空メインSS
空「色無せんぱ〜い!お昼ご飯一緒に食べましょう!」
色「ん? あぁ空色か。いいよ屋上で食べようか」
空「やたー!!」
橙「ちょっと待った!色無が行くなら私も!!」
空「橙先輩も来るんですか?」
橙「そうよ悪い?」
空「とんでもないです!お昼はみんなで食べた方が美味しいですから大歓迎ですよw」
橙「えっ……あ……うん……ありがと……」
空「他にも誰か誘いましょう!あっ!黒先輩に白せんぱ〜い!!」タッタッタッタッ
僕は学校の廊下をひとりで走っている。
暑い。だるい。額から流れる汗がとても不快に感じる。
さっきまでは涼しくて心地良い場所にいたのに。
今は夏休みだから校内にいる生徒は部活をやっている少ない人数だけ。
僕は家にいても暑いと思って学校の図書館に涼みに来た。借りていた本も返したいと思って。
なんてったって図書館にはクーラーという人類の繁栄がもたらした神器があるからだ。それに、午後から色無君と遊ぶ約束をしてる。
駅前で待ち合わせなので家よりは学校からの方が近い。
それまでは学校でゆっくり涼もう。
そう思っていた。
「……っ、……はぁ……はっ……」
「早かったじゃん。図書館5階にあるのに」
そうなのだ。
ふと窓から校門を見た際、見慣れた人影を見つけたから。
だから自分はこんなに一生懸命になって走って来たのか。君を見ただけで。
僕はこのもやもやする気持ちがなんだかわからないまま、言いかけた言葉を飲んだ。
だって校門前に色無君が見えたから……なんて口がさけても言えない。
なぜそう思ったからわからないから。
返す言葉を色々考えながら、僕は大きく息を吸って呼吸を整える。
「なんで……ここがっ……?」
「お前のお母さんが」
気のきかない言葉だなぁと思いながら自分が嬉しいのがわかった。お母さんに聞いたって事は、僕の家にきたって事だ。
「先駅前の本屋で本探してたらさ、空色が好きそうな本が売ってたんだよ。でも俺あんまり金持ってなかったから空色に直接教えてやろうと思って」
「そんなの後ででいいじゃないですか。後で会うって言ってたのに。本なんてすぐに売れるもんじゃないんですから」
「んー……俺が早く伝えたかっただけ」
そういうと色無君は手を前に差し延べてきた。
僕がきょとんとしてると、
「わかれよ。手。だして」
手を出したら強く握られて。その感触がとても嬉しくて。色無君に向かって笑ったらぱっとそっぽを向かれてしまった。
この気持ちはこの空色のように晴れていた。
空「お姉ちゃーん」
青「どうしたの、空?」
空「人によってくしゃみって違うよね」
青「そうね」
空「ちょっと観察してみようよ」
灰「くしゅん!」
黒「はくしゅん!」
灰「風邪かなぁ……」
黒「誰かが噂してるのかしら……」
青「なんか普通ね」
朱「ぶぁーくしょい!ちきしょー!」
空「ああいう風にはなりたくないね……」
群「……くちゅん……」
青「……可愛い」
茶「ふぇ……ふぇくちゅん!」
空「茶色先輩も可愛い……」
焦「……プシュ」
茶「お姉ちゃんも?」
青「今、くしゃみしてたんだ……」
空「お姉ちゃん、お姉ちゃん」
青「どうしたの?」
空「私、変わりたい」
青「なんで?」
空「私にも強烈な個性が欲しい!」
橙「なるほど、その心粋、買った!」
空「橙先輩!」
橙「私に任せときなさい!じゃあ、まず手始めに語尾に『にゃー』を付けて可愛さをアピールしてみよう!」
空「私は空色、あなたの後輩だにゃー////」
橙「いいよいいよー!じゃあ次は委員長風な女の子!」
空「みんな……どうして言うことを聞いてくれないの……?むきー////」
橙「いーねいーね!ノッてきたねー!次は無邪気な妹!」
空「お兄ちゃん、私のことは空って呼んでね♪」
橙「グレイト!!次は若奥様!」
空「お帰りなさい、ご飯にする?お風呂にする?ふふ……それとも……」
無「いい……」
橙「色無!?どっから湧いてきたの!?」
無「じゃあ、夕暮れの公園に1人たたずむ女の子、そこに現れる憧れの人」
青「……」
無「声をかけようか悩む女の子、でも憧れの人は行ってしまう……自分の勇気のなさに落ち込む女の子……そこに」
橙「設定が細かすぎるんだけど」
無「……」
空「元気出して!その……お兄ちゃん////」
『石焼芋?』
無「はふはふ……どうして焼き芋ってうまいんだろなー?」
空「あ、色無お兄ちゃん!」
無「あれ、空ちゃん?」
空「うん! お兄ちゃん、焼き芋食べてるの?」
無「そうだけど……空ちゃんも食べる?」
空「うん! 食べる!」
無「はい、どうぞ」
空「ありがとー! ふーふー」
無「ちゃんと食べやすい温度にしてるのか。偉いぞー」
空「えへへへへー(照)」
青「あ、色無……と、空?」
無「お、青」
空「あ、お姉ちゃん!」
青「こら、空……ごめんね、色無」
無「いや、いいさ。 分けてあげただけだから」
空「そうだよ、お姉ちゃんが謝るのはおかしいよ!」
青「あのね……まぁいいわ。帰るわよ」
空「ありがとねー、お兄ちゃん」
青「今度、何かお礼するわね」
無「別にいいって(空ちゃん、笑顔で食べてたからな)」
空「それじゃーね、お兄ちゃん!」
無「んじゃなー!」
空「お姉ちゃん、寒いね」
青「そうね」
空「外でようよ」
青「何言ってんのよ……」
空「ずっと家に籠もってたらぶよぶよのもちもちになっちゃうよ」
青「うぅ……分かったわよ……準備するから先に行ってて」
空「お姉ちゃん、遅いなぁ」
青「お待たせ」
空「遅いよお姉ちゃ……!?」
青「どうしたの?」
空「その着てるやつ……」
青「あぁ、これ?いいでしょー」
空「う……うん……」
青「あったかいのよーこの荒巻の着ぐるみ」
空「……お姉ちゃんがぶよぶよのもちもちに……」
茶「ふぇー!青ちゃんが荒巻に食べられてる……」
空「お姉ちゃん、私、動物占いで子鹿だったんだー」
青「へぇー」
空「お姉ちゃんは?」
青「私?私はえーと……あの黒い虎みたいなヤツ……えーとそうそう『ブラックタイガー』!」
空「お姉ちゃん、それエビの名前」
空「色無先輩はなんですか?」
無「俺?俺も子鹿だよ」
空「へぇー」
青「色無はどっちかというと子鹿の皮を被った狼ね」
無「皮を……被った……だと……」
空「先輩……?」
無「……そうだよ!俺はどうせ少し皮が被ってるさ!うわあぁぁぁん!」
青「……」
空「先輩……泣いてた……」
空「さてさて……」
【この時期の】クリスマスの献立【大イベント】
1:すでに寮母ですよね? : 2006/12/16(土)
何にしましょう?
2:カレー教信者 : 2006/12/16(土)
カレー
3:ぺたんこではない : 2006/12/16(土)
ケンタッキー!!
4:カレー教信者 : 2006/12/16(土)
カレーで決まり
5:寮の庭師 : 2006/12/16(土)
オーソドックスにチキンとか?
6:千里を走る女 : 2006/12/16(土)
カレー厨Uzeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!
7:鍋奉行 : 2006/12/16(土)
NGワード推奨:カレー 冬といったら鍋
8:蘇るデカメロン : 2006/12/16(土)
>>1のシチュー
牛乳が入ってるからさらに胸が(ry
9:ぺたんこではない : 2006/12/16(土)
>>8逝ってよし
10:すでに寮母ですよね? : 2006/12/16(土)
決まらないから安価>>14
12:シンデレ : 2006/12/16(土)
ksk
13:くろい居候 : 2006/12/16(土)
とりかぶと
14:ゴッドお姉ちゃん : 2006/12/16(土)
色無
16:すでに寮母ですよね? : 2006/12/16(土)
>>14把握しました捕まえてきます
空「さてと……」
『鍋が煮えるまでの間何すればいい?』
1:この冬一番の妹キャラ : 2006/12/16(土)
教えて
2:もう寮母ですよね? : 2006/12/16(土)
お皿の準備
3:千里を走る女 : 2006/12/16(土)
お腹を空かせるために走る
4:蘇るデカメロン : 2006/12/16(土)
エクササイズ
5:ゴッドお姉ちゃん : 2006/12/16(土)
色無に夜這い
6:ぺたんこではない : 2006/12/16(土)
>>5
7:ウサ耳生えました : 2006/12/16(土)
>>5
8:この冬一番の妹キャラ : 2006/12/16(土)
>>5ねーよwwwww
9:シンデレ : 2006/12/16(土)
>>5実行してくる
空「実行って……」
青「空、私ちょっと行ってくる!」
空「いってらっ……お姉ちゃん!?」
空「んっんん!!」
黄緑「どうしたの?」
空「朝ご飯の魚の骨が喉につっかかったままとれなくて……」
黄緑「そういう時はご飯で小さなオニギリ作って噛まずに飲むと取れるわよ」
空「そうなんですか?やってみます!」
空「んーんんんー!」
黄緑「空ちゃん骨取れた?」
空「はい、骨は取れたんですけど……今度はオニギリの海苔が喉に……」
黄緑「……かわいい!(ぎゅっ)」
空「?」
空「さてと……」
『ウチの寮にありがちなこと』
1:この冬一番の妹キャラ : 2006/12/17(日)
やたらモテる男がいる
2:蘇るデカメロン : 2006/12/17(日)
胸の大きさの話になるとやたら拗ねる
3:ぺたんこではない : 2006/12/17(日)
>>2バーカ!!
4:寮の庭師 : 2006/12/17(日)
>>2あるあるwwwww
5:もう寮母ですよね? : 2006/12/17(日)
素手で熊と闘える人がいる
6:鍋奉行 : 2006/12/17(日)
>>5自演乙
7:ゴッドお姉ちゃん : 2006/12/17(日)
カレー抜きでは語ることの出来ないヤツがいる
8:シンデレ : 2006/12/17(日)
>>7いるいるwwwww
9:カレー教信者 : 2006/12/17(日)
そんな人いません!!><;
10:ウサ耳生えました : 2006/12/17(日)
>>9 m9(^Д^)プギャー
空「さてと……」
【今年も】クリスマスに欲しいプレゼント【1人……】
1:この冬一番の妹キャラ : 2006/12/18(日)
i-Pod
2:ぺたんこではない : 2006/12/18(日)
胸と身長
3:蘇るデカメロン : 2006/12/18(日)
>>2 m9(^Д^)
4:千里を走る女 : 2006/12/18(日)
>>2 m9(^Д^)
5:ぺたんこではない : 2006/12/17(日)
>>4 お前もBのくせに!!
6:シンデレ : 2006/12/18(日)
Bとかねーよwwwww
7:無色透明ニート : 2006/12/18(日)
彼女
8:カレー教信者 : 2006/12/18(日)
>>7私がいるよ ノ
9:ですぅとか言わないって : 2006/12/18(日)
>>7いいえ、私が ノ
10:ゴッドお姉ちゃん : 2006/12/18(日)
>>7 >>8-9いえいえ私が
11:もう寮母ですよね? : 2006/12/18(日)
>>10 どーぞどーぞ
12:ゴッドお姉ちゃん : 2006/12/18(日)
>>7 今行きます⊂二二二( ^ω^)二二⊃
13:無色透明ニート : 2006/12/18(日)
うわああああああああああ!!!
14:寮の庭師 : 2006/12/18(日)
どうした>>13!?どうしたんだ!!返事をしろおぉぉお!!
空「さてと……」
【やめろ!】ここだけ中二病【近づくな!】
1:この冬一番の妹キャラ : 2006/12/18(日)
くっ……この腕の痛みは……ヤツらが……来る!!
2:千里を走る女 : 2006/12/18(日)
これ以上僕を怒らせると……『貴様ラ許サン』……はっ!静まれー!!
3:もう寮母ですよね? : 2006/12/18(日)
私の熊殺しの腕が……近づいちゃダメ!!
4:カレー教信者 : 2006/12/18(日)
え?……私のカレー眼が……目覚めた……?
5:801とか好きじゃないって : 2006/12/18(日)
NGワード推奨 カレー
6:シンデレ : 2006/12/18(日)
また変なの湧いたよ……>>4とか、あと>>4とか、特に>>4とか
7:寮の庭師 : 2006/12/18(日)
>>4 カレーの王子さまは星に帰れよwwwww
8:ゴッドお姉ちゃん : 2006/12/18(日)
私の股の邪気眼が暴れ始めたんだが、どうすれば止まる?
9:寮のグランマ : 2006/12/18(日)
>>8 勇者の剣を挿せば止まる
10:ゴッドお姉ちゃん : 2006/12/18(日)
ちょっと行ってくるお⊂二二二(~^ω^)二二⊃
11:無色透明ニート : 2006/12/18(日)
やめてえええ!!!!!らめぇ!!!!!!
青「え?かわいいだなんて……そんなことないって///」
青「もぅ!何回言わせるのよ……あなたこと……その……好き……///」
青「おはよう!今日も1日頑張ろうね!」
空「……お姉ちゃん、何してるの?」
青「……素直になれた時の練習」
空「お姉ちゃん……」
空「さてと……ん?なんだろ?」
『ちょっと思ったんだけど……』
1:カレー教信者 : 2006/12/23(土)
毒の入ったカレーにゴキブリが入ったらどうなる?
2:この冬一番の妹キャラ : 2006/12/23(土)
美味しくなる
3:寮の庭師 : 2006/12/23(土)
美味しくなるね
4:カレー教信者 : 2006/12/23(土)
いや、そうじゃなくて!!毒の入ったカレーだよ!!
5:もう寮母ですよね? : 2006/12/23(土)
美味しくなるに決まってる
6:千里を走る女 : 2006/12/23(土)
美味しくなる以外に何が?
7:カレー教信者 : 2006/12/23(土)
毒だよ!!毒が入ってるんだよ!!
……じゃあ、毒の入ったカレーに黄色が入ったら?
8:ゴッドお姉ちゃん : 2006/12/23(土)
死ぬな
9:ぺたんこではない : 2006/12/23(土)
即死する
10:蘇るデカメロン : 2006/12/23(土)
間違いなく死ぬ
11:カレー教信者 : 2006/12/23(土)
でしょ!!
だからその中にゴキブリを入れたら……
12:801とか嫌いだって : 2006/12/23(土)
美味しくなる
13:シンデレ : 2006/12/23(土)
美味しくなるんでしょ?
14:カレー教信者 : 2006/12/23(土)
なんでゴキブリは無事なんだよ!!
ほら黄色は死ぬんだから……
15:無色透明ニート : 2006/12/23(土)
ゴキブリ→美味しくなる
黄色→死ぬ
16:カレー教信者 : 2006/12/23(土)
なんでそんなにゴキブリの肩持つんだよ!!
17:ドジってレベルじゃねーぞ : 2006/12/23(土)
もしかしたら……ゴキブリも死ぬんじゃ……
18:ウサ耳生えました : 2006/12/23(土)
>>17 ねーよwwwww
19:コタツでジンギスカン : 2006/12/23(土)
17 あるあ……ねーよwwwww
20:カレー教信者 : 2006/12/23(土)
ほら、もう>>17が言ってるじゃん!!
21:病室の天使 : 2006/12/23(土)
美味しくなる!!
22:まっくろくろすけ : 2006/12/23(土)
美味しくなる
23:カレー教信者 : 2006/12/23(土)
もう、ほら動かなくなるんだよ!!
24:この冬一番の妹キャラ : 2006/12/23(土)
えーと……美味しくなる?
空「お姉ちゃんブランコに乗ろうよ」
青「え?」
空「夜遅いし誰もいないから大丈夫だって」
青「そうね」
空「ブランコなんて久しぶりだなぁ」
青「そうね……」
空「……お姉ちゃんどうしたの?」
青「子供の頃、ブランコをおもいっきり漕いで、ジャンプして遠くまで飛びたいって思ったの」
空「?」
青「その時は怖くて飛べなかったけど大人になったらきっとできると思ってた」
空「……」
青「でも、今もやっぱりできそうにないわ」
空「……」
青「成長するにつれて、その後どうなるかって考えるようになった~そしたら……」
空「危なくてできないって思ったんだね」
青「うん、子供の時は後先考えずに行動できたのにね……大人に」
空「そうだね……でもこのままじゃ誰かに先を越されちゃうよ」
青「……うん、わかってるんだけどね……大人になんかなりたくなかったな……」
空「……お姉ちゃんなら大丈夫だよ」
青「……ありがとう、空」
空「さてと……」
【この時期の】クリスマスの献立Part2【大イベント】
1:もう寮母ですよね? : 2006/12/23(土)
メインディッシュは捕まえてきたんだけど、どう料理したらいい?
2:カレー教信者 : 2006/12/23(土)
カレーかける
3:寮の庭師 : 2006/12/23(土)
そのままでおk
4:ぺたんこではない : 2006/12/23(土)
オーブンでこんがり
5:カレー教信者 : 2006/12/23(土)
カレーかければオールオッケー
6:シンデレ : 2006/12/23(土)
またカレー厨……
7:801とか好きじゃないって : 2006/12/23(土)
>>6 つ【スルー】
8:もう寮母ですよね? : 2006/12/23(土)
決まらないから安価>>10
9:千里を走る女 : 2006/12/23(土)
近すぎwww安価なら生で
10:ゴッドお姉ちゃん : 2006/12/23(土)
色無の上に他の料理を盛る
11:蘇るデカメロン : 2006/12/23(土)
>>10 男体盛りktkr
12:ウサ耳生えました : 2006/12/23(土)
>>10 よくやった
13:もう寮母ですよね? : 2006/12/23(土)
>>10 把握しました^ ^
?「おぎょおおおお!!!!」
空「!! 何、今の断末魔!?」
空「お姉ちゃん……」
青「何よ……」
空「今年も2人きりだね……」
青「そうね……」
空「……飲もう」
青「え?」
空「飲もうよ、お姉ちゃん」
青「……そうね、飲もうか!!」
1時間後
青「いぇっふー!!クリスマスさいこー!!」
空「いぇーい!!」
青「そらー、私思ったんだけどさー」
空「なになにー?」
青「世の中のカップルは聖なる夜のことなんら分かっちゃいないよ」
空「と言いますと?」
青「どうせ買い物して食事して最後はホテルでしょ?」
空「う、うん……まぁそうだろうね……」
青「そういうののどこが聖なの?どっちかと言うと精だと思わない?ねぇ?」
空「そ、そうだね……」
青「何よーその素っ気ない返事……せっかく私がSAYしてるのに」
空「ご、ごめん……反省します……なんちゃって……」
青「空……」
空「ごめんなさいごめんなさい!!」
青「最高」
空「あ、ありがとうございます……(誰か助けて……)」
空(こうなったらもっとお酒を勧めて……)
空「どうぞどうぞお姉ちゃん」
青「ありがとう」
空(よーしよし、その調子だ……ガンガンいけぇ……全力で飲めぇ)
青「あぅ……あぅ……」
さらに1時間後
青「ぅにゃー……」
空「これでよし、っと」
ガチャ
無「おーい、バイトで余ったケーキもらってきたけど食べる?」
空「色無先輩、いいんですか?」
無「うん、1人じゃ食べきれないしね」
空「今、お茶煎れてきますね」
無「ありがとう……ん?青?」
青「ふにゃー……ん?……いろなし?」
無「よう」
青「色無……うぅ……ぐす……いろなしー」
無「ちょ、ちょっと青!?」
青「お願いだからこのままで……うっ……」
空「色無先輩、お茶入りまし……」
ガチャーン
空「お姉ちゃん……色無先輩……」
無「ち、違うって!!誤解だよ!!青の方からこう……ガバって」
空「お姉ちゃん……やっと素直になれたんだね……」
無「……え?」
空「お赤飯炊かなくちゃね!!私、ちょっと買ってきます!!ドン○キで!!」
無「行っちゃったよ……」
青「ねぇ……色無?」
無「何?」
青「……私のこと……」
無「え?何?聞こえないんだけど……」
青「だから……その……私のこと……す……」
無「す?」
青「だから!!私の……!!」
バターン!!
焦「やぁ、みんなでクリスマスパーティーしないか?」
青「……ぐすっ」
茶「ごめん止められなかった……」
焦「いやぁ、クリスマスだなぁー今日はおもいっきり騒ぐぞぉ!!」
空「ごめんお姉ちゃん……」
青「大丈夫……慣れてるから……」
無「そうそう、青」
青「何よ……」
無「俺、青のこと好きだから」
青「……え?」
焦「な、なんだって……」
茶「きゃー」
空「人が告白する瞬間を見てしまった」
青「ほほほほほほ本当に!?」
無「うん、青のことは好きだよ友達として」
青「あ、あはははそうだよね……ぐすっ」
空「先輩のバカ!!イ○ポ!!」
焦「まぁ、なんだ飲むんだ青!!はっははは!!」
無「好きでもないやつに『好き』なんて言わないんだからね……(ぼそっ)」
茶「きもっ……」
色鉛筆@ex17掲示板
空「クリスマスって暇だなぁ……」
カタ カタ カタ
空「F5押しても何一つ変わらない……過疎だなぁ……」
カタ
空「ん?」
カチ
【さぁ!!】泣いた・感動した801本【語り明かそう】
1:クール眼鏡 : 2006/12/24(土)~23:06:44.68
来たれ!!同士よ!!
空「今日はもう寝よう……」
空「お姉ちゃんって普段どんなこと検索してるんだろ?」
カタカタカタ
空「んーどれどれ……」
バストアップ
グッとくる 仕草
見つめあうと 素直に おしゃべりできない
お弁当
お弁当 かわいい
お弁当 気をひく
お弁当 振り向かせる
空「お姉ちゃん頑張ってるんだなぁー。他には……」
お弁当 至高 究極
お弁当 懐石料理
お弁当 惚れ薬
お弁当 いちころ
空「……お姉ちゃん、あなたは一体どこに向かっているの……?」
空「さてと……」
『むしゃくしゃしたからお姉の日記晒す』
1:この冬一番の妹キャラ : 2006/12/26(月)
12月24日
今日はクリスマス・イブ
彼とすごせるかなぁと思っていたけど、現実はそんなにあまくなかった
でも、最後に色無が来てくれた!!
酔った勢いに任せて抱きついちゃった
でもその後、げーげー吐いた……空がマーライオンみたいって爆笑してた
うぅ……
2:ゴッドお姉ちゃん : 2006/12/26(月)
ざまぁwwwwwwwwww
3:この冬一番の妹キャラ : 2006/12/26(月)
12月25日
そして今日は待ちに待ったクリスマス
色無からプレゼントが貰えるかと思った
最終的に貰えたけどね
でも私の妄想話全部聞かれてた……緑の奴めぇ……
色無、もらったプレゼント大事にするね
4:シンデレ : 2006/12/26(月)
ちょっと何晒してんのよ!?
5:無色透明ニート : 2006/12/26(月)
お前、何ばらして……え?うわあああああああ!!!!!
空「私にはくれない先輩が悪いんですよ……」
空「お姉ちゃん『料理のさしすせそ』って何?」
青「さ→三角コーナー し→しゃもじ す→水道 せ→正露丸 そ→ソイソースよ」
空「へぇー、お姉ちゃんは物知りだねー」
青「ま、まぁね」
空「うわぁ……さすがは年の瀬、乱立してるなぁ……」
色鉛筆@掲示板(ex17)
1:カウントダウンランニングやろうぜ!!(30)
2:宝くじのルーレット打ちに行くけど質問ある?(128)
3:【これぞ】おせちカレー【究極】(5)
4:【胸が】着物着たいんだが【邪魔】(431)
5:【ダイナマイト】元旦のメニューリクスレ【出場記念】(594)
6:庭にサイバイマンが……(753)
7:30分で500いったら御神木うp(654)
8:【サヨナラ】コタツに爆弾しかけてきた【私の妹】(951)
9:転んだ拍子に除夜の鐘ならしちゃった……(304)
10:【さぁ】801本総合【君も】(2)
11:『オムアンコ』って?(780)
12:最近出番が少ない私が全レス(123)
13:カレーの王子様は星に帰ればいいと思う香具師の数→(457)
14:【ちっちゃい】新参妹キャラに負けそう……【ゆーな……】(1001)
空「さてと……」
THE・ハイテンション寮
1:この冬一番の妹キャラ : 2006/12/30(土)
ようこそwwwwwwwwww
2:千里を走る女 : 2006/12/30(土)
あびゃびゃwwwwwwwwww
3:蘇るデカメロン : 2006/12/30(土)
ドキがwwwwwムネムネwwwww
4:ぺたんこではない : 2006/12/30(土)
ちっちゃいゆーなwwwwwwwwww
5:もう寮母ですよね? : 2006/12/30(土)
おせちのメニュー決まんねwwwwwwwwww
6:無色透明ニート : 2006/12/30(土)
>>7 大好きだwwwwwwwwww
7:シンデレ : 2006/12/30(土)
ktkrwwwwwwwwww
8:カレー教信者 : 2006/12/30(土)
>>5 カーレーwwwwwwwwww
9:寮の庭師 : 2006/12/30(土)
>>8
10:ドジってレベルじゃねーぞ : 2006/12/30(土)
>>8 それはないよね……
11:オムアンコ : 2006/12/30(土)
>>8 冷めた
12:まっくろくろすけ : 2006/12/30(土)
>>8 m9(^Д^)
空「はい、始まりましたー姉妹ラジオ」
青「今回で3回目の放送となりまーす」
空「このラジオは私の部屋をキーステーションに寮の中だけに配信していまーす」
青「では早速このコーナーです」
空「『焦茶さんが言ってはいけないこと』」
青「このコーナーは焦茶さんのせいで毎回実施されなかったいわく付きのコーナーです」
空「はい、それではメール読みまーす。ラジオネーム『ぺたんこではない』さんからです」
空『「べ、別にあんたのことなんて……」』
青「あぁ、なるほどね」
空「これじゃどっかの優柔不断で1日中好きな人の名前を言いながらウジウジしてるどっかの女と変わりないですもんねー」
青「わぁー!!!!!!」
空「どうしたの?お姉ちゃん?発作?」
青「な、なんでもない……」
空「では、次のメールです~ラジオネーム『ドジってレベルじゃねーぞ』さんからです」
空『焦茶さんではないけど、青ちゃんが「色無大好きだ」とか言ってたらいけないと思います』
空「これは普通に言ってるよね、お姉……」
青「わぁー!!!!!」
茶「青ちゃん頑張っ……はっ!!」
焦「裏切り者め……」
無「……」
無「空、どうしたんだ?」
空「暇だから来ちゃいました」
無「青はどうしたんだ?」
空「お姉ちゃんは出かけてます」
無「そうなのか……」
空「……久しぶりですね、こういう風に話すの」
無「確かに……そういえばそうだな」
空「私がここに入ってからはいつもお姉ちゃんがいましたからねー」
無「……」
空「どうしたんですか、先輩?」
無「昔はお兄ちゃんって呼ばれてたのに今では先輩か、ってさ」
空「……あの時の私は先輩のことを本当のお兄ちゃんだと思ってましたから」
無「今は違うの?」
空「……今は違います」
無「……なんか寂しいな……」
空「……今は1人の異性として見てますから……」
無「え?」
空「私も……お姉ちゃんには負けるけど……その……好きですから……」
無「……」
空「……ち、違いますよ!!ラブじゃなくて……ライクですよ!!」
無「……そっか」
空「……そうです」
空「お姉ちゃーん」
青「どうしたの?」
空「……あれ?……あれれ?」
青「……どうしたのよ?」
空「何を言おうとしてたか忘れちゃった……」
青「それじゃ茶色と変わらないじゃない……」
空「うーん……なんだったかなぁ……」
空「お姉ちゃん、私スゴい発見したよ」
青「どんな?」
空「私と茶色先輩と灰ちゃんの妹組は犬タイプ。お姉ちゃんと焦茶さんと黒先輩の姉組は猫タイプって気がするんだよ」
青「あながち間違ってはいないかも……」
空「これを細かく分析するとね」
空→人懐っこい典型的な犬タイプ
茶→自分の尻尾を追っかけ回すちょっと間の抜けた犬タイプ
灰→野生を忘れた室内犬タイプ
青→孤独が大好きなようで、構ってあげないと拗ねる寂しがり屋な猫タイプ
焦茶→意味無く高い所から飛び降りたりするような猫タイプ
黒→クールな典型的な猫タイプ
空「どう?」
青「……」
空「お姉ちゃん」
青「何?」
空「……」
青「どうしたのよ?」
空「その……やっぱり先輩のこと好きなんだよね?」
青「……うん」
空「そうなんだよね……」
青「それが……どうかしたの?」
空「あのさ、仮にだよ……仮に私も先輩のことが好きだったらどうする?」
青「……」
空「あ、あくまでも仮にだからね!!」
青「……別にどうもしないわ」
空「……私のこと憎いとか思わないの?」
青「確かに……嫌と言えば嫌だけど……色無と同じくらい空も大事だからね」
空「お姉ちゃん……」
青「で、空は実際のところどうなの?」
空「……もしかしたら好きなのかもしれない……お兄ちゃんのこと……」
青「そっか……」
空「でも、同じくらいお姉ちゃんが好き……だから」
青「もし、お姉ちゃんに悪いから諦めるなんて思ってるんだったら怒るわよ」
空「お姉ちゃん……」
青「空はいつもそうやって人に道を譲ってばっかで」
空「……」
青「人のことを先に考えて自分は後回し、そんなんじゃいつか後悔する」
空「お姉ちゃん……ありがとう」
青「……どういたしまして」
空「お姉ちゃん……今日だけは一緒に寝てもいい?」
青「じゃあ、朱色さんと群青さんは?」
空「うーん……あの2人は例外かな……」
青「どうして?」
空「2人とも犬猫では例えられないと思うの」
青「あえて例えるとしたら?」
空「うーん……朱色さんはナマケモノかな……?」
青「それだと野生を忘れた室内犬タイプと変わらないんじゃない?」
空「まぁ……そうなんだけど、そもそも朱色さん犬っぽくないでしょ」
青「あぁ、確かに」
空「お兄ちゃん……さっき見た映画が怖くて……一緒に寝てもいい?」
無「青と一緒に寝ればいいんじゃないの?」
空「……お姉ちゃん寝相悪いんだもん」
無「そんなに悪いの?」
空「昨日、壁に穴あけてた」
無「……そういうことなら」
空「一緒の布団だとドキドキするね」
無「な、何言ってるんだよ!早く……」
空「すーすー」
無「寝てる……それにしても幸せそうな寝顔だな」
空「……お兄ちゃん……」
無「なんてこともあったなぁー……10年以上前だけど……(ぼそっ」
空「先輩、どうしたんですか?」
灰「毎日毎日さー」
黒「うん?」
灰「うるさいんだよねぇ……深夜に聞こえてくるんだけど」
黒「お隣?」
灰「青空バカ姉妹」
黒「あんたが言うな」
灰「前はね……よかったよ。バカ話しかしてなかったから。聞いてておもしろかったさ。バカだなーって」
黒「あんたほんっと失礼ね。……まぁ私も思ったことあるから人のこと言えないけど」
灰「それが最近ではさぁ……」
黒「うん?」
灰「色無がどうの姉妹愛がどうの……」
黒「……」
灰「……青春しやがって」
黒「……つまり嫉妬と」
灰「違います」
黒「嫉妬でしょ」
空「あ、灰ちゃん」
灰「色ぼけ姉妹の妹じゃないですか」
空「色……ぼけ……?」
灰「ここのところ毎日、色無が好きとかなんとか」
空「え……聞こえてた?」
灰「ばっちりね」
空「怒ってる?」
灰「ぜーんぜん」
空「……もしかして灰ちゃんも先輩のこと好きなの?」
灰「う゛……そんなことはどうでもいいの!!」
空「……図星だったんだね」
灰「うるさいうるさい!!」
空「やーい、色ぼけー」
灰「うるさーい!!」
空「お姉ちゃーん」
青「色無と初詣……」
空「お姉ちゃん?」
青「触れ合う手と手……」
空「もしもーし」
青「そして重なるくちび……キャー!!」
空「……お姉ちゃん、抜け駆けは許さないよ」
青「わかってるわよ、行くときは3人でね」
空「うん!」
無「空の髪のウェーブいいよね」
空「え?本当ですか?」
青「……」
無「ん?」
青「ど、どう? 私もウェーブかけてみたんだけど……」
無「……」
青「似合わない……かな……?」
無「……すごい……いいよ、すごい可愛い」
青「ほ、本当に?」
無「うん……」
空「やるね、お姉ちゃん……」
空「あけましておめでとう、お姉ちゃん」
青「あけましておめでとう、空」
空「うん、今年もよろしくね」
無「2人とも今年もよろしくな」
青「うん……この先もずっと……よろしくね」
空「じゃあ私は一生よろしくお願いします!」
無「うん……よろしく」
あけましておめでとうございます
今、お姉ちゃんと私と先輩で初詣に来ています
だけど、のっけから大事件です!!
お姉ちゃんがはぐれました……
急いでお姉ちゃんを探さなきゃいけないません……
でも、これってチャンス……だよね?
先輩と2人きり……
無「おかしいな……いつはぐれたんだろう?」
空「とりあえずお姉ちゃんを探しましょうか」
無「じゃあ、手分けして探そう~その方が効率が良さそうだし」
空「え……」
無「じゃあ、空はあっちを頼……」
ぎゅっ
無「……空?」
空「……先輩……嫌です……」
無「でも……」
空「先輩は……私より……お姉ちゃんの方が大事ですか?」
無「……そんなわけないだろ」
空「なら……なんでそんなこと言うんですか……」
無「……」
空「私もはぐれるかもしれないんですよ……」
無「……わかったよ……だから泣くなよ……」
空「……はい」
青「そらー!!いろなしー!!」
ダメだ……この賑わいじゃ聞こえるわけないか……
でも、早く見つけないと……
こうしてる間にも2人は……
無「空、これで邪魔者はいなくなったよ」
空「先輩……」
無「色無って呼んでくれないか……?」
空「い、色無……」
無「空……」
ああー!!ダメだ!!そんなこと考えちゃダメだー!!
空はそんなことしないよ!!
だって私の妹だもん……でも、不安だよね
青「いろなしー……いろなしー……ぐすっ」
空「お姉ちゃん!!良かった見つかりましたよ先輩!!」
無「青、良かった……見つかって」
青「う……うぅ……うわあああん!!」
空「先ぱ……」
無「お前はまた人の布団に入って……」
灰「いいじゃん減るもんじゃないんだし」
無「どうせ出ろって言っても出ないんだろ……」
灰「分かってるじゃん」
空「先輩……」
無「空!?ちちち違うんだ……これは……灰が勝手に……」
灰「……私、死んでも出ないからね」
空「……」
ダッ
無「空、待てよ!!……ってあれ?戻ってきてるよ?」
空「えっと……その……」
ぎゅっ←空専用枕
無「……いいよ、1人も2人もおんなじだから……」
空「ありがとうございます!!」
灰「……負けない」
無「ぐーすぴーぐーすぴー」
空「……灰ちゃん、ねぇ、灰ちゃん」
灰「……何?」
空「ひょっとして……怒ってる?」
灰「別にー」
空「良かった、怒ってたらどうしようかと思った」
灰「……本当におめでたいね」
空「そうだね、新年だもんね」
灰(イヤミで言ってるのに……)
空「灰ちゃんも先輩のこと好きなんだよね?」
灰「……そうだよ(だから私たちは敵どうし……)」
空「やっぱり私たちは似たもの同士だね」
灰「……へ?」
空「やっぱり私たちは気が合うんだよ」
灰「……何言って……」
空「灰ちゃん、今年もよろしく……ううん、ずっとずっとよろしくね」
灰「だから……」
空「すーすー」
灰「……おやすみ」
空「羽つきやろうよ!」
青「いいわよ」
水「いいですね」
空「じゃあ、まず一回戦目はお姉ちゃんVS水先輩で!」
カーン
カンカーン!
空「試合終了!勝者、水先輩!」
青「負けた……この私が……」
空「さぁ、敗者にはバツゲームの炭塗りだー!」
水「それじゃあ……」
空「水先輩、筆をお姉ちゃんのおでこに……ライドオン!か、書いてしまうのか……定番のあれをー!」
野菜
空「……そこは肉が定石なんじゃ?」
水「私、ベジタリアンなんですよ」
焦「その横にレイパーって書いとくと表情が引き締まるぞ」
青「ちょ、ちょっと!焦茶さん!」
水「れ……い……」
青「書くなああああ!!」
空「さて、つづいては第2回戦!赤先輩VSお姉ちゃーん!」
青「また私!?」
空「それではスタート!!」
カーン
赤「いくぞお!」
青「こぉい!」
コン コン コン
赤「くらえ!波動球!」
青「なんの、波動球返し!」
がしゃーん
空「はい、お姉ちゃんペナルティで、この試合赤先輩の勝ちー」
青「……ぐすっ」
水(私のポジションが……)
空「では続いてはー」
青「……空、私ちょっと顔洗ってくる」
空「わかった」
青「ふー、まったく……空のやつ……あれ?……タオル?」
「はい、タオル」
青「ありがとう……って誰!?」
無「俺だよ」
青「色無……」
無「まだ昨日のこと怒ってる?」
青「別に……」
一体、昨日あったこととは?
水「でも、空ちゃん」
空「はい?」
水「青ちゃんばっかり羽つきさせて、罰ゲームさせて怒られないの?」
空「いいんですよ、あれぐらいやらないと元気でませんから……」
水「?」
空「せ、先輩!」
無「どした?」
空「今から……先輩の部屋に行っても……いいですか?」
無「え……あ……うん……いいけど……」
空「ありがとうございます」
無「今、お茶煎れるから……適当にくつろいでて……」
空「……はい」
無「……どうして部屋に来たんだ?」
空「特に理由はありません」
無「そっか」
空「……先輩」
無「ん?」
空「……2人きりですよ……」
無「……うん……そうだね……」
空「……今日は部屋に戻りたくないです」
無(……どうするよ、俺?)
青「ダメだ……さっきの日本酒で頭がくらくらする……空は大丈夫?……あれ?またいない……まぁいっか」
空「正月って暇だな……ん?」
『美味しいカレーの作り方』
1:金色のカレー職人 : 2007/01/02(火)
まず、各種スパイスを用意します
2:不動の?妹キャラ : 2007/01/02(火)
すべてぶちまけます
3:金色のカレー職人 : 2007/01/02(火)
またスパイスを用意します
4:寮の庭師 : 2007/01/02(火)
でも、いらないのでやっぱり捨てます
5:金色のカレー職人 : 2007/01/02(火)
……またスパイスを用意して、玉ねぎを炒めます
6:青い春 : 2007/01/02(火)
ポーションを入れます
7:もう寮母ですよね? : 2007/01/02(火)
ボンカレーを入れて煮ます
8:蘇るデカメロン : 2007/01/02(火)
ご飯を盛ります
9:ゴッドお姉ちゃん : 2007/01/02(火)
色無にかけて出来上がりです
10:金色のカレー職人 : 2007/01/02(火)
うわあああ!!!!。・゚・(ノД`)・゚・。
A→黄緑のカレー B→有名シェフのカレー
空「それでは、お姉ちゃん。正解はどっちだと思う?」
青「うーん……じゃあAのカレーで」
空「それでは、黄色先輩どっちが正解だと思う?」
黄「当然Bだね、味が全然違う……Aはカレーに対する冒涜だよ!」
空「では正解の発表です……シェフのカレーは……B!」
黄「やったー!」
黄緑「黄色おめでとう」
黄「ありがとう!」
黄緑「今日は有意義でしたよ。黄色ちゃんが普段どんな思いで私のカレーを食べてるか分かりましたし……」
メリメリッ
黄「あだだだだだだ!!」
空「お姉ちゃん、どうして待ち受けとか着信音とか初期のままなの?」
青「そういうの面倒くさいのよ」
空「へぇー」
翌朝
〜おい、おきろー、朝だぞー、おーい青?(←色無の着ボイス)
青「ん……今日も良い朝だ!色無の声で起きる朝……プライスレス」
空「……」
青「さて……おはよう色無///」
空「ほぅ……『そういうの面倒くさいのよ』ねぇ……」
青「うえぇ!?///」
空「先輩の声がアラーム音で、待ち受けが先輩の写真……しかもそれに向かって『おはよう☆』ねぇ……」
青「ああああああ……///」
空「先輩が知ったらなんて言うんだろうなぁー?」
青「ぃ、言わないでぇ……そんな目で見ないでぇ……」
空「どうしよかなー(どうやって録音したんだろう?)」
空「先輩、初詣いきませんか?」
無「いいけど……青はいいのか?」
空「お姉ちゃんは出かけてていませんから大丈夫です」
無「そっか……」
カランカラン……パンパン!
空「……」
無「……よし、っと」
空「……よし!」
無「必死だったけど、何をお願いしてたんだ?」
空「先輩は?」
無「1年ケガや病気なしで過ごせますようにって」
空「……ジジ臭いですね」
無「なんか凹むな……」
空「……次はおみくじ引きに行きましょう!」
無「おい、ちょっと引っ張るなって!」
青「……」
黒「空ちゃん、こっちに気づいたみたいね」
青「……うん」
黒「このままじゃ、とられちゃうよ色無」
青「……わかってる……」
空「先輩はどうでした?」
無「んーとね……中吉だ、空は?」
空「私は大吉です」
無「おー、いいな」
空「恋愛成就って書いてあります」
無「そっか、いいな……」
空「先輩は?」
無「……ん?」
空「だから、先輩はなんて書いてありました?」
無「知りたい?」
空「はい」
無「……教えない」
空「えー!ケチー!……こうなったら力づくでも!」
無「わー!やめろ!……さりげなく抱きつくな!」
分かれ道、どちらを選んでも困難あり
これは2人のことを言ってるんだろう
俺は、どっちが好きなんだろう?
どうすれば、どちらも傷つくことなく解決できるんだろう?
だけど、考えても考えても、同じ言葉がループするだけで……結局答えは出なかった
空「さてと……」
『Wiropedia』(虹色寮専用フリー百科事典)
空「何か面白い項目はないかなっと……ん?」
緑(みどり)
この寮の歩く図書館の異名を持つ女子高生のこと
クールでいつも無口な彼女であるが、趣味は801本鑑賞というかなり意外な一面を持つ
その趣味のために彼女の名前である「緑」は801の隠語として使われることもしばしば
最近では、その趣味をあまり表に出さないようになった
しかし、今でも『801といったら緑、緑といったら801』という方程式は褪せることなく残っている
また、過去に「色無×男」の内容で同人を書いたことがあるらしい
空「こんなことまで書いてあるんだ……」
空「お姉ちゃんはなんて書いてあるんだろう?」
青(あお)
この寮のキング・オブ・ツンデレ女子高生のこと
部活は弓道部
容姿・体型ともになかなかのものである
実際に姉ということもあり年下の面倒見がよく姉御肌のように見えるが、実の妹である空の前では
それはないだろ……と思うようなボケをかましたり、遊ばれたりと姉としての威厳は見る影もない
最近では、空と共に『色ボケ姉妹』と呼ばれたりと、けっこうな扱いを受けているものの
『ツンデレだから大好き』という根強いファンは跡を絶たない
空「……色ボケ姉妹って……」
空「先輩はなんて書いてあるんだろう?」
色無(いろなし)
この寮にいるたった1人の男子高校生
年下から年上、妹から姉、貧乳から巨乳、素直クールからツンデレといったものだけではなく
『50〜80よろこんで!』というような、どこかの保険会社のCMを彷彿とさせる熟女好き発言をしたりと
彼の女たらしっぷりはとどまるところを知らない
そのうち、宇宙人に未来人、はたまた超能力者といったジャンルにも対応できる日はそう遠くはないだろう
今年も彼の活躍から目が離せない
空「……先輩ってすごい!」
空「朱色さーん」
朱「おう、どうした?」
空「私も手伝いますよ」
朱「助かるよ」
トントン
空「いたっ……」
朱「どうしたんだ?」
空「包丁で指切っちゃいました……」
朱「ちょっと貸してみろ」
空「え?あっ……」
ちゅっ
朱「この程度なら、舐めて絆創膏貼っとけば……よし」
空「……」
朱「どうした?」
空「……朱色さん、優しいですね」
朱「……そうかな」
空「今日から姉さんって呼びます!」
朱(……妹ができた気分だ)
次の日
空「おはようございます!姉さん」
朱「おはよう、空」
群「朱色、空ちゃんに何をしたの?」
朱「へ?……姉さん誤解だって!空が自分から……」
群「人のせいにするのはよくないわよ……」
朱「理不尽だー!!」
空「えへへ、朱色姉さん///」
空「水色先輩、何してるんですか?」
水「庭の手入れをしてるの」
空「へぇー」
水「……」
空「……私にもできることありますか?」
水「え?」
空「手伝えることありますか?」
水「じゃあ、これ植えるの手伝ってくれる?」
空「わかりました!」
水「……これでよし!」
空「終わりましたねー……先輩?」
水「じっとしててね……よし」
空「?」
水「ほっぺに泥がついてたの」
空「……あ、ありがとうございます///」
水「うん、でもシャワー浴びた方がいいね」
空「じゃあ、シャワー浴びに行きましょう!」
水「そうだね」
空「私、背中流しますよ」
水「え?……恥ずかしいよ///」
空「うわ!……きゃあ!……ひぁ!」
水「空ちゃんもしかして……怖いの苦手?」
空「……はい」
水「そっか、じゃあここで止めとこうか」
空「……スイマセン」
水「苦手なら仕方ないよ」
空「……おやすみな……あ!どうしよう……」
水「どうしたの?」
空「今日、部屋にお姉ちゃんいないから1人だ……」
水「ごめん……私のせいで……」
空「先輩、その……///」
水「なに?」
空「その……泊まってもいいですか?」
水「え?」
空「ダメ……ですか?」
水「うん……いいよ///」
空「……失礼します///」
水「……どうぞ」
空「なんか緊張しちゃいます」
水「私も」
空「……先輩って好きな人いるんですか?」
水「え?……えぇ!?///」
空「ど、どうしました?」
水「わ、私は……その……女だし……」
空「?」
水「そ、空ちゃんは?///」
空「……私ですか?」
水「うん……///」
空「……私は色無先輩が好きです」
水「……へ?」
空「だから……色無先輩が好きなんです……///」
水「……そうなんだ」
びっくりした……安心したけど……なんか寂しい気もする……
水「え!?」
空「な、なんですか!?」
水「なんでも……」
寂しい気がするって……私は何を考えてるんだ
空「でも、お姉ちゃんも先輩のことが好きで……」
水「空ちゃん……」
空「私はどうすればいいんだろう……」
水「……諦めたら絶対に後悔すると思う」
空「……」
水「……もし困ったら、いつでも来ていいよ」
空「……はい」
水「私は空ちゃんの味方だから」
空「……あ、灰ちゃん?」
『ただいま電話に出ることができませんピーっという(ry』
ピー
空「えーと……空です……大丈夫な時、連絡下さい……お願いします」
空「灰ちゃんどうしたんだろうなー」
チャッチャチャチャチャチャ(笑点のテーマ)
空「灰ちゃん!」
灰「……声大きいよ」
空「ごめん……」
灰「聞いたよ……今度は水ちゃんに手出したんだって?」
空「……へ?」
灰「色無のベッドで寝てたと思ったら今度は水ちゃんですか」
空「だって怖かったんだもん……映画」
灰「そうやって味方を増やそうって魂胆ね」
空「うん、水先輩は私の味方だって!でもなんで知ってるの?」
灰「……(全然イヤミが通じてない)」
空「灰ちゃん?」
灰「なんでもない……あ、そうそう」
空「なに?」
灰「スッゴいどうでもいいことだけど」
空「なになに?」
灰「何で留守電だと私にも敬語なの?」
本当にスッゴいどうでもいいことだった……
空「おはようございます」
水「おはよう」
空「朝早くから庭の手入れしてるんですね」
水「うん……これでよし……」
空「先輩、手が真っ赤ですよ」
水「ほんとだ……はぁー……」
空「……」
ぎゅっ
水「え?……空ちゃん?///」
空「私の手けっこうあったかいんですよ」
水「……うん、あったかい///」
空「……先輩?」
水「……えへへ///」
空「……何か良いことでもあったんですか?」
空「私はなんて書いてあるんだろう?」
空(そら)
この寮の妹キャラの1人
言葉巧みに人の心に入り込み、自分の味方にしてしまう恐ろしい女
最近は色無だけに飽きたらず、水色に手を出すなど魔の手を広げている
さらに、色無を昔お兄ちゃんと呼んでいたなどなど……
そんなに妹キャラを売られると私の出番が減るんだけど!!
空「私だけ、主観入りまくってるんだけど……」
空「うぅ……寒い……」
水「そ〜ら〜ちゃん♪」
空「水先輩」
水「どう?あったかい?」
空「はい、あったかいです……でも」
水「でも?」
空「胸が背中に当たって複雑な気分です……///」
水「えへへ///」
青「最近、あの2人仲いいよね」
黒「私と同じような匂いがするわ」
青「え……?」
黒「……」
青「まっさかー!そんなわけないでしょ」
黒「ですよねー」
空「先輩、凄いこと聞いちゃいました!」
水「え?どんなこと?」
空「右よし、左よし……ちょっと耳かしてください」
水「すぐ……返してね///」
空「……」
水「ぐすっ……冗談だよぅ……」
空「ご、ごめんなさい!いつもの癖で……」
水「うん……それで?」
空「あのですね……」
水「んっ……///」
空「……先輩?」
水「耳がこそばゆくて……///」
空「続けますよ、それで……」
水「うん……んっ///」
空「さらにですね……」
水「んっ……ふぁ……///」
空「なんだそうです」
水「ゴメン……もう1回話して……くれるかな?……耳もとで……ダメ?///」
無「んー、あいつに合うのはどれかな……?」
空「あれ……色無お兄ちゃん?」
無「!!!? や、やぁ空ちゃん。今日はどうしたの?」
空「今日はアクセサリーを買いに来たんだけど……お兄ちゃん、背中に何を隠したのかなー?」
無「い、いいや、何も隠してないよ? うん、何も」
空「あーやーしーいーなー♪ お姉ちゃんにばらしちゃおっかな〜?」
無「!? 空ちゃん、それだけは勘弁!」
空「どーうーしーよっかなぁ〜♪ 私に教えてくれるんだったらいいよ〜?」
無「……うぅ」
空「それで、お兄ちゃんが買いに来たものは何だったのかな〜?」
無「……これ」
空「……これは、ネックレス?」
無「ああ。もうそろそろ青の誕生日だろ? だから、いつものお礼として買おうと思ったんだ」
空「そうなんだ……でも、どうして一人で買い物に?」
無「あー、何ていうか、他の人に頼りたくなかったんだ。誰かへの贈り物だから、自分で決めないと思って」
空「……」
無「空ちゃん?」
空「幸せ者だね、お姉ちゃん(ボソリ)」
無「へ?」
空「あ、ううん! なんでもない! とりあえず、このことはお姉ちゃんに内緒ですね!」
無「え、あ、うん。よろしくね」
空「はいっ! 任せてください!」
青「はぁー……」
空「どうしたの?」
青「……空だけ髪にクセあってズルい」
空「……それだけ?」
青「『それだけ?』じゃないわよ……私なんか完全なストレートなのよ」
空「……別に好きでこの髪型なわけじゃないよ」
青「いいなー、私も空みたいな髪がよかった」
空「……全然良くないよ、このクセのせいで髪を長くのばせないし」
青「そんなに可愛いのに贅沢ね」
空「私からすればお姉ちゃんが贅沢だよ!」
青「え?」
空「……長くて、綺麗で、サラサラで、ずっとお姉ちゃんみたいにしたかった」
青「……私たちやっぱり姉妹だね」
空「そうだね、お互いが持ってないものを持ってて、憧れて」
青「それで、自分の足りないものに気づいて……」
空「ねぇ、お姉ちゃん……」
青「なに?」
空「……私たちはずっとこのままでいられるよね?」
青「……何があっても空は私の妹で私は空のお姉ちゃんよ」
青「空、見て!」
空「……パーマかけたんだ」
青「自分でやってみたの!」
空「……いいと思うよ」
青「本当に?」
空「……うん」
青「色無に見せてくる!」
青「……」
空「……おかえり」
青「……ラモスって言われた」
空「……正直、私も思った……けど、お姉ちゃんがあまりにも嬉しそうだったから……」
青「……」
空(お姉ちゃんはいつも張り切りすぎちゃうんだよな……)
青「ねぇ、ストレートとウェーブどっちの髪が好き?」
無「うーん……どっも好きだよ。青のサラサラしたストレートも、空のフワフワしたウェーブも」
青「だって!」
空「やったね、お姉ちゃん(私の髪も好きか……嬉しいな)」
青「ちょっと色無のところに行ってくる!」
青「……」
空「どうしたの?」
青「色無はやっぱりウェーブの方が好きなんだ……」
空「なんで?」
青「だって! 下の……」
空「お姉ちゃん! それはダメー!」
空「緑先輩、それこの間も読んでましたね」
緑「そうよ、もう何回読んだか覚えてないわ」
空「何度も同じの読んで飽きませんか?」
緑「飽きないわ、何度も読むたびに違う発見があるの」
空「先輩はスゴいですね」
緑「……そうかな?」←照れてる
空「私も見習わなくちゃ!」
青「……それで、こんなに借りてきたと」
空「えへへ……オススメはどれですか?って聞いたら何冊も渡されちゃって」
青「それにしてもすごい量ね……」
でも、3日で読み終わった
それで、他の本を借りに行ったら、先輩は凄く嬉しそうな顔をして
また沢山のオススメを貸してくれた
私は世の中には不思議なことはある思う
そしてこれは、私が体験した少し不思議な話
初夏
地球温暖化のせいなのか、それとも自分が暑さに弱いのか
私は、ぐったりと木陰で仰向けになって空を見てた
空では、一羽の鳥が涼しげに泳いでいる
空「気持ち良さそうだなぁ……」
私は小さい頃から、空を颯爽と風をきって飛んでみたかった
空「手を伸ばせば届きそうなのになぁ……」
?「起きて……ねぇ、起きてよ」
空「ん……私……寝てたんだ……」
茶「おはよう、空」
空「茶色先輩?」
茶「誰それ?」
空「違うんですか?……ここは?」
茶「ここは雲の上だよ」
空「え?え?」
私の前には茶色先輩に似た人がいる
そして、その茶色先輩に似た人はここが雲の上だと言った
茶「空を飛んでみたかったんでしょ?」
多分、いや間違いなく私の周りには沢山の?が沢山浮いてる
茶「私は空に恩返しがしたかったの」
空「恩返し?」
茶「うん」
私、茶色先輩に感謝されることしたっけ?
空「茶色先輩、恩返しって何ですか?」
茶「だから茶色って人じゃないって、まぁいいや……これ持って」
空「羽?」
茶「ちゃんと持っててね、それじゃあ行くよ」
その瞬間、足場の雲は無くなり、私は空を飛んでいた
空は私が思っていたとおりでとても気持ちよかった
茶「喜んでもらえたかな?」
空「うん、凄く気持ちがいい!」
茶「それはよかった」
あれ?先輩が鳥になってる
……この鳥どっかで見た気がするかも
……
?「起きろ……起きなさいって!」
空「ん……ん……お姉ちゃん?」
青「もう昼休みも終わりよ」
空「私、寝てたんだ……じゃああれは夢か……」
残念だな、そう思って羽を握っていた手を見た
私はしっかりと羽を握っていた
そうだ、あの鳥どこかで見たことがあると思ったら
昔、私が助けてあげた鳥だ
私はその鳥のケガが治るまで、いつか一緒に空を飛ばしてねってずっと言ってたっけ
空を見上げると、そこにはさっきの鳥が私の真上をぐるぐると周りながら飛んでいた
梅雨
その日も朝から雨が降っていた
当然、私も傘をさして登校してきたんだけど……壊れちゃった
説明するとものすごく長くなるから省略するけど
そして今は下校時間、傘のない私は途方にくれていた
空「どうしようかな……」
水「よければ、入っていく?」
捨てる神あれば拾う神あり
空「いいんですか?」
水「うん、じゃあその傘さしてくれる?」
先輩の傘は少し色がくすんで、骨が曲がっていたけれど雨はしっかり防いでくれ
水「ボロだから塗れちゃうね……」
空「いいえ、確かに少し古くなってますけど、全然大丈夫です」
水「ほんとに?」
空「はい、とても良い傘ですね」
水「……」
空「先輩?」
水「ありがとう」
空「私のこと誉めてくれて」
空「何言って……」
水「私ね、昔に忘れられてずっと学校に放置されたままだったの」
空「先輩は……」
水「ごめんね、水って人じゃないんだ……騙すつもりは無かったの……ただ使って欲しかった」
『ありがとう』そういって、水先輩は雨があがるように姿を消した
古びた傘を残して
そういえば小さい頃、聞いたことがある、物には魂が宿るって
これはまだ少し肌寒い6月に体験した不思議な話
春
それは出会いと別れの季節
そしてこれはそんな春の日に私が出会った不思議な話
私の住む寮の近くには神社がある
私は、よく散歩でここに来るから、境内の裏に古い小さな桜の木が植わっているのを知っていた
空「早く咲かないかなー……ってあれは桃先輩?」
見慣れた桜の木の下には見慣れた寮の先輩の姿があった
空「桃先輩もここに来るんですね」
桃「桃先輩?別の人と間違ってませんか?」
空「すいません……あまりにも似てたんで」
桃「あなたはここに何しに来たの?」
空「私はこの桜を見に来たんです、早く咲かないかなぁーって」
桃「境内の裏のこんなちっぽけな人気のない桜を見に来るなんて物好きね」
空「そうですか?私はそうは思いません」
桃「え?」
空「他の人はあまり知らないみたいだけど、この桜はとても綺麗な花を咲かせるんです」
桃「……でも、もうじきこの桜は枯れてしまうわ、それに花を咲かせる力も……」
確かに、この人の言う通りかもしれない
私はそういうのには詳しくないけれど、この桜の木がもうすぐ枯れてしまうのはなんとなく分かった
空「……この桜が見れなくなるなんて残念です……」
桃「……」
空「どうしてだろう……涙が……」
私は泣いていた
この木が枯れると分かった時、凄く悲しかった
桃「……咲くわ」
空「え?」
桃「この桜は絶対に、だってこんな桜でも楽しみにしている人がいるんだから」
空「……咲いたら、友達を誘って絶対に来ます」
帰り際に桃先輩に似たその人は小さくありがとうって言っていた
翌日、その桜は満開に咲いていた
周りの桜に比べて物凄く早く咲いた桜の話はすぐに広まり
桜の下には少し早くきた春の訪れを見に沢山の人が来ていた
そして、その桜は私が見た中で一番綺麗に咲いていた
初冬
周りの木々も冬支度をはじめ、人間以外の動物は眠りにつく準備をはじめる
空「ゴメンナサイ……」
青「まったくもう……大したケガじゃなかったからよかったものの」
ここは病院の病室
私は部活のストレッチをサボって、ケガをしてここにいる
私は大したことないと思っていたけど、入院なんだそうで
青「毎日通う私の身にもなってよね……」
お姉ちゃんに怒られているわけで
でもそれは私を心配してくれてるからだと思う
青「まぁ、色無も一緒に来てくれてるからね……えへへ」
前言撤回、私の感動を返して
青「はい、リンゴ」
空「ありがとう……ウサギじゃない」
できればウサギみたくして欲しかったな……
青「何?まだ私に面倒をかける気?」
空「ゴメンナサイ……」
無「どうだ、具合は?」
空「はい、大丈夫です」
無「そっか、よかったよ」
空「……お姉ちゃん、リンゴもう一個むいて……ウサギで」
青「し、仕方ないわね!」
無「お!上手いな、さすがは青」
青「これくらい当然よ!」
お姉ちゃん、口元緩んでるって
それにしてもなんて扱いやすいんだろう……ウチのお姉ちゃんは
夜、私はなかなか寝付けないでいた
普段は運動したり、思いっきり遊んだりするからすぐ眠くなるのに
やっぱり一日中寝てるだけなのはダメだね
空「そうだ、屋上に行ってみよう」
私はカーディガンを羽織って病室をあとにした
空「うわぁ……寒いな」
白「こんばんは」
空「え?……白先輩?」
白「白先輩?誰それ?」
人違いだった、でも似てるな……世の中にあと二人は自分そっくりな人間がいるって言うのは嘘じゃないかもしれない
白「どうしたの?」
空「いえ、なんでもないです」
白「そう、よかったら少しお話しませんか?」
空「それでですね、ウチのお姉ちゃんときたら……」
白先輩に似た人は本当に楽しそうに私の話を聞いていた
私は楽しそうに笑うその横顔を見た
その横顔は月に照らされ、元々白かった肌がさらに際立ち、とても綺麗で儚かった
それはまるで、人じゃない何か神聖なものみたいに思えた
それから毎晩、私は屋上に通うのが日課になった
そしてその日も、私は屋上に来ていた
白「明日、退院なんだってね、おめでとう」
空「はい、でも会えなくなっちゃいますね……あ!私お見舞いに行きますよ」
白「ありがとう、でもその必要はないの」
空「え?」
白「今日は空にお別れを言いにきたの」
空「……どういうことなんですか?」
白「……私、小さい頃から入院してて友達がいなかった……それでずっと友達が欲しかったんだけど……」
白「結局叶わないままは私は眠りについた……それが1年前の今日」
空「じゃあ……」
白「ごめんね、騙すつもりはなかったの……ただ友達になりたくて……でも私の正体を知ったら怖がると思って」
空「そんなことありません、全然怖くなんかなかった……会えてよかった……私たちはずっと友達です」
白「ありがとう」
最後にそう言いながら微笑んで消えた
誰もいなくなった屋上で私は1人で空を見ていた
その時、空からなにかがヒラヒラ降ってきた
空「雪だ……」
手の上に降ったその雪は、ほんのり暖かいような気がした
夏休み
……暑い、こんだけ暑いと溶けてしまいそうな気さえする
そんな状態の中で部活をやっていて、さらに自分の思うようなタイムがでないとなれば
イライラしてくるのも当然だ、人間だもの……
そういうわけで、私はここ最近、部活をサボっている
空「お姉ちゃん……お姉ちゃん?」
どんなに呼んでも返事なし……あ、お姉ちゃん出かけてるんだった
空「お腹すいたな……買いに行くか」
外に出ると、熱気がスゴい……なんか景色がぼやぼやしてるような……
やっぱりもう少し時間が経ってからにすればよかったとも思ったけど、出てしまったからには覚悟を決めよう
私が寮の門を出たとき聞き覚えのある声が私を呼んだ
赤「どこ行くの?」
空「え?……赤先輩?」
赤「お財布を持っているってことは……お昼でも買いに行くんだね」
空「……部活はいいんですか?」
赤「部活?関係ないよ、それに赤先輩って誰?」
……なんか引っかかるな
赤「さてと……」
赤先輩……に似た人は私の財布を取った
空「……返してください」
赤「いやだよ♪返して欲しければ捕まえてごらん」
そう言うと、赤先輩に似た人は走り出した
さすがに財布を盗られてぼーっとしてるわけにもいかず、私は追いかける
どんなに走っても追いつけないかった……私は幻を追いかけてるのかもしれない
でも、なぜだかとても清々しくて、楽しかった
空「もうダメだ……」
赤「なかなか体力はあるんだね」
空「先輩ほどじゃないですよ」
赤「ねぇ、どうして空は陸上部に入ったの?」
空「……私は走るのが好きだからです……でも忘れてました」
私が振り返るとそこに先輩の姿は無く、私の財布だけがポツンとおいてあった
……これが白昼夢?……やっぱりあれは赤先輩じゃないのかな
空「疲れたー!よし、寝るぞ!……メールだ」
えーと、なになに……
メールの内容は
今日、赤先輩が部活の途中で消えてしばらく経ったのちに満面の笑みで帰ってきたそうだ
メールの最後にはきっと彼氏と会っていたに違いないと書かれていた
お盆
それは先祖の霊が会いに来る日
暑さのピークも過ぎ、日中の日差しも少しずつだけど弱まってくる……
それが昔の夏だった
今の夏はとにかく暑い……
いまだに日中30度を超える日もある
やっぱり地球温暖化のせいなのだろうか?
まぁ、原因がわかったところで暑いのが変わるわけではないけれど……
そうすると恋しくなるのは肝試し
いいよね肝試し、夜に出歩くあのワクワクする感じがたまらないよね
しかも都合よく近くで目撃談があるんだよね
夜、公園におじいさんの霊が出る
……正直、怖くなさそうだけど、暇つぶしにはなるかなーって
そんな軽い気持ちで決めたことだった
けれど、今になって思い返すと
それは、あらかじめ決まっていたような気がする
空「っていうことがあるの」
青「……それで?」
空「一緒に行こうよ」
青「……私がそういうの苦手なの知ってるわよね」
空「そこをなんとか!」
青「絶 対 に イ ヤ」
緑「どうしたの?」
空「緑先輩、聞いてくださいよ!」
緑「なるほど」
空「ヒドい話ですよね」
青「私は怖いの苦手なの!」
緑「じゃあ私がついていくわ」
空「……え?いいんですか?」
緑「うん」
空「ありがとうございます!」
この時はそんなこと思いもしなかった
でも、普段こういうことに全く興味をしめさない緑先輩が自分から行くと行ったのは……
そして夜、私は緑先輩に言われた通りに寮の門の前で待っていた
緑「待たせたわね」
空「いいえ、それじゃあ行きましょうか」
夜も遅いせいか、それとも暑さのせいか……外には猫一匹いなかった
それにしても……
空「……」緑「……」
……なんか気まずい……何か話をしないと……
空「緑先輩ってどうして本が好きなんですか?」
緑「面白いから」
再び沈黙……
空「えーと……そうじゃなくて……何かきっかけとかはあったんですか?」
緑「……」
……もしかして私、マズいこと聞いた?
空「ごめ……」
緑「小さい頃……」
空「へ?」
緑「小さい頃、おじいちゃんがよく読んでくれたの」
緑先輩の顔が優しくなった
空「好きなんですね」
緑「うん、でも……もういないんだ」
空「……ごめんなさい」
緑「謝ることはないわ」
空「……病気だったんですか?」
緑「ううん、事故だったの……」
空「事故……」
緑「私、子供の頃ここの近くに住んでたの……でも、親の仕事の都合でここにいない時期があった」
空「その時に……」
緑「たぶん私がいなくて寂しかったんだと思う……これは後から聞いた話なんだけどね。私がいなくなってから、おじいちゃんは近くの公園に本を読みに行くようになったんだって」
緑「公園にいる私ぐらいの子供に聞かせるために……だけどその途中にね……」
緑「……私はおじいちゃんの最後に会えなかったのが心残りなの」
空「そうだったんですか……」
緑「ごめんね、なんか湿っぽくなっちゃったね……あの公園?」
空「はい、そうです……話によるとそろそろなんですけど……」
ウワサは所詮ウワサだった
私たちは結構ねばったけど……結局おじいさんの幽霊は出てこなかった
空「……ごめんなさい」
緑「空が悪いわけじゃないわ」
私たちが引き返そうと振り向いた時
空「先輩、あれ」
緑「……おじい……ちゃん?」
空「ウソ……」
それは大切な人に会いたいと強く願う気持ちが起こした
奇跡だったのでしょうか
空「お姉ちゃーん」
青「人に頼るな!」
空「ぶー」
水「……」
青「どうしたの、水?」
水「妹ってうらやましいなって」
青「そう?いると邪魔くさいだけよ」
水「そんなことないよ……1人っ子の私には」
青「……」
青「空、ちょっと」
空「何?」
青「あのね……ごにょごにょ」
空「……わかった」
空「おーい」
水「あ、空ちゃん」
空「水せ……お姉ちゃーん」
水「お姉ちゃん?……お姉ちゃん!?」
空「おはよう、お姉ちゃん」
水「……はぅ」
青(これで私の負担も減るはず……)
空「さて、黄色先輩はと……」
黄色(きいろ)
カレーをこよなく愛する女子高生のこと
1にカレーで2にカレー3、4もカレーで5にカレーという
度を越えたカレー好きであるため、カレー抜きで語られることはない
というよりは、カレーなくして黄色は語れないというのが正解だろう
おまけに、おちゃらけたキャラであるために、バカキャラとして定着してしまっていることは悲しい事実である
過去に、『黄色が明るいのは、過去にあった出来事の反動』というバカキャラを払拭する設定が出されたが
一切書かれることがなく、今日も不動のバカキャラとして、その名を欲しいままにしている
そのため、唯一黄色をちゃんとした女の子として扱っている
School Days(別項参照)に彼女の今後が掛かっていると言っても過言ではないだろう
その他に、実は寂しがり屋という話もあるが、真偽は不明である
空「なんか可哀想になってきた……」
空「ふぅ……」
水「ねぇ、空ちゃん♪」
空「な、なんですか?」
水「えへへ〜、空ちゃん」
空「ひゃっ! 抱きつかないで……お酒くさい……酔ってますね?!」
水「私のこと……好き?」
空「お姉ちゃん!水先輩が!」
青「色無のバカ……うぅ……ぐす……うぅう……うええええ!」
空「……」
水「……もしかして嫌い?……ぐすっ……」
空「え、いや……す、好きですよ!」
水「……ホントに?」
空「ホントです!だから離れて下さい!」
水「……やっぱり嫌いなんだ……私はこんなに好きなのに……」
空「黒先輩、灰ちゃん!助けて!」
黒・灰「……」
空「無視しないでー!」
茶「私に任せてくらはい!」
空「茶先輩、千鳥足でこっち来ないでください!」
茶「あれれ〜?部屋が揺れてるよ〜?」
ばしゃーん
空「びしょびしょだ……」
水「……」
空「シャワー浴びて来なきゃ……ん?」
水「……私も行く……空ちゃんと一緒に入る」
空「お姉ちゃん!水先輩になんとか……」
青「ぎもぢわるい……」
空「……」
空「灰ちゃんって誰にでもタメ口だよね?」
灰「そうだけど」
空「怒られないの?」
灰「ぜんぜん、空もやってみれば?」
空「そうだね、何事も挑戦だよね!」
灰(空って、ちょっとズレてるな……)
空「おーい、水」
水「え……」
ガチャーン←花瓶を落とした
空「ダメだったよ……」
灰「へぇー(……もしかして私って気にされてない?)」
空「お姉ちゃん、カップラーメン食べる?」
青「食べる!」
空「さてと……」
青「なんで電気消すの?」
空「こうやってスタンドの電気(暖色)だけ点けて、コタツに入って薄暗い中で食べるの」
青「あ、ちょっといいかも」
空「暗い方がなんか静かな感じがしていいよね」
青「聞こえるのは外で降る雨、そして麺とスープをすする音だけ……なんか乙な感じ」
空「お姉ちゃん、詩人だねー」
青「たまにはこういう値段の高いのもいいわね」
空「値段が高いと微妙にテンションあがるよね」
青「わかる、スッゴいわかる!普段安いヤツばっかりだからだけどね……」
空「『え?これ160円もするの!?高級じゃん……え?食べていいの!?』ってなる」
青「そうそう、あと『熱湯5分』とか『え?3分じゃないの……?スゴい……高級じゃん……』みたいなね」
空「あるある、でも大抵、食欲に負けて1分早く開けちゃうんだよね……まぁ硬めが好きなのもあるけど」
青「逆に、高いの買った後にメーカー見たら『ニュータッチ』だとテンション下がるよね……」
空「激しくあるね、ニュータッチのカップラーメンは麺やスープだけじゃなくてパッケージからも安っぽい感じが漂ってる」
青「そうそう!でもその安っぽいのが魅力的でもあるんだよね……」
空「なんて言うか……『カップラーメンらしいカップラーメン』?」
青「物は言い様ね」
空「でも、たまに『嘘だよ……ニュータッチなのに……美味しい……』っていうのもあるんだよねー」
青「それがニュータッチクオリティなのよね……」
空「でも『エースコック』はダメだね」
青「あそこのはやたら脂肪分が多いし……麺も安っぽいし……」
空「本当に『質より量!』って考えが全体から伝わってくるよね……」
青「若いうちしか食べられないカップラーメンの代名詞ね」
空「あれ食べ続けたら成人病コースまっしぐらだよ、間違いなく」
青「でも、同じ値段でも日清のカップヌードルは一線を駕してるわ!」
空「シーフードとかもうね……あれは神の領域だよ!」
青「長い間親しまれてきてるのがよく分かる」
空「シーフードを食べる時は絶対に最後『スープおじや』で締めるよね」
青「鍋にスープを入れてそこにご飯を……そしてグツグツいったところに卵を……」
空「『そぉーい!』って入れてかき混ぜて、卵がいい感じになったらお皿に盛る……」
青「ご飯と卵が奏でる絶妙なハーモニーが……もう……」
空「……素晴らしい」
青「カップラーメンでここまで盛り上がれる私たちって本当に庶民よね……なんか寂しいような……」
空「逆に考えるんだよ、庶民だから食べれるって」
青「そうね……でもこんな時間に食べて……間違いなく体に悪いわね」
空「そうだね……でもその背徳感がまたいいんだよね……食欲以外の欲も満たされるんだよね……」
青「ねー……そうそう、最近よく高級カップラーメンってあるわよね」
空「うん、でもお金があっても『GOOTA』とか『ラ王』にはなかなか手が出せない……」
青「あれはお金だけじゃなくて手間もかかるのよ……『麺を開けて一回湯通し』とか……」
空「ねー、ただ『ジェット湯切りって言葉使いたいだけじゃん!』って思う」
青「そうそう、それにお湯も多く沸かさないといけないし……『あぁ……時間がっ……』って」
空「でも、それだけする価値はあるんだけどね……食べ終わった後、『我が選択に一片の悔い無し!』って感じになるもん」
青「さすがよね……ラ王……調子に乗って買い溜めすると財布の中で死兆星をみるけど」
灰「……あのバカ姉妹また夜中にあれだこれだと……お姉ちゃんガツンと言ってやろうよ!」
黒「……」
灰「お姉ちゃんってば!」
黒「……ズーズズッズー……至福だわ……」
灰「……一口ちょうだい」
『次は○○○〜○○○に止まります』
ピンポーン
空「懐かしいな……小さい頃バスのこれ鳴らすの大好きだったんですよ」
無「俺もあったよ、鳴らしたくて鳴らしたくて自分が降りる直前に連打して怒られたな」
空「懐かしいな……」
ピンポーン
空「お母さーん、私もあれ押したいよー」
母「自分が降りる時以外は押しちゃダメよ」
空「だって、いっつも先越されちゃうんだもん……」
「ねぇ、あなた」
空「なんですか?」
「次、降りるんだけど私の代わりに押してもらえるかな?」
空「いいんですか?……ありがとう!」
ピンポーン
空「なんて事があったんですよ」
無「良い話だね」
子「お母さーん、僕も今の押したいよー」
空「……ねぇ、次で私たち降りるんだけど、代わりに押してくれるかな?」
子「いいの?」
空「うん!」
母「ありがとうございます」
無「こうやって受け継がれていくんだな」
空「些細なことだけど……少しずつ広がって少しでも多くの人が幸せになれたら素敵ですよね」
無「そうだね……」