侍黒メインSS

男「とうとうきたか、中間試験……!」

侍「ふっ、今回も某が勝つのは目に見えておるがな」

男「どうかねぇ?盛者必衰、あまり付け上がると無常の鬼が身を責むるぞ?」

侍「試すか……?」

男「望むとこだよ……!」

侍・男「「いっ!せー!のっ!」」

パラ

侍「何……!97……!」

男「ふっ、3点差で俺の勝ちだな……!」

侍「そんな!漢字が完璧な某が漢字一問間違えたお主に……!」

男「今回のテストは文章が主だからな。お前はそこで地味に点を引かれたんだ」

侍「逆に文章問題で点を引かれんほうが難しいぞ……」

男「普段からあらゆる漫画、小説、映画、ドラマ、エロゲを網羅してればこんな問題、楽勝だな」

侍「お主は感情移入しやすいからな」

無「凄いな、お前ら」

男「俺らにとっちゃ国語のテストなんて90台が当たり前、下一桁目で勝負してるようなもんだ」

侍「左様、いかにもその通りだ」

無「ムカつくな……!他はどうなんだよ?」

男「他……?知らん」

侍「……知らんなぁ?」

無「黄緑さ」

男「見せる!見せるから!」

侍「黄緑は止めてたもれ!」

無「これ合計書いてある紙か……」

出席番号 03 男(仮) 国語~97 数学~41 現社~46 物理~35 英語~36 保健体育~82 家庭~31

出席番号 28 侍黒 国語~94 数学~34 現社~52 物理~29 英語~32 保健体育~56 家庭~96

無「お前ら……!」

男「だから国語だけなんだよ俺達は……!」

侍「歴史ならもっと上を狙えたのに……!」

無「てか(仮)ってなんだよ!(仮)って!」


男「みんなー集合ー」

野郎共「はいッ!」

男「えっーと、待ちに待った高体連地区予選な訳だけど、悔いのないよう、無理せず頑張りまっしょ。以上!」

野郎共「はい!」

侍「なんださっきのやる気のない掛け声は……」

男「『戦って死ねなど甘いことは言わん!生きて必ず帰ってこい!』とか?」

侍「それでは死合ではないか……。せいぜい『いくぜ!野郎共!』ぐらい言ってほしかったものだが」

男「俺ら狩りにでも行くのか?どっちにしても俺そんなガラじゃないし、あれでいいの」

侍「ユルい……!」

男「ほら、女子団体始まるぞ。5人ちょうどしかいないんだから遅れるなよ。(ポンポン)」

侍「むぅ」

鈴蘭「副部長……!」

侍「どうした?」

先輩「頑張ってね……!」

侍「……!まさか……!」

先輩「副将戦、あのカーマイン先生(あだ名)とだから……!」

侍「あの出だし速攻と独特の笑い声で有名な……!相手にとって不足なし!」

審判「面有り!」

侍「嘘……?」

カーマイン「フェフェフェ」

先輩「速攻だよ……」

鈴蘭「つ、次は大丈夫ですよ!きっと!」

侍「何とか勝てたが……!危なかった」

男「おめでとう……」

侍「浮かない顔をしておるが……まさか……!」

男「ごめん、負けちゃった……!」

侍「かーッ!情けない!お主は一体何をしておったのだ!」

男「大将くるまでに先次中って負けちゃって……」

侍「むぅ、それは仕方のないことかもしれんが……」

男「名前がピクルオグリーンとか渋色とかオーガニックブルーとか……ビスケットなんか一番露骨だろ!」

侍「確かにやばそうな名前が並んでおるな。お主は誰と当たったのだ?」

男「オーガニックブルー、エフッって笑う人初めて見た」

侍「よく生きて帰れたな……」

男「俺は一応勝ったからな」

侍「勝てたのか!?」

男「避けてたら勝手に線からでてくれて」


侍「結局団体は3回戦か……」

先輩「ごめん」

男「みんなお疲れ。あっちでみんな休んでるから」

鈴蘭「……。グスン。(トボトボ)」

男「せっちゃん、鈴蘭ちゃんのこと慰めてきな」

青磁「部長は今から個人戦なんだから僕は」

男「唐変木、せっかく千載一遇のチャンスを与えてやるってのに。こんな美味しい場面はそうそうないぞ?」

青磁「部長がそういうなら……」

男「先に休んでろ……!なぁに、すぐ戻るさ……!」

男「みんなは?」

侍「向こうのビニールシートで休んでおる」

男「お前もいなかったら更にやりやすいんだが……。(シュル~ギュ)」

侍「某はお主の邪魔をしにきたのだ」

男「ありがとさん副部長……!」

審判「今から男子、個人戦を始めます」

男「よし……!いくか……!」

侍「男よ……!」

男「何でしょ?」

侍「お主を打負かすのは某の役目だ、それを忘れるな!」

男「んー……、あ!そういうことか!素直に『頑張るのだぞ』とか言えないの君ぃ?」

侍「だっ、だから某はそういうつもりでは……!」

男「いってきまーす」

男(俺の相手は……)

ギャラリー1『源氏先輩ー!頑張ってー!』

ギャラリー2『先輩ー!かっこいいぃー!』

ギャラリー3『源氏先輩負けないでー!』

源氏鼠『はは、みんな騒ぎすぎだよ♪』

男(ピキ)

男「ふぅ」

侍「最初から飛ばしていきおったな」

男「なんか、相手から色無しさんと同じ臭いがした。心底スカッとした」

侍「鬼かお主は」

男「仏の顔は三つあるけど阿修羅の顔も三つあるんだよ」


侍「某の出番か」

先輩「頑張って!」

鈴蘭「ファイトです副部長!」

侍「うむ!」

ツツジ色「小手ぇぇぇ!!!」

審判「小手あり!」

侍「ぐ……! ん……?」

男『頑張れー! ツツジ色ちゃーん! そんな擬古潰せー!』

青磁『部長!そっちは相手……! てかなんですかそのハッピは!』

男『俺は中学の時から隠れツツジ色ちゃんファンクラブ員なんだよ!』

鈴蘭『よりによって副部長が相手の時に……!』

男『ツツジ色ちゃんは今年で引退なんだよ! 優勝こそが有終完美だろうが!』

侍「……」

男「……」

青磁「部長! しっかりしてくださいよ!」

鈴蘭「ほら! 副部長も決勝ですし!」

侍「あー、肩慣らしにはちょうど良かったのう」

男「ツツジ色ちゃんファンクラブも今年で解散……。俺もあの和製ジャンヌダルクの下に付きたかった……」

先輩「私じゃ嫌だったの〜!」

男「先輩は先輩で最高なんですけど月とすっぽん、要はベクトルが違うんですよ。比べることが間違ってる」

侍「口先三寸め。お主、男子個人の決勝が始まるぞ」

男「おう……」


ピンポンパンポーン

『只今から女子個人、決勝戦を開催します』

鈴蘭「頑張ってください!」

先輩「リラックスリラックス!」

侍「うむ」

男「足震えてんぞ。(パンパン)」

侍「ふヲ!さ、触るな!」

男「えーっと……誰だったかな? 俺のこと打ち倒すとか言ってた奴?」

侍「わかっておる!」

男「なら行って勝ってこい」

侍「ふん!」

先輩「扱いうまいね〜」

男「あいつは昔から追い込んだほうがいいんですよ」

先輩「それでこそ部長に任命したかいがあるってさ」

男「相手は?」

先輩「3年の岩黒って人」

男「なんで名前に黒って付く奴は武闘派ばっかなんだか」

岩「面っっっ!!」

審判「面有り!」

侍「くッ!」

鈴蘭『先輩ファイトー!』

侍「小手ぇ!(カシャン)」

岩「……」

侍(小手も面も駄目、胴なんて問題外か……!)

男『打ち合うだけじゃなくてちょっと距離とれ』

侍(カウンター……! なら次に面がきたら一歩下がり面で……!)

岩(グッ)

侍(くるか!?)

岩「面んっっっ!!」

侍(ここで引いて!)

侍「メェェェェン!!!!」

審判「面有り!」

鈴蘭「副部長おめでとうございます!」

先輩「危なかったけど勝てたね」

侍「ありがとう。……あの馬鹿はどこへ?」

鈴蘭「部長は今せいちゃんと決勝の準備に行きました」

侍「わかった。行くぞ」

先輩「ちょっとちょっと面ぐらい外してから行こうよぉ!」


男「(ギュ)よっと、準備万端。後は運を天に任せるだけっと」

青滋「部長なら勝てますよ」

男「なるべくなら勝ちたいね」

侍「男!」

男「お?気にするな、相手は去年も優勝した」

侍「某は勝ったぞ!」

男「そうですカそうですカ」

侍「わかっておるのだろうな!」

男「はいはい優勝優勝」

男「小手ぇェェェ!!!」

審判「小手有り!」

男「……な?」

侍「何が『な?』だ!」

男「優勝だろ?」

侍「貴様……!」

青滋「二人とも!表彰式が始まりますよ!」

侍「やはり貴様には虫酸が走る……!」

男「……わけがワカラナイ」


先輩「二人ともおめでとう」

侍・男「ありがとうございます」

青磁「次は県大ですね」

男「めんどくさいよねぇ」

侍「そういうのであればその杯は返上するのだな」

男「わかってるよ。勝って兜の緒を絞めろってな」

侍「そういうことだ」

先輩「そうしてくれると私も嬉しいな。もう、私は引退だからね」

侍「お疲れ様です。後は某に任せてください」

先輩「うんうん。頑張ってね!青磁君と鈴蘭ちゃんも」

青磁「はい」

鈴蘭「はい……」

先輩「どうしたのさぁ! 元気元気!」

鈴蘭「だって……先輩……グスン」

先輩「たまには顔を見せるからさ」

鈴蘭「約束ですよぉ……!」

男「せっちゃん」

青磁「ほら、鈴蘭ちゃん涙拭いて」

先輩「ナイス男君。その調子で采配を奮ってね」

男「任せてください」

顧問「……」

侍「せ、先生!」

男「いたんだ」

顧問「優勝おめでとう。それで県大なんだけど、ちょっと遠出になっちゃうんだ」

男「で?」

顧問「一泊二日ぐらいで泊るかもしれないから」

男「ふーん」

侍「そうか」

顧問「何その反応? 『部屋割りは?』とか『お風呂は?』とか『布団は?』とかもっといい反応——」

先輩「さぁ! 今日は先生の奢りでパーッと行くよー! 私の引退と優勝を祝いにねー!」

侍「某は寿司がいい」

男「俺も寿司が食いたいな。玉がうまい所」

先輩「じゃーみんな私のダーリンの車乗っちゃてー!」

青磁「ダー……リン?」

侍「言葉の通りだ」

鈴蘭「そうだったんですか! 先生が彼氏かぁ……」

顧問「何で今言うのそれ……! なるべく秘密って……!」

男「(ポン)まぁ、その内良いことありますよ。きっと」

顧問「……このポジションは僕じゃない……!」


青『それでは只今より、高体連表彰式を始めます』

男「表彰式なんてあの会場でやれば充分だよな」

侍「左様」

男「そもそもなんで俺達だけなの?」

侍「時期が遅いのだ。仕方あるまい」

青『二人は剣道個人戦で共に優勝し、今月末の県大会に出場が決まりました』

男「……すまん。言い忘れた」

侍「どうした?」

男「一言ずつ抱負とかのスピーチ……昨日顧問から聞いて……すまん」

侍「はぁ!」

青『?』

侍「あ…! いや……つ、続けてくれ……!」

青『では部長の男君、お願いします』

男「本日は私達の為にこのような会を開いてもらい本当にありがとうございます(ペコ)」

侍(ペコ)

男「県大会は優勝できるよう全身全霊、力戦奮闘したいと思います」

青『ありがとうございます。続いて侍黒さん、お願いします』

男「キメ台詞頼むぞ?」

侍「うるさい! ……えーっとこの度」

 フォォォォ………ん

男「ぷ、ハウった……!」

侍「……県大会でも優勝目指して頑張りまする……」

青『あ、あり、ゴホン! ゴホンフフ! ありがとうございます!』

 舞台裏

侍「青の奴……! 笑うのを咳でごまかしておったな!」

男「ハウリングさせた挙句にあの演説じゃあな」

侍「き、緊張したのだ!」

男「俺もまぁ緊張したな。初めてだったし。あー、結婚式ってのもあんな気分なのかなー」

侍「なななななにを言っておるのだ貴様!!!! 狂ったか!!!!!」

男「え? あぁ! 勘違いするなよ!!! 今のは例えであって別にお前との話じゃネーよ!!!」

侍「はぁ!? 勘違いなんてしておらんし!!!」

男「じゃあ何でそんな必死なんですかー!? 僕は一言も侍黒ちゃんとなんて言ってませーん!!」

侍「小学生か!」

青『ゴッゴホン! ォホン! 舞台裏の二人、静かにして下さい。今校長先生の——』

 フォォォォ…………ん

青『……フフフフ……ん゛ん゛っ! 失礼しました。校長先生、お願いします』

男「ハウリングがツボみたいだな」

侍「今の会話がまる聞こえだったことを突っ込まんか!!!」


侍「ん……ここは……?」

男「起きたか?」

侍「(ジャララララ)貴様! 某をいつ拉致した!?」

男「鎌をしまえ。俺も目が覚めたらこの変な空間にいたんだ」

侍「(シュルルルル)そうか。何なのだ、この暗いところは?」

『二人とも目が覚めたようだね』

男「どちらか一方を殺さなきゃこの空間から出れないとか勘弁な」

侍「何番煎じだと思っておるか……まぁ某ならこやつなぞ秒殺だがな」

『「どこだ!」とか「誰だ!」じゃないのか……話を戻そう、ここに7つの地球があるだろう?』

男「はいはいはいはい!! で? 最初はどこの世界?」

侍「何の話だ? 某にはさっぱりなんだが」

男「ここに7つ地球があるだろ? この内6つの地球に行き、旅をするってことだ。移動方法は知らんが」

侍「何故にその様な下らぬ遊びを某が?」

男「各世界に何かしら試練みたいなのがあって、期限内に旅を終わらせないとこの7つの地球が……ボン!」

『……話は今の通りだ。始めハ1期目の世界へ——』

侍・男「や・だ」

男「さっきから語ってるお前! 虚室生白、最初からお前が黒幕ってのはわかってんだよ!」

侍「ありがち設定だな」

『そんな……!』

男「むしろ俺たちに世界壊させようとしてね?」

侍「うむ、ありだな」

『そんなことないよ! 本当に各世界壊れちゃうよ? いいの?』

侍「別に」

男「まぁねぇ……」

『ラブラブな世界とか、まだファンタジーものの世界とか、全部なくなっちゃうよ!?』

男「はぁ? ラブラブだぁ? 気味の悪い」

侍「同感だ。そんな世界滅びてしまえ」

『もういいよ!! それなら無理矢理にでも送ってやらぁ!!!』

侍「と、いう夢で起きたのだが」

男「偶然だな。俺もだ」

侍「しかし、何だ? 教室に深緑とか翠緑なんぞいたか?」

男「いたって! ほら! 目立たないけどいたって!」

侍「今、向こうに鎧を来た某が歩いていたような……!」

男「く、黒のコスプレだからそれ! 絶対!」

侍1期『ときに男よ、お前は皆に可愛がられて羨ましいのう』

男1期『それほどでも……』

侍1期『生類哀みの令はまだ失っておらぬのだな……』

男1期『俺は犬か!』

男「見てない……! 俺は何も見てないぞ……!」

侍「認めぬ! 認めぬぞ!」


男「着座!礼!」

鈴蘭「副部長……ちょっといいですか?」

侍「なんだ?」

鈴蘭「ここではちょっと……」

店員「お待たせいたしました。こちら白玉善哉になります」

侍「某に。では頂き——」

鈴蘭「その前に!」

侍「食べ終わってからでよかろう」

鈴蘭「さっきは『白玉が来たら聞こう』って言ったじゃないですか!」

侍「むぅ、しようのない。早く済ませい」

鈴蘭「あの……! これ、絶対秘密ですよ?」

侍「わかったわかった」

鈴蘭「本当に絶対ですよ!」

侍「某を信じておらぬのか? 早くせんか」

鈴蘭「……私……青磁君と……つ、付き合ってるんです!」

侍「……で? 惚気る為だけに某を?」

鈴蘭「い、いえ! 私、男の人と付き合うのは初めてで、どうしたらいいのか副部長に……!」

侍「何故某なのだ?」

鈴蘭「副部長なら部長と仲いいし……その……どこまでいってるのかなぁ……って」

侍「(シャキン)惚気る前に寝惚けておったか! どれ某が叩き起こしてやろう!」

鈴蘭「えぇ! なんでですか! 副部長と部長って——」

侍「黙れ! 貴様の天然もそこまでくると甚だしいわ!」

鈴蘭「だって部活紹介のビデオ見たら、みんな付き合ってるって思いますよ!」

侍「やっぱりあれか! 〆てくる! 今からあの幼女とロリ顧問〆てくる!」

鈴蘭「付き合ってなかったんだ……どうしよう……私……」

侍「(カシャン)はぁ……そこまで構える必要はないのではないか? 青磁もお主と同じことを考えてると思うが」

鈴蘭「せーちゃんも……?」

侍「そういう関係は『なる』ものではなく『なって』行くものだと思うのだがな。それも若さだ」

鈴蘭「そうとはよく聞きますけど……」

侍「なら某ではなく青磁本人に聞けばいい。お互い過去に余り関わりが無いから新たに知る事もあろう」

鈴蘭「そうですね」

侍「多少気に食わぬ所があっても目をつむってやれ。男を立てるのも女の役目だからな」

鈴蘭「はい! 何か話たらスッキリしました! やっぱり副部長に話して良かったです!」

侍「役にたつかは知らぬがな。では、頂きます。むぐ、うまい」

鈴蘭「それとこの話、絶対部長には言わないで下さいね?」

侍「言って某に得することはあるか? 言う訳がない。うん、ここの餡こはいい」

鈴蘭「ぜ、絶対ですよ!」


 授業中

鈴蘭『絶対に言わないで下さい!』

侍(ボー)

男「おい。指されてるぞ」

鈴蘭『絶対に言わないで下さい!』

男「(ペチペチ)くぉら!」

侍「ひぃやぁ! 某は言っておらん!」

男「言っておらんだろうが、お前は今からこの問題の答えを言うんだよ!」

侍「ぶ、V3!」

男「仮面ライダーか!」

 部活中

男「てぇやぁぁぁ!!!!」

侍「ゃあぁぁぁぁ!!!!(チラ)」

青磁「ファイトでーす!」

鈴蘭「副部長頑張って!」

鈴蘭『絶対に言わないで下さい!』

男「面ェェェーん!!!!!」

侍「あ!」

男「今のは完璧に入ったぞ! 言い訳無用だからな!」

侍「まて、今のは……!」

男「問答無用情無用! 279戦140勝139敗!」

侍「鈴蘭……何故に男に言ってはならぬのだ?」

鈴蘭「噂なんですけど、部長って友達が告白されたり付き合ったりすると、嫌がらせが酷いらしいんですよ!」

侍「初耳だ」

鈴蘭「友達を体だけ地面に埋めて、接着剤で額に靴をくっつけたり、パンダカーに乗って彼女を拉致したり……!」

侍(意味がわからん……)

鈴蘭「まさか! 言っちゃったんですかぁ!?」

侍「言っておらん! おらんぞ! 断じて!」

鈴蘭「お願いです! 本当に言わないで下さいよぉ!」

 侍黒宅

侍「言ってはダメ……か……」

男「(ガラッ)トゥス!」

侍「(ビクッ)な、何の用だ!」

男「明日朝練するって言ってただろ? 寝坊したら置いてくからな。それだけ言いに来た」

侍「余計なお世話だ! 用が済んだらさっさと帰れ!」

男「はいはい(ピシャ)」

侍「……言いたいッッッ!!!」


侍「……朝か。結局一睡もできなかった」

男「(ガラッ)おい、準備できたか?」

侍「……置いていくのでは?」

男「後味の悪さを考慮した結果だ。時は金なり、早く行くぞ」

侍「やぁぁぁぁぁッッッ!!!!!」

男「でぇやぁぁぁぁ!!!!!」

鈴蘭『お願いです!』

侍(どうも鈴蘭の顔がチラつく……!)

男「小手ぇ!(ガシャ)」

鈴蘭『 部 長 に は 』

侍(だが今は……!)

男「どうした?足が動いていないぞ?そこだけお寝んねしたまんまか?」

侍(こやつめ……!)

ぽわん

悪魔侍『言ってしまえ。所詮他人の色恋、お主には何の実害もなかろう?』(CV.田中理恵)

ぽわん

天使侍『ダメだ!言ってはならぬ!鈴蘭を裏切るというのか!』(CV.沢城みゆき)

悪魔侍『ほれ、言ってしまえよ。さすれば楽になろうが』

天使侍『惑わされるな!鈴蘭との関係がもつれたらどうする!?』

男「胴ぉぉぉぉぉぉ!!!!!(スパーン)」

侍「何!」

悪魔侍『もたもたしておるからだ!お主の心の弱さが敗北に繋がったのだ!』

天使侍『今のはしょうがありませぬ!』

悪魔侍『そもそもお主は鈴蘭に抜かれて恥かしいと思わぬのか?彼氏もおらぬのに相談されて!』

天使侍『そういうのは機会だ!焦る必要などない!』

悪魔侍『機会なぞそうはなかろう。40近くになって婚活するのであれば仲間は多い方が楽しいぞ?』

天使侍『そんなことない!お主ほどならいい人がでてくるはず!』

侍「くっ……!」

男「おい大丈夫か?お前昨日からおかしいぞ?なんか心ここに在らずって感じだが」

侍「な、何でもない!」

男「何か悩みとかあるのか?その……なんだ?俺で良かったら……。こ、こういうのも部長の仕事だからな!」

天使侍『ほら!目の前にいるではないか!ちょっと性格に癖はあるが……!』

悪魔侍『そうだな。この男にせい。ついでに話してしまえ。本人も聞くと言っておろう?』

天使侍『それはダメだ!』

悪魔侍『貴様!さっきから五月蠅いのだ!(ザシュ)』

天使侍『ぐぁ!』

悪魔侍『さぁ!邪魔者はいなくなったぞ?存分に言うがいい!』

侍「男……!その……あの……!」

天使侍『な……なりませぬ!くはぁ……!(ビチャ)』

侍「前から言おうと思っていたのだが……す」

キーンコーンカーンコーン

男「やば、予鈴だ!は、早く行くぞ!」


紫「色無ー!お昼メ」

男「色無さん!ちょっと付き合ってくれ!」

無「あ?いいぞ」

紫「ちょ……!色無を横取りしないでよー!」

無「本当か?」

男「あれは何て言うか……告白の空気だった」

無「告白されかけたってどこまでなんだ?」

男「あいつ、昨日から俺を見る目が変でそれで今日聞いてみたんだよ。そしたら口ごもり始めて……」

無「言われたのか?」

男「『す』って言って瞬間チャイムが……俺、テンパっちゃって……!」

無「このフラグブレイカー!お前ら普段から仲いいから大義名分さえできればその場で……!」

男「流石にない」

無「次はお前から言うんだよな?侍黒がせっかく勇気を振り絞ったんだぞ!」

男「そこだよ。今まであいつを女として見たことなくて……!」

無「はぁ!」

男「女として見ればあいつ、面倒見はいいし料理は美味いし、綺麗だし、スタイルも……」

無「それはつまりお前、好きなんだよ!」

男「でもそれは俺が本当に好きなのかどう」

無「歯ぁ食いしばれ!そんな男いててて!!(グキ)」

男「やめてよね。本気で喧嘩したら色無が僕に敵うワケないだろ?」

無「痛ぁい痛いよぉ!だったら青磁君にでも相談すりゃいいじゃない!」

男「せっちゃん……?(パ)」

無「あ……今のは」

部活

男「青磁・F・セイエイ♪」

青磁「は、はい?」

男「黄緑さんのパーフェクトお料理教室は楽しいかい?」

青磁「え?それ誰から……!」

男「色無さんから。ひねり揚げたらポロッとね」

青磁「黙っていたのには訳が……!」

男「凝思寂聴。(ボソ)俺もその料理教室通おうかなぁ……って」

青磁「それは……」

カクカクシカジカ

青磁「良かったじゃないですか!」

男「遠くて近きは男女の仲って言うけどなぁ」

鈴蘭「(ガラッ)こんにちはー」

侍「たのもう」

男「お?彼女来たぞ彼女!」

鈴蘭「まさか……侍黒先輩!」

侍「某は言っておらん!」

男「知ってたの?色無さんから聞いたんだけど」

鈴蘭「バレちゃいましたか」

侍「はぁ、だがやっと肩の荷が下りた。おかけで睡眠不足だ」

男「睡眠不足?」

侍「一時はどうなるかと。今朝なんて鈴蘭の『す』まで言いかけてしまった」

鈴蘭「もー副部長口軽いー。あれ?どうしたのせーちゃん?部長?」

男「せっさん……。俺、今日帰る」

青磁「はい……」


侍「280戦140勝140敗だな。睡眠不足の分は取り返したな」

白「あれ? 二人とも今部活終わりですか?」

侍「白か、こんな時間に一人とは珍しい。黒はどうした?」

白「黒ちゃんは今日洗濯当番だから早く帰っちゃったの」

男「寮までは道同じだから一緒に帰らない?」

侍「今日は健診だったのか」

白「少し身長が伸びたんですよ!」

男「あんな小さかった白がこんな大きく……父さんは悲しいぞ……!」

 トン

男「あ、サーセン」

DQN1「イッテ! おいにーちゃん! ぶっかっといてごめんもなしかよ!」

男「今サーセンって……」

DQN2「聞こえねーんだよ!」

侍「男……!」

男「ちょ、ちょっと待っててね?」

DQN1「ねぇ兄ちゃん、ちょっと金貸して? マジで?」

男「おおおおお金ですか……? い、今出します……! あ!(ツルン)」

 チャラチャリーン

DQN3「うわ! こいつの財布小銭しか——ぐぁ!(ゴッ)」

男「悪かったな、金欠で」

DQN1「てんめ!」

侍「一人相手に後ろからとは解せぬな(トン)」

DQN1「ん!(パタン)」

DQN2「(シャコ)ふざけるなよ……!」

男「……ナイフだよ? ナイフ? 侍黒」

侍「(スゥー)刃物を抜いたからにはわかっておるのだろうな?(シャキン)」

DQN2「(カラーン)ひぃ……!」

男「おっと、逃がさんよ」

DQN2「なんだよ、悪かったよ! もうしねーから!」

男「君たちはそれでいいだろが、僕はそれじゃあ気がすまないんだよ」

 ゴゴゴゴゴゴゴ……。

男「乙女を怖がらせた罪……その身で存分に償うがいい……!」

DQN2「ゆ、許して……くだ……」

男「フォォォォォー!!!!!!(パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン)」

DQN2「ぅぁアッッッッッー!!!!!!!」

男「ふぅ。余計な体力を使ったぜ」

白「二人とも息がピッタリですね」

侍「前もこんなことがあってな」

男「『待ってて』は俺から先制、『先行ってて』は侍黒から先制ってことになったんだ」

侍「怖い思いをさせてすまなかったな」

白「いいえ。多分セバスチャンが遠くから狙ってましたから」

侍「え?」

白「あ! 二人がいなくてもよかったって言ってるわけじゃないんですよ!」


侍「『武士とは、死ぬ事とみたり』……!」

男「それは丸パクリだろ? 『戦わなくては生き残れない!』……なんか違うな」

侍「『雨にも負けず、風にも』……これも違う……!」

男「難しいもんだ……」

侍「『ふわモテ勝山髷☆』」

男「『大和が俺にもっと輝けと囁いている』」

侍「『今年の夏は小悪魔系打掛で気になるカレの気を引いちゃえ☆』」

男「『磨き上げた己に伊達正宗は裏切らない』」

侍「『学校じゃ教えてくれない光源氏のエロカワテクニック☆』」

男「『太政大臣すらも食い殺すワイルドさ!』」

侍「『人気の烏帽子で等身大の自分を演出☆』」

男「『衆道を貫け。それが揺がぬ個性を生み出すまで』」

侍「『大政奉還は頑張った某へのご褒美☆』」

男「『この鞘がヤバ過ぎる刀を程よく包んでくれる』」

侍「『愛され妖刀で御前試合はみんなの視線を独り占め☆』」

男「『ここからが俺の足軽レジェンドのはじまり』」

男「だいたいこんな感じだな。あとはここからピックアップするか」

侍「んー……中々決まらぬな」

男「先輩はよくスローガンを決める事ができたよな」

侍「この1年の目標となる文句であるからな」

男「俺としては『大和が俺にもっと輝けと囁いている』がいいんだが」


青磁「頑張ってください」

男「御茶の子砕々で粉砕☆玉砕☆大喝采☆だ。任せとけ」

鈴蘭「頑張ってくださいね!」

侍「む」

男「では明日は稽古のほうは頼んだぞ部長代理」

青磁「全国大会期待してますよぉ!」

 翌日車内 AM4:00

男「せんせー。今日は大会は何時ぐらいに終わるんです?」

顧問「キミらは問答無用で優勝するから夕方の5時は確定だからね」

侍「あまり買いかぶってもらっては困りまする。戦というものは万事——」

先輩「だからそういう話はやめ! 私達が聞きたいのは——」

男「俺達付き合ってません。はい終了。そんなにヘソで茶を湧かしたいんですか?」

侍「笑い話にもならんがな」

男「てかこれ以上聞いたらマスコミに先生売りますよ? 生徒を手込めにした教師がいるよって」

侍「先日も逮捕者が出ておったな」

顧問「僕達の関係は清くプラトニックな関係だ!」

先輩「まだCまでしかしてないよ!」

男「C……?」

侍「しぃとは……?」

顧問「それはいいとして今夜の部屋割りなんだけど男部屋と女部屋に2部屋取っておいたんだけど」

先輩「二人がいいんであれば部屋を……ね?」

男「貴方方は僕達を閉じ込めて蠱毒でも作りたいんですか?」

侍「だがやはり生き残るのは某だかな」

男「は? 生き残るの俺だし」

侍「試すか?」

男「いいですと……危ねぇ!!!! なしなし!! 今のなし!!!」


男「宣誓ー! 僕達ー!」

侍「私達ーは!」

侍・男「共に汗を流し、精一杯戦うことをここに誓いまーす」

先輩「共に汗を流すの?」

侍「やめてくだされ」

先輩「共に汗を流すって何かエロくない?」

侍「や・め・ろといっておる」

顧問「ほらほら個人戦までは時間あるから他の人の試合見るなり散歩なりしてきたら?」

男「ここだとお前の普段着も違和感ないな。木は森に隠すもんだ」

侍「普段着? どこに目を付けておる? これは本番用、言わば勝負服だ!」

男「どこが……?」

侍「まずは左の袖に我が黒家の家紋が刺繍してある」

男「六つ剣ね……」

侍「普段身に着けてる鉄扇や矛を収納するスペースを無くし軽量化した」

男(見た目は家紋だけかよ……)

侍「そして激しい試合を見越しての通気性のよい素材を使用!」

男(そこまでくるとわからん……)

侍「更にサラシを」

男「見せんでいい。というかしまえ」

侍「最後は下着」

男「ストォーップ!!!!!!」

侍「はかないのは当然であろうが。まさかお主……?」

男「……」

侍「部長がこれではな……。ふんっ♪」

男(意味も無く、負けた気分だ……)


侍「男ー! 時間ぞー! 不戦敗になるぞー!」

先輩「あ! 向こうの観客席にいるのそうじゃない!?」

侍「うつむいて何をしておるのだ……?」

 カクン  カクン

侍「……(ピパポ プルルルル)」

 止めどないー願いかーら♪一つだけ叶うのーならー♪

男『ッ!(ビクッ)』

 ガタン ツルン ガッシゃー

男『……(ピ)……もしもし』

侍「早く起きんか。試合、始まるぞ」

侍「某は一回戦勝ったぞ。お主が寝てる間にな」

男「おめでとうございます……」

侍「まだ眠たいのか? シャキっとせんか!」

顧問「じゃあここは部長! 気合いの入った掛け声頼むぞ!」

先輩「景気良く行こうか!」

男「ふぅ、それじゃ……剣に生き、剣に死ぬ! それが孤高のファンタジスタ! 行くぞぉ!」

侍「……お、うぅむ」

先輩「が、頑張って?」

顧問「いい加減メンナクから離れようよ」

男「シャあああああああ!!!!!!!!!!」

審判「面有り! それまで!」

顧問「やはり彼は突き放されるほど強くなるみたいだね」

侍「奴は昔からそうだった……」


男「フーッ! フーッ! フーッ! ……クワッ!」

顧問「ナ、ナイスファイト……!」

先輩「いい……試合だったよ!」

侍「血の気の多い奴だ」

男「いいよもう……お前らなんか……お前らなんか……!」

先輩「侍ちゃん! 次試合だよ!」

侍「そうですな」

男「お前も副部長なんだから何か掛け声言え! 『ガシ! グサ! 私は死んだ。ジケーツ(笑)』とか!」

侍「某が死んでどうする。さて次は四季高の者か」

先輩「楽勝でしょ、侍ちゃんなら」

侍「必ず勝てる勝負などありませぬ故、油断はできませぬ」

籐黄「やぁぁぁ!!!(カシャ)」

侍「面!!(カシャン)」

籐黄「小手面!!!(カシャン)」

侍(こやつ、手を休めん……相当必死だな……!)

籐黄「めぇぇぇぇん!!!(ズルッ)キャ!」

侍「なっ!」

 ゴ シ ャ 

籐黄「いてて……!大丈夫ですか?」

侍「大事ない。怪我はないか?(スクッ)」

籐黄「はい、すいません……。(スクッ)」

審判「構えて!」

先輩「うっそ……」

侍「すみませぬ……某の力が及ばず……」

先輩「そんな! 侍ちゃん勝てそうだったのに……!」

侍「……負けは負けです」

先輩「まさか……さっきこけた時ケガしたんじゃ……!」

侍「あれは少し関節を痛め」

男「負・け・い・ぬ(ポン)」

侍「にゃああああああああ!!!!!!!!!」


 旅館

顧問「今日はお疲れ様。男君は優勝で国体、侍ちゃんは……」

侍「……仕方ありませぬ」

先輩「でも手、捻るぐらいで良かったね……」

男「(ペチペチ)ほらwwwww反撃してこいよwwwwwwwそのドラえもんハンドでよぉwwwwww」

侍「……」

男「おらwwww荷物寄越せwwwwwwwとりあえずお前の部屋何号だよwwwwww」

 夕食

顧問「いいすき焼だねぇ」

男「やっぱ優勝したあとの飯はうまいっすwwwwwwwwwwwwwwwww」

侍「……」

男「お箸持てないんでちゅか?wwwwwしょうがねぇなぁwwwwwwwあーwwwwwwんwwww」

侍「あー……ん」

男「うまいか?wwwwwwwこっちの湯葉もいけるぜwwwあーんwwwww」

 入浴後

侍「良い湯でしたな。特に暗黒の大釜風呂が」

先輩「80℃のお風呂は流石にないよ。それにしても喉渇いたね、何か飲む? おごるよ?」

侍「そんな……! おごるなぞ某には……!」

先輩「いいから。今日のご褒美」

侍「むぅ、なら爽健○茶を」

先輩「はいよ(ピ)」

 ガタン ゴロン

侍「あ……」

男「フヒヒヒwwwwwこいつ缶開けられねぇのかよwwwwww哀れすぎるwwwwww」

侍「……」

男「(カシャ)wwwこんな簡単なwwwwwことすらwwwwできないなんてwwwwwwほらよwwww」

侍「(ゴクゴク)ぷは」

侍「あやつ……! 絶対にこの手が完治したら引導を渡してくれる……!」

先輩「待って。良く考えて。やってることはイケメンだよ?」


 男部屋

顧問「どうしたんだい男君? 温泉の後から元気がないじゃないか?」

男「あー……別に……」

顧問「ふふふ……君は若いな」

男「あれは物理的にはいるんですか!」

顧問「少しキツいけどね」

男「え……」

 トントン

先輩「(ガラッ)ちぇんちぇ〜」

男(ピ○コ!?)

顧問「どうした○ノコ? また寝れないのか?」

男(そういうプレイ!?)

先輩「しゃむりゃいちゃんじぇんじぇんあそんれくれらいのよさ! らんか、おもいつれたかおちてたよ〜?」

男(やめろよそのプレイ、聞き取れねぇよ)

顧問「そうか、侍黒が思い詰めたような顔を……男君」

男「だが断る」

先輩「ありょ?」

男「向こう行ったら実は侍黒元気で二人で寝ましょ、ってオチでしょ? 滑稽千万そんな餌釣られん」

先輩「本当だってー! 侍ちゃん何か落ち込んでてつまんないんだもん! 行ってみればわかるって!」

顧問「一応行くだけ行ってさ。騙されたと思ったら戻ってくればいいじゃないか」

男「ふぅ、しょうがない。メンタルケアも部長の務めか」

先輩「行ってくれるの?」

男「ちょっとからかってくるだけですよ」

 トントン

侍「どうぞ」

男「勘違いフラグを防ぐ為にちゃんとノックしてやったからな」

侍「は?」

男「こっちの話だ。先輩から今にもジケーツ(笑)しそうだから慰めてこいと」

侍「慰め……? つまり夜這いか! 貴様、某の右手が使えぬからと!」

男「そっちじゃない! この荒淫無恥!」

侍「黙れ!普段貴様の行いがこの結論に達するのだ! 第一、貴様が慰めなぞ嫌味にしか聞こえぬわ!」

男「優勝だもんねwww僕国大だもーんwwww」

侍「貴様っ!」

男「悔しい?wwww悔しいよねぇwwwww国大確実だったのにねwwww」

侍「……確実かどうかはわからんがな」

男「お前と比べりゃ全員ぬるかった。だから確実だ確実」

侍「そうか……」

男「……今年はほら、終わっちったけど、来年は……うん! 来年は国大ぐらい楽勝だよ! だから……な?」

侍「励ましてるつもりか?」

男「お? いや、そういうわけじゃ……」

侍「ふふっ、似合っておらんぞ」

男「笑うな。ったく、馬鹿にされて悔しくなったなら早く手ぇ治しやがれ」

侍「わかった」

男「よし、俺は部屋戻るからな。先輩が戻ってきたら遊んでやるんだぞ」

侍「承知した」

男「じゃ……お、おやすみ」

ピシ

侍「……おやすみ」


 翌朝

先輩「侍ちゃん元気になって良かったよー」

侍「御心配をおかけしました(ペコ)」

先輩「男君、侍ちゃんに何したの?ねぇ?ねぇ?」

男「ちょいと喝をいれただけですよ」

先輩「喝入れられて元気になるなんて余程のMなんだね……」

侍「某は生粋のSだ」

男「そういう話じゃない……」

先輩「やっぱ二人は相性いいんだね!」

男「……」

侍「……」

侍・男「「何か言……あ!」」

男「ハモるなよ! 被ると『あーやっぱ相性いいー!』とか言われそうだから黙ってたのに! この独活の大木!」

侍「某のどこが独活か!」

男「太もも! 無暗に自己主張が激しいんだよその太もも!」

侍「太ももは某のチャームポイントなるぞ!」

男「前はうなじがチャームポイントって言ってただろうが!」

侍「前は前、今は今!」

男「ついでに言うならその前はポニテだったな」

侍「なんと言うか……某自身がチャームポイントみたいな?(キラッ☆)」

男「……は?」

侍「いやだから某は某を」

男「……は?」

侍「貴様!(シャキ)」

男「おーおーやるんですか? やりますか? いいですとも!(チラ)」

侍「貴様なぞ鎌だけあれば充分だ!(チラ)」

先輩「いくら仲悪いフリしてもダメだから」

男「だから違うんですって〜!」

侍「やめてくだされぇ〜!」


鈴蘭「副部長負けちゃったんですか……」

侍「応援してくれたのにすまない」

青磁「お疲れ様です」

男「そうだ気にするな。弱いことは悪いことじゃない。弱いから練習するんだろ? 弱いから」

侍「殺す。右手治ったら絶対殺す」

男「そして弱い故に練習していた君達! ちゃーんと練習、してたかな?」

青磁「えぇ、まぁ。ちゃんとかどうかはともかく普通に部活はしていましたよ?」

部員A「やっぱりこいつに部長の代わりは無理ですよw次は俺にやらせて下さいよw」

部員B「……」

男「そうかそうか、では」

侍「灰ー!(パンパン)」

灰「(ガラッ)ここに」

男「例のCCDカメラの映像頼むよ」

青磁「そんなカメラどこに……!」

侍「道場から部室の隅までくまなく仕掛けさせてもらった」

鈴蘭「灰ちゃん……?」

青磁「ね、灰? 色無先輩の——」

侍「黒に言うぞ」

灰「ごめん、二人とも、背に腹は変えられないよ……!」

男「何をうろたえている? やましいことが無ければただの練習風景だろ? ではレコーダー再生♪(ピ)」

 ザザ……

鈴蘭『ちょっと痛いよぉ〜』

青磁『ごめん! 関節に当たった?』

鈴蘭『むぅ!(プイ)』

青磁『(スリスリ)ごめんって〜!』

部員A『Cちゃん……もっと……!』

部員C『ここぉ? ここがいいのぉおばかさぁん?』

部員B『1036……1037……1038……(ブンブン)』

 ピ

男「ん? 何これ?」

青磁「えと……」

侍「まだ関節は痛むか? それとも擦ってもらったから引いたか?」

鈴蘭「もう……引きました」

男「ありがとう灰。黒には黙っててあげよう」

灰「では……」

侍「さて部長、判決は?」

男「B以外全員着替えろ。本物の部活を教えてやる」

青磁「勘弁して下さい! ホント!」

部員A「すいません!もうしませんから!」


無「女子だけプールなんてズルイよなぁ」

男「男だからって、夏休み前にこんな流金焦土の中サッカーとか、狂気の沙汰だよ」

赤『とぅ!(バシャ)』

男「出席番号22番、赤。真っ赤なビキニと髪の毛はまるで今年の太陽のよう。夏は私の季節と言わんばかりです」

無「体操着の日焼け跡がいい演出を醸し出しています」

青『キャ! 赤! 飛び込みはやめ——ブッ! 黄色も!』

男「21番、青。水着の青色はツンの色。今はアイツに厳しいけれど、水着を脱いだらデレちゃうよ?」

無「寒冷色が涼しさを漂わせていますね」

黄『ごめーん! キャハハハ!』

男「24番、黄色。チェックのビキニは元気の印。カレーもいいケド私もね」

無「ヒップにカレーのワンポイントがプリントされているのが特徴です」

白『眩しいなぁ〜』

男「29番、白。白い髪に白い素肌に白い水着。フリルをつけたその白さが太陽光をも反射しそうです」

無「肌についた水滴が真珠のようにも見えますね」

黒『白、暑かったら日影に隠れなさいよ』

男「27番、黒。風にたなびく黒髪とそのボディは、男を殺す立派な凶器。鋭い視線が今日も男を打ち抜きます」

無「シンボルカラーの黒いビキニで登場です」

緑『……(ペラ)』

男「32番、緑。プールでも眼鏡と文庫は欠かさない。スポスクの角度のキツさが性格のキツさのバロメーター」

無「ピッタリ張りついた水着がボディラインを際立たせてます」

桃『キャ! 冷たーい!』

男「34番、桃。夏の太陽体に浴びて、胸に実った二つの果実。食べごろ年中、見ごろは今!」

無「やはり張り裂けんばかりの胸が——」

友『お前らー! キーパー同士が日影でさぼってんなー!』

男「はぁ〜い」

無「あーダル」


 授業中

侍「……っ!」

男「右手が使えないって不便だな」

侍「うぅ……! なら左で……! (グニャ)……ぬぅ!」

男「(ヒソヒソ)……後でノート見せてやるよ。間違いだらけでよければ」

 昼

侍「頂きます」

茶「あれ? 侍ちゃんおにぎりだけ?」

侍「箸が持てぬからな」

茶「私の卵焼き一つあげるね!」

侍「箸が持てぬと……」

茶(ニコニコ)

男「茶! あれ見ろ! UFO!」

茶「ど、どこ!? ひゃあ! ほ、本当だぁ!」

男「ほらあーん! 早く食え!」

侍「えっ? あ、あーん……ブッッッッ!!! 酸っぱッ!!!」

男「あーやっぱりなwwwwww」

 部活

男「次は……」

侍『106……107……108……(ブンブン)』

青磁「次はなんですか?」

男「……お前ら、ジャージに着替えろ。侍黒も」

侍「む? 何をするのだ?」

男「今から校庭20周!」

青磁「えぇー!」

男「お前らは体力無さ過ぎだ! 走れ! 明日に向って走れ!」

侍「では行こうか(キュ)」

男「襷で袖まくっただけじゃ意味ないから、ちゃんとジャージに着替えなさい」

 また部活

侍『250……251……(ブンブン)ふぅ』

男「…………お前ら。ジャージに着替えろ」

鈴蘭「また校庭20周ですか!? 昨日も一昨日も走ったじゃないですか!」

青磁「これ以上走ってもライフポイント上がりませんよ!」

男「大丈夫! お前らはコロペンドラとかプラントタイプだから、まだまだライフポイントあがる!」

侍「また走るのか。いつからここは陸上部になったのだ?」

男「……えと、基礎体力をつけるためには——」

鈴蘭「まさか部長、副部長が稽古に参加できないからって無理矢理走らせてません?」

男「そ、そんなわけねーし! あれだよ! こんな流金焦土の中防具なんてつけてらんねーじゃん! あちーし!」

鈴蘭「ふぅーんそうですかぁ」

 男宅in夜

男「(カチ)えぇ! さっきの選択肢は死亡フラグだったのかい!」

侍「(ガラッ)マ○オか」

男「(ピッ)おふっ! ど、どうした?」

侍「む? いたのか? 大した用ではない。茶菓子を貰いにきただけだ」

男「お前か、いつも俺の金太郎飴を食っていたのは。どうりで減りが早いと思った」

侍「いつもなら今の時間はおらぬはずなのだが」

男「ぎく」

侍「某が夜の素振りをしなくなってからお主、夜に走ることがなくなったのう?」

男「気のせい」

侍「部活での走り込みの多さといい夜練の怠慢といい、お主なんのつもりか説明してくれんか?」

男「それは……その……なんて言うか……」

侍「ほれ? どうした?」

男「不公平——」

侍「(ギュ)らしからぬことを言うはこの口か!」

男「ひやぁ! ふぁなせぇ! いだい!」

侍「大方お主のことだ、『怪我したお前を差置いて自分だけ稽古できるか!』などと宣うのだろうと思った」

男「………悪いか」

侍「(シュ シャキン)無駄な気遣いだ」

男「な、治ったのか!?」

侍「腕ならもう完治した。明日から稽古に参加させてもらうぞ。わかったな?」

男「はいはい。お前じゃないと張り合いがないからな」

侍「精々首を洗って待っていろ。では」

男「飴持っていくな」

 翌日

鈴蘭「部長! 新しく駿速買ってきましたよ!」

青磁「僕はエアーマックス買ってきました!」

男「あ、今日走らんから」


 部活終わり

顧問「水泳部から鍵借りてきたよー」

男「じゃあみんな水着は持ってきたか?」

青磁「持ってきました!」

鈴蘭「はい!」

先輩「もう袴の下に着てたよ!」

侍「忘れました! 故に某は見学してます!」

男「は?」

侍「忘れました!」

男「先輩のを借りなさい」

先輩「このサイズがSSSのスク水を着たらどうなるかな? かな?」

侍「バックに入ってました!」

男「よろしい」

鈴蘭「食らえ!(ピュ)」

青磁「ちょ水鉄……! かっ! 鼻に入った……!」

先輩「(プカー)青春だよねぇ……」

男「お前はいつまでシャワー浴びてるんだ?」

侍「まずは滝に打たれて精神を統一してから……」

鈴蘭「副部長って泳げないんですかー?」

侍「某を愚弄するか! 水遁の術ぐらいできるに決まってるであろう!」

男「じゃあ早くこっちこいよ」

侍「ふぅ……。しょうがないのう。某のアメンボのように華麗な——」

先輩「はいドーン!」

侍「ひぇえぇ〜!」

 バシャ

男「『ひぇえぇ〜!』だってよwwwwwww」

青磁「(プルプル)……」

鈴蘭「……プッ」

侍「ギロ」

先輩「キャハハハ似てる似てる!」

侍「(プカー)貴様ら……!」

男「怒るなよwwwwwwwww(ユサユサ)」

侍「揺らすな! 浮輪揺らすな!」

男「(ツル)ぬわー」

 バシャ

先輩「男君、水には入れるけど泳げないんだ……」

男「(プカー)だって目に水入ったら痛いし……」

侍「(プカー)泳ぎたくないでござる! 泳ぎたくないでござる!」


無「また女子だけプールだよ……」

男「さぁ今日もやって参りました、2年A組水着ショー後半」

水『うふふ、冷たいッ』

男「31番、水色。ロリータフェイスの素顔の裏に隠された豊満なボディ。性格とは裏腹に身体は大胆です」

無「水色のビキニが、今年も密かに狙っている男子を釘づけですね」

茶『うぅ〜。おっぱいが苦しいよぉ〜』

男「30番、茶色。スク水の裏表を間違えての登場です。最近のおバカキャラとは違い、正当なドジっ子を貫いています」

無「背中にはパッドが入っていないことを今知りました」

橙『どーしたちびっこー? 浮輪なんかつけちゃってー』

男「4番、橙。オレンジのビキニでの登場。胸元についているミカンのアクセサリーが特徴です」

無「さすが寮一のファッションリーダー。束ねた髪の毛にも気を使っています」

紫『だって足が届かないんだもん!』

男「33番、紫。スクール水着にツルペタボディ。筋金入りの幼児体型は、今日も大きなお友達を虜にします」

無「前面に貼られたゼッケンの名前が平仮名というのが、また幼さを際立たせますね」

男「……あとは黄緑さんか……」

無「どこに……あそこの日影!」

黄緑『紫ちゃーん! あまり無理しちゃダメよぉ!』

男「麦わら帽子に白いワンピース……」

無「なんていうか……火垂るの墓にあんなお母さんいたよな?」

男「俺、母さんに申しわけなくなって……あ、何か涙出てきた」

無「ちゃんと勉強して親孝行しないと……」

友『コラ外野ー! ボール取ってこいよー!』

男「俺たち、もっと輝けるよな?」

無「あぁ。まだまだこれからさ」

無・男『ありがとう、黄緑さん』


師範『今日はここまでにしようか』

侍『はい!』

男『あっちー!』

師範『二人とも筋がいいね。将来が楽しみだよ』

侍『ありがとうございます!』

師範『浮かない顔をしてるね、男君?』

侍『36戦19勝17敗だったか?』

男『ッるせー!』

師範『こらこら、男の子が女の子に声を荒げるもんじゃないよ』

侍『さよう』

男『ケッ』

師範『侍黒も女の子なんだから慎ましくしなさい』

侍『はぁい』

男『いいさ、そのうち俺の方がお前より強くなるもんね』

師範『男君は強くなってどうしたいのかな?』

男『どう……って』

師範『ただ強くなるだけが強いってわけじゃないんだよ』

侍『ではどういうことが?』

師範『なにがどうって言われるとわからないんだけどね』

男『なんじゃそりゃ』

師範『個人的には、二人には互いに守れる人になって欲しいな』

男『つまり守りを強固にすれば負けないってことですね!』

侍『なるほど』

師範『そういうことじゃないんだけど……』

男「って昔先生に言われてな。そこから守りに徹するようにしたら勝てるようになったんだな。」

無「だからよく考えろ! 違うんだよ意味が!」


男「雨すげーな。こんなんじゃいつまでも地が固まらないな」

侍「そうだな」

男「おい! あそこ見てみろよ! マンホールから水吹き出してるぜ!」

侍「そうだな」

男「………テレビ、ニュースだらけだな」

侍「そうだな」

男「……」

侍「……」

男(あれぇ? 俺達って部活とかそういうの抜いたらここまで話す事なかったかぁ?)

侍(暇だからきてみたが某の家にいるのとあまり変わらんぞ)

男「なぁ」

侍「ん?」

男「しり取り、するか」

侍「リンゴ」

男「ゴリラ」

侍「ラーメン」

男「……」

侍「……」

男(なら、必殺……!)

男「お前彼氏できたか?」

侍「いらぬ。お主は?」

男「い、いません……」

侍「………フッ」

男「今鼻で笑ったろ? 笑ったろ?」

侍「某は作らぬだけで作れぬお主とは違うからな」

男「帰れ! やっぱお前とはいつまでたってもソリがあわん!」

侍「某もそろそろ頃合かと思っておった。では、また部活で」

男「母さーん! 塩、お塩まいてー!」

侍「ふぅ。……。あんな破廉恥なことをいきなり聞くとは。まさかあやつ、某のこと……! ……(妄想中)……ならぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

闇「布団の中で妄想しながらジタバタしていいのは中学生までよ」


男「何か騒がしくね?」

侍「そうだのう……」

男「ピーヒャラピーヒャラうるせぇなぁ」

侍「こんな夜に太鼓叩くなど騒々しい」

男「ったく、近所の餓鬼共がこんな時間まではしゃいでるんじゃねぇよ」

侍「親も親だ。夜に子供を引き連れ回して」

男・侍「………」

男・侍(早く折れろ!)

男(畜生! せっかくの盆踊りなんだ! 時間過ぎちまうだろうが!)

侍(なんて甲斐性のない男だ! 『あれ? 今日盆踊りじゃね? 暇だし行くか?』ぐらい言えばいいものを!)

男(去年は俺から折れたんだ! 今年は俺からは誘わないからな!)

侍(こやつめ! いいだろう! ここは忍耐! 某からは誘わぬぞ!)

闇「あのさぁ二人とも?」

侍「む、母上!」

男「おば——」

闇「おばさんはやめなさい。その話は置いといて、そんなどちらかが折れるの待ってないで盆踊り行ったら?」

男「えーっ! 今日は盆踊りだったのかい!」

侍「なんとぉー! そうか今日は盆踊りか! それなら辻褄が合うのう!」

闇「白々しい」

男「そうとわかれば行かなくては男の名が恥じるぜ!」

侍「そうと決まれば——」

闇「行くのはいいけどちょっと待ちなさい! 侍黒、貴女はそのままでは行かせないわ!」

侍「某の前に立ちはだかると言うのであれば母上であろうと!(シャキン ジャラ ニュー)」

闇「ククク、母は強し、って言葉を教えてあげるわ……」

男「とまぁ、おばさんに待てと言われて30分たったわけだが」

 二時っ限にはなっくよ〜四次♪

男「(ピ)メールか」

From:サムライブラック

本文:玄関にて待つ

男「あいつ、メール打てるんだ」

侍「……待たせたな」

男「お、おう」

侍「今、浴衣を見て笑ったか?」

男「笑ってねーよ!」

侍「いや笑った! 貴様確実に笑った!」

男「いいから行くぞ! 置いてくぞ! 雪駄じゃ追いつけないぞ! 切ないぞ!」

男「………(チラ)」

侍「何か言いたいのか?」

男「え? あ、や……! あれだ、髪降ろすとあれだな、うん。印象変わるな! ってよ!」

侍「フッ、惚れたか?」

男「ばっ……! 馬子にも衣装だって言ってんだよ!」

侍「貴様、その口を黙らせて——」

紫『色無しー! 林檎飴ー!』

黄『かき氷ー!(カレーシロップ)』

空『チョコバナナ買ってくださいよー。』

灰『ミートパイー!』

無『欧米か!』

侍「!」

男「まずい! おっちゃん! これとこれ大至急くれ!」

空「美味しいですー!」

灰「空よ、あまり旨そうに黒光りしたバナナを頬張るでないぞ。色無しはそれを見て………」

男「……」

侍「……」

灰「……侍黒先輩?」

侍「何故ばれた!?(カパ)」

灰「そりゃあ普段からダンピラ持ち歩いている人ってあまりいないし」

男「おまっ……! えぇ!」

灰「それにディケイドとキュアパインが黙って二人で歩いていたら逆に怪しいよ」

侍「だから某はぴぃちがいいと言ったのだ!」

男「それこそディエンドだろ!」

無「クウガだろそこは」

男「それもありだね」

侍「では我らはこれで」

無「待てよ、せっかくだし一緒に見ていかないか?」

男「俺は通りすがりの」

無「い・か・な・い・か?」

空「でも珍しいですよねー。普段殺し合いばかりしている二人が一緒にお祭にきてるなんて」

黄「あー。何かありそー」

侍「これには深いわけがあって」

灰「そうだよ空。よく考えてごらん。深い理由があるからこそ、若い男女二人でお祭を楽しめるのだよ」

空「深い……!」

男「深くなんかない! 浅い! 蘆花浅水のごとく浅いぞ!!」

紫「意味がわからない」

黄「色無しー! あのブルーハワイカレー食べてみたい!」

無「男」

男「(チャリン)はい。こんなことかと」

無「後で返すから」

侍「……。男」

男「何だ?」

侍「あれ」

男「あれって。紫が舐めてる林檎飴か?」

侍「む」

男「あれが?」

侍「……」

男「わかったよ、そんな睨むな。おやっさん、二つくれ」

侍「某は二つも」

男「一つは俺ンだ。ほら」

侍「某は別に欲しいとは言っておらぬからな!」

男「はいはい」

侍「い、いただきます」

男「やっぱ雰囲気かなぁ〜。屋台の食いもんって何でこんなうまいかなぁ」

侍「お、男よ! あれを!」

男「なんだぁ? 金魚掬い?」

侍「あんな狭い水槽で……! 苦しそうに……! 某が浴衣でなければ救えたというのに……!」

男「そうか……」

侍「『そうか』だと! たったその一言で彼らを——」

男「侍黒………あいつらを、救いに行こうか!(コキコキ)」

侍「男ぉ!」

男「はい金魚。大切に飼ってね」

空「あ、ありがとうございます!」

灰「ちょうど二匹いるから名前は侍黒と男にしようか」

侍「すぐ殺すつもりだな貴様」

無「無理矢理付き合わせて悪かったな(主に金銭的に)」

男「旅は道連れですよ、そこは」

灰「ごめんね、せっかく安穏とデートしてるところ邪魔しちゃて」

侍「そこに直れ」

無「はいはい早く帰ろうネー。あとでお姉ちゃんにたっぷり絞られようか?」

灰「か、帰る!」

男「じゃーなー」

侍「ふぅ、下らぬ時間だった」

男「お面被って掬った金魚とヨーヨーぶら下げた奴に言われても説得力が微塵にも感じない」

侍「お主が勝ってに某に貢いだだけだ」

男「気紛れ、もっとよく言うなら雰囲気だ」

侍「そういうことにしておいておこう。」

男「あー、あと雰囲気ついでなんだが……」

侍「む? なんだ?」

男「んー……。まぁ、お前、その格好……うん、似合ってるじゃないか……」

侍「はぁ!? なな何をいいい、い、今さら!?」

男「だから雰囲気ついでにって言ったじゃねーかよ! まともに聞くなよ!」

侍「なら言うでない!!」

男「あ! 思い出した! 俺今日走り込みしてねぇや!  よし!行こ! 今すぐ行こ!」

侍「あからさまなうろたえぶりだな」

男「ウるさい! 今週大会なんだから遊んでらんないの!」

侍「そうか今週か。……男」

男「何? あと10秒で僕走るからね! いいよね!」

侍「大会……頑張ってくれ。某はお主に優勝して貰いたいぞ」

男「い、言われなくてもそうするよ! さらば!(ダッ)」

侍「あ……」

 寮

男「どぉしよぉ〜! 何か気恥ずかしくて帰れないよぉ〜せぇんぱぁい〜!」

無「誰が先輩だ」


無「足りない」

男「あぁ、足りないなぁ」

紫苑『色無くぅ〜ん。これ食べて?』

無『この弁当? 紫苑ちゃんが作ってくれたの?』

紫苑『そうよ。開けてみて?』

無『ありがとう(カパ)……う゛っ。お、美味しそうだね……』

紫苑『早起きして頑張って作ってんだ。さぁ、食べて食べて』

無『い、いただきま……ぐ』

紫苑『どうしたの? やっぱり見た目が酷いから?』

無『そういうわけじゃ』

紫苑『今の美味しそうっていうのは嘘だったの?』

無『そんなこと』

紫苑『色無君のために築地から取り寄せて4時に起きて作ったのに色無君が色無君が色無君が』

無『もうやめてぇ!!』

貴族鼠『ちょっとそこの庶民! なんでございますの!』

無『な、何?』

貴族鼠『この学校は送迎の車がでないんですの!?』

無『だってここ普通の学校だし』

貴族鼠『あり得ない! そうよあり得ませんわ!! なら貴方にあたくしを運ばせる権利を与えましょう!』

無『歩いて——』

貴族鼠『ありがたくお思いなさい! このあたくしをですわよ!』

無『もう許して下さい』

萌黄『おにぃちゃん。だっこ』(※設定上同級生です)

無『はいはい』

萌黄『えへへ。おにぃちゃ〜ん』(※設定上同級生です)

無『あ、あまり引っつくな』

萌黄『おにぃちゃん、カレー』

無『もう勘弁してください』

無「足りないんじゃない、いらないんだきっと」

男「あぁ、いらないんですよ」




侍「(ゴロン)暑い……窓を開けてもこんなに暑いとは……というか外から熱い風がふいているような……」

 ブォォぉおお

侍「なるほど、あやつめのえあこんの排気が某の部屋に流れこんでいる、と……」

侍「……(カラカラ)」

男「Zz……」

侍「ほぅ、なかなか気持ちよさそうに寝とるのう。鼻にクワガタでも挟ませるか(カサカサ)」

男「う……」

侍「では本題に移らせてもらおうか。りもこんりもこんと。これか」

 ピ 停止

侍「ではさらばだ」

 10分後

侍「……暑っつ! 愚図め! またつけおったな!」

侍「(カラ)貴様という奴は某の睡眠までも邪魔しよるのか!」

男「Zz……」

侍「(ピッ)りもこんは預からせてもらう」

 グシャ

侍「しまった! 春本か!」

男「……ん、誰? 侍黒? ……気のせい?」

侍(ふぅ……何とかベッドの下に逃げ込んだが。あ、また春本だ)

男「あいつは今ごろ寝てるか。あ、快○天が潰れてる」

侍(ぎく)

男「さっきエアコンつけるとき踏んだかな。あー、侍黒は性格よければ可愛いんだけどなぁ」

侍(こやつ……某をそんな目で見てたのか! 殺す! いつか殺す!)

男「あら、エアコンまた止ってる。タイマーつけてたのか?」

侍(不味い。これは非常に不味い)

男「リモコンどこだ……? あれ……ないわ」

侍(万事休す……か)

男「まぁ、いいや。窓開けて寝よ」

侍(よかった……あとは奴が寝ついたら——)

男「……」

侍「……」

「きゃああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」


 バス内 AM6:00

顧問「それじゃこれからの予定なー。今から出れば昼の3時には総合体育館着くから6時まで練習……」

侍「くぅ……」

男「……かっ」

顧問「とまぁこいつらには必要ないのかもしれないけど。それから旅館に行くから」

鈴蘭「熱海って初めて行くなー!!」

先輩「温泉! 温泉!」

顧問「……」

青磁「蘭ちゃんポッキーちょうだい」

鈴蘭「あーん」

侍(ギロ)

鈴蘭「今は部活じゃありません!」

先輩「一応旅行も兼ねてるしね」

侍「む……」

顧問「ほらほら明日は明日で今は今を楽しもうよ!(ナデナデ)」

先輩「ダーリぃん(スリスリ)」

侍「先生は自分の立場を思い出して下さい」

顧問「ありゃー! またババ引いちゃったよー!」

先輩「あーんもー! これで7回連続だよぅ!」

侍「……」

 いちゃいちゃ

鈴蘭「あーん」

青磁「あ……ゲップ(ムシャ)もう……食べれま」

鈴蘭「あーん」

侍「……」

 いちゃいちゃ

男「……(ボー)」

侍「お、男よ……」

男「(ボソボソ)俺は強い、俺は勝てる。俺は強い、勝てる……!」

侍「お主、自分に言い聞かせとるのか? 案ずるな、某も着いておる。十年来の友として」

男「今、俺に話しかけないでくれるか……?」

侍「ッ! す、すまぬ! そ、そうよのう! いくら周りが惚けとるからといってもお主は戦いに赴く身で」

男「そうじゃなくて……」

侍「……! 運転手! 次の厠まであとどのぐらいだ!」

男「いっぽーんにほーんさんぼーん」

侍「時速100キロの車窓から電信柱を数えるな! 余計酔うぞ!」


 とりあえず無事到着、練習終了

顧問「ぜぇ……あ……もう終わろ……?」

男「よーし全員集合。着座」

顧問「明日はここで大会が行われるわけなんだけど、男君。何か一言」

男「いきなり!? えーと……みんなにはここまで着いてきてもらって本当にありがとう。明日は優勝でき——」

侍「(ボソ)……定番」

男「定番で悪かったな! 優勝すればいいんだろ優勝! 以上!」

顧問「程よく緊張もほぐれた所で旅館行こうか」

温泉 女side

先輩「広いよー! (ツル)にゃん!……うぅ」

侍「浴場で走るからです」

鈴蘭「おー! 窓から海見えますよ! 絶景ですよ!」

侍「他の客がいないとはいえだらしのない連中よ」

鈴蘭「副部長こそ、温泉に刀持ってくるのやめましょうよ……!」

先輩「刀もそうだけど一番のマナー違反は……! このタオルっ!(バッ)」

侍「(ぷるん)……!!」

鈴蘭「お、おぉ……!」

先輩「これは……!」

侍「せ、先輩! 返してくだされ!」

鈴蘭「おっきい……!」

先輩「と、とりあえず触っておこうかなっ!(フニ)」

侍「何故!?」

鈴蘭「なんか子宝とか御利益がありそうですね(ツン)」

先輩「男君はいつもこれを触れ」

侍「は?」

先輩「え?」

侍「熱海はいいのう……」

先輩『侍ちゃん出してぇ〜!!!』

鈴蘭『何で私までサウナ室に……』

侍「夜景が綺麗だ」

 男side

顧問「やっぱ温泉は効くな〜」

男「青磁」

青磁「はい?」

男「お前——」

顧問「男君、明日は頑張ってくれよ」

男「え?あ、はい」

青磁「そうですよ! 軽く優勝しちゃって下さいよ!」

男「おぉ、うん。ありがとう。それで青磁——」

顧問「男君、いい景色だな」

男「は、はい。青磁、首の——」

顧問「男君! 君は進路とかもう決まったのか!」

男「い、いきなり!? 一応○○大学にいくつもりですけど」

青磁「へぇ」

男「青磁、さっきから——」

顧問「男君!」

男「(ビク)は、はいぃ?」

顧問「気になるのはわかる。だけど言っちゃダメだ」

男「だって……! あいつ……あいつ……!」

顧問「あの赤いのはきっと蚊に刺されただけだ。多分」

青磁「……何話してるんですか?」

男「セッあぶ!(ブクブブブブ)」

顧問「進路の話さ。人生の進路のね」

 湯上り

男「あああああああああわわわわれれれれれわわわわれれれれはははは(ガタガタ)」

侍「一人で按摩椅子か。しかも己は小学生か?」

男「きいいいいもちいいいいぞおおおお(ガタガタ)」

侍「普通に話せ」

男「お前もやってみろよ」

侍「では。少し拝借」

男「どうだ?」

侍「きもおおおちいいいいのおおお(ピタ)あ……」

男「100円切れたか……」

侍「むぅ……(ショボン)」

男「……(チャリン)ほらよ」

侍「いいのか!?」

男「勝手にしろ」

侍「(ガタガタ)すうううううまぬぬぬぬ」

男「いいってことよ」

顧問「二人ともいたか、男部屋に集合な」

男「明日の予定ですか?」

顧問「それもあるけど。男女が同じ旅館って言ったらやる事は分かるでしょ? フフフフフ……」

 男部屋

青磁「それでその男は結局今も行方不明なんだって……!」

鈴蘭「そんな……!」

侍「一つ質問していいか? その男が行方不明になったのに誰を伝って広まったのだ?」

男「第三者の関わりもなさそうだしな?」

青磁「あー……本人が言うから多分ホントのことかと思うんですけど……」

男「そこが一番怖ぇえよ!!!」

先輩(ギュ)

顧問「ハハハ、大丈夫だよ」

先輩「でもぉ……」

顧問「僕の話はこれより酷いから」

先輩「え?」

顧問「紫鏡てけてけ不気味ちゃんカシマさん」

全員「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

男「何!? その『聞いたら今晩来ますよ』的な話!? ありえなくね!?」

顧問「ハッピバースデートゥーユー♪」

先輩「やめてぇ!」

顧問「猿夢ー猿夢ー」

侍「(スクッ)下らぬ。第一その類の噂も聞いた本人が死んでおるのだから信憑性に欠ける」

男「どこへ?」

侍「厠だ」

顧問「(ボソ)赤い紙青い紙花子さん」

侍「フン」

顧問「侍黒には効かないか。でもね〜こういう話すると寄ってくるとかよく言うしね〜」

男「水周りには特に(ゴッ)痛!」

侍「も、もういい……行く気が失せたわ」

 10分後

侍(モジモジ)

顧問「そこでね、その女はスゥーっと、消えちゃったんですよ」

男「お前、大丈夫か? 小刻みに震えているぞ?」

侍「ま、まだまだ……!」

顧問「後ろを向いた瞬間! 女がいるんですよ。ハッキリ私は目が合いましたね。それでね、女は言ったんですよ」

 ポン

侍(ビク)

顧問「『殺してやる』ってね」

侍「にゃあああああああああ!!!!!(ガシ)」

男「ちょちょちょちょちょ!!! 引っ張るな!!! 襟伸びる!!! 伸びるって!!!」

侍『男ーいるかー?』

男「いるよ」

侍『某が足すまで頼むから入口にいてたもれ……』

男「早くしろよ」

侍「(ジャー)ふぅ……。待たせたな」

男「早っ! 赤い紙と聞かれ(ゴッ)った!」

侍「……戻るぞ」

男「ただいま戻り……(ガコ)ん?(ガコガコ)」

侍「どうした?」

男「ドア開かない……(コンコン)先生ー。開けてー……」

侍「(シュル)どれ。某に貸せ(ピタ)」

男「聴診器!? お前の袴は四次元ポケットか!」

侍「シッ……!」

顧問『Zz……』

青磁『ミンチ……ミンチらめぇ……』

鈴蘭『え……と……次は歩道橋降りて……』

先輩『今使ってます……』

侍「……顧問以外例の都市伝説の夢を見ておるな」

男「……どうしましょ?」

 女部屋

男「イヤー良かったよねー! ちょうどお前カードキー持っててさー!」

侍「そうだな」

男「なんつーか? 怪我の功名? 棚から牡丹餅? 天佑神助? あ! この場合禍福無門って言うのかな?」

侍「それは某に言うべきだ。たまたま某が札を持っていたから……ふぁ」

男「そもそもこの旅館おかしくね? トイレは外付けの癖に鍵オートってよ! な? なぁ?」

侍「さっきから口数が多いぞ。お主は一人で何と戦っておるのだ」

男「え? そう? そうかな? えぇ〜そうかなぁwwwwwwwww」

侍「   黙   れ   」

男「ご、ごめんなさい」

侍「お主は明日試合なのだ。充分睡眠をとらねばならぬのだろう?」

男「そうですね」

侍「それともあれか。顧問の話に怖気づいたか?」

男「ちげーよ!(はい怖いです! 玩具の汽車に乗りながら下半身のない女とハーモニカ捜しなんてしたくないです!)」

侍「なら女と同じ部屋で寝るという妄想がいざ現実になるとここまで辛いものだとは思わなかったとか」

男「お前で? ありえねーwwwwwww(図星ですね! 実はちょっとどころかかなり焦ってます! 手とか汗でビチョビチョです!)」

侍「しつこいようだがこの畳からこちら側にこようものならお主の明日はないと思え」

男「お前なんぞ夜這いする気にもならんわ!!」

 1時間後

侍「男……まだ起きとるか?」

男「ショウヘイヘーイ」

侍「……」

男「ゴホン、なんだ?」

侍「ねーんねーんころーりーよ♪」

男「……『ほろびのうた』か? 俺あと3ターン後に死ぬのか?」

侍「てっきり子守歌がなければ寝られぬのかとな」

男「寝れるよ」

侍「何故寝ない?」

男「寝れないのはしょうがない」

侍「緊張するか?」

男「少々」

侍「お主は少し緊張したほうがいい。普段抜けておるからな」

男「うるせぇ」

侍「前にも言ったがお主にはその……」

男「前向きに検討してみます」

侍「ならよい」

男「だけどさ俺ばっかり優勝しろしろってさ。何かねぇのかと」

侍「何か、とは?」

男「例えば俺に服従するとか俺の奴隷になるとか俺専属の召使になるとか」

侍「極端に歪んだ性癖だな。そうだな……、よし! お主が優勝したら何でも言う事を一つ、聞いてやろう」

男「肉奴隷——」

侍「無論、先程の要求以外だ」

男「なんだ……」

侍「不服なら今のはなかった事に」

男「飲みますよ」

侍「お手柔らかにな」

男「死なない程度にしといてやるよ」

侍「明日まで考えておけ。おやすみ」

男「おやすみ」

侍「……」

男「……。侍黒、あるんだ一つだけ。お前にしかできないこと」

侍「……」

男「寝たか?……おっと、線越しちゃダメだったな。お前にしてもらいたいことってな……」

侍「……」

男「寝てる奴に言ってもしょうがないか」

侍「……フン」


 朝

男「やっぱ日曜の朝は特撮だな」

侍「む……ん〜〜〜〜!!! はぁ……ん」

男「いい伸びだな。おはよう(ズズー)」

侍「おはよう。もう起きとったのか」

男「その山姥みたいな髪梳してこい」

 トントン

男「はいはーい」

先生「あのぉ……」

侍「昨日はよく眠れたようで」

先生「怒ってる……?」

男「別に怒っちゃいませんよ」

先生「 ゆうべ は おたのしみ でしたね ? 」

侍「この畳が五畳分離れた布団を見てもいいますか」

男「それよりチャッチャと飯食って試合会場行きましょ? ね?」

先生「あ、やっぱ怒ってる?」

 試合会場

青磁「あの二人どこ行ったんだろ。開会式終わったらいきなりいなくなるなんて……」

先輩「あ! 向こうのベンチにいるの侍ちゃんと男じゃないかな!」

鈴蘭「二人とも意味深な顔してますね……やっぱり部長、緊張してるんですかね」

先生「いや、もしかしたら昨日の夜のことについてかもしれないな。うん」

青磁「さっき車のなかじゃあんなに否定してましたけどまさか……!」

鈴蘭「……ゴクッ」

男『き、昨日の夜のことなんだけど……!』

侍『なっ! 何故今そんなこと話すのだぁ〜!』

男『いや、こういうことはハッキリさせておかないといけないよぉ!』

侍『き、昨日のアレは一瞬の気の迷いというかふいんき(なぜかry)にあてられたというか』

男『そ、そーだよねー! 僕らそんなんじゃないもんねー! おかしいねーハハハー!』

先生「みたいな会話かもしれん」

青磁「意外とあの部長ヘタレですからね。有り得る」

鈴蘭「私! 潜入してきます!」

青磁「そういうのはあの二人の」

鈴蘭「なーに大丈夫だって! すぐ戻ってくるさ!」

先生「あ、死亡フラグ」

鈴蘭(ふふっ、気付いてないね。さぁ先輩達の初々しい初体験を)

侍『どうだ? めぼしいものはいたか?』

男『どいつも凡夫以下だな。だが三原色校の中堅、あいつは輝くものがある』

侍『勝てそうか?』

男『当たり前だ。奴の潜在能力が——』

鈴蘭「(ガタ)厨二かぁー!!!!!」

男「おおっ! びっくりしたぁ!」

侍「何をイラついておるのだ!」


侍「まぁ、一回戦の相手の様子見は終えた。あとはお主次第だな」

男「五回勝てば優勝だろ? いけるいける」

侍「さっきは相手見て輝くものがあるがどうこう……」

男「俺の足下には及ばん」

青磁「部長ー! 試合始まりますよー!」

鈴蘭「反省会はあとにしてくださーい!」

男「はーいよ!」

先生「じゃあいつものやろうか!」

全員「おう!」

男「それじゃあ皆! 優勝目指して! 頑張るぞ! 剣の道を——」

全員「おー!」

男「まだ途中……!」

侍「期待してるぞ」

薄墨「やぁ! 小手ぇ!(カシャん)」

男「やーめーん(ペシン)」

審判「一本! それまで!」

男「くっ……今までとは全然レベルが違う! これが全国の壁か……!」

侍「待て。待て待て待て待て」

男「何?」

侍「何……とは……? え?」

男「いいか、人間は普段は本当の力の30%しか使えていない。だが経絡秘孔を突くことにより……」

侍「はぁああああ……全国だからと言って肩肘張ってたのは某だけか……全然余裕ではないか……」

男「うん余裕」


 寮

水「ちょ、ちょっと黄色ちゃん……カレーはよくないよ!」

黄「え? なに?(ドロ)」

水「ひぃ! 口から!」

男「こらこら。ダメだぞ黄色。水ちゃんが驚いてるだろ?(ナデナデ)」

侍「お主はこやつらの保護者か」

黄「うわ! 本当に○ロみたい!」

侍「こやつ……言いおる……!」

男「でさ、カボチャくりぬいて何してんの?」

全員「!?」

侍「お主、知らぬのか!」

赤「あ、侍黒ちゃんわかるんだ……!」

侍「わかるとも! 今日の寮の夕飯はしちゅーなのだ!」

全員「……(通夜のような沈痛な面持ち)」

黄緑「ふ、二人とも本当にハロウィン知らないの?」

男「ザムディン?」

青「ハロウィンよ……いい、ハロウィンはね………」

 30分後

侍「なるほど大体わかった」

男「そういうのってクリスマスぐらいしか知らなかったからな」

紫「ちなみにクリスマスって何の日かわかる?」

侍・男「「サンタがトナカイで飛行することに成功した日」」

青「あぁやっぱり……!」

侍「そうと決まれば早速準備しなければな」

男「黄緑ちゃんのクッキー食べたいしな」

男「さて、どうするか。カボチャなんてどこも売り切れてるし売ってりゃ高いし」

侍「男! 朗報ぞ! なんと! 冷蔵庫にスイカがあったぞ!」

男「スイカか! まぁ西も南もそんな変わらないだろ!」

侍「(シャキン)では、早速、飛天御剣流……!」

黄「トリックオアトリーッツ!!」

白「尻尾が気になるなぁ」

紫「ちょっと色無! どこ見てんの!」

無「ごめん!(流石寮のツルペタ3人組だ……! 小悪魔の格好が良く似合う……!)」

 ピンポーン

水「はーい(ガチャ)——(パタン)」

青「水色! どう——きゃあああああああ!!!!!」

無「どうした……! おふっ! なんだおまっその格好!」

侍「見ての通り伽代子だ」

男「(ヒョコ)ニャー」

無「ひっ!」

青「……男のは呪怨の子供よね?」

男「俊雄」

無「(ゾゾ)む、無駄にリアルだ……! 可愛らしさの欠片もない」

青「というかそのスイカがメリーさんに見えて怖い、怖すぎるわ」

侍「怖いか。なら成功だな」

男「黄緑ちゃん、クッキー」

黄緑「は……はい」

男「何も色無しさんの後ろに隠れながら渡さなくても……。あ! 3ロリが悪魔の格好してる!」

白「きゃああああ!!!!!」

黄「こないでこないでこないでぇ!!!」

男「凄い嫌われようだな……。紫?」

紫「………うぇ(ギュ)」

無「お前わざとやってるだろ!」

侍「たかだか西洋の肝試しにムキになりおって。どれ、お茶でも啜りながら菓子を馳走になるか」

無「その四つん這いやめ! ああもう電話の隣りにそのメリーさん置くな! てか寮をうろつくな!」

男「わざとじゃないのに……」

無「頼むから部屋の隅で体育座りしないでくれ!」

黒「騒がしぃ——きゃああああー!!!!」

侍「む、黒か。お主のその格好は貞子か?」

男「てかキャーって。黒も叫ぶんだな」

黒「コホン。わ、私はもう寝るからこのワンピースなの!」


侍「次に勝てば決勝だな。」

男「この調子なら……!お前も覚悟しとけよ!」

侍「は?」

男「約束!『何でも一つ言う事聞く』だろ?」

鈴蘭「うわぁ……!」

先生「先生そんなふしだらな約束許さないぞーwwwwwwwwww」

先輩「侍ちゃん、覚悟は決めたんだね……。」

男「忘れた、とは言うまいね?」

侍「忘れるわけなかろうが!」

男「だよな。男に二言はないもんな!」

侍「誰が男だ。というか何故こんな時にそれを……!( ///)」

男「俺が優勝したら後で無双OROCHI返せよ。な?」

全員「……………」

侍「……………ん?」

先輩「空耳かな?」

男「あら、そろそろ始まるわ。行ってくる。」

侍「頑張れ。」



男「ふぅ……!一本取られたけどなんとか勝てたぜ……!」

侍「あぁ。ここまできて急に強くなってきたな。」

男「やっぱり背負うものがあると違うな。」

先輩「……それで背負うものってなんだったかな?」

男「OROCHIがど」

先輩「決勝おめでとう!!!」

男「あ、ありがとうございます。」


アナウンス「ただいまより、男子決勝戦を始……ハァン! 始めます」

侍「?」

男「なんだ?」

先生「男ー。準備できたかー」

男「今行きまーす」

男「(ブツブツ)頼む……!(ゴソ)」

侍「お主、今垂れに何を入れたのだ?」

男「必勝の御守りだ。さて、行くか!」

アナウンス「白、四季高校、陽光白君。赤、虹色高校、男(仮)君」

男「おー相手は全身面も袴も真っ白だ。なんかラスボスって感じだな」

侍「どちらかと言えば全身真っ黒なお主が悪の大王に見えるがな」

黝色『陽くーん!』

陽光白『黝色!』

黝色『決勝……だね!』

陽光白『あぁ!』

黝色『絶対に勝ってね!(ウルウル)』

陽光白『おい泣くのは後だろ?』

黝色『グスッ、そうだね……うん! 頑張って!』

陽光白『ったく……! お前に泣かれたんじゃ……負けるわけにもいかないな!』

男「……(プルプル)」

侍「落ち着け! 冷静さを失うな!」

男「……フフフフ、フハハハハハハハ!!!」

侍「お、男……?」

男「あんなの見せられちゃったら俺本当に悪の大王じゃん? 俺が負けなきゃおかしい雰囲気じゃね?」

侍「飲まれるな! お主にだって某が! 皆がついておる!」

男「そうだな」

先輩「それに傍から見れば君らもあんな——」

男「ここが貴様らの墓場だぁぁぁぁぁ!!!」

先輩「うわぁ! 本気で勝ちに行ったよこの人!」

男「口から血を吐き出させ血と鮮血でこの開場を彩ってやろうぞ!!!!」

侍「全部血ではないか」

審判『始め!』

侍「始まっ」

男『メ! コテぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!』

審判『一本!』

侍「え……?」

先輩「いきなり面からのフェイントで小手って……」

侍「しかも相手はまだ完全に姿勢を整えていない時に」

侍・先輩「……」

審判『始め!』

陽光白『やぁぁぁぁ!!!』

男『シャぁぁぁぁ!!!!』

陽光白『(ダッ)メェぇぇぇぇぇぇん!!!(パァン)』

審判『一本!』

男『あらら』

先輩「男君、今のわざとだよね?」

侍「確実にわざとです」

黝色『陽光白くーん!!!』

先輩「こっちも負けてられないよ!」

侍「某そういうのはちょっと」

先輩「侍ちゃんにはハンカチをギュと握り締めながら視線を送るなんて似合わないよ! ほら一緒に! せーの!」

侍「男ー!!」

先輩「……」

侍「ん?」

先輩「うわ恥かし! みんな見てるし!」

侍「……おい」

先輩「ほ、ほら男君も侍ちゃんのこと見てるし! 想いは伝わったよ!」

男『……チッ』

侍「舌打ちが返事か! 返事か! えぇ!?」

審判『始め!』

男『シャぁぁぁぁぁぁ!!!』

陽光白『りゃぁぁぁぁぁぁ!!!』

男(ジリ)

陽光白『(ダッ)メェぇぇぇぇぇぇん!!!!」

男『どぉぉぉぉぉぉー!!!!!』

審判『一本!やめっ!(バッ)』

侍「あの上ってる旗……!」

先輩「赤……だよね?」

アナウンス「ただいまの試合は赤、虹色高校、男(仮)君の勝利です」

先輩「ほら、いきなよ」

侍「む、まぁ労いの言葉ぐらいはかけてやらねばな。男ー」

男「侍黒……(ポロ)」

侍「む? 垂れの名前袋から何か落ちたぞ」

男「や、やめぇや! 見んといてぇやぁ!」

侍「ははぁん? これが試合前に入れてた写真か? どれどれ……これはどこの女であるか?」

男「長門はみんなの嫁だから……だから見るなって……」

侍「……」


先輩「一応おめでとう……」

鈴蘭「優勝おめでとうございます」

男「ありがとう……フッ(チラ)」

侍「なんだ」

記者「おめでとうございます! 虹色高校報道委員会の藤黄です! インタビューしてもよろしいでしょうか!」

男「えぇ、まぁ」

記者「今の感想は!?」

男「初代のポケモンマスターになった気分です」

記者「勝利の秘訣とか心情はありますか!?」

男「何もないです」

侍「(ボソ)朝晩欠かさず一人で稽古しとるくせに」

男「おまっ! 今の編集で切ってください!」

記者「お隣のお方は同じ部活で十年来の幼馴染みの侍黒さんですね? ……フフフ」

男「お前あっちいけ! 絶対根掘り葉掘りいらんこと聞く気満々だこの記者!」

侍「……ゴホン(バサァ)この格好でよろしいでしょうかな?」

記者「おお! 袴の中に着物とは! では普段の男君と試合中の男君の違いは!?」

侍「普段の彼はまさに最低の極みですが実は己の信条をとても大事にしております」

記者「確かに噂ではあらゆる会の会長ポジションにいると聞いてますがそんな一面があったなんて……!」

侍「やるときはやるといったところでしょうな」

記者「確か試合の最中、侍黒さんが熱烈なエールを送っていましたが、お二人の間で何か特別な約束とかはあったのでしょうか!」

男「こいつがこの大会で優勝したら何でも言うこと聞くって言ったんですよ」

侍「……」

記者「おお! ヒーローインタビューが熱愛報道になり——」

男「だから無双OROCHI返してもらうことにしたんですよね」

記者「そ、そうなんですか……」

男「まだ全クリしてないんですよ……」

記者「そうですか……最後に写真を一枚撮ってもよろしいでしょうか?」

男「いいですけど、どうしたんです? 青天霹靂のごとく声のトーン下がりましたよ? 何を期待してたのですか?」

 後日、高らかにトロフィーを掲げる男の後ろに意気消沈した侍黒を含む部員と顧問の写真が新聞に掲載された。


 旅館

男「一発ギャグやりまーす! 学ラン羽織って面だけ被って……!」

男「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命ず! 全力で私に媚びよ!」

青磁「声だけ無駄に再現力高っ!」

侍「……」

先生「(この状況、剣道部顧問としてなんとかせねば……!)よーし! みんな時間も頃合だ! 温泉入りに行くぞ!」

男「あー、僕さっき会場でシャワー浴びたんでいいです」

先生「シャワーだぁ? お前ここの温泉馬鹿にしてるのか!」

男「一日に二回シャンプーすると将来禿げる可能性高くなるんですよ? 知ってました?」

先生「お前のハゲは俺のハゲじゃない! 知るか! 行くぞ!」

男「広いですね。さすが露天」

先生「風呂まで少し歩くからタオルはちゃんと巻いておくんだぞ! 先生と約束だ!」

先輩『ヘイ! ダーリン到着かーい!』

男「女供はもう入っているのか」

侍『先に浴びとるぞー』

男「どうだー?」

侍『いい湯だ。極楽浄土にいる気分だ』

男「そうかー。そのまま死んでもいいんだぞー。どれ(ザパ)おー! これはなかなか……!」

侍「いい湯であろう?」

男「この漂う硫黄の香りにほんのりと緑色した御湯、まさしく秘湯と呼ぶにふさわしい!」

侍「そうであろうそうであろう」

男「そして効能は疲労回復、腰痛、肩凝り。軽く飲めば胃弱や生理痛にも聞くという万能さ」

侍「よく勉強したな」

男「そして男湯と女湯を分ける仕切の代わりに湯煙を使うという斬新さ。これはまるで混浴じゃあないか……混浴じゃないか……混浴……混浴やないかぁあーい!!!!!!」

侍「えっと……うん……」


先生「よかったねー、前隠してて」

男「俺が嫁に行けなかったら先生に責任を取ってもらうところでしたよ」

先生「そんな……! 僕ら男同士じゃ……!」

侍「落ち着かんか。見苦しい」

鈴蘭「先生今見ましたよね? セクハラです」

先生「まぁいいじゃない。たまには裸のつき合いってのも。多分卒業したらできないよ?」

男「それもそうだ」

侍「しかし一緒に湯船につかるなど、幼少の……あ!」

男「どした?」

侍「な、なんでもござらんぞ?」

男「幼少……幼少……あ。あっはっはっはー、あれね。あれ」

青磁「あれ?」

男「幼少のころの記憶なんてそんなにないですけど、こいつと風呂入ったのだけは覚えているんですよ」

鈴蘭「部長今見ましたよね? セクハラです」

侍「あれは……!」

先輩「くわしく」

男「あれは俺の家族が旅行に行き、こいつの家に泊ったときだ」

男(幼)『お前んちの風呂古いなー』

侍(幼)『「こふう」と言うのだ。これは五右衛門風呂と言ってな、底が鉄でできておる。故に熱い』

男(幼)『じゃーどーやって入んのさ』

侍(幼)『根性だ!』

男(幼)『根性? アホくさ』

侍(幼)『そのぶら下げておるものは飾りか。わらわにはないと言うのに』

男(幼)『(ピキ)わーったよ! 入ればいーんだろ! 入れば!』

侍(幼)『よろしい』

男「そのあとは言わずもがな」

侍「お主が意固地になって入り続けるから……!」

男「俺の尻にはまだ火傷の痕あるぞ? 見るか?」

侍「叫ぶぞ」


先生「尻が青い奴ならたくさん見てきたけど、尻が赤い奴は初めてみたよ」

全員「え……」

先生「そういう意味じゃないから。未熟って意味だから」

青磁「そうなんですかそうですか」

男「そりゃあ先輩のパトロンである意味もわかります」

先輩「あなた、ロリコンだったのね……!」

侍「幼児体型が言うな」

鈴蘭「私はてっきりネコとかタチのほうかと……」

全員「え……」

鈴蘭「……なぁーんて」

男「そうだよね! 緑じゃあるまいし!」

侍「左様! この娘はそんな娘じゃありません!」

青磁「尻が赤いってサルみたいですね」

男「は?」

侍「……ヒフッ」

先生「フ」

先輩「み、みんなゴホン! ゴホンゴホ! 笑っちゃゴホゴホ! ヴぅン! ダメだよ!」

侍「猿も温泉には入るからな」

青磁「wwwwwwwwww」

男「青磁、毛づくろいしてやろうか? 頭皮の毛根一本残らず綺麗にしてやるよ」

侍「こらこら顔が真っ赤だぞ。それも猿みたいにな」

男「もういい! 俺あがる!(ザバ)」

 ペロン

先生「……」

青磁「……」

先輩「……い」

鈴蘭「……いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

男「お、お前ら! 人にはあんなに言っておいて! それって……! それって……!」

侍(ポン)

男「なんだよ! その悟った目は! 元はお前! お前だよ!」


侍「こ、これは……!」

男「なんという……!」

 グツグツ

侍・男「すき焼……!」

男「なんという……なんというSUKIYAKI……!」

侍(小さい鍋に敷き詰められた具、か、かわいい……!)

先生「えー、このすき焼の肉は米沢直送らしいんでみんな、よく味わって食べてくれ」

男「ほい。ほい」

侍「お主は相変わらずネギが嫌いなのか……世話がやけるのう」

男「お前こそさり気なく椎茸俺に寄越すなよ」

侍「某は椎茸が嫌いなのではない。苦手なのだ」

男「はいはい」

鈴蘭『せっちゃん、あーん』

青磁『えっ? ちょここで……? あー……』

先生『はいあーん。次は?』

先輩『しらたき!』

男「あーはしたないはしたない、慈悲忍辱も何もないねぇ」

侍「あーん」

男「……!(サザッ)」

侍「そこまで引くことはなかろう」

男「偏に気味が悪い」

侍「今日は疲れただろう。お主の勲の褒美だ」

男「まぁ、疲れたことには疲れたが……」

侍「それに、お主は毎度達観し過ぎだ。たまにはこういうのも悪くはなかろう?」

男「それもそうか、ではお言葉に甘えて。あー……」

 ジュ

男「——!!!!!!(ゴロゴロゴロゴロ)」

侍「……」

男「ちぇ、ちぇっくめーと……?」

侍「そうそれ」







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Last-modified: 2012-10-21 (日) 11:20:51