日はこの紙袋に隠しておるのか……。ククク、明日が楽しみだ」

翌日

男「はい色無さん。例のやつ」

無「恩に着る」

男「俺が選別した精鋭ばかりだから」

 その夜

無「なんじゃこりゃ? 全部袴とか着物とか、バンブレのパロディか? まぁ、見てみるかとりあえず」

 翌日

男「そしたらコンニャクがさぁ」

侍(こやつ、まだ見ておらぬのか?)

男「聞いてる?」

侍「ん? あぁ」

男「あ! 色無さん! おはよう!」

無「おはよう」

侍「おはよう」

無「(ビクン)! お、おはよう……」

侍「どうした? 某の顔に何かついておるか?」

無「い、いや……」

侍「まさか……! 男、貴様、色無に何か貸してはおらぬよな……」

男「さ、さぁ? なな何の話かな?」

侍「きぃさまぁ〜!!!!! なんて、なんてことをしよるのだぁ!!!!」

男「お、落ちつけ! 何も泣かなくていいだろ! 男同士の貸し借りに——」

無「男! 俺はもうダメだ! 殴ってくれ! 頼むから俺の目を覚ましてくれ!」

男「二人して泣いてよってくるなよ! もうわけわからねぇよ!」


侍「ふふふ、今年のクリスマスはこれで……」

男「マフラーですか?」

侍「(ビク)い、いつのまに!」

男「さっきからいますが(ガッ)痛っ!」

侍「みねうちだ。悪く思う」

男「痛てて……」

侍「あ、あれ? ならもう一度……!(ガッ)」

男「あ゛っ! うっ……! 腹はやめろ……!」

侍「えっ? えっ? なんで……? も、もう一度!(ドコ)」

男「アッ……! げふっ! げふっ!」

侍「何故! 何故気絶せぬ! なら……!(ガッ)」

男「(バタン)なっ……!」

侍「やっと気絶しおったか……! 今のうちに……!」

男(早くマフラー隠してくれないかなぁ。起き上がったらまたやられそうだし……)


男「はぁ〜」

無「ため息なんかついて、どうしたんだ?」

男「あ、色無さん」

無「俺でよかったら相談にのるぞ。但し、金の相談だけは勘弁なw」

男「いやぁ、ここんところ急に寒くなってきたでしょ?」

無「うん。そうだな」

男「それで、黒タイツやパンストの着用率がめっきり上がっちゃって」

?「ふむふむ」

男「せっかく木枯らしが吹いても、僕の唯一の楽しみが……」

侍「貴様、朝からそんなことばかり考えておるのか!?」

男「あ、お侍さん」

侍「天誅!!!」

男「うぎゃぁ……」

無(さすがに、これは助け舟の出しようがないな)


侍「うーん……むにゃ……。(ブルッ)……寒い」

ガチャ

バタン

ガラガラガラ

ガチャ

侍「(モゾモゾ)うむ、温かい。これなら寝れ……そ……。(スー)」

男「違うだろそれは。(ツンツン)」

侍「むふ……」

男「……俺も寝よ」


灰「寒いねぇ」

空「うん」

侍『待てぇ土方ぁー♪』

男『ハハハ、追い付いてごらん沖田ぁー♪』

灰「侍黒先輩んちって暖かそうだよねぇ」

空「意外に暖かそうだね」

空「お、御邪魔します」

灰「おぢゃましまーす。うわぁ、凄い和風ですねぇ」

侍「某の部屋が暖かいかどうかなぞどうでもよいではないか」

灰「男先輩との性生活も知りたかったしさ」

侍「ぶ。何を言っておるのだお主は」

空「せ、先輩! 部屋の奥の壺から煙が出てますよ!」

侍「あれはああいう形の加湿器なのだ。気にするな。まぁ座るがよい」

空「そうなんですか! かっこいいですね〜」

灰「囲炉裏がある部屋なんて初めて見たよ。うん、これだけで先輩の部屋が暖かいことを確信したよ」

侍「テレビでも見るか?(カチカチ)」

空「そのチャンネルをつまみで回すタイプのテレビって昭和の始めごろの……まだ映るんですか?」

侍「そうなのか? 中古で買ったのだが……」

空(あ、あれ? 地デジが映ってる?)

灰「戦国無双やっていい?」

侍「構わぬ。(ピッピッ)ちと寒いな」

空「先輩……今エアコンのリモコン、神棚に向けませんでした?」

侍「神棚型のエアコンだからな。ときに空よ、正座だと辛くないか? 崩してもいいのだぞ?」

空「何か先輩を前にすると胡座をかいちゃいけない気がしてきて……」

灰「先輩んち予想通りやっぱり暖かいなぁ」


侍「お主が感冒になるとはなぁ〜」

男「うるさ、ゴッ、うるさい。いいだろたまにはヒィイ、ん゛んっ! 風邪ぐらいひいたって」

侍「しかし(義)母上もいないし大変だのう?」

男「ひどりでできるもん!」

侍「しょうがないのう。今日は某がお主の面倒を見てしんぜよう」

男「どうせそうダッ……ゴホ……そうだと思ったよ」

侍「あーん」

男「自分で食えるよ」

侍「何? 熱くて食えぬと? 甘えん坊だな。フー、フー、よし」

男「んなこと言ってない言ってない」

侍「早くあーんせぬか」

男「あー。ん、まぁまぁだな」

侍「まぁまぁか。どんな味が足りぬか? もし次回があればそれ相応のものにしてみせよう」

男「チッ……ウソデスヨオイシイデスヨ……」

侍「それでよし。む、ふふっ、口についておるぞ。(チョイ)ほれ」

男「(パク)ん」

侍「こら! 指まで舐めるな!」

男「じゃあ指先に置くなよ!」

侍「それもそうだな。どれ、上だけでも脱げ。拭いてやろう」

男「いいよ」

侍「病人なんだから遠慮するな」

男「(パサ)……チッ」

侍「(ゴシゴシ)照れておるのか?」

男「誰が!」

侍「よし、服着ていいぞ」

男「……ありがと」

侍「某とお主の仲ではないか。当然のことだ(あぁ! この時間が終わらねばいいのにぃ!)」


男「あんまんは命の源だよぉ。あー」

侍「待ったぁ!」

男「何だよ。あんまん冷めるだろ」

侍「ちょっとあんまんを貸してみよ」

男「食うなよ」

侍「食わぬから。さて、ここにお主から借りたあんまんがあるだろ」

男「あるな」

侍「はむ。これを一口食べるとしよう」

男「……で?」

侍「つまりそういうことだ。はむ」

男「返せよ」

侍「はむ。はむ」

男「返……」

侍「はむ」

男「意外と口小さいなぁお前」

侍「ご馳走さま」

男「はいはい」


侍「……(ソワソワ)」

男「もう少し堂々としろ」

橙「おっはよーお二人さん♪」

侍「(ピク)……お、おはよう」

橙「仲いいなぁ。二人で登校してるとこ見るといつも……ふふっ、いろいろと想像しちゃうなぁ♪」

男「しなくていい」

侍「(コソ)」

桃「あれあれ? どうして男君の陰に隠れるのかなぁ? 何かやましいことでもあるのかなぁ?」

侍「そんなことない」

橙「怪しい」

桃「怪しいよね」

橙・桃「「ねー」」

侍「某は何もしておらん! 某はただ」

青「あなた達!」

侍「(ビク)にゃぁあ!」

青「(ビクン)な、何? そんなに驚かなくてもいいじゃない?」

男「おはよう青さん。今日の君はまるで朝露に濡れたコスモスのように」

青「それは置いといて! あなた達は四六時中引っ付いてばかりでもう少し学生としての身分をわきまえなさい!」

男「し、シカト……」

侍「す、すまぬ……」

青「なら少しは男から離れて歩きなさい!」

侍「(ウルウル)……」

男「悪い、今日のこいつは勘弁してやってくれ。今日は」

黄「フォンドボーキィィィック!!!!!」

侍「いやぁぁぁぁ!!!!!!(ギュゥ)」

男「止めるんだ! 今日のここいつは刀を研ぎに出してて持ってないんだ! 丸腰なんだ!」

青「それが普通でしょうが!」


男「これで少しは落ち着いたか?」

侍「丸めた新聞では多少心許無いがないよりはマシだ」

男「なら良かった」

黄「ジャワパァァンチ!!!」

侍「ふん(パス)」

黄「な!」

侍「甘いな。某の腰に差してあるものが見えなかったか?」

黄「新聞……?」

侍「さっきのお返しだ(スパァン)」

黄「キャ! でもいたくなぁーい」

侍「新聞だからな」

 しわ……

侍「あ……」

黄「折れた……」

侍「(ジワァ)ぐす……」

黄「今だ!こくまろヘッドロック!(ガシ)」

侍「う……うぇえ……」

男「こ、こら! やめなさい! お前も泣くな! ほら、次は段ボールで作ってやるから!」


侍「(サラサラサラ)うむ。なかなかよくできた。次は黒、と」

侍「よし!次は芋版で……!(ペタ)」

侍「次は……男の……!(サラサラサラ)」

侍「最後にこのは、ハート型の芋版で……!(ゴクリ)」

男「もしもし 寒い ガチャ」

侍「!」

男「お?年賀状ですね?」

侍「せいっやっはっ!(ザシュ)」

男「ぐぉ!何と言うゼロセイバー……!」

侍「今は駄目なのだ……!」

 ビチャァ

侍「ん? あぁあぁぁぁ!! 墨汁がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

侍「(サラサラサラ)……ぐす……」


 カラカラカラ

?「すぴー」

男「……これ、誰の子供? まさか……!」

侍「違う! 断じて違うぞ! 某と……の子供じゃ……!」

男「んなことわかってるよ! さらってきたのか拾ってきたのかどっちなんだよ!」

侍「どっちでもない! この子供は某の従姉妹のトロピカルブラックの子供のネーロちゃんだ!」

男「そうか、よかった……じゃ」

侍「待て待て待て待て! そうつれないことを言うな!」

男「いいか俺はな、定番とか鉄板とかいうのが大嫌いでな」

侍「例えば?」

男「その子供の面倒を二人で見てて、それを見た第三者が『あら親子かい?』とか何食わぬ顔で言ってくること」

侍「外に出ないから!」

男「次にお前が俺に『こんな子供がほしーのー』とか阿呆面下げていってくること。以上」

男(とは言ったものの、あいつが子守できるかが不安でならないわけで)

侍「よーしよし。あーん」

ネーロ「ぶぅ」

侍「あれ? お昼の時間なのに……?」

男(あれは眠たいんだ! 飯じゃない!)

侍「そうか、オシメか。そうならそうと早く交換……あれ……?」

ネーロ「うっ……びぇ……!」

侍「えっ? えぇっ!? ちょ……誰か(ウルウル)」

男「(ガラッ)もう見てられん! その子を貸せい!(ユッサユッサ)」

ネーロ「うに……(ウトウト)」

侍「おぉ! そうか眠たかったのか! さすがよのう、男!」

闇黒「(ガラッ)ほんっと! まるで親子みたいッ!」

侍「将来はこんな子が欲しいのう……」

男「はい! たたみかけた! 一気にたたみかけたよこの親子!」


一日目

侍「起きろ」

男「はぁ……?まだ朝だr(ザク)ひぃ!ま、枕!」

侍「(シャキン)起きぬのなら起こすまでだ」

男「はいはい。起きれば……あ、Gだ」

侍「ぃや!どこじゃ!どこに油虫が!(ギュゥ)」

男「漢キック。(プチ)はい、もう大丈夫だからねー」

侍「ふ、ふぅ……」

男「いつまで抱き付いているのかな?」

侍「(バッ)ち、違……!これはその……反射的に………!」

二日目

侍「男殿」

男「ん……んー?」

侍「もう朝だよ。起きてよ男殿」

男「あ……。おはよう」

侍「ふふふっ。おはよッ」

男「今日はやけに静かだな」

侍「もー!寝ぼけちゃって!早くしないと遅刻しちゃうよ!」

男「そう………だな」

侍「ほーら。早く。今日は朝餉は某が作ったんだから」

三日目

チュンチュン

侍「……おはよ」

男「……はぁ」

侍「朝だ」

男「そ……」

侍「……七時だ。遅刻するぞ」

男「うちからなら半でも間に合うだろ」

侍「一概には間に合うとは言えない。登校から予鈴までの時間は」

男「起きる。起きるから難しい話止めて」

四日目

侍「さぁ! 新しい朝がきたぞ!」

男「……るさぃなぁ」

侍「布団に入ってばかりいたら体に毒だぞ!(バッ)」

男「さむっ! 布団剥ぐな!」

侍「これぐらい寒くない! 普段鍛えてない証拠ぞ!」

男「鍛える必要性がない。てか頼む、布団返して。朝だから……ね?」

五日目

侍「最終手段か……(ゴソゴソ)」

男「んぁ……? ッ! こらっ! 布団に潜って何……てか今お前ズボンに手かけてたな!? かけてたな!?」

侍「これは桃から教わったのだが」

男「モモでもウラでもキンでも誰でもいい! そういうのは悪い冗談はやめなさい!」

侍「ならお主はどういう起こし方がいいのだ!」

男「どうもクソもあるか! 起こすなら普通に起こせ普通に! 危うく一線超えるとこじゃねぇか!」

侍「な、なら明日は病んでれ風とやらを」

男「いやだからそうじゃなくて……」


侍「ほぅ1日寝かせると更にコクと深みが増す、と」

黄「そうそうそうそう!一度カレーを作っちゃうと同じ味を食べれないのがカレーの醍醐味だよ!」

侍「成程、奥が深い」

黄「それに男の子にうまいカレー食べさせればイチコロだよ」

侍「では放課後寮へ向おう」

黄「うん、準備して待ってるよ」

侍「(ドキドキ)ど、どうだ。某はこのような料理を作るのは初めてなのだ」

男「うーん、なかなかマイルドでいいぞ。野菜も柔らかいし」

侍「そうか!?うまいのか!?」

男「あとはこの付属のスープがドドメ色じゃなけりゃあなぁ」

侍「これは……まぁ……な?」

男「それでこのカレーはいつ黄色に教わったん?」

侍「概ね一ヶ月前だ」

男「一ヶ月間習ってたのか。頑張っ」

侍「一ヶ月間ではない。一ヶ月前に一度だけ習ったのだ」

男「なーんだ。それでよく覚えられたな」

侍「いや、このカレーはその日に作ったものだ」

男「は?」

侍「いいか、カレーとは1日寝かせるだけで味わい深くなるのだ。つまり一ヶ月寝かせればよりいっそう」

男「ごめん。俺トイレ行ってくる……」

侍「何故だ!さっきうまいと言ったではないか!」

男「それとこれは別と言うか味と健康は別と言うか」

侍「(ウルウル)……ふんっ!もう貴様のことなど……貴様など……!」

男「待てい!(グルルルル)はぅ!きっ……きたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」


男「メリークリスマス」

侍「めりーくりすます」

男「しっかし一年たつのは早いぜ」

侍「そうよのう」

男「あのさ、最初に謝っておく。すまん」

侍「そうか、奇遇だな。某もだ」

男「今年、ないんだ、プレゼント。すまん」

侍「何度も謝るでない。某も忘れておった。お互い様だ」

男「と、とりあえずケーキ食うか。な?」

侍「そうだな」

 深夜3時 男宅

男「さて、そろそろ行くか。今ならぐっすり寝てるだろうしな」

 侍宅

侍「む、時間だな。しかし、寝ている男か……ゴクリ」

 ガラッ

男「……」

侍「……」

男「よぉ。こんな時間にどうした? よい子は寝る時間だぞ?」

侍「お主こそ。その手にもっている白い袋は何なのだ?」

男「お前こそその赤い箱何だよ?」

侍「……」

男「……」

侍「め、めりーくりすます」

男「メリー……クリスマス……」

サンタ作戦 失敗


男「3・2・1! ハッピーニューイヤー!」

侍「明けましておめでとうございます」

男「おう、明けましておめでとうな。さーて今年はどうなるかなー」

侍「元旦と言えば書初めに福笑いに」

男「いやその前に初詣でだろ」

侍「初詣でか……お、男、初詣ではその……用事などがなければだが……某と……」

男「え? そうじゃなかったの?」

侍「そ、某と行ってくれるのか?」

男「流れ的に考えて行かない方がおかしいだろ」

侍「な、なら仕度だ! 早く行かねば!」

男「おいおい、まだいいだろ?」

男「ほら並んでるだろ。だからあれ程二時頃行こうと」

侍「(ガチガチガチガチ)……寒い」

男「だからもう少し着てこいと」

侍「お主のコート、いいのう……羨ましいのう……」

男「貸さないぞ」

侍「じー」

男「……」

侍「じーーーーー」

男「わかったから。内側に入れよ」

侍「よろしい」

男「ったく。周りから見たら馬鹿ップルだよ」

侍「楽しんだ者勝ちなのだ所詮」

男「最近のお前のこういう行動がわざとなんじゃないかと思えてきたよ」

侍「知らんかったのか?」

男「は?」

侍「む、前が動いたな。さ、我らも動かぬと後の者に迷惑がかかる。行くぞ」


男「いっせーの!」

バッ

男「お、大吉だ」

侍「幸先が良いではないか。では某は……む! 大……!」

男「大来たか!」

侍「凶……?」

男「うわぁ……大凶ってこの世に存在したんだ」

侍「(ポイ)ふ、ふん。こんなもの気休めにすぎぬ。多少出端を挫かれた感はあるが恐るるに足らん」

男「『今年のあなたは何をするにも不調の年であり、力を蓄えるべく眠ることが吉』」

侍「読むな」

男「『しかし、一度誤ればその眠りも永遠のものとなるでしょう。充分に』」

侍「やめぇえぇい!!」

男「はぁ……お前を見るのも今年で最後か」

侍「某は! 某はどうしたらよいのだ! 誰か教えてくだされ!」

男「俺と一緒にいれば大吉と大凶でプラマイ0になるんじゃないか?」

侍「お主、それはまさか……!」

男「ち、違う! 俺が言ったのは言葉の綾であってそういう意味じゃ……!」

侍「ならどういう意味なのだ」

男「こんな小さなことでクヨクヨするお前なんて、見たくないんだよ……」

侍「男……」

男「だから俺にも何かできることがあれば役に立ちたかったんだよ!」

侍「そうだな。こんな紙切れに一年を決めつけられてたまるか。某の未来は某がどうにかすればよいのだ!」

男「そうだ! 今のお前が俺は好きだぜ!」

侍「す、好き……!?」

男「だから気にすんなよ。大・凶♪」

侍「……(パタン)」

男「……やっぱ大凶引いたらショックだよなぁ」


男「はぁ……はぁ……ここ、こんなに膨らんでるよ?」

侍「う、うん」

男「さ、触ってみていい?」

侍「む」

男「(ピト)はふぅ! す、凄い! 指に張付いてくる! ねぇ?」

侍「ふぅ……」

男「こっちのほうはまだ堅いかな?」

侍「あ! まだそっちは……!」

男「そうかな? ピクピクしてるよ?」

侍「そんなしとらん!」

男「あぁ綺麗な割目だ………! 早く食べちゃいたいよぉ!」

侍「ま、まだ……! あ! さ、触るな!」

男「へぇ、割目から結構はみ出してるねぇ」

侍「ゆ、言うなぁ!」

男「あぁ……柔らかいよ侍黒……まるで、まるでお餅みたいだ」

侍「(ジュゥゥ)餅だろうが。無駄口を叩く前に早くひっくり返さんか」

男「ねぇ俺あんこがいい」

侍「あんこもきな粉も胡麻もあるから早く焼かぬか」


侍「そろそろ試験期間か。前は結果が芳しくなかったからのう……」

男「侍黒ー野球(拳)しようぜー!」

侍「帰る」

男「あ、あれ……?」

侍「むぅ……。√2だから………」

男(お。俺の出番か……!)

侍「あ、青〜」

男(なヌ! あ、青だと! だ、だけど青なら……!)

青「そこはねー。√2と√2だから2になるでしょ?」

男(普通に教えちゃったよ……!)

男「(ガラッ)やっぽー☆ ……誰もいない。ん? なんだいこの張り紙?」

【禁男】

侍「何をしておる?」

男「あ、おかえり。いや特に何もないけど暇だから」

侍「某は暇ではない。帰れ」

男「何か最近侍ちゃん冷たい。まぁそういう日ならしょうがないけど」

侍「戯言を。早く帰れ」

男「はいはい。あー、あと聞きたいんだけど。お前んちっていつから女系になったんだ?」

侍「は?」

男「この【禁男】って張り紙はそういう意味じゃないのか?」

侍「む、昔からだ! 気にするな! 早く去らんか! 叩っ斬るぞ!」

男「こ、こわっ!」

侍「ふぅ……早く試験終わらぬかなぁ……」


侍「(ソワソワ)今日は天気いいのう……」

男「そうだな」

侍「だ、だか風が少し強いな!」

男「そうだな」

侍「……」

男「なんで今日俺のこと呼んだの?」

侍「ん」

男「何この箱?」

侍「いいから!」

男「あーバレンタインね。今年も『ほーれ取ってこーい』って投げられるのかと」

侍「いいから持って某の前から居ね!」

男「ありがとうな。それじゃさっそく——」

侍「今の言葉が聞こえなかったのか! 某は居ねと言ったのだ!」

男「そんな顔真っ赤にす、するなよ……今年一番怖いぞ……!」

侍「今年のは不作でな、出来も悪いし味も芳しくない!」

男「そんなんを俺に……」

侍「あ! 違っ……! つ、つまり某が言いたいことはな! わ、笑うな……と言うことだ」

男「わかったわかった。じゃあさっさと家帰って食うから。また2時間後ぐらいにな」

男「さぁて、と(シュル)。お、今年は白玉団子か。チョコじゃなくてあんこってところがあいつらしい。ちょうど腹も減ってたし、いただき——この白玉団子……全部ハート型だ……」


『男の気持ちがわかる男 女の気持ちがわからない女』

 バレンタインデー

侍「受け取れ」

無「え? 俺に?」

侍「一応義理であることは伝えておく」

無「わかってるよ」

侍「ホワイトデーは気を使わんでいいぞ。返す相手は多いのだからな」

無「そう言われると気を使いたくなるんだよなぁ」

緑「ん」

男「なん……だと……!」

緑「義理だから」

男「でもいきなりだな。なして?」

緑「物書きしてたら思い浮かんだから。あなた(と色無)にはいつもインスピレーションを受けてる」

男「あー……はいはい。もういいけど。ねぇその売上って一割ぐらいは俺に回って」

緑「だからこれ」

男「年に一回だけですか……!」

男性視点

侍黒→色無

男「お、色無さんにもあげたんだ。どうせ軽い飴細工だろうな」

緑→男

無「へぇー、緑が男にチョコやるなんて珍しいなぁ。おおかた何か書いてる最中に思い出したんだろう」

女性視点

侍黒→色無

緑「侍黒が……色無に……!」

緑→男

侍「み、緑……! 男(と色無)の絡みばかり描くと思えば……!」


猫「にゃん」

侍「む、捨て猫か。まだ小さな。しかし某の家で猫なぞは飼えん。すまぬな」

侍黒宅

猫「にゃぁ〜」

侍「にゃん? にゃにゃ〜? にゃ〜ん」

猫「ふゃぁ〜(ゴロゴロ)」

侍「んにゃ〜にゃにゃにゃにゃにゃ〜(ナデナデナデナデ)」

猫「ふぃ」

侍「にゃにゃ?」

猫(グゥ〜)

侍「にゃー! にゃんにゃにゃ〜ん!」

猫「ふにゃ〜ん!」

侍「んにゃ」

猫(ペロペロ)

侍「ん—————にゃぁぁぁぁぁ!!!!! (コネコネ)…………む?(チラ)」

男「プ……ククク、くははははははwwwwwwwwwwwwwクーwwwくくくくwwwwwww」

男「ほら押し入れから出てこいよ。猫が寂しがってるぞ」

猫「なぁ…」

侍『……』

男「ほら自慢の猫語でさ。ククク……」

猫「んぅ」


男「だーかーらー!ここよ!ここ!考えろよ!もっと考えろよ!できないって言ってる内はできないんだよ!」

侍「はい、先生……」

男「明日だろ!明日なんだろ始業式!終わらせないと!課題終わらせないと!」

数時間前

桃『はぁ……明日からまた学校かぁ……』

侍『だらしのない。お主らはいつでも遊びほうけておろうが。』

黄『3年からは別だよー。進路あるしねぇ。』

紫『色無しもなんだか大学行くーとか行ってたし遊ぶ暇無さそうだしー』

侍『己らの青春は色無しか!もっと他にすることがあろうが!』

橙『侍っちはいいよねー。男も何だかんだで侍っち好きそうだし、相思相愛?って感じで。』

侍『なぁ、何を申しますか橙殿ぉ〜!(~///)』

桃『微妙に満更じゃ無さそうな感じが……』

紫『ムカつくね。』

橙『でも明日からは男も本気だしたりして。侍っちが眼中に無くなるぐらい。』

侍『……。はぁ、お主らの色惚けならぬ色無し惚けには愛想を尽かす。某は帰る。』

紫『男の家によるなよー。』

侍『よるか。』

ガチャ ピピプパパピ プルルルル

男「(ピ)ハローワールド。何か用か?」

侍『男か……?』

男「俺以外に誰が俺の電話に出るんだよ?で?」

侍『……大事な話がある』

男「次は何が倒せないんだ?イャンクックか?7のワイリーか?」

侍『……もっと大事な、真面目な話だ』

男「……わかった」

侍黒宅前

男『おーおかえりー。寮に遊びに行ってたのか?』

侍『(コクン)……』

男『やけにおとなしいな。気味が悪い』

侍『気味が……!ふぅ……。お主、シンロとやらは決まっておるのか?』

男『普通に大学行こうとしてるけど?何か?』

侍『そうか……。余裕か?』

男『余裕なわけありますか。推薦落ちたら必死ですよ』

侍『お、お主の頭でも難しいのか!』

男『てかお前そんなこと聞くために俺をこたつから引きずり出したの?』

侍『あ!いや……』

男『大事な話って……まぁ大学の話は大事っちゃあ大事か』

侍『その話ではなくて……あの……』

男『……ん?』

侍『……。課題……』

男『はぁああああああああ!!!!!!!!!!』

侍『ひゃん!お、驚かせるな!』

男『驚いたのは俺のほうですたい!明日からまたガッコだっつーのにおまっ……!』

侍『ハハハ……』

男『OK、OKわかった。持ってこい。俺が教えてやる。受験勉強がてらだ』

侍『わ、わかった。すぐに行く』

現在

男「そう!そうだよ!やればできるんだよ!元素なんてそんなもんなんだよ!」

侍「うむ……」

侍(明日からこんなたわいもない話をすることもなくなるのであろうか……なのに某ときたら言いたいことも言えずにこの様だ……というかこやつはそんなこと考えておるのか? 課題を実際やっていない某も某だが……こやつも気がつかぬのか?課題が大事な話なわけなかろうが……! 少し……イラ)

男「何突っ立ってんの!終わらないよ!課題終わらせないよ!」

侍「(プチ)きぃいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 ガッシャーん スパン ベシャ プルルン

男「ら、乱心じゃ!侍黒が乱心なされた!」

侍「があああああああああ!!!!!!!!!!!」

男「さ、侍さん!おち、おちちついて!」

侍「むきいいいいいいいいいゃああああああ!!!!!(ヒュ)」

男「あぶなっ!」

侍「(ペタン)フー!フー!……ふぅ」

男「あの……ちょっと教え方」

侍「うぇえぇ……」

男「こ、こら!いい歳した娘が泣くんじゃありません!」

侍「おっ、お主っが……お主がわ、ヒッ悪ヒッ……のだ……。そっ……しはただ……す……」

男「酢?」

侍「好き……ヒック……って……」

男「……はい?」

侍「だから某は男が好きと言っておろうが馬鹿者!」

男「あぁ大事な話ってもしかしたらこれ?」

侍「課題が大事なものか馬鹿者!」

男「また馬鹿……。お前……恥ずかしくない?」

侍「……。てぃ。(パン)」

男「痛っ」

侍「お主は……?(~///)」

男「?好きだけど?そんなこと言いに?」

侍「そんなことって……!も、もしかしたら明日から話なんぞもろくに……!」

男「(ギュ)そうなったとしよう。でもどうせ、家は隣りなんだから全く話ないわけないだろ」

侍「(ズズー)ぷぁ。それもそうだが……」

男「(こいつ、今俺の服で鼻かんだな!)だ、だろ?まぁ……今回の乱心は俺が悪かったよ」

侍「そんなこと……!某がもう少ししっかりしておれば……!」

男「いや、俺だ。お前が何を言いたかったのか気付けなかったしそれより……」

侍「?」

男「み、未来の旦那様?っぽいこと全然してないし……な?」

侍「話が飛躍しすぎだ」

男「そういう約束だろ」

侍「約束……?約束……約束……?」

男「……忘れてるね、うん」

侍「わ、忘れてなぞいない……!いないぞ!」

男「じゃあいつの約束だか言ってみ?」

小学校1年

男「将来の夢かぁ」

侍「まだ作文書いてなかったのか?」

男「だってなりたいもんないし」

侍「別に仕事とかスポーツせんしゅじゃなくてもいいのでは?」

男「う〜ん。侍黒ちゃんはなんて書いたの?」

侍「妾はすんごいお母さんになりたいって」

男「なるほどお母さんか……。じゃあ俺はお父さんでいいか」

侍「真似をするでない!」

男「真似じゃありませーん!侍黒ちゃんはお母さんでしょ?俺お父さんだしー!」

侍「むむ……!」

男「ねぇ、侍黒ちゃん」

侍「なんだ」

男「将来さ、大人なったらさ、……結婚しよ?」

侍「男が運動できて頭良くなったら考えてもよい」

男「ホント?いいの?」

侍「 女 に 二 言 は な い !」

男「よし!忘れないうちに作文書かなきゃ!」

男「確か記憶だとこんなノリだと思った」

侍「 あ 」

男「今の『あ』が全てを物語ってたな」

侍「おおお覚えているとも!こんな大事なこと忘れるわけ……!」

男「お前さ、よく俺に勉強聞いてきたよな?てか現に聞いてる最中だったよな?」

侍「……はい」

男「お前、体育祭の時『同じ組で助かった』って言ったよな?」

侍「言った……ような」

男「つまりそういうことかと。ショックだぁ。ショック。本当1マナで2点ダメージ食らったかんじ」

侍「だから某は覚えて……!」

男「いやぁ下手したら俺の取り越し苦労になるとこだった。小学校1年だから……うん10年分ぐらいの」

侍「嫌味か?嫌味なんだな?」

男「俺確か3人ぐらいはフったはずだな?今頃つつじ色ちゃんと付き合っててもよかったのか?」

侍「そ、それはならん!」

男「ハんッ!でも、どっちにしても結果的には同じことか」

侍「?」

男「結局俺のこと好きなんでしょ?」

侍「(コクンコクンコクン)」

男「俺も」

侍「我らこうなる運命だったのだな」

男「……!」

侍「な、なんだその気持ち悪いような物を見る顔は……!」

男「流石に自分で言って臭いと思わない?俺鳥肌立ったよ」

侍「むん!(~///)」

男「と、とりあえずお互い素直になった所で……」

侍「は……はい!」

男「

闇「(ガラッ)こ・づ・く・り・し・ま・しょ♪」

侍・男「……」

闇「あ、あれ?いつもの突込みが……あの『御母様ぁ!』ってあれ?突込み……突込み……」

侍・男「……」

闇「すいませんでした」

パタン


「おーい、侍黒ー。本返しに来たぞー。……? おかしいな、呼び鈴はなってるみたいだが……いないのか?」

 普段ならすぐに出てくる侍黒が、何度ベルを鳴らしても姿を見せない。さすがに不審に思った男が家の中に乗り込むべきか迷っていると、突然扉が開き、小さな女の子が門のところまで飛び出してきた。

「はいはいはいは〜い、いらっしゃいませ〜!」

「こら、紫黒! 勝手に外に出てはいけないと何度も言っただろう! 申し訳ない、この子が失礼を……なんだ男か。今のは撤回する」

「わざわざ撤回せんでいい。それよりこの子誰?」

 人なつっこく足にまとわりついてくる幼女の頭を撫でてやりながら、男は侍黒に尋ねた。

「さむらいちゃんはしこくのママだよ!」

「!! な、なんだとーーーー!!!」

「ち、違う! 従妹だ! 叔母が外せない用事でこの子を置いていったのだ。昔からよく面倒を見てやったのでママと呼んでいるに過ぎん! つまらぬ勘違いをするな!」

「びびったぜ……てっきり隠し子かと思った。はっはっは」

「ふっふっふっ……三途の川を渡りたいのか?」

 二人は乾いた笑いを交わした。そのぴりぴりした空気を読むこともなく、紫黒と呼ばれた少女が男を見上げて尋ねた。

「おにいちゃんはだれ? さむらいちゃんのかれし?」 

「そうだ——」

「断じて違う! こんなうだつの上がらぬ男が私にふさわしいわけがなかろう!」

「そうだねー、なんかぱっとしないかんじ〜」

「……お前らそっくりだな……しかし幼女にまで馬鹿にされる俺っていったい……」

 軽く落ち込む男の手を、紫黒がぐいぐいと引っ張った。

「ね〜、お外に連れてって! 公園に行こうよ〜!」

「ん? まあ暇だからいいけど。俺一人で連れてくわけにはいかんしなあ。最近はすぐ通報されるし。侍黒も行くならいいよ」

「……まあお主の場合は濡れ衣とも言い切れぬが、仕方があるまい。いいかげん家で遊ばせるのも限界だったのだ。出かけるとしよう」

 近くの公園まで行くことにした三人は、自然と男、紫黒、侍黒の順で手を繋いで歩いた。何が楽しいのか、家を出たときから紫黒の頬は緩みっぱなしだ。

「えへへへへ〜」

「どうしたの? 紫黒ちゃん」

「こうしてるとほんとのおとーさんとおかーさんみたいだね!」

「〜〜〜〜!!! し、紫黒、さっきからお前は何をつまらぬ戯れ言を……」

「あ! おかーさんだ! おかーさーん!」

 顔を真っ赤にして抗弁する侍黒に耳を貸さず、紫黒は二人の手を振りほどき、前から歩いてくる母親の胸に飛び込んでいった。

 思いの外早めに用事が済んだとのことで、侍黒に何度もお礼を言う母親に連れられ、紫黒は去っていった。

「は〜……やれやれ。台風みたいな子だったな」

「うむ。元気がありすぎて、私も少々もてあまし気味だった。……その、すまなかったな、いろいろとつまらぬことを言わせてしまって……」

「子供の言うことだし、気にしてないよ。さて、と……せっかく出てきたんだし、公園まで散歩しようか?」

「ま、まあつき合ってやらぬこともないが……」

「子持ちの予行演習も面白かったけど、まずは新婚夫婦のシミュレーションをしないとな」

「……馬鹿者……」

 差し出された男の手を、侍黒は強く握り返した。


『入学式』
 『——以上をもちまして入学式を終了します。新入生は速やかに各教室に——』

不良「けっ、どいつもこいつも歯ごたえのなさそうな顔してやがる。見てろよ、半日で一年のトップに立って、一週間でこの学園のてっぺん取ってやるぜ」

男「くくく……いいねえ、若いもんは血気盛んで。だが勇気と無謀をはき違えると痛い目を見ることになるぞ」

不良「ああ? なんだてめえ、なめた口きいてると二年だからって容赦しねえぞ!」

男「おお、恐い恐い。まあ落ち着け。手を出すのは俺の話を聞いてからにしな。あれを見ろ。生徒会役員の女の子にあごでこき使われてる男がいるだろ? あれがこの学園のトップだ」

不良「はあ? あんなひょろっちいのがトップだと? はっ、こりゃ一週間といわず今日にでも俺がナンバーワンになれそうだな!」

男「奴の名は色無——またの名を“十二の尻に敷かれる男(アンダー・ザ・トゥウェルブ・ヒップス)”。奴を甘く見るなよ。あいつを敵に回すということは、学園最強の十二人の女子を敵に回すということだ」

不良「女? おいおい、学園のトップが女の尻に、しかも十二人の女の尻に敷かれてるってなあどういうことだ!?」

男「そのままの意味さ。全員が色無と一緒に虹色寮で暮らしてるが、そのうちの一人、“微笑む死に神”は素手の一撃でイノシシを仕留めたことがある。去年は寮で狼藉をはたらいた奴の九割が彼女にやられた」

不良「……まさか、ふざけたこと言ってんじゃねえ——」

男「その彼女さえ、十二人の中での序列は末席。彼女たちの中には生徒会役員、運動部や文化部に絶大な発言力を持つ者や、委員会活動を牛耳る者もいる。敵に回せば学園内で安らげるところはどこにもない」

不良「じょ、上等だよ。今さら普通の高校生活を満喫しようなんてぬるい考えは持っちゃいねえ……」

男「からめ手が得意な奴らもいる。おすぎばりに辛口でファッションチェックされて視線恐怖症になった者、幼女誘拐の濡れ衣を着せられてロリコンのレッテルを貼られた者、過剰な色香に惑わされて廃人同様になった者……犠牲者を挙げたらきりがない」

不良「そ、それは、ちょっといやだな……」

男「人知を越えた奴らも忘れちゃいけない。人の食事を三食カレーにしてしまう奴、自らの不幸に他人を巻き込み、数倍の被害を与える奴……この二人に捕まったら、もうまともな人生は歩めない」

不良「……朝からカレーはきついな……」

男「学外すら安全じゃない。すべての病院に顔が利く奴がいるから、ちょっと風邪を引いたり虫歯になったりしても医者にかかることさえできない」

不良「喧嘩に怪我はつきものなのに……医者にかかれない……だと……?」

男「各個に相手しても恐ろしいのに、その全員とフラグを立てまくり、一人残らず切なさ炸裂、マジで爆弾爆発五秒前の状態を一年にわたってキープし、いまなおエンディングを迎えない男……それがあいつ、色無だ」

不良「信じられねえ……そんな益荒男がこの世にいるなんて……」

男「まあ器が違うってことだ。お前も奴が卒業するまではおとなしくしてろ。じゃあな」

不良「……いや、ありえねえ。よくよく考えてみれば、そんなすごい奴がいるはずがねえ。くそ、担がれたか……あのやろう、今度見かけたらただじゃおかねえ!」

新入生「……君、ほんとに何も知らないんだね。さては高校デビューだろ?」

不良「(ギク)ふ、ふざけんじゃねえ! 隣の席だからって気安く話しかけてくんな!」

新入生「さっきの話、僕もそれとなく聞かせてもらったけど、全部本当らしいよ。しかもあれで終わりじゃない」

不良「なに? まだなんかあるってのか!?」

新入生「例の色無さんを表のトップとすれば、君が話してた先輩は裏のトップ。色無さんに勝るとも劣らぬ力の持ち主なんだ」

不良「あいつが? とてもそんな風には見えなかったが……」

新入生「あの人はね、話に出てきた十二人の女子、その全員から蛇蝎のごとく嫌われ、想像を絶するトラブルに見舞われながらも、ついにひとつの単位も落とすことなく進級したんだって。ついたあだ名が“フラグクラッシャー”」

不良「……」

新入生「しかも彼女もちなんだけど、その彼女ってのがまたすごくて、ことあるごとにマジモンの日本刀を振り回してるそうだよ。前に先輩をカツアゲした奴らは彼女に五寸刻みにされて、今も入院中らしい」

不良「……せっかく難しい試験に合格して入学したんだし、ボク、これからも真面目に生きるよ」

新入生「それがいいと思うよ」


サムライブラック3周目

侍「てりゃああああああ!!!!!」

後輩「(バッ)小手あり!それまで!」

侍「ふぅ。これで276戦139勝137敗だな。『男』よ」

男「(カポ)あー細い!細い!女々しい!細い!」

侍「負け犬の遠吠えにしか聞こえんな」

男「それに!今は俺のこと『副部長』と呼べ!」

侍「負けた副部長」

男「余計なこと言うな!」

侍「世知辛い世の中よのう。某に負けるような男が副部とは」

男「高々一勝の癖にデカい口叩きやがって」

侍「勝ちは勝ちだ」

男「どうせ直に抜かすさ」

侍「抜かせるならな」

男「お前は……!どうも人を逆撫でするのがうまいようだな!」

侍「なら、某に勝ってみるのだな。ほれ、茶だ」

男「……さんきゅ」

侍「(ゴクゴク)ぷぅ。まずはその血の登りやすい頭をなんとかするのだな」

男「んん……!そうだな……」

部長「(ニヤニヤ)」

侍「部長。何を笑ってるのです?」

部長「(ニヤニヤ)」

侍「やめてくだされ。見世物ではございませぬ」

部長「(ニヤニヤ)」

侍「部長ぉ!!!」

男「こらこら。頭に血が登ってるぞ」


侍「メェェェェン!!!」

審判「止め!」

男「また負けちまったぁ……(ゴロン)」

ピト

男「おわっ!」

侍「(カシュ ゴクゴク)ぷはぁ。飲むか?」

男「え?」

侍「嘘だ」

男「嘘かよぉ……」

侍「(ポイ)では」

男「(パシ)あ、おま……これ!」

侍「頑張るのだぞ」

男「(ゴクゴク)はぁ……甘酸っぱいな……」

 カラダにピース カルピス

部長「これを部活紹介に流せば部員ガッポガポ間違いないさ!」

侍「そうですか……?」

男「むしろ俺達に偏見が生まれそうな……」


侍(ドキドキ)

男「メェェェェン!!!」

審判「止め!」

男「あっちぃー!」

侍「ご、ご苦労……お、おめでとう……!」

男「ありがとな(ポン)」

侍「………! こ、これ!」

男「お?」

男「(パシャア)つめてー!」

汗なんて吹っ飛ばせ! シーブリーズ!

部長「これならどうかな?」

侍「意味合いとしてはさほど変わりませぬ」

男「宇宙の法則が乱れてもこいつがそんなことするわけないしね」

部長「(バンバン)じゃあどうしたらいいのさ!」

男「うわっ!逆ギレ!」


無「お前さ、侍黒のことどう思ってんの?」

男「ライバル……ですかね」

無「そうじゃなくてさ……」

男「ようするに女として見れるか、ってことでしょ?」

無「そゆこと」

男「遠きは花の香ってか?ないない。色無さんこそどうなの」

無「俺?俺が誰とwwwww」

男「この朴念仁めが!あんな吉原みたいな寮にいながら誰にも唾つけないなんて!」

無「よ、吉原は酷いだろ……」

男「じゃあススキノかミナミ辺りにしとくか?」

無「何で風俗街なんだよ……」

男「あーんな百花繚乱の中にいながら……まさに愚の骨頂。よく耐えられるもんですよ」

無「むしろ耐えなきゃダメなんだよ……」

男「あんなメロンからオブラートまでそろった酒池肉林にほかに何を望めばいいかわからない!」

無「お前、その四文字熟語どうにかならない?」

男「小さい頃からの癖なんですよ」


桃「今日男君にフラれたの?」

侍「ふ、フラ!?」

黄「今日も朝一緒に学校行くの断られたんでしょ?」

侍「それはフラれたとは言わぬ!」

橙「でも何で男とあんな仲いいのに付き合わないのかなーっていつも思うんだよねー」

黄「ちょっと変態だけど性格はサッパリしてて悪くないし」

侍「ちょっと?かなりだ」

桃「顔だって(色無君には負けるけど)かっこいいしねぇ」

侍「心の声はしかと聞えたぞ。そんなに男を持ち上げるのならお主らが付き合ってみたらどうだ?」

桃「無理」

黄「ちょっとねぇ」

侍「そうであろう?あの鬱屈した性格はお主らには耐えられぬな」

橙「うーん、なんだか男は話はかけやすいんだけど会話ができないっていうか……」

桃「あーわかるわかる!私この前さ……」

桃『おはよー男君』

男『あら桃ちゃん。おはようございます。今日も綺麗だこと』

桃『ふふっ、ありがとう』

男『こんな羞月閉花の体現をそばに置いときながら色無さんと来たら……』

桃『しゅ……しゅう……』

橙「なんだか小難しい言葉ばかり使うのよねぇ」

黄「なんだかおじいちゃんと話してるみたいだよね」

侍「フッ」

男「何だよ人の顔見て。(ズズー)やっぱお茶が一番だよなぁ」


侍『てぇぇェェェ!!!』

男『おっと相変わらず猪突猛進だな』

青磁「1-Bの青磁です」

鈴蘭「1ーDの鈴蘭といいます」

部長「えっと二人は剣道の経験は?」

男『めーん。(トン)はい線出たー。一本ね』

侍『貴様!卑怯ぞ!』

青磁「自分は中学からやっていたんで」

部長「おお!即戦力だぁ!」

鈴蘭「わ、私は……」

部長「高校から?当部活は誰でもウェルカム。切り返しでもかかり稽古でも好きなものをお楽しみ下さい」

侍『どぉおおおおおおお!!!!!!!!!』

男『えっ!うっそぉ!』

部長「防具持ってなくてもうちは貸出してるからね。防具の心配は必要ナッシング」

鈴蘭「良かったぁ……」

男『だぁぁぁぁ!!!!!!!!』

侍『なん……だと……!』

部長「あ、あと基本日曜は試合とか無ければは休みだからね」

青磁「へー」

部長「一週間も学校いたら頭おかしくなるよ。ま、学校だけが青春じゃないってことさ」

男『277戦138勝139敗、勝てば官軍負ければ賊軍ってね』

侍『キィぃぃぃ!!!!』

部長「あまり本腰入れないでストレス発散ぐらいの気分でやって行こうって方針でさ」

青磁「あれがですか!?」


男「あれは小学校の頃だった。俺には仲のいい友達が二人いていつも三人で遊んでいた。しかし、あの日……」

先生『はーい二人組作ってー!』

男・凍白・創成柳『さいっしょはグー! ジャンケン ポン!』

男『あ……』

凍白『すまんな……』

創成柳『き、君には……ほら』

侍『ぐす……(ポツン)』

先生『じゃあ今日は組体操しまーすwwwwwww』

男「中学のフォークダンスで……」

男『碧瑠璃ちゃん、どう?』

碧瑠璃『触るな。お前洗っていない犬の臭いがするんだよ。』

男『つ、氷柱ちゃん……俺と』

氷柱『お、男君は侍黒ちゃんが……ご、ゴメン。』

男「俺はいつの間にか変態クールの烙印を押され侍黒と内定してると噂されてた」

侍『しょうがなくお主と踊っておるのだ!感謝しろ!』

男『売れ残りが何いったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!小指!小指!』

侍『すまぬ、踵で踏んだ。』

男「邦楽より能楽な俺達がまともに踊れるわけがない。しかも次の日の校内新聞で……」

[最後の〆はフォークダンス!仲睦まじく楽しいダンスを披露してくれました!]

男「意気揚々とした文書の真中に意気消沈した俺達の写真が堂々と貼られてた」

無「これを一蓮托生って」

男「 く さ れ え ん !」


男「おっはー」

無「おはよう、ってか古いな」

男「資源だけじゃなく流行もリサイクルしないとな」

無「今日朝練は?」

男「無ーし。一年入ったばっかだから流石に先生らも忙しいんでしょ」

侍「(ガラッ)男!な」

男「(ピシャ)部員入ってくるかなぁ」

侍「(ガラッ)何故閉めた!そして今日も何故某を置いていった!」

男「この安本丹。何で朝練も一緒に行かない奴と通常時に一緒に行かにゃならん」

無「家隣り同士ならどっちも一緒に行けばいいだろ」

男「笑止千万お断り。第一、男の俺が寝ているお前起しに行くなんておかしいだろ」

侍「な、某はただ単に髪を結うのが遅いだけで」

男「嘘だぁ?だって今日俺が家出る前部屋からお前見たら着替えてる最中だったし!」

無「……ん?え?き……がえ……?」

男「……」

侍「……」

男「……ぷふふふふっ」

侍「[魔法剣二刀流乱れうち]輝きの世界へぇぇェェェ!!!!!!!」

男「カメェェェ!!!」


男「やっぱ明日日曜の朝はスーパーヒーロータイムだよなぁ」

赤『くっ……やっぱり強いよ……!』

青『殿!もとい姫!大丈夫ですか!』

男「やっぱり赤×青だよな……」

緑『危ない。(キィン)』

黄『あ、ありがとう緑ちゃん……』

緑『私は……黄色のこと、守るから……』

黄『み、緑ちゃん!そんなこと今……!』

男「やっぱりこっちもいいなぁ。この微妙な温度差が特に」

桃『てぇい!(プルン)てゃあ!(バイン)』

男「朝からこんなの見てたら僕のシンケンも抜刀……プッ……不味い、自分で言って自爆した……!」

赤『はぁ、はぁ……!敵が多いよ……!』

青『それにあの外道衆……強い!』

朱『くけけけけけけwwwwwwwヒックwwwトドメといくかぁwwwwwヒックwwwwww』

黄『姫!危ない!』

?『一寸待った。』

キィン

朱『うぃー?』

赤『あ、貴女は……!?』

侍『某は侍黒!故あって、そなた達の助太刀を致す!』

男「ん……んー……!ふぁ〜。朝か」

チャンチャンバラ〜♪

男「……だからか」

侍『……(ウルウル)』

男「ブラックじゃなくてシルバーが新規だからな……。さぞ悔しかろう」


顧問「じゃあ今日はこのへんで」

男「お疲れ様でしたー」

侍「ご苦労様です」

男「青磁君、ちょっとこっちきなさい」

青磁「何ですか副部長?」

男「ちょっと裏まで行こうか」

シャアアアア

部長『侍ちゃーん!シャンプーかしてー!』

侍『部長は使いすぎです!』

男「いいよね。シャワー室の裏って。ほらこう、なんて言うの?森林浴ってやつ」

青磁「副部長……これって覗」

男「小鳥達の囀りに耳を貸してるだけさ」

侍『鈴蘭、何を見ておるのだ……?』

鈴蘭『あ、いや、あの……大きいですね……』

侍『ふふっ、持ち上げるのがうまいのうお主。』

鈴蘭『ふぁあ!ちょ……!あぅ……』

青磁「っ!」

男「青磁君?あまり窓をガン見すると謹慎処分食らうからね?」

青磁「す、すいません。ていうか副部長は毎回これ、やってるんですか?」

男「世の中、百聞は一見に如かずって言葉がある。だけど今の俺なら一聞も百見を陵駕するね」

ガラッ

侍「(シュ)聞こえておるぞ」

男「(パシ)知ってんだよ」

青磁「てっ、鉄扇……!」

ピシャ

侍『あと少しで着替え終わる。それまでに首を洗って待っておれ。』

男「今侍黒が窓開けた時隣りにいた鈴蘭ちゃんは見えた?」

青磁「チェック……でした」

男「そうか、鈴蘭ちゃんのブラはチェックか……。これが僕からの新入部員の君への手向けさ」

青磁「副部長、ちょっと早く帰りません?」

男「君の気持ちは良くワカル。帰ろうか」


『身体測定』

先「次の人ー!」

橙「はいはーい!」

橙「ふふふっ……! やったね! また少し大きくなったよ!」

紫「よかったねー!」

橙「ありがとう紫!」

紫「う、うん……おめでとう……」

橙「む、紫! 無理しないで! お願い!」

侍「騒がしい連中だ」

黄「そんなこと言っちゃってぇ〜」

侍「む、胸に触るな! 刺さるではないか!」

黄「刺さる……?」

先「次ー!」

先『え! こんな重……! ちょっと何持ってるの! 外しなさい!』

侍『こ、これがないと……!』

生『いいから!』

 カシャーン

生『それでも140……!』

侍『某の体重はもともと……』

先『他のも下ろしなさい!』

 ジャララララ カシャン

先『それ以外にも!』

 カラーン にゅ〜 コトン

先『そんな長いものどうやって服の中に……! あ! 太股につけてるそれも!』

 カラカラカーン

侍『もう、これ以外は……!』

先『おっぱいの間にも何か隠してるでしょ! 出しなさい!』

侍『う……』

 チャリーン

先『ったく……! その鎖とか盾は身体測定が終わるまで預かっておきます!』

侍『それがないと某は……。』

先『言い訳無用! だいたい学校はそこまで物騒じゃありません!』

侍『もし賊が……!』

先『出てくるのはあなたの頭の中だけです! てかあなたなら刀で事足りるでしょ!』

侍「ふっ、少し胸囲が大きくなったそうだ」

紫「自慢するな!」

橙「待って! 突っ込むところはそこじゃないよ!」


無「なぁ、侍黒って普段はどんな服着てるんだ?」

男「え? 何? 興味あんの? 色無さぁん、この世には愛多憎生って言葉があってね。あまり……ねぇ?」

無「ただ単に興味本意だよ」

男「興味本意ねぇ。あいつはいつもあの格好だよ。墓参りとか公に出るとき以外は」

無「そういうときは?」

男「着物だな。いずれにせよ一枚看板ではないってこと」

無「お前はさ、ないの? 違和感とか」

男「腐れ縁だからなぁ。もう慣れたってところ。むしろあれ以外の服着てるあいつが思い描けない」

無「さすが一蓮托生の仲だね」

男「その口をどうにかしてふさいでやりたいが……!」

無「はいはいごめん。しっかし親御さんもあんなコスプレ——」

男「駄目だそれ言っちゃ!」

 ジャラララララ

無「うぐ!? 何この鎖!?」

侍「今何と?(ジャキ)」

無「鎖鎌なのこれ!」

侍「今某に何といいおった?」

男(謝れ! 言いわけするとさらにひどいぞ!)

無「す、すいませんでした……」

侍「解ればよい(ジャラララ)」

男「口は災いの元」

無「てかなんだよ、あの袴! 袖に鎖鎌が勝手に収納されたぞ!」

男「俺も未だにあの無数の暗器が袴にどう納められてるかわからないんだよ……」


男「こんの安本丹!」

侍「うつけ!」

男「厚顔無恥!」

侍「甲斐性無し!」

男「朽木糞牆!」

侍「(ピキ)……某を糞とな?」

男「ビッチ」

侍「横文字を使うなぁぁぁぁぁぁぁ!!!(シャキン)」

カキン

侍「なっ……!その小太刀は……!」

男「ぐぐ……!お前の脇差だよ……!」

侍「(ググ)人の小太刀を抜き取るとは……!」

男「いぎ……!獅子身中の虫を飲んだな……!」

侍「武人の魂をぉぉぉぉぉ!!!!!(グググ)」

男「煩悩具足纏った八方美人の姥桜がぁぁぁ!!!!」

侍「まだ言うかぁぁぁぁ!!!!!」

男「でもお前のそういう所含めて……好きだ……!」

侍「え……」

 カラーン

男「う・そ☆」

侍「乙女のいたいけな心を弄びおってぇぇぇぇ!!!!!」

青「侍黒が刀抜いたの初めてみたわ」

侍「そうか?」

赤「だっていつもみんなには槍とか手裏剣とか投げるじゃん」

侍「なんと言うか奴には他は通じなくてな。対等に持ち込むには刀が一番なのだ」

黄「唯一認めた相手だからとかじゃないんだ。(ボソ)」

侍「はぁ!?寝ぼけるでない!誰が認めるか!」

青「でも他のが通用しないから刀を抜かせたってことは潜在的に認めたって」

侍「否ぁぁぁぁ!!!!」

 シュ シュ ニュー ジャララララ ドン

侍「ふぅ……!ふぅ……!」

黄緑「あらあら?壁が穴だらけねぇ?」

男「お?今日は化粧のノリがいいね!よっ!紅粉青蛾!」

侍「貴様……!(スカ)」

男「あれれー?刀がないよー?おかしいねーあははー!」

侍「黄緑め……!」

黄緑「キャベツ切るのにいいわね」


 同窓会

無「あ!黄緑さん!久し振りです!」

黄緑「あら?色無君?あらあらあら?随分と変わったわねぇ」

無「黄緑さんはあまり変わりませんね」

黄緑「それは私が昔から老けてたって受けっとっていいのね……?」

無「今でも若いって意味だから!ね?しかし黄緑さんは朱色さんの跡継ぎだもんな」

黄緑「高校の頃の延長見たいなものかしらねぇ」

無「だから若いのかもね」

黄緑「ありがとう。あ!今日はあと誰がくるのかしら?赤ちゃんと紫ちゃんは買出しに言ってるけど」

無「うーん。桃は撮影、黒は弁護だから遅れるって言ってたなぁ。あ!そういや侍黒と男が来るって……!」

黄緑「あらあら?騒がしくなりそうな予感?」

無「多分なると思う……。昨日ニュース見てたらさ……」

記者『今回の日本近海における孤島の遺跡発見について一言お願いします』

男『はい、高校の頃図書室で見つけた古文書の記述にも述べてある通りであれば鬼ヶ島だと思います』

侍『そこで放置されてた故人の物を見る限りあそこには迫害、若しくは漂流した南蛮のものであろう』

記者『今回の発見も色んな障害があったと聞きましたが?』

男『はい、今回も例によってそこの島の秘密を守ろうとする結社に襲われました』

侍『島まで手配してくれた教授に裏切られ窮地陥ったが、死んだと思っていた助手に助けられたりな』

記者『あ、あと御子息も同行したと聞いたのですが?』

男『最初は付いて来るなって言ったんですけどね』

侍『今回も勝手についてきおって!』

消炭『いーじゃんいーじゃん。結果オーライってことで。僕いなかったら父さんも母さんも今頃魚の餌だよ?』

男『まぁそうだけど……』

消炭『ほら父さんがよく言う三位一体ってやつ!』

侍『調子のいいやつめ……』

記者『さ、最後に何か一言お願いします』

男『色無さーん見てるー?明日お土産持って行くから待っててねー』

侍『黄緑、何かうまい物作っててくれ』

無「……ってさ。確か消炭君ってこの学校だよね?」

黄緑「だから消炭君最近寮に顔出さなかったんだ……」

ガチャん

男「はぁ……間に合ったか……!」

侍「む、定刻通り!」

無「お、お前ら……!」

侍「ひ、久しいのう色無……」

男「はい……。虎革のパンツ……お土産だ」

無「てかお前らテレビで見たのと同じ格好してるぞ!」

男「一度中国経由してから成田にきたもんで……」

侍「また賊に襲われてな……!」

赤「(ガチャ)ただいまー。んーまだ私も若いのかー」

紫「ちょっと黄緑ー!変なガキがついてくるんだけどー!知り合い知り合いってうるさいのー!」

消炭「きっみどりさぁーん!ひっさしぶりー!あれ?父さんも母さんもいるじゃーん!」

侍「白々しい。話は聞いておっただろう」

黄緑「はいはい。お疲れ様」

紫「え?ホントに知り合いなの?」

消炭「だから言ったでしょお姉さん?僕ここの学校の生徒だって」

無「顔は母親似だな。性格はモロ父親だけど」

侍「恥ずかしながら」

消炭「あれ?もしかしてもしかするとそこの色男が父さんがよく言う色無さん?」

無「よく話すの?」

男「う、うん。まぁ」

消炭「しかしまぁよく今日みたいな怨憎会苦の場所に出てこれるなぁって思うよねぇ……」

男「可愛さ余って憎さ百倍って言うしな……。今日辺り刺されるんじゃないかなぁ……」

無「よ、よく似た親子じゃないか……!」

消炭「それに黄緑さんやお姉さん達も昔の男は忘れて結婚とかしたら?美人薄命恋せよ乙女ってさ」

紫「余計なお世話よ!何なのあんたらの子供!高校の時の男よりムカつくー!」

消炭「酷いなぁ。お姉さんなら僕、全然いけるのに。とても母さんと同い年とは思えないよ。主に体型とか」

紫「あぁ!この上から目線が侍黒だし女を嬲ような視線が男だしぃぃぃ!!!」

黄緑「そういえば消炭君!漆黒ちゃんが泣きながら心配してたわよ!」

消炭「え?あいつが……?」

侍「あの漆黒嬢が……?ふふぅん」

男「ただのエロ餓鬼かと思ってたのに、まさか漆黒ちゃんがねぇ……」

黄緑「行ってあげたら?」

消炭「ちょ、ちょっと顔見せればいいんでしょ?はいはいわかりましたよ……!」

男「今日は俺ら帰らないからうちは空いてるぞ」

侍「黄緑、赤飯はあるかの……?」

消炭「呆れる……!じゃお姉さん、またあとでねー!」

紫「もう来るな!」




男「(ガラ)いってきまーす」

侍「(ブン~ブン)二百三十二!二百三十三!はぁ……お主、どこへ行く?」

男「げ!……ちょっとゲーセンまで」

侍「はぁ!?高体連が近いというのに何を遊び惚けておるか!」

男「いいのいいの。たまには息抜きしないと、ね?」

侍「貴様はいつも息抜きしとろうが!」

男「果報は寝て待て、ってな」

侍「ふざけるな!大体最近の貴様は怠けておる!今日も青滋に負けておきながらヘラヘラと!」

男「だって青(セイ)ちゃん俺より背デカいし当然じゃん。いいよねぇ、大って小兼ねるから」

侍「話をそらすな!後輩に負けて悔しいと思わぬのか!」

男「そういうお前は俺に負けて悔しいのか?えーっと278戦139勝139敗か?」

侍「だからこそこうして素振りをしておるのではないか!」

男「そ、じゃ頑張って」

侍「今だから言わせてもらうぞ!某は貴様のそういったいけしゃあしゃあとした態度が気に食わぬ!」

男「今更かよ。で?それだけ?もう閉店近いから」

侍「貴様のような努力もせず男女の体躯の差で勝ち誇った気になる輩は虫酸が走るのだ!」

男「だったら勝手に生まれ変われ!賽の河原で石積んでりゃ御釈迦さんも男に産んでくれるだろうよ!」

侍「ッ————!……ふぅ、貴様はもう何を言っても無駄なようだな。話す気にもならん」

男「有智高才のいい子ちゃんは早く風呂入って寝ろ。夜更かしされると部屋から漏れる光が目障りなんだよ」

侍「言われなくともそうさせてもらおう。せいぜい夜遊びに精を出すがいい」

男「某もそうさせて頂きます。ではこれで」

 

 放課後

侍「あの童め……!サボリおったか……!」

部長「今日の侍ちゃん怖い……」

鈴蘭「副部長いないからですかね?」

侍「(キッ)今なんと?」

鈴蘭「な、なんでもないです」

侍「あのサボるような屑を副部と呼ぶ事自体がおこがましい!」

部長「そうだねぇ。流石に副部長が予選前に部活サボるのは良くないよねぇ。うんうん」

顧問「見直しが必要かなこりゃ」

部長「ってわけでさ。侍ちゃん、副部やってみる?」

侍「……ん?」

部長「侍ちゃん前から副部長の座は狙ってたでしょ?」

侍「ですがこのようなことで」

部長「けってーい!今日から侍ちゃん副部!」

 

 色無の部屋

男「昔……」

侍『貴様!試合をサボるとは何事だ!』

男『サボったわけじゃねーっての。昨日はパスポートの手続きがあったからしょうがなくてだな』

侍『パスポートぉ!そんなことで試合を放棄しおったのか!笑わせるな!』

男『じゃあ笑わなくていいよ。後で理由は言うからさっさと部室行』

ジャララララ

男『な!』

侍『逃げるな!話すなら(グイン~ジャラ)キャ!く、鎖を解け!解かぬか!』

男『黙って聞け……!』

侍(ビクッ)

男『俺の叔父がなカナダにいるんだよ、危篤状態でな……!』

侍『う……』

男『何勘ぐったか知らねえがお前のエゴとこの稚拙な玩具で俺のこと縛ろうってのがお門違いなんだよ!』

侍『……うぅぇえ……ぇ……!』

男「泣いちゃってさ……」

無「腕を鎖で縛り上げられて壁に押さえ付けられたらな……。まぁ普通の女の子の反応だな」

男「本気で怒ったわけじゃないけど俺もピリピリしてたし。理由言わない俺も俺だけど」

無「いきなり鎖鎌投げる侍黒も悪いと思うけど」

男「謝って許してはもらったけどその日からあいつ、男と女の体の差に厳しくなってさ」

無「お前さ、結構怖いな……」

男「触らぬ神に祟りなしってな」

無「何気に自分を神格化するな」

 

 寮

侍「おかわり!」

黄緑「はいはい」

黒「なんで帰らないのよ」

侍「帰ると必然的に奴の顔を見るはめになるからな」

黄「はぁ?さっきま」

無「黄色ー!こんど何色のカレー食べたい?」

黄「緑!」

侍「?」

無「あはは、ジャワカレーか。ん?カレーの話さ」

侍「そうか。時に黒、白、頼みがある。今夜寝る時部屋をお借りしたい」

黒「白?」

白「いいと思うよ?でも寝る場所が……」

侍「床でいい。むしろベッドは寝心地が悪い。お主らの部屋は静かで良さそうだ」

黒「騒ぐ気は無さそうね」

黄緑「お風呂湧いたけど、入る?」

侍「すまない」

侍「キツいのう……。締め付けられる感が……」

黒「初めて他の娘に下着なんて貸したわ……!」

侍「礼を言う。あまり騒ぐと白の体に障るからな。では」

黒「おやすみ。……」

侍「……」

黒「……何で喧嘩なんかしたの?」

侍「……話す義理はない。……」

黒「そう。……」

侍「……」

黒「……」

侍「あやつのあまりの無神経さにイライラした。己の身体能力ばかりに頼って少しも鍛練を重ねようとせぬ」

黒「強ければそれでいいじゃない」

侍「少し鍛えれば更に強くなろうが。才能はありながら磨かぬというのは宝の持ち腐れにすぎん」

黒「そうね……。強くなきゃ守ってもらえないものね……」

侍「な!何を」

白「う……ん……(ゴロン)」

侍「んっ……!明日は部長に道場の掃除を命じられておる。某はもう寝る」

黒「おやすみ」

黒(私だって好きな男が強い人じゃなきゃ嫌だもの……)

 

 道場

侍「やはりこの下着は歩く度食い込むのう……」

ガラ

侍「む?鍵が開いて……」

男「一、二!一、二!(ブンブン)すいませんね部長!毎朝毎朝付き合わせちゃって!」

侍「男?」

男「お?おぉぉぉぉぉ!!!!(ズサー)」

侍「何故そこまで引く」

男「お、おまっ!なんで……!えぇ!」

侍「某は部長に命じられて掃除に来ただけだ」

男「あのツルペタぁ!!!バラしやがったなぁ!!!」

侍「某を部長と勘違いしたようだが?」

男「ははは……とうとうボクと部長の愛執染着昼ドラばりのドロドロした関係が……」

侍「……」

男「朝練ない日は稽古つけてもらってただけだよ!悪いか!」

侍「だからお主は朝は早かったのか……」

男「あの部長は脳味噌までツルツルなのかよ……!」

侍「何故言わぬのだ」

男「そりゃ……ねぇ……。……恥かしいから」

侍「恥かしい?」

男「俺だって男だしお前に負けたらなんかちょっと凹むっていうか少しぐらい余裕なフリしないと示しが……」

侍「一昨日は遊び惚けていたみたいだが?」

男「あれはその辺走っただけで本当はゲーセンなんて……ってなんでここまで話してんねん!」

侍「ノリツッコミはいい」

男「つまりだな……。えーっと、黙ってて悪かった。ごめん」

侍「んっ……!お、お主がそこまで言うなら許してやらんでもないがな……!」

男「フッ」

侍「笑うな!」

男「いやいや、中学の時もこんなとこしてなってよ」

侍「直ちに忘れろ!」

男「学習しないな俺も。反省点だ」

侍「(ボソ)某も……」

男「ん?」

侍「何でもない!早く着替えよ!遅刻する前に行くぞ!」

男「先に行ってろよ」

侍「どうした?昨日の今日だから共に教室まで行くのも恥かしいのか?」

男「お前、俺のそばにいてわからないのか?」

侍「……。っ!……早くシャワー室に行ってこい」

男「担任に宜しく言ってくれよ」


部長「言い訳は?」

男「ぐぅの音もでません」

侍「ぶ、部長……」

部長「シャラップ! ビークワイェット! 侍ちゃんは黙ってなさい!」

侍「ですが……!」

男「お前はあまり関係ないだろ?」

部長「ストッープ! イチャつくな! 男君は文字通り副部剥奪! これからは罰を受けてもらっちゃいます!」

男「甘んじて受け止めます……」

部長「まずは校庭25周!」

男「えぇ! 数字がまたリアル!(楽勝だけど)」

部長「あと道場隅から隅まで綺麗にして!」

男「はい……(昨日侍黒掃除したんだけどなぁ)」

部長「ついでに部費の回収!」

男「はい……」

侍「いくらなんでも過ぎては……」

鈴蘭「先輩はいいから聞いててください。ね?」

部長「最後に稽古の前と終わった時号令!」

男「はい?」

部長「部長会議とかあった時には率先して出向くこと!」

男「え? え? んなことしたら部長の仕事ないんじゃ……」

部長「そ。これからは男君が部長☆」

侍「じゃあ某が……」

部長「副部長☆頼むよこれからは」

男「……ははは。なんだよ……」

部長「高体連終わったら私引退だからね……」

青磁「おめでとうございます副部長……じゃなくて部長」

男「照れるなぁ……。こういうの」

部長「でも走れよ」

男「え?フリとかじゃなくて……」

侍「走れ」

男「……いってきます」


 部活終了

侍「お主、わざと青磁に負けておったな?」

男「自信付けてやらないとな。団体で俺におんぶに抱っこされちゃ困るし。士気を上げるのも部長の役目だ」

侍「器の広さ、か……」

男「あー。ちょっと喉乾かないか? 寮寄ってこうぜ」

侍「そうだな」

男「すいませーん。ファンタ下さーい」

侍「お茶でも可」

青「あんた達は小学生なの?」

男「俺の部長就任祝いぐらいいいだろ」

無「え! 部長になったの!」

侍「某が副部長だ」

青「何よ……! 見せつけてくれちゃって……!」

無「冷蔵庫になっちゃんあるから勝手にのんでけ」

男「ありがとさん。お邪魔しまーす」

侍「某は冷たいお茶がいいのだが……ん? 某はこれでいい」

青「あ! それは朱色さんの……!」

侍「(グビグビ)……炭酸入りのお茶なんて珍しいのう」

無「それ……朱色さんが飲みかけてた玉露入りのチューハイ……!」

侍「はぁ! 管理人ともあろう者が昼間から酒に浸っているのか! けしからん!」

男「突込む所はそこじゃない。最近はこんな酒も発売したんだなぁ。好事家もいるもんだ」

無「そこでもない! 酒だぞ酒!」

侍「不可抗力である以上しようのない話だ。せいぜい酔いが覚めるまで表には出ないよう尽力すまでだ」

 10分後

男「お前、顔赤くなってきたけど大丈夫か?」

侍「流石酒だ。部活の後だからか酔いが回るのが早い」

男「吐きたくなったら色無さんのとこ行けよ」

無「トイレに行け!」

 30分後

侍「体が怠くなってきた。ちょっと荷を下ろさせてもらおう」

 ジャララララ にゅ〜 コトン カラーン 

青「何これ?」

男「鎖鎌に鉄扇だろ。矛が一本に苦無が3本。熊手が両手だから二つか。あとはいつもの大小だな」

無「こんなものいつも持って……! 一体矛はどこから出てきたんだ……!」

 40分後

侍「暑くなってきたのう……」

 パサ

無「なんだこの包帯?」

男「なぁぁぁぁぁ!!!!! 貸せ!!!」

無「ん? ……まさかこれ……!」

男「青! これもって侍黒を風呂場連れてけ!」

青「え? これ……! ちょっと侍黒!」

侍「フッフッ……しょうがなかろう、暑いのだからな。ふぅ……(ハラ)」

男「こ、こら! ぬ、脱ぐな!」

侍「肩までだから良かろう? それに……ふふっ、男と言うのはこれぐらいがそそるのであろう?」

朱「騒がしいぞぉ……何してんの?」

全員(酒天童子光臨)

侍「朱色殿ぉ……こやつらが某を迫害しようとするのじゃぁ……」

朱「何ぃ?」

男「これは酒が」

朱「お前らぁ! そこに座れぇ! さぁ侍黒! 思う存分やれ! ヒック、色無! 音楽スタートぉ!」

無「お、音楽ですか?」

朱「適当に雰囲気いいの流せばいいんだよ! カーテンも閉めろ!」

 〜♪

侍「そういえばさっきお主、さっき某の晒を見た時異様に同様してたのう?」

男「よ、寄るな……!」

朱「寄るな? 姉さんに失礼だろう!」

 ふに

男「ふぁ!」

侍「普段はあんな猥談をしとるわりには……ふふっ、たわいのない(フッ)」

男「ひゃん!」

侍「ふふふ、耳に息を吹いただけでこの様か……」

 ぎゅう

男「や、やめ……!」

無(ゴクリ……)

侍「気になるか? いいのだぞ……触っても。男のこ・の・手・で……(ペロ)」

男「舐め……!」

侍「言葉を借りるなら据え膳食わぬは男の恥ではないのか?」

男「ここでするわけには……!」

侍「ではここで無ければ揉みしだいたというわけか?この獣め」

男「そういうわけじゃ……!」

侍「意気地無しが。一人の女をここまでさせといて箸をつけぬとは。虚勢しか張らぬなら去勢してしまえ」

朱「ひひひひwwww親父ギャグだろwwwwwwww」

侍「甲斐性無しの根性無しの知識だけをつけた童○の子猿が。ほれ」

 ぐぐっ

男「ぐ……!」

侍「悔しゅうないか? のう? 布一枚下にお主が見とうて見とうて堪らんものがあるのだぞ? くくく……」

男「もう、やめろ……!(ウル)」

侍「泣いておるのか? ふふっ……可愛らしいのう?(ペロ)」

無「もうやめてや」

朱「デュクシ!(パチーン)」

無「痛っ! ビンタにデュクシはないでしょ!」

朱「姉さんの邪魔するな!」

侍「白ける儂。ふぅ、また暑くなってきた、ふふっ」

朱「お前ら! コールだコール! 脱ーげ! 脱ーげ! 姉さん! 扇子が色っぽいよー! お前らも!」

無「脱ーげ。脱ーげ」

男「……(グスン)」

朱「泣いてんじゃねーよwwwwwwwww」

男「(ボソ)脱げ。脱げ」

侍「声が小さい! 顔が笑っとらん!」

男「脱ーげ!!! 脱ーげ!!!!! 脱ぅげぇ!!!!」

無(や、ヤケクソになったか……!)

 バシャぁン

侍「……(ポタポタ)」

黄緑「脱ぎたくなったかしら?」

侍「……はい。着替えてまいります」

青「間に合ったわね……」

男「ありがとう黄緑さん、青」

黄緑「大変だったわねぇ。侍ちゃんにはこれからは間違えないように注意しておいてね」

男「はい。後物置貸して下さい」

青「物置で何するのよ?」

男「30分でいいから」

男『……ウェ……スンッ……グッ……ァ……ァァァ……』

無「泣いてるぞ……!」

青「流石に放っておいてあげようか……」

黄緑「あとは……」

朱(ビクッ)


 喧嘩するほど仲がいい

侍「相変わらず手癖が悪いなお主!」

 キィン

男「お前の手入れは最高だな、この苦無も喜んでるだろうよ!」

侍「武人たるもの手入れは欠かせぬからなぁ!(ググ)」

男「肌の手入れもネ。スベスベだったなぁ……お前の太股」

侍「……貴様ぁ!!」

 キィン カキン

無「この喧嘩……もう俺達が入れる領域じゃない……!」

緑「そもそもこれは喧嘩じゃない」

 男は敷居を跨げば七人の敵がいる

無「俺? 俺のどこがフラグビルダーなんだよwwwwwwwwwww」

男「アハハハハハwwwwwwwwwww(デュクシ)」

無「うわらばっ!」

 ゴゴゴゴゴ……

男「こ、この気迫は……!」

『ドSの黒!(ドン)』

『説教の青!(ドン)』

『泣落としの白!(ドン)』

『スパイス黄色!(ドン)』

『ドジっ子茶色!(ドン)』

『薔薇色緑!(ドン)』

『食物連鎖ピラミッドの最頂点、黄緑!(ドン)』

男「か、勝てねぇ……!」

 女三人寄れば姦しい

青「この前は喧嘩してたのに貴女達はすぐ仲良くなったわね」

侍「女は愛嬌だからな。向うが謝れば許すのが筋であろう」

黄「実際どこまでいったの?」

青「ブッ! ちょっと黄色! ストレート過ぎよ!」

黄「そうかなぁ?」

青「ったく。……それで、男とはどうなのよ?」

侍「結局同じことを聞くか! 何もないわ!」

 男三人寄れば文殊の知恵

無「フヒヒwwwwwwwwwwwwwwwww」

友「グフフwwwwwwwwwwwwwwwww」

男「ドゥフフwwwwwwwwwwwwwwww」

三人「wwwwwwwwwwwwwwwwwww」




男『さぁーて。勉強終わり、寝よ寝よ(パチン)』

侍「(チラ)奴の部屋の明かりが消えたな……!よし!」

ラジカセ「(ピンポンパンポーン)只今よりCOLOR出版、高校英語2年、リスニング、模擬試験を開始します」

侍「青も良い物を持っておるものだ……! これで明日は……奴に勝つ!」

ラジカセ「次の単語の、意味を答えなさい」

侍「こい……!」

ラジカセ「reproduction reproduction」

侍「り、りぷ……え?」

ラジカセ「fictional fictional」

侍「ふぃ……ふぃ……く……」

ラジカセ「share a room share a room」

侍「しぇあ……しぇああ……」

ラジカセ「次の問題です」

侍「もう次なのか!」

ラジカセ「次の英文の意味を答えなさい」

侍「次こそは……!」

ラジカセ「He is injected a narcotic and has changed. He is injected a narcotic and has changed.」

侍「……ひぃいず……ひ……」

男『ぷふふふふwwwwwwジ、ジミー大○かよwwwwwwヤバいだろwwwwwwくけけけけwwww』

侍「(ビキ)貴様ぁ!起きておったかぁ!(ジャララララ)」

 ガシャアン トン

男「ふん! 半生半熟が!」

侍「畳替えし……だと!」

男「第一お前声がデカいんだよ! 沈思黙考を覚えろ!」

翌日

先生「じゃあ男君、この単語の発音は?」

男「えっと……れ? り? り……ぷれ……」

侍「……」


侍「男よ。ちょっといいか?」

男「お? また竹刀直してほしいのか?」

侍「うぅ、どうもささくれが削っても無くならくてな」

男「わかった。部室にはまだ余ってる竹はあるんだよな?」

元部長「あー……男君……」

男「先輩もですか?」

元部長「そうなの。ダー……じゃなくて顧問もできなくてさ」

男「いいですよ」

鈴蘭「え! 竹刀って直せるんですか?」

男「竹刀は元は4本の竹を組み合わせて作ったものだから、その内の一本が悪くなっても交換すれば使えるよ」

鈴蘭「でも私のはここで借りてるものだし……」

男「でも愛着のあるやつとかはあるでしょ? メンテナンスがてらに見とくよ」

鈴蘭「じゃ、この子をお願いします」

男「この子って、相当入れ込んでるね……せっちゃんは?」

青磁「じゃ僕もいいですかね……」

侍「お主は竹刀をいじるのが何故こうも好きなのか……」

男「ぶ、部長だからな……!」

 初めは遊び半分だった。

部長『へぇ〜男君。弦結ぶのうまいね〜』

侍『どんな者にも才能はあるのだな……』

男『ヲイ!』

 貧乏性が功を奏したのか、俺の竹刀をリペアする技術は周囲に認められた。

 しかし、普通に直しただけではつまらない。

男『そういや、刀って茎(ナカゴ)に号とか銘とか刻まれてるよな……』

 俺は必死に図書館を駆けズリ周り銘刀の名前を調べあげた。

 そして……。

男『柄の部分にちょいと彫っても気付かないよな……(カリカリ)』

 “長篠一文字”

男『おぉ……ほほぅ』

 将来黒歴史は確実だったが、俺の衝動は歯止めが利かなかった。

 男宅

男「ちょうど5本あるしなぁ〜。天下五剣とかいい感じだよなぁ〜。それとも個人の特徴で決めようかなぁ〜。迷うところだ。せっちゃんは若手ホープだから沖田総司を模して菊一文字とか。そんで鈴蘭ちゃんは容姿がいいから村雨丸。先輩はロリだし竹刀と同じ位の背丈だから物干し竿で。俺は部長だから当然虎徹だろ? で侍黒は妖刀村正——」

侍「(ガラッ)恃もう。窓から失礼」

男「おっひっゃあ!!」

侍「何もそこまで驚くことはなかろう。竹刀を受け取りにきただけだ。用が済めばすぐ戻る」

男「そうか……悪い。まだできてないんだよ、これが……明日必ず渡すから、な?」

侍「お主、今咄嗟に布団の中へ何か隠さなかったか?」

男「え? 何……?」

侍「ははぁん……。よいよい、楽にせい。お主も男子よのう……」

男「ははは、いやぁ最近溜まっててしょうがないんよ……」

侍「では某は退散させてと見せかけてぇ!(バサァ)」

男「あ!」

侍「日本名刀辞典……?」

男「これは……!」

侍「竹刀に刀……。よもやお主の性癖も……。き、気にするな! 誰にだって秘密はある!」

男「常識的に考えろ! 刀に欲情するか!」

侍「う、うむ。常識的に考えよう! ない! ないな!……(ジー)」

男「違うからだからもう!」







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Last-modified: 2012-10-21 (日) 11:19:43