空メインSS

空「ねぇ、灰ちゃん」

灰「何?」

空「友達の絆を深める為にお互いのことを知ろうよ」

灰「……いいけど」

空「じゃあ質問ね。オニギリの海苔はパリパリ派?しっとり派?」

灰「んー……しっとり」

空「納豆に辛子は入れる?入れない?」

灰「んー……入れない」

空「猫まんまはご飯にお味噌汁をかける?お味噌汁にご飯を入れる?」

灰「……お味噌汁にご飯」

空「全部私と違うよ……ダメじゃん」

灰「……自分からふったくせに」


空「喉乾いた……」

緑「……はい」

空「え?いいんですか?」

緑「……私が飲んだのでよければ」

空「ありがとうございます」

空「眠くなってきたなー……」

緑「……ひざまくら」

空「え?み、緑先輩?」

緑「……遠慮はしなくていい」

空「……だ、大丈夫ですよ!(親切で言ってくれてるんだろうけど流石にこれは……)」

緑「……空に嫌われた」

空「そ、そういうつもりじゃなくて!」


空「ねぇ、お姉ちゃん」

青「何?」

空「外人の名前によく『ホワイト』とか『ブラウン』ってあるでしょ」

青「それがどうしたのよ?」

空「それて日本人が名前に『白』とか『茶』ってつけるようなものだよね」

青「……まぁ、そうなるわね」

空「それってさ変だと思わない?」

青「……思うけど、私たちが言える立場じゃないわね」


空「お姉ちゃん、何読んでるの?」

青「『ロミオとジュリエット』よ。緑が『あなたにお勧め』って言うから借りて読んでるんだけど……」

空「どうしたの?」

青「なんか台詞回しがいちいち大げさなのよね。シェイクスピアって、これ書いてるとき恥ずかしくなかったのかしら? きっと今で言う厨二病だったのね」

空(お姉ちゃんがそれを言うかーー!!)


青「……」

空「どうしたの?」

青「……もしかして私より胸大きい?」

空「そうだけど?」

青「なんか空にばっかり良いところが行っちゃった感じよね……」

空「そんなことないよ。私からすればお姉ちゃんの方が良いところばっかりだよ」

青「そうかしら?」

空「スタイル良いし、髪サラサラだし、『認めたくないけど』たまに仕草が可愛いし」

青「空っていつも一言余計よね……強調して言うな」


空「でもさ、兄弟とか姉妹って長所短所を分け合ってない?」

青「確かに、私にはないものが空にはあったりするわね」

空「灰ちゃんの所なんか正にそれじゃん」

青「黒はしっかりしてるけど灰はだらしない所とかね」

空「うん。兄弟、姉妹はお互いを補いあってるんだよ」

青「そうね。だから私たちも仲良くしないとね」

空「うん。まぁ、それはそうなんだけどさ」

青「どうしたの?」

空「桃先輩って一人っ子で良かったと思わない?」

青「何で?」

空「だってさ、可愛くて、スタイル良くて、胸大きくて完璧じゃん」

青「そうだけど、それがどうしたのよ?」

空「それだけ長所ばっかり受け継いで生まれてきたら、次生まれる子は間違いなく……」

青「間違いなく?」

空「お茶に例えると『出涸らし』……」

青「物凄いしっくりくる例えね……」


空「他に一人っ子って誰がいたっけ?」

青「赤、緑、黄、水、紫、黄緑、白、薄黄、侍黒ね」

空「緑先輩に妹とかいたら物凄い話し好きな子だろうなー」

青「じゃあ紫なら背の高い妹ってところね」

空「黄色先輩の妹は物静かで……秀才」

青「……それ間接的にバカって言ってるのと同じよ」

空「薄黄先輩の妹は……薄黄先輩はいい匂いがするから……はっ!」

青「……そんなに極端な人間は生まれないから大丈夫よ」

空「じゃ、じゃあ侍黒先輩の妹は……」

青「……」

空「……洋風?刀の代わりに銃とか持ってたり?」

青「……だからそんな極端な人間は生まれないって」


空「先輩の学年って美術の授業では何をしてるんですか?」

水「私たちの学年は静物画をやってるよ」

空「『せいぶつが』ですか……」

水「うん」

空「描いてる間動かないなんて頭のいい生き物なんですねー」

水「???」


空「水先輩の干支ってなんですか?」

青「空と1つしか違わないんだから馬に決まってるでしょ……」

空「あ、そうか」

水「空ちゃんは羊なんだね」

空「そうですよ」

青「でもなんでそんなこと聞いたのよ」

空「水先輩ってなんとなくウサギっぽいなーって」

青「そんな血液型じゃないんだからぽいって……」

水「でもそれで考えると黄色ちゃんは……」

空「……猿?」


空「あ、こんにちは群青さん」

群「あら、空ちゃん久しぶり」

空「(群青さんの干支ってなんだろう?)あの、群青さん」

群「何かしら?」

空「群青さんの干支ってなんですか?」

群「私の干支?私は羊よ」

空「そうなんですか?私と同じですね!」

群「……へ、へぇー」

朱「ん?お帰り姉さ……姉さん?!酒臭っ?!」

群「……年はとりたくないわよね?ね?」

朱「う、うん。そうだね……」

群「ふふふ……悪気はないんだろうけどね……」

朱(……何があったんだ?)


空「色無先輩っ♪」

無「あ、空ちゃん」

空「ふふ、探しましたよ?」

無「探した?俺に何か用があるの?」

空「その……一緒に帰ってくれませんか?」

無「ん、いいよ」

空「本当ですか?!やったぁ!!」

無「はは、俺何かと帰るのがそんなに嬉しいの?」

空「えぇ、それはもう!」

無「そんなに肯定されるとなんだか照れるな……」

空「照れてる先輩もカワイイですよ♪」

無「空ちゃんの方が可愛いよ」

空「!!」

無「ん、どうしたの?顔赤いよ?」

空「い、いえ……何でも……ないです。」

無「そう?じゃあ帰ろっか?」

空「は、はい!」

橙「コレが色無マジック……か」

黄「さらりと女の子のツボをつく発言を言ってのける……」

緑「そこにシビれる憧れるゥッ!!……はっ?!私は一体何を……」


空「最近北斗の拳って流行ってるよね」

青「また突然ね……まあ映画になったり、漫画もリメイクされたりしてるしね。学生の私たちには関係ないけど、パチスロにもなってるみたいよ」

空「お姉ちゃんは誰が好き? 私はやっぱりラオウ様!」

青「まあ定番よね。私はレイかな。義に生きるあの姿に憧れるわ」

空「緑先輩は?」

緑「私はやっぱりトキ×ケンシロウで。リバも可——」

空「ごめんなさい、もういいです……灰ちゃんは?」

灰「ゲイラ様」

空「? 分かんないや、どんなキャラだっけ?」

灰「『息をするのもめんどくせえ〜』の人。ニートの神髄が凝縮された名台詞だよね」

空「……灰ちゃん……」


無「あ、消しゴム落ちた。青、悪いけどとってくんない?」

青「べ、別にアンタのために(ry」

無「うわ、弁当忘れた……しょうがない、今日は学食でも食いに行くか」

青「ま、待ちなさい!そ、その……お弁当二つあるんだけど……」

無「え、食べていいのか?」

青「べ、別にアンタのために(ry」

無「ふぅ、今日は委員会で帰りが遅く……って、あれ?青何してるんだ……?」

青「わ、私も今帰るところよ」

無「もしかして待っててくれたのか?」

青「べ、別にアンタのために(ry」

空「ねぇお姉ちゃん、その決め台詞みたいのいい加減止めたら?」

青「ぅぐ……しょ、しょうがないじゃない!素直になれないんだもん……」

空「べ、別にお姉ちゃんの心配して言ってるんじゃないんだからね!」

青「……」

空「え、えへへ……やっぱりこの台詞はお姉ちゃんが一番しっくりくるね」

青「一瞬本当に心配されてないんじゃないかって思っちゃったわ……」


無「おーい、空」

空「どうしたんですか?」

無「今日さ、自転車がパンクしちゃってさー」

空「そうなんですか。それでどうしたんですか?」

無「いや、それだけなんだけどさ」

無「おーい、灰」

灰「ん?どったの?」

無「今日、朝ご飯食べてたらさ魚の骨も食べちゃってさー」

灰「ふーん、それで?」

無「いや、それだけなんだけどさ」

無「おーい」

空「どうしましたか?オチ無先輩」

灰「オチ無、どうしたのー?」

無(お、オチ無……)


空「んー……疲れた……今日はもう寝よっと」

空(明日はどんな楽しいことがあるかなー。そうだ。明日は緑先輩もお昼ご飯に誘おう。楽しみだなー)

空(疲れてるはずなのに……今何時だろう?……もう1時?! 早く寝なくちゃ明日つらいよ……早く寝なくちゃ早く寝なくちゃ……)

空(なんで寝付けないんだろう……しかも、もう3時だよ……明日は7時に起きるからあと4時間寝れる……)

空(うわぁ……もう5時だ……もう今日はこのまま起きてよう……)

青「空、早く起きないと遅刻するわよ!」

空「すー……すー……」

空「っていう感じで今日は全然寝れてないんですよ……」

水「そういう時って早く寝ようと思えば思うほど寝れなくなるんだよね」

空「そうなんですよ。しかも日が昇り始める頃になってやっと眠くなるんですよね」

青「睡眠ぐらいちゃんととりなさいよ……」

水「青ちゃんはそういうことない?」

空「お姉ちゃんは色無先輩のことを考えてて寝れないどころかご飯も食べなかったことがありますよ」

水(……青ちゃんそこまでくると病気だよ)


空「え?」

しろ「だから!紫によく似た私たちの仲間がいたの!」

空「それってもしかして……」

水「座敷童ってこと?」

くろ「うん」

しろ「たぶん、この寮のどこかにいるよ!」

空「水先輩、探しに行きましょう!」

水「うん。じゃあ手分けして捜そう」

空「あ、水先輩。これ」

水「……虫眼鏡?どうして?」

空「水先輩、よーく考えて下さい。黒先輩と白先輩に似た2人でさえこんなに小さいんですよ」

水「……?」

空「だから紫先輩に似た座敷童はさらに小さいはずです!」

水「……空ちゃん、虫じゃないんだからそんなことは……」


空「あれ?私の部屋のドアから釘が出てる。(私が)危ないよね……よし!」

空「ふー……やっと抜けた……」

朱「何やってるんだ?」

空「釘がはみ出てて(私が)危なかったんで抜いてたんです」

朱「空……みんなのことを考えて自ら率先して釘を抜くなんて……偉いじゃないか!」

空「へ?」

朱「今日の昼飯は私が奢ってやる!」

空「いや……その……これは私の為で……」

朱「謙遜することなんてないって!」

空(なんだろう……この罪悪感……)


「日曜は晴れるそうだし、どこかいかないか——」

 色無先輩にそう声をかけられて、二つ返事でOKしちゃいました。

 帰ってすぐに一人ファッションショーを開催して、

 次の日の朝はお姉ちゃんにばれないようにこっそりお弁当の準備をして、

 約束の時間の10分前につくように家を出ました。

「あれ、早いな」

「色無先輩っ!」

 なのに、色無先輩はもう来てました。

「あれ、そのバスケットは?」

「あ、これは……お昼ご飯にどうかな、と」

 あまり揺らさないようにもってきた、ピクニックバスケットを胸の前で抱えて告げました。

「……なるほど。じゃあ、今日はピクニックにしよう」

「はいっ♪」

 色無先輩は少し考えた後、そう言いました。

 それから電車に乗って、大きな公園までやってきました。

 草原の上にバスケットにいれておいたシートを敷いて、バスケットを置きました。

「空は準備が良いなぁ」

 何度も頭の中で予行練習しましたから、とは恥ずかしくて言えず、笑って返しました。

「おおー、すげぇ豪勢だな……」

 バスケットを開いた時、作った料理を一口つまむたび、色無先輩の口から感嘆が漏れます。

 それがすごくくすぐったくて、甘くしたはずの卵焼きの味もよくわかりませんでした。

 それから話をしたり、交互に膝枕をしてお昼寝をしたり、軽く運動をしたりしました。

 

 日も暮れきって、辺りが暗くなりきった頃に私達は駅に戻ってきました。

「今日はすっごい楽しかったです!」

「いえいえ、こちらこそ。弁当すごい美味かった」

「そ、それはもう良いですから……」

「ところでさ、空は来週もあいてるかな?」

「え?」

 少し考えて、特に予定はないと思います、と答えました。

「じゃああけておいて貰えるかな。実は今日行こうと思ってた映画が来週、ラストチャンスで——」

「はいっ、はいっ!私でよければ喜んで!」

「良かった。それじゃ、帰ろうか」

 自然と差し出された色無先輩の左手を、恐る恐る私の右手が掴みます。

 来週も待ち遠しいけれど、この時間も長く続いて欲しい——そんな贅沢な悩みを抱えて、私は帰宅したのでした。


 ある梅雨の晴れ間。

「猫さんがいる」

 寮の縁側に、猫が一匹気持ちよさそうに寝そべっていた。

 なんとも言えない魔力に抗えず、そっと近づく。

 猫はこちらの気配に気付いてすぐに顔を上げたあと、気だるげに戻した。

「あれ、逃げないな……人慣れしてるのかな」

 撫でろ。とでも言っているかのように堂々と晒しているお腹を、存分に触らせてもらう。

 一通り愛でたあと——

「なんか眠くなっちゃったな……隣、お邪魔します」

 そういって、空は眠りに付いた。

「ただいまー……って、うわ。なにこれ」

 帰ってきた青は、縁側の惨状に驚いた。

 それもそのはず。大量の猫と、妹の空がそこに寝ていたのだから。

 猫達は青の登場に驚いて逃げるもの、様子を伺うもの、気にしないものと様々だった。

「ちょっと空、起きなさい」

 青はてきとーに猫を蹴散らしながら、妹を起こしに行く。

「はれー? おねえちゃんにゃー おかえりにゃー」

「寝惚けてんじゃないわよ……まったく」


空「はぁ〜……髪伸びたなぁ……しかもこの時期はクセ毛の私には辛い……」

無「どうした、空?」

空「あ、色無先輩……いいですね、直毛で……」

無「んー、まぁ空の髪みたいに手間はかからないな」

空「ですよねー」

無「でも空のクセ毛は好きだよ?なんていうか、ふわふわしてて可愛いらしいというか……」

空「そ、そうですか?」

無「うん、長さもショートよりセミロングくらいの方がきっと空には似合うよな」

空「……も、もうちょっと伸ばした方がいいですか?」

無「俺はそっちの方が可愛いと思うけど……でもクセ毛はこれからの時期手入れも大変だs……」

空「伸ばします!私髪伸ばします!!」

無「そ、そう?じゃあ空ちゃんの髪が伸びるの楽しみにしてようかな」

空「はい!楽しみにしててください♪」

灰「これは寮内にパーマが流行する予感……!こうなったら早速パーマ液を作って……」

黒「灰、ちょっと」

灰「お、お姉様っ?!」

黒「完成したら私にも一つ頂戴」

灰「え……あ、うん」


空「お姉ちゃんのバカっ!」

青「なんとでも言いなさい」

空「バカ!アホ!おたんこなす!厨二ポエム!」

青「厨二ポエム……」

空「もう知らないっ!」

空「うっ……ぐすっ……お姉ちゃんのバカ……泣いてたらのど渇いてきちゃった……」

無「空」

空「色無先輩……」

無「はい」

空「……120円?」

無「あげるよ」

空「……」

無「どうした?」

空「ファイトマネーですか?」

無「……ジュース代だっての」


空「あーめあーめふーれふーれ♪」

無「空は雨の日でも楽しそうだな」

空「はい!私、雨もキライじゃないですよ!」

無「俺はあんまり好きじゃないなぁ……濡れるし、なんかどんよりしてるし」

空「あーおいそーらが見えぬなら青い傘ひろーげてー♪ですよ!」

無「宇多田?」

空「古いですかね?」

無「いや、空らしいよ。だから傘青なの?」

空「はい!それに私青好きですし」

無「なるほどね」

空「あと、ですね」

無「あと?」

空「……雨の日があるから、晴れの日の青空があんなに綺麗なんだって思うんです。だからきっと、雨が空を綺麗にしてくれてるんですよ」

無「……すごいな、空は」

空「えへへw」

無「俺、もう少し歩きたくなったな。……ちょっと遠回りしてこうか?」

空「はい!」


黄「空ー!遊びに来たよー!」

空「え?こんな時間にですか?」

黄「うん!」

 30分後

黄「んー……なんか眠くなってきちゃったなー……ゴメン。じゃあ私寝るねーバイバーイ」

空「え?!お、おやすみなさい……(本当に自由な人だなー……)」


『甘いもの? は別腹』

青「……疲れたわ」

空「お姉ちゃんぐったりしてだらしないなー」

青「仕方ないでしょ、朝からずっと歩き回ってたんだもの」

空「……じゃあもう動きたくないんだ?」

青「このまま机で眠りたいくらいよ」

空「そうなんだ、せっかく先輩が『新しく出来たアイスクリーム屋さんに行かない?』

 って言ってくれてるのに」

青「あなたのいう先輩は水の事でしょ?」

空「水先輩は学校の花壇のお世話に出かけてるよ?」

青「……」

空「……じゃあ色無先輩と2人で行ってく」

青「何してるの空! 早く行くわよ!」

空「はやっ!」


空「た、た、大変、大変!お、お、お姉ちゃん……」

青「どうしたの、もう、騒がしいわね!」

空「雨の中、水先輩が笠さして鼻歌歌いながら花壇に水巻いてるよ!」

青「ああ、あれね。フゥ〜」

空「お姉ちゃん、理由知ってるの?」

青「ええ。さっき色無が水色にゴム長プレゼントしたのを見たわ」

空(それで水先輩、舞い上がっちゃって……)


空「灰ちゃん、台風が来るね」

灰「そうだね」

空「台風が来るってことはつまり……」

灰「うん……」

空・灰「学校に行かなくていい!」

空「え……」

灰「どうしたの?」

空「……わかってはいたけど灰ちゃんと言うことが一緒だとなんかヘコむね」

灰「……」

空「でも、台風来るときに限って3連休なんだよね……」

灰「そうなんだよね……」


空「さて、夜に直撃するらしいからそれまでに買い出しに行っちゃいましょうよ」

水「そうだね」

空「お姉ちゃんと黒先輩も誘って来ますね」

灰「あれ?私は?」

空「え?だって灰ちゃんどうせ来ないでしょ」

灰「どうせって……確かにつもりだったけど……」

空「じゃあ、行ってきまーす」

水「行ってくるね」

茶「私たちが帰ってくるまでカギ開けちゃダメだよ」

黒「大丈夫よ。私たちでもカギ開けないから」

青「じゃあカギ持って出ないと」

灰「……ゲームでもしようかな」


空「さて、飲み物はもういいとして何を買いましょうか」

茶「やっぱりお菓子かな」

水「そうだね。それ以外はあんまり思いつかないね」

黒「じゃあ、各自自分の食べたいものを買ってくるってことで」

空「はーい!」

空「お姉ちゃん、どれにしようか?」

青「そうね……これなんてどう?」

空「それいいね!じゃあこれはどうかなみんなで食べれそうだし」

青「いいわね」

空「あとこれも買おうよ!」

青「じゃあ、これも」

空「お姉ちゃん……」

青「うん……」

空「お腹減ってるときに買うのは良くないね……ついつい買いすぎちゃう……」

青「こんなに食べれるかしら……」

黒「またずいぶん買ったわね……」

水「でも、とりあえずお菓子で困ることはなさそうだね」

空(水先輩は優しいなー)

赤「おぉー!すごい量!あと台風10回分は乗り切れるね!」

空(赤先輩は前向きだなー)

黒「ちななみにこれは誰が買ったの?」

茶「きゅうりのキューたん?」

空「お姉ちゃん、私たちこんなの買ってないよね?」

水「そ、それ私なんだ……すごい好きなの……」

空(なんか……)

空・青・黒(なんかものすごくかわいい……)


次スレ(嘘)予告

灰「今日は面白いものを作ってきたよ」

空「どんなの?」

灰「なんと……獣耳が生えてくる薬だっ!」

空「……前にも同じもの作ってたよね?」

灰「私をなめないでもらいたいね。今度のこれは前回の薬とは一味違うよ」

空「どう違うの?」

灰「前回はどんな獣耳が生えてくるかわからなかった。しかし!今回は自分で生やす耳を選べるのだっ!」

空「おー」

灰「名付けて『ミミハエール改』!」

黒「……名前はともかく何を使ってこんなもの作ったの?」

灰「……聞きたい?」

黒「もちろん」

灰「……聞かない方がいいと思うよ」

黒「珍しく歯切れが悪いじゃない」

灰「いや……まぁ……聞いたら飲みたくなくなるよ」

黒「……そんなにヤバいものを入れたの?」

灰「ヤバいというか……DNAを含んだ液体を……」

黒「液体って何よ」

灰「その……せい……」

黒「ちょっと!そんなものを飲ませようとしてたの?!」

灰「そんなものって『せいち』だよ!」

黒「……は?」

灰「だから!生きるに血って書いて『せいち』!」

黒「……『いきち』じゃなくて?」

灰「……あ。……あはは……そうとも言うねー……」

黒「こんな身近にゆとり教育の被害者がいたなんて……」


次スレ(嘘)予告

空「灰ちゃんがゆとりなのは置いといて、私はどれにしようかなー」

青「そんな怪しげなもの飲むの?私はゴメンだわ」

空「色無先輩は獣耳が大好きなんだよ」

青「……」

空「大好きなんだよ」

青「……私はどれにしたらいいかしらね」

黒「……青」

水「……青ちゃん」

空「前回はキツネだったから今度はオーソドックスにネコとかは?」

青「そうね。ここは獣耳の王道のネコ耳でいくわ」

空「きっと似合うよ!」

青「そ、そうかしら……あれ……?」

空「どうしたの?」

キツネ→ネコ→……

青「……次は子豚かしら」

空「何言ってるのお姉ちゃん?」


水「ねぇ、空ちゃん。私はどれにしたらいいかな?」

空「そうですね……ウサギ耳なんてどうですか?」

水「ウサギ耳……うん、じゃあそれにしようかな」

水『ど、どうかな?』

空『すっごく可愛いですよ!』

水『本当……に?』

空『女の私でさえ守ってあげたくなります』

水『……』

─ぎゅっ

空『水先輩?』

水『……知ってる?ウサギは寂しいと死んじゃうんだよ』

空『……水先輩』

水『だから……今日は一緒に寝てもいいよね?』

青「……く」

黒「……」

青「……く……ろ……」

黒「……」

青「黒!」

黒「はっ?!」

青「どうしたの難しい顔して?」

黒「な、なんでもないのよ!私は正常よ!」

青「ならいいけど……」

黒「いけないわ……そんなこと考えちゃ……」


黄「私は何にしようかなー」

灰「今頃来たの?もうほとんど残ってないよ」

黄「そうなの?でも残り物には福があるっていうし」

灰「まぁ、黄色がそう言うならそれでもいいけど」

黄「何が残ってるの?」

灰「えーと……」

黄「わくわく」

灰「……ウーパールーパーとエリマキトカゲが残ってるけど、どっちがいい?」

黄「なんでそんな微妙な動物に手を出すかな」


灰「冗談だよ。本当は、ニワトリと子豚と牛が残ってるけどどれにする?」

黄「うーん……ニワトリに子豚に牛か……悩むなぁ……」

灰「時間はあるからゆっくり考えなよ」

黄「……ニワトリに子豚に牛……ニワトリに子豚に牛……チキンにポークにビーフ……」

灰「……」

黄「どれも捨てがたい……だけどここはビーフで!」

灰「……なるのは黄色自身だよ?」


空「桃先輩は何にしたんですか?」

桃「私はコウモリだよ」

空「コウモリですか?牛じゃなくて?」

桃「ひどいなぁ。まるで胸以外に私の取り柄がないみたいじゃん」

空(桃先輩がコウモリの耳だとモ〇ガンにしか見えない……)

空「緑先輩はどれにしたんですか?」

緑「……」

空「えーと……これは?」

緑「……リス」

空(緑先輩はやっぱり小動物系なんですね)

空「茶色先輩はなんの耳にしたんですか?」

茶「私はイヌだよ!」

空(茶色先輩は自分の尻尾とか追いかけてぐるぐる回ってそうな感じがするなー。でもそれはそれで可愛い)

無「……」

空「あれ?色無先輩もいたんですか?」

無「まあね……」

空「どんな耳にしたんですか?」

無「……」

空「先輩?」

無「……イカの耳」

空「先輩……」


次スレ(嘘)予告

水「空ちゃんはイヌにしたんだね」

空「はい!ところで水先輩、少し手伝ってもらいたいことがあるんですけど」

水「いいけど?」

青「色無に見せてこよっと♪」

空「来た来た」

青「ん?これは……水の入ったペットボトル?なんでこんなものが色無の部屋の前に沢山置いてあるんだろう?」

水「……」

青「まぁ、いいわ。とりあえず色無の部屋に……」

空「……」

青「あれ?……なんでだろう……このペットボトルが……怖い」

水「?!」

青「どうしよう怖くて色無の部屋には入れない……」

空「大成功♪」

水(……猫よけの水だったんだ)


夏の陽気に誘われて、ちょっと近所の公園まで散歩に出かけるだけのつもりだったんだ。

「あら、おにいちゃん」

「おう、空か。何してんだ?」

「お母さんが、お家の前に水を撒いてきなさいって」

「ああ、暑いからな。暇なら(散歩に)付き合うか?」

「え! う、うん! あたしでいいのね。おにいちゃん、あたし凄く嬉しいよ! おにいちゃんはお姉ちゃんや橙ちゃんと仲が良かったから、あたしてっきり……でも、おにいちゃんから言ってもらえるなんて……あきらめなくて良かったー! ちょっと待っててね、天気がいいからデートしようよ! 着替えてくるから、そこで待っててねー」

まくし立てる空の言葉を聞いていて、あっけに取られてしまった。

なすすべも無く立ち尽くす俺の先行きは……暗雲が立ち込めていた……


空「黄緑さん何聴いてるの?」

黄緑「ああ、これね。押入れにしまってあったレコードよ。古いけどこの音がいいのよね」

空(なんかよくわからないけどすごくレトロな音がする……)

空「紺色さん何聴いてるの?」

紺「カセットよ。でもなんか壊れかけてるみたい」

空「ところでテープの中身は?」

紺「レベッカだけど知ってる?」

空「いえ、あんまり……(紺色さんは古いのか懐かしいのかわからないなぁ……)」

空「色無先輩、何聴いてるんですか?」

無「ipodだけど?」

空「(やっと最近になってきた)それで曲名は?」

無「ワルキューレ騎行。やっぱり興奮するよな」

空「……」


灰「あつー……だるー……もう夏休み中ずっと、クーラーの効いた部屋でゴロゴロしてよう……いや、いっそ九月になっても——」

ソラ「だめだよ灰ちゃん、頑張って! このままじゃ地球が奴らに征服されちゃうよ!」

灰「……あー、いよいよヤバイかも。なんかやけにハイテンションなぬいぐるみが電波を受信してる幻覚まで見えてきた……」

ソラ「電波でも幻覚でもないよ! ボクは魔法王国ペンシルランドから来た妖精のソラ。ホワイト女王の命を受けて、君を魔法少女にするために来たんだ!」

灰「王道設定は悪くないけど、それだけじゃねえ……今どきのオタは目が肥えてるから、もう一ひねり萌え要素がないと……」

ソラ「ペンシルランドから逃げ出した悪い魔女が、この世界の人間だけが持ってるカラーエナジーを吸い取ってるんだ! 早く何とかしないと、手遅れになっちゃう!」

灰「このぬいぐるみ、人の話聞かないなあ……」

ソラ「さあ灰ちゃん、この魔法のペンシルバトン(¥2980)で変身だ! クリスマス前にはバージョンアップするから、パパとママにおねだりしてね!」

灰「妖精にしてはやけに世知辛いね……」

ソラ「さあ灰ちゃん、呪文を唱えて! さあ!」

灰「あーもう、わかったよ……えーと呪文か。もうなんでもいいや……からふるちぇ〜んじ……」

 ただいま変身バンク中

灰「これが……私? 力が……やる気がみなぎってくる!」

ソラ「悪い魔女、女帝チュウニブルーが張り巡らせたポエムフィールドの影響力を、魔法の力でさえぎったからさ! 今日から君はアクティブグレイだ!」

灰「なんか連行される宇宙人か、旬を過ぎたビジュアルバンドみたいだね」

ソラ「ともかく、あいつにカラーエナジーを吸い取られて怠惰になってる人たちを助けにいこう! まずはプールだ!」

灰「ホントなら元気な人が集まるところに行って、だらけてるみんなにもう一度エナジーを注入すればいいんだね! よーし、頑張るぞ!」

 

空「……どうかな?」

灰「いや、どうかなって言われても……空の妄想を聞かされて、私はどうリアクションしたらいいの?」

空「こういう設定だって思えば、一緒にプールに行く気にならない?」

灰「いや、別に——」

空「ならない!?」

灰「……分かったよ、行くよ……」

空「やった! じゃあ色無さんも誘ってくるね! そーだなー、色無さんは幼なじみで、正体を知らないアクティブグレイに憧れてるってことでいいよね!」

灰「お願い……プールでもどこでもつき合うから、もうそれは勘弁して……」

黒「物心ついて以来、灰が夏休みに外で遊ぶことなんて一度もなかったのに。空……恐ろしい子!」

青「そんなことより女帝チュウニブルーとポエムフィールドの元ネタが激しく気になるわ」


空「(ガリガリガリ)ん、美味しそうだー♪」

無「お、かき氷か?」

空「あ、先輩……」

無「どうした?」

空「うぅ……ちょうどいいところに……って言いたいところなんですが、氷がもう無くなっちゃって……」

無「俺の分はない……と」

空「す、すいません!」

無「いいよ」

空「あ、じゃあ半分こしましょう!半分こ!」

無「うーん、そんなに貰うのもなんか気が引けるから一口でいいよ」

空「そうですか?」

無「うん(空のそのわくわくしてるような顔見たら半分ももらえないよなぁ……)」

空「先輩は何味が好きですか?」

無「空にまかせるよ」

空「じゃあ宇治でいいですか?」

無「また渋いのきたな」

空「えへへ、抹茶好きなんです♪先輩は大丈夫ですか?」

無「うん、好きだよ」

空「じゃあ……かけちゃいます!(トクトクトク)」

無「……(ゴクリ)」

空「このシロップかけて氷が溶けてく瞬間がたまらないですよね♪」

無「なかなか分かってるじゃないか」

空「えへへ……あ、先輩お先にどうぞ(シャク)」

無「え?いや……あの……ここは空が先に……」

空「いーんですいーんです!私は量を食べるのでせめて先輩には美味しいところを食べさせてあげます!はい、あーん♪」

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無「ぁ、あーん?!……あー……(パク)」

空「美味しいですか?」

無「……うん、色んな意味で美味しい(この後空がそのスプーンで食べれば間接キスになるとかならないとか……)」

無「あ……スプーン……」

空「え、あ……これは……一緒のスプーンじゃ先輩が気にするかと思って……」

無「そっか……そうだよな……俺が食べたやつ使うなんてアレだもんな……」

空「ち、違います! そんなこと……」

無「いいんだ、気を遣ってくれなくても。わかっているから……」

空「ああもう、違いますったら! ……(パクッ)」

無「ちょ、空!? 何やって……」

空「ふぉれでわひゃっひぇふれひゃひひゃか?(これでわかってくれましたか?)」

無「う……あ……うん」

空「(ちゅぽん)はぅ……そ、そういうわけで、嫌だったわけじゃないです」

無「うん、わかった……」

灰「おおっと体を張ったプレー! 色無に52のダメージ!!」

無「うお!? お前どっから現れたんだ!?」

灰「私は神出鬼没なのです」

無「ああ、そう……」

空(うぅ……まともに顔みれないよぅ……)


空「えー、今日は色無先輩の呼び方に対する反応の実験をしてみたいと思います。あー、あー、てすてす。……よし、今日も声はばっちりだ!」

空「あの、先輩?」

無「ん、どうかした?」

空「ねぇお兄ちゃん!」

無「どうしたの、空?なにかあった?」

空「色無さん」

無「なんだい?」

空「あ、色無君」

無「なに?」

空「ア・ナ・タ♪」

無「……それは流石にねーよ!」

空「色無先輩に突っ込まれたぁ……くすん」

青「はいはいよしよし(最後のやつ私も使ってみようかしら……)」


黒「灰、いつまでもゲームばっかしてないで勉強しなさいよ」

灰「いいじゃん。せっかくの夏休みなんだから」

黒「いいかげんにしなさい!」

灰「私の勝手でしょ!」

青「え?灰をあずかってほしい?」

黒「ええ。私の手に負えないわ」

青「……いいけど。寝る場所がないわよ」

空「じゃあ、私が灰ちゃんの所に行くよ」

黒「いいの?」

空「はい。なんか楽しそうですし」

青「わかったわ。じゃあ灰はあずかるわね」

黒「ありがとう。よろしくね」

空「私は灰ちゃんを連れてきますねー」

黒「そう簡単に部屋から出るとは思えないけど……」

空「任せてください!」

空「灰ちゃん。先輩が私の部屋に来てるんだけど来る?」

灰「んー、水ちゃんでしょ?別にいいやー。今、いいところだし」

空「そっか。それじゃあ私、色無先輩と二人っきりだ」

灰「へー……えぇ?!」

空「でも、忙しいなら仕方ないね。じゃーねー」

灰「あ、あー!そ、そういえば色無にゲーム貸したままだったー!あれ久しぶりにやりたかったんだ!」

空「じゃあ、灰ちゃんも行こうか」

灰「う、うん!」

黒「あら、待ってたわよ」

灰(はめられたー!!)


空「黒先輩、お世話になりますね」

黒「ええ。遠慮しないでゆっくりしてね」

空「ありがとうございます」

黒「空、お茶飲む?」

空「飲みます!」

黒「今、淹れるから待ってて」

空「私も手伝います」

黒「いいのよ。私から言ったことだから」

空「いえ、泊めて貰うんですからこれくらいはやらせてください」

黒「じゃあ、任せようかしら」

空「はい!それと……」

黒「何?」

空「水先輩も呼んでいいですか?」

黒「ええ。いいわよ」

水「おじゃましまーす」

空「水先輩、今すぐお茶淹れますね」

水「ありがとう」

空「冷たいのと暖かいのどっちがいいですか?」

水「うーん、じゃあ冷たいのがいいな」

空「はい!」

黒「……」

 水『ただいま』

 空『お帰りなさい。ご飯とお風呂どっちがいいですか?』

 水『うーん、じゃあご飯にしようかな』

 空『はい!』

黒「……はっ!いけないこんな事考えちゃいけない!」

空「黒先輩どうしたんですかね?」

水「どうしたんだろ?」


灰「ねー……いつまで勉強すればいいのー?」

青「終わるまでよ」

灰「ねー……いつになたっら終わるのー?」

青「あなた次第ね」

灰「世界史とか全然わからなーい」

青「どこが?」

灰「ソロモン王って何ー?桃みたいにムンムンの人なのー?」

青「ソロモン王は古代イスラエルの第三代目の王様よ」

灰「ほう……」

青「イスラエルの王ダビデは家臣ウリヤの妻バト・シェバと不義の関係を結び、夫ウリヤを死に追いやった。この二人の間に二人目の子として生まれたのがソロモンであり、彼は父の死後、アドニヤなど他の王位継承を狙う者たちを打倒して王と」

灰「ちょ、ちょっと待って!」

青「どうしたの?」

灰「……三行でお願い」

青「……」

灰「それにしても青すごいね」

青「世界史なんて暗記科目じゃない」

灰「でも、それなら日本史のほうが楽だったんじゃない?」

青「世界史の方が人数が少ないから日本史よりはトップになりやすいのよ」

灰「……」

青「何よ……?」

灰「いやー少し前に某アニメのツンデレお嬢様がまったく同じこと言ってたなーって」

青「私にそういうネタふってもわからないって……」

灰「その人も生徒会の会長でねー」

青「さっさとやりなさい」


灰「あ!もうこんな時間だ」

青「何かあるの?」

灰「アニメが始まっちゃう!」

青「……」

灰「さてと……」

灰「お……今、画面に○プーが写った。ということは……あれ?来ない?」

青「何よ一人でブツブツと」

灰「って、あーこれテレビだった」

青「だからどうしたのよ?」

灰「ん?あぁ、今○プーが出たのに弾幕が流れなかったなーって」

青「弾幕?」

灰「いやー、最近そっちでアニメ見ることが多いからコメが流れてないと違和感感じるよ」

青「……三行でお願い」


黄「今日もカレー♪明日もカレー♪明後日もカレー♪一年後の今日もカレーなのさー♪」

水「黄色ちゃんってほホントにカレー好きだよね」

空「もう黄色先輩の代名詞ですよね」

水「たしかに、黄色ちゃんのイメージってカレーだよね」

空「そうですね。そういえば人それぞれイメージってありますよね。この人ならこうっていう」

水「緑ちゃんなら本とか?」

灰「桃ちゃんならおっぱいとか?」

空「……」

水「でも、たしかにそうかもしれないね。私も泣き虫のイメージがあるらしくて怖い映画とかだと誘われないんだよね。好きなんだけど……」

茶「私もおっちょこちょいなイメージがあるせいか重要なことになると頼まれないんだよー」

灰「茶ちゃんは、まぁ……仕方ないんじゃない?」

茶「ふぇ!?」

灰「あ」

空「ん?」

灰「イメージといえばこないだ……」

銀『じゃあ、夏休みの宿題を回収します』

空『先生……すいません家に置いてきちゃいました……』

銀『わかりました。じゃあ明日持ってきてくださいね』

空『はい!ありがとうございます』

灰『先生、私も忘れましたー』

銀『……灰はやってないっと』

灰『ちょ、ちょっと……待ってくださいよ!』

灰「ってことがあってさー。ひどいよねー。そういうのが生徒のやる気を失くすってどうしてわからないかなー」

水「灰ちゃんは、まぁ……仕方ないんじゃない?」

灰「水ちゃんに言われるとものすごいへこむね……」

 後日

銀「じゃあ、宿題を確認します。私が確認しに行きますからノートを開いて着席しといてください」

空「確認だって、灰ちゃん今のうちに私の写しちゃえば?」

灰「ふふふ……今日の私は一味違うぜ……」

空「え?もしかして……もしかすると……間違ってたらごめんね……宿題、やってきたの?」

灰「そんなに念をおして確認しなくても……やってきてるんだって……」

銀「空さんはやってきてると……」

灰「先生」

銀「ん?どうしたの?」

灰「これ、これ」

銀「えーっと……やってきた……の?」

灰「ばっちり」

銀「……じゃあ……灰さんも……提出っと」

 ケシケシ

灰「……先生、何してんの?」

銀「やってないと思ったから先に未提出にチェックつけてた。ごめんごめん」

灰「おい!」


青「空、何作ってるの?」

空「肩叩き券だよ」

青「肩叩き券?」

空「うん、もうすぐ敬老の日だからね」

青「敬老の日? まさか……」

空「うん。いつもお世話になってる黄緑先輩に上げようと思ってるの」

青「あんたそんなことしたら、秋分の日までに彼岸に渡っちゃうわよ!」


空「ただいまー」

緑『おかえり』

空「ただいま緑先輩。……急に身長伸びましたね」

緑「……それ私じゃなくて従兄」

空「……緑先輩の従兄なんですか?」

緑「……うん」

緑『どうも、はじめまして。緑の従兄の緑です。学年は緑の一つ上なんだ』

空「すいません。あんまりに似てたから……」

緑『ううん、間違えられるのはいつものことだから』

空「親が違うのにこんなに似るもんなんですね」

緑『二人とも祖父似なんだよ』

空「そっか。おじいちゃんは同じですもんね」

緑『うん』

空「えーっと……どういったご用件でここに?」

緑『敬語なんて使わないで普通に話してくれていいよ』

空「はい、わかりました。それで、どうしてここに?」

緑『いまさらだけど、ここの高校に通うことになったんだ。それで、それならここに下宿しようって』

空「そうなんですか。今日からここに?」

緑『うん。よろしくね』

空「はい、こちらこそ!」

灰「ただいまー。おーっす緑ちゃん」

緑『いえ、僕は緑の従兄で緑です。よろしく』

灰「へー。名前も同じなんだ」

緑『そうなんだよ。やっやこしいよね』

赤「ただいまー。緑ーおなかすいたよー食べるものないー?」

緑『いえ、僕は緑の従兄で……』

黄「ただいまー!緑ー黄色ちゃんのお帰りだよー!」

緑『いえ、僕は……』

空(律儀な人だなー)

 

桃「……」

緑『どうしたの?』

桃「い、いえ……その……なんでもないです」

灰「ん?どうしたのさ、桃ちゃん」

橙「……もしかして桃……なるほどねー」

桃「な、なんでもないって!それでこの人は?」

空「緑先輩の従兄で緑先輩です」

桃「同じ名前……なの?」

緑『うん、そうなんだ。よろしくね』

桃「は、はい……」

空「あー……なるほど」

灰「……やっとわかった。なるほど……人が落ちる瞬間かー。初めて見ちゃった……」

橙「わかってもそういうこと言わないの」

緑『とりあえず自己紹介もすんだし緑、僕の部屋に案内してくれる?』

緑「……うん、わかった」

橙「ごめん、緑。ちょっと用事があるから残ってもらっていいかな?」

緑「……いいけど、案内しないと」

橙「それなら大丈夫。桃がやってくれるって」

桃「わ、私が?!」

緑『いいの?』

桃「は、はい!不束者ですがよろしくお願いします!」

橙「……」

緑『じゃあ、よろしくね』

緑「……はぁ」

空「もしかして緑先輩も緑先輩のことを……?」

緑「……あれじゃ無理そう」←緑が色無とくっつくのを期待してた

 

桃「……ここです」

緑『ありがとう』

桃「い、いえ……」

緑『もっと気軽に話してくれていいよ』

桃「……うん」

緑『よろしくね桃さん』

桃「は、……うん!」

緑『じゃあ、僕は荷物を整理しないといけないから』

桃「私も手伝うよ」

緑『いいの?』

桃「うん!」

緑『ありがとう』

桃(やっぱり、緑の従兄だ……本がたくさんある)

桃「やっぱり本、好きなの?」

緑『やっぱり?』

桃「緑はいつも読んでるから、従兄の緑もそうなのかなって」

緑『ああ、そういうことか。うん、好きだよ』

桃「どんなの読むの?」

緑『ジャンルはそんなに気にしてないかな。とにかくなんでも読むよ』

桃「……今度でいいからオススメの貸してくれない?」

緑『うん、わかった』

橙「心配して覗きにきたけど、いい雰囲気じゃない」

緑「……はぁ」

空「……緑先輩、どちらにしてもそれはありえませんから」

 

緑「だいぶ片付いたね」

桃「うん、のど渇いてない?」

緑「そういわれれば、渇いたかも」

桃「何か飲み物取りに行ってくるね」

緑「ありがとう」

緑(さて……ん?この本失くしたと思ってた。懐かしいな……)

桃「おまたせ!」

緑「……」

桃「緑、持ってきたよ?」

緑「うん」

桃「おーい」

緑「うん」

桃「のど渇いてるんじゃなかったの?」

緑「うん」

桃「……」

緑「……」

桃「荷物の整理は?」

緑「うん」

桃「……」

緑「……」

桃「それ、おもしろい?」

緑「ユニーク」

空「すごい集中力ですね……」

灰「なんか桃ちゃんが哀れに……」

 

空「さっきから緑先輩のスルーがすごいですね」

橙「桃、がんばって……」

桃「今日、いい天気だね」

緑「うん」

桃「他に好きなことは?」

緑「うん」

桃「おじいちゃんも本好きだったの?」

緑「うん」

桃「……かの」

橙(聞いちゃえ!)

桃「かの……彼じ」

緑「うん」

桃「……」

 一時間経過

桃(さすがに話題が……)

緑「……」

桃「な、生ハム巻いたメロンってデザートなのかな?」

橙・空(さすがに苦しいなー……)

緑「うん……うーん……その場合どちらに視点を置くかで変わってくるね。いや……メロンはフルーツの部類になっているけど、地面になるから野菜かな……そうすると生ハムと野菜で……」

橙・空(食いついたー!その話題は食いつくんだ……)

緑「なかなか難しいね……」

桃「そうだよね!」

空(でも、桃先輩すっごい楽しそう。いいなー)


空「お兄ちゃん♪」

無「その呼び方は……」

青「……なによ、お兄ちゃんって呼び方そんなにいいわけ?」

無「あ、青さん!?いつの間に……」

青「じ、じゃあしょうがないから私も呼んであげるわよ!」

空「お姉ちゃん……」

青「色無……お、お……おに……お兄ちゃん……?」

無「……やばい、これはこれでまた別の破壊力が……」


空「美味しい……やっぱり日本人の朝ご飯は和食に限るよね……」

紫「……」

空「紫先輩はトーストと牛乳なんですね」

紫「うん……まぁね……」

空「ん〜〜〜!お味噌汁も焼き魚も美味しい……幸せ……」

紫「……(我慢だ……我慢するんだ……)」

茶「美味しいよぅ……あとご飯3杯はいけるよぅ……」

無「やっぱり朝は和食だよな」

紫「……さい」

無「ん?何か言ったか?」

紫「……うるさい……色無、うるさーい!」

無「何だよ!?って……うわぁあああ!!」

水「……え?和食が食べたかった?」

紫「……うん」

空「なら食べればいいんじゃないですか?」

紫「前にね、桃に聞いたの。そしたら昔から朝ご飯は毎日トーストと牛乳だって言ってたの……」

無「あぁ、それで」

空「でも、朝ご飯はしっかり食べないと大きくならないし、なれませんよね」

水「それに、それで大丈夫なのは桃ちゃんだけだよ」

紫「みんな……うん、そうだよね!……」

空「紫先輩?」

紫「……(空←年下なのに大きい(胸が)~水←桃、黄緑に次いで大きい~茶←大きそう)」

水「……紫ちゃん?」

紫「……うっ……うわぁあああん!!」

空「……紫先輩?」


空(お腹が減ってきたな……今、何時ごろだろう……)

12:12

空(……おぉ)

水(携帯みながらガッツポーズしてるけど、何かいいことあったのかな?)


空犬「灰ちゃん!灰ちゃん!遊ぼ遊ぼ遊ぼ!」

灰猫「……尻尾ぶんぶん振らないでよ……煩わしいんだけど」

空犬「えー、遊ぼうよ!遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼーよ!」

灰猫「……(寝たふり、寝たふり)」

空犬「……はむ」(灰の耳をあま噛み)

灰猫「ひゃうん!」

空犬「やっぱり起きてた!遊ぼ!遊ぼ!」

灰猫「……面倒くさいって……」

空犬「……なら、これを……」(毛糸の玉)

灰猫「!!」

空犬「とってこーい!」

灰猫「にゃにゃにゃ〜♪」


空犬「灰ちゃん!灰ちゃん!」

灰猫「……」

空犬「どうしたの?どうしたの?私の尻尾じっと見つめて」

灰猫「……」がしっ

空犬「ふあっ!」

灰猫「……」がしっ

空犬「わ、私の尻尾はねこじゃらしじゃないよ!ふあっ!」

灰猫「……(これは病みつき)」


黄「空、おはよー!学校行こー!」

空「……おはようございます……ごほっごほっ……」

黄「空、どうしたの?」

空「……黄色先輩すいません。風邪ひいちゃったみたいで……ごほっごほっ……」

黄「じゃあ今日は休んだ方がいいね」

空「……はい。そうします……」

黄「おはよー」

橙「おはよー」

黄「空は今日風邪だってー」

橙「別にアンタってわけじゃないんだから、空は風邪ぐらいひくよ」

黄「空は今日風邪ひいちゃったって」

水「黄色ちゃんじゃないんだから風邪ひいてもおかしくないよ」

黄「そんなつもりでいったんじゃないんだけどなぁ……」


黄「ねぇ、空風邪引いちゃったって」

黒「黄色の分の風邪を渡しちゃったのかもね。大丈夫かしら」

黄「ねぇ、空が風邪引いちゃったって言ってたよ」

赤「黄色、空ちゃんに風邪渡したんじゃないの?」

黄「薄黄ちゃん、空が風邪引いちゃったって」

薄黄「そうなんですか〜、道理で空ちゃんを見かけないって思いました。

   お見舞いに行ったほうがいいでしょうね」

黄「……私の味方は薄黄ちゃんだけだよ」

薄黄「?」


空「もうこんな時間かー……もう学校は終わってるころだなー」

水「空ちゃん、入るよ」

空「水先輩、と黒先輩……」

黒「具合はどう?」

空「今はだいぶ楽になりました」

水「なにか欲しいものある?」

空「今はとくにないです」

水『空ちゃん、汗かいてるね』

空『そうですか?』

水『うん。着替えた方がいいよ』

空『すいません。着替え取ってもらってもいいですか?』

水『はい、着替え。でもその前に体を拭いた方がいいよ』

空『じゃあちょっとシャワー浴びてきますね』

水『まだ風邪ひいてるんだからシャワーはダメだよ』

空『じゃあどうすれば?』

水『私が濡れタオルで拭いてあげるよ』

空『え?』

水『恥ずかしがることはないよ……ほら上着をまくって』

空『水先輩……』

黒「はっ!」

水「どうしたの?」

黒「な、なんでもないわ!(こんなこと考えちゃダメだわ……)」


「おーい!置いていくぞ!」

「お兄ちゃん、待ってよー」

無「……」

空『いつまでもお兄ちゃんって呼んでるのも変ですよね』

無『そうかな?』

空『そうですよ。これからは『色無先輩』って呼びますね』

無『まぁ、空がそういうならいいけどさ』

空『がんばります!』

 1日目

空『お兄い……色無先輩』

無『まだ慣れてないんだな』

空『さ、最初のうちはこんなもんですよ!』

 2日目

空『おに……色無先輩』

無『おに?』

空『ち、違いますよ!鬼がいたような気がしただけです!』

無『……』

 3日目

空『お……色無先輩』

無『お?』

空『まだ慣れてないわけじゃないですよ! えーと……そう、丁寧語ですよ!』

無(可愛い……)

空「色無先輩、なにしてるんですか?」

無「……」

空「どうかしましたか? 私の顔に何かついていますか?」

無「……」

空「ど、どうして泣くんですか!?」


朱「というわけで、今日からこの寮に入ることになった緑だ」

緑「よろしくおねがいします」

赤「よろしくね、緑兄さん」

緑『兄さん?』

橙「緑先輩ってお兄さんって感じだから」

緑『そうかな?』

橙「そうだよね、桃?」

桃「え!?う、うん!(不意打ちだった……)」

緑『色無くん』

無「くん付けなんてしないで気軽に色無って呼んで下さいよ。緑兄さん」

緑『うん、よろしく色無』

無「はい!」

緑『だけど、他にも男がいて助かったよ。女子寮って聞いてたから』

無「俺も男の人が来てくれて嬉しいです」

緑「……男の人が来て嬉しい」

空「緑先輩……」

無「頼りがいのある兄貴ができたみたいですよ」

緑「……頼りがいのある兄貴」

空「緑先輩、考えてることだだ漏れですよ……」


緑『さてと……受験も近いし勉強しちゃわないと』

?「じー……」

緑『ん……?』

空「二人ともどこいったんだろう?」

桃「どうしたの?」

空「しろとくろがどっか行っちゃったみたいで」

桃「そうなんだ。私も一緒に探すよ」

空「ありがとうございます」

桃「いいえー。緑にも聞いてくるよ」

空「おねがいします」

桃「緑、ここに小さな子供が来……」

くろ「みどりー」

しろ「緑、次はこれ読んで!」

緑『桃、どうしたの?』

桃「……すっかり打ち解けてるね」

緑『へー、二人とも座敷わらしなんだ』

くろ「うん」

桃「すんなり受け入れるんだね」

緑『うん、まあね』

しろ「みどり遊ぼ!」

桃「二人とも懐いてるね」

緑『そうかな?』

桃「うん、なんというか手馴れてる」

緑『たぶん昔から緑の面倒見てたからだと思う』

桃「緑の?」

緑『うん。緑、昔からなんかしてもらいたことがあると何も言わずに服の裾つかんでじーっとこっち見るんだよ』

桃(なんか可愛い……)

緑『それで、どうして二人を探してたの?』

桃「そうだった!空ちゃんが探してたんだ。教えてあげないと……もしもし空ちゃん、二人とも緑の部屋にいるよ」

空「やっぱりそこにいましたか。じゃあ大丈夫ですね。ありがとうございました」

桃「うん、どういたしまして。それでどうする?」

空「二人のお邪魔なら連れて行きますけどどうします?」

桃「……もしかして、空ちゃん?」

空「はい?」

桃「……ううん、ありがとう」

空「どういたしまして。で、二人はどうします?」

桃「このままでいいよ」

空「わかりました。じゃあまた後で」

緑『なんだって?』

桃「迷惑じゃないなら預かってほしいだって」

緑『よかったね。まだここにいられるよ』

くろ「うん」

しろ「やった!」

桃(ほんとに緑って大人びてるなー……年のわりには……年のわりに……)

緑『桃?』

桃(……でも、黄緑ほどじゃないか……)

黄緑「……くしゅん」

水「大丈夫?」

黄緑「風邪かしら……」


桃「じゃあ、またあとでね」

緑『うん、またね』

空「おかえりなさい」

緑「……」

桃「ただいま。緑もいたんだ」

緑「……うん、緑どうだった?」

桃「どうだったって?」

緑「……別に」

桃「そう……」

空「緑先輩?」

桃「……もしかして、緑も緑のことが好き……なの?」

緑「……」

桃「ねぇ!」

緑「……だったらどうする?」

桃「えっ……困るよ……」

空「……」

緑「……」

桃「ど、どうしたの……?」

空「桃先輩、ほんとに恋してるんだなーって」

桃「あははは……」

緑「……大丈夫、そんな気まったくないわ」

桃「ホントに……?」

緑「うん」

桃「よかったー……」

空(しかし、ホントに緑先輩のこと好きなんだなー……さっきのは反則的に可愛かった……)


空「今日も天気いいなーっ♪」

無「あ、空ちゃんおはよ」

空「お、おはようございます色無先輩!」

無「今日も笑顔が素敵だね」

空「そ、そんなことないですよ!」

無「あ、そうだ。今日天気良いみたいだし、ちょっと布団干すの手伝ってもらえないかな?」

空「いいですよ♪」

無「よ……っと!空ちゃん、持てる?」

空「な、なんとか……(わぁ……色無先輩の匂いが)」

無「手伝わせちゃってゴメンね。何かお礼しなきゃな……」

空「あ、じゃあ一緒にコインランドリーに行ってもらえますか?洗濯物結構溜まっちゃってて……」

無「……え、えっと……それはマズイんじゃないかな?」

空「なんでですか?」

無「あの……その……下着とか……その……ゴニョゴニョ」

空「!!」

無「ほ、他のことなら何でもするからさ!……ね?」

空「ぅ……じ、じゃあ……お散歩行きません?」

無「散歩……でいいの?」

空「はい♪」

無「そんなの暇な時ならいつでも付き合ってあげるのに」

空「あ、言いましたね?今言いましたね?」

無「うん?別にいいよ。空ちゃんと一緒にいるとなんか退屈しないしね」

空「はぅ……(そういうことをさらっと言ってのける……そこに惹かれて落とされる!)」


無「空ちゃん?」

空「はい?」

無「お手」

空「わん♪(ペタ)……って、何やらせるんですかっ!!」

無「うん、俺の心眼だと今空ちゃんが尻尾を振ってるのがしっかり見えたよ」

空「ぁぅ……」


空「さてと……今日はどれから見ようかな」

 色鉛筆@掲示板

1:秋の夜長に全力で走ろうと思う(22)

2:秋の夜長に全力でポエムを綴ってみた(872)

3:秋の夜長にじっくりことことカレーを煮込む(5)

4:【801】秋の夜長にぴったりな本【BL】(8)

5:秋の夜長は人肌恋し(435)

6:秋の夜長にファッションショー(99)

7:秋の夜長は夜這いの季節(563)

8:【牛乳じゃ伸びない?】秋の夜長に牛乳一本【でもそんなの関係ねぇ!】(2)

9:秋の夜長と百合の花(1001)

10:秋の夜長に徹夜でゲームしてる妹に安価でなんかする(782)

11:秋の夜長にタンスの角に足の小指をぶつけた(128)

12:秋の夜長に安価で明日の夕飯の食材調達(495)

空「……お姉ちゃん」


空「うわー、もみじが真っ赤に紅葉してますよ」

水「ホントだ。これを見ると秋だなーって思うよね」

黄「カレーがますますおいしくなるね」

黄緑「それにしてもホントに真っ赤ねー。赤チンみたい」

水「あか……ちん?」

空「……」

 『本日、○○山で初冠雪が観測されました』

空「真っ白な雪だなー」

水「冬の訪れを感じるよね」

黄「カレーがさらにおいしくなるねー」

黄緑「それにしてもホントに真っ白ね。おしろいみたい」

水「おしろい……」

空「……」

空(先入観のせいかなー……なんだろう……黄緑先輩のたとえってなんか古臭い気が……)


青「色無、大好き。あなたと一緒にいられるだけで、この世界が鮮やかに輝いて見えるの」

空(うわ〜、お姉ちゃん相変わらず重病だ……)

無「俺もだよ青。もう青がいない事なんて考えられない。俺は青に恋するために生まれてきたんだ!」

空(ちょ……あれ?先輩まで発病してるっ!)

青「そうね。きっと私たち、どんな出会い方をしても恋に落ちていたわ」

無「ああ、間違いない。たとえ青が誰かのものだったとしても、必ずさらって俺のものにしていたはずだ」

青「嬉しい。私も、何があっても色無のものよ」

無「青!」

青「色無!」

二人「「愛してる。この手を絶対離さない!!!」」

空「二人とも本当にベストカップルだわ。まるで天使の羽みたいに神聖で、誰も侵す事が出来そうにない。きっとどちらが欠けても堕ちていくだけなんだわ(私も何を口走っているの〜っ!!)」

 がばっ

空「夢か……何重にも悪夢だった」


赤「色無と一緒にいると、まるで世界中を駆け巡ったみたいにドキドキするんだ」

水「色無くんと初めて会った瞬間、恋の花が心に咲いたんです」

紫「背が低くても歩幅が合わなくても、心はいつも色無の隣にいるんだから」

緑「好きとか愛してるとか、そんなありふれた言葉でしか表現出来ないことがもどかしいくらい、色無のことを想っているわ」

黄「色無はカレーのスパイスみたい。何があっても、色無がいないと刺激がないの」

白「たとえお医者さんに『明日死ぬ』って言われても、色無くんのためなら生き残れるの」

黒「暗闇に灯る光のように、色無は私の心を明るく照らしているの」

灰「天才が孤独って言うのは嘘だね。私には色無がいるもん」

薄「時間にも味があるんだね。だって、しーちゃんといる時間はこんなにも甘いんだもの」

じりりりりりりりりりりりりりり

空「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!ゆ、夢……?」

灰「あれ、どったの空?思いつめたような顔して」

空「灰ちゃん、私もうダメなのかな?もう終わりなのかな?あんな恥ずかしいこと……くっ」


群「人を愛するのと愛されるの、どっちがいいと思う?」

空「え? うーん、やっぱり好かれたほうがいい……かな?」

群「くすっ。かわいい」

空「あぅ……ぐ、群青さんは?」

群「んー。私もそう思ってたんだけどね、若い頃は」

空「若い頃って……今でも若いじゃないですか」

群「ありがと。でもこのくらいの歳になるとね、愛してる方がいいなぁって思うの」

空「そうなんですか?」

群「うん。人を好きになるって、すごく幸せなことよ。夢中になれるんだもの」

空「はぁ……」

群「あの人のためにああしようこうしよう、ってね。身に覚えがあるんじゃない?」

空「わ、わたしですか?~あ、あるといえばありますけど……その」

群「くすっ。あーあ、うらやましいな。ねぇ、私も色無くん争奪戦に参加していいかしら?」

空「えぇっ!?」

群「冗談よ。ホントに可愛いわね、空ちゃんは」

空(愛する方が幸せ、かぁ……。どうなんだろう)

青「うぅー……」

空「どうしたの? お姉ちゃん」

青「色無にメール送ろうとしたんだけど、なんて書こうかって……1時間くらい考えてるんだけど、いいフレーズが……」

空(……愛しすぎるのも問題だと思います、群青さん)


無「諸々の事情により今日は俺が飯作るんだけど、なんか食べたいものとかある?」

空「そうですねぇ、筑前煮とかどうでしょう?さくさくのレンコンに、だし汁のしみこんだこんにゃくとか」

無「はぁ、ちくぜんにねぇ……」

空「ナスのおいしい季節ですし、揚げびたしとかもいいかもしれません」

無「ナスの、あげびたし。なんか急に食べ物の好みが渋くなってない?」

空「え?」

 じりりりりりりりりりりりりりり

空「よぅっし、セェェぇぇフ。夢オ〜チ〜!」

青「朝っぱらからヤケクソみたいなテンションね」


無「せんせー、絆創膏くださいー」

空「あれ、色無先輩?」

無「おろ、こんなところで何してるの空ちゃん?」

空「保健委員の仕事でちょっと……って酷い怪我じゃないですか!?」

無「体育のときに頑張り過ぎちゃってね。先生は居ないの?」

空「治療しますからここに座ってください!」

無「そ、空ちゃん?」

空「はい、終わりました」

無「なんというか手際がいいね」

空「伊達に保健委員やってませんから♪」


空「布団を干しました」

青「干しました」

空「えい」

青「やあ」

 ぽふ

空「ふかふかだねー」

青「そうねー」

空「……」

青「どうしたの? 空」

空「……巻き寿司ー!」

青「きゃっ!?」

 ごろごろごろ

空「えへへ」

青「……」

空「えへへ、昔みたいにはしゃいじゃいましたっ」

青「ふわ……」

空「あれ……お姉ちゃん?(なんか幸せそう……)」

無「俺の布団はどこだ!」

青(スンスン……はう……色無の匂い)


空「緑先輩って子供の時どんな子供だったんだろう?」

空「あのー緑先輩」

緑「どうしたの?」

空「小さい頃の緑先輩ってどんな子だったんですか?」

緑「僕の?」

空「もう一人の方の」

緑「ああ、あっちか」

空「はい、なんとなく気になって」

緑「うーん……」

緑『どうしたの?』

緑「……普段緑にお世話になってるから、今日は緑の手伝いする」

緑『ありがとう。じゃあこの本を本棚にしまってくれる?』

緑『……うん、わかった』

緑『ちょっとトイレ……』

緑「……緑」

緑『どうしたの?』

緑「……私が代わりに行ってくるから、緑は何もしなくていい」

緑『……え?ちょっと緑……!』

緑「……大丈夫、任せて」

緑「あの時は辛かったなー……」

空「?」


 空の部屋

空「ココアがおいしい季節になりましたねー」

黄「そうだねー。でもカレーがおいしい季節でもあるんだよ」

空「年中そう言ってるじゃないですか……」

水「おじゃましまーす」

空「あ、水先輩。ココアのみますか?」

水「うん、ありがとう」

空「はい、どうぞ」

水「ありがとう」

白「空ちゃーん」

空「白先輩、いらっしゃい」

白「水ちゃんに黄色ちゃんもいたんだ」

黄「いるよー」

白「最近、黄色ちゃん毎日ここにいるね」

黄「そういう二人も毎日ここに来るね。もしかして……」

水「もしかして?」

黄「そんなに私に会いたいの?いやー人気者も困りもんだねー。ははは」

水・白「ううん。空ちゃんに会いに来てるんだよ」

黄「……君らに期待するといつも必要以上に傷つけられるよ」

水・白「???」

空(二人とも悪気がないから余計に傷つくんだろうなー……)


空「桃先輩って緑先輩とどんな話してるんですか?」

桃「……うーん」

桃『あ、あのさ……ニラレバとレバニラどっちが正しいのかな?』

緑『うーん……ニラをメインと見るかレバーをメインで見るかで変わってくるね……。でもこういう場合は肉がメインのはず……いや、でも人によってはニラがメインかもしれないし……なかなか難しい問題だね……』

桃『だよね!難しいよね!』

桃『職安と食パンってにてるよね!』

緑『そうだね』

桃「……」

空「桃先輩?」

桃「あ、あはは……いろいろだよ!いろいろ話してる!(思い返してみると私けっこう必死だなー……)


 色鉛筆@掲示板(yutori)

空「さてと……」

1:冬のせいで鬱気味なヤンデレ♀が安価でポエム(128)

2:【寮母失格?】勤労感謝なのに感謝されない【人間失格?】(924)

3:よく転ぶのは路面が凍結してるからです!><(15)

4:【色無の中……】冬だからこそ801よ~ま~な~い~か【冬が越せるくらい暖かいナリ……】(2)

5:カ→レ→ーでハイパーカレータイム(774)

6:マフラーが身長より長いwwっうぇ(459)

7:気になる彼とうまく話せない……(10)

8:Junior~High~School~Days(56)

9:こちらスネーク。コタツの中に潜入した……が、出られない(794)

10:オムあんこ総合すれPart11(852)

11:雪が見たいから北海道まで走ってくる(753)

12:【もうすぐ】今年も買い手がつかないまま終わりそう……【三十路】(632)

空「久しぶりだなぁ……この感じ……」


空「……」

水「……」

空「暇ですね……」

水「そうだね……」

空「……しりとりしませんか?」

水「うん、いいよ」

空「じゃあ、しりとり……『りんご』」

水「りんご……ご……あ」

空「?」

水「うちのおばあちゃんの家から美味しいりんごがたくさん届いたんだ」

空「へぇー。水先輩の実家って青森なんですか?」

水「うん。今度ここに持ってくるね」

空「はい、ありがとうございます!」

水「それで……何してたんだっけ?」

空「えーっと……」

水「……」

空「……」

水「暇だね……」

空「そうですね……」

水「そうだ、しりとりしない?」

空「いいですね」


桃「おはよー」

灰「やあ、桃ちゃん昨日はお楽しみでしたね。正確には今朝かな」

桃「!!」

灰「桃ちゃんったらだ・い・た・ん」

桃「な、なんのことかな……はははは……」

空「だからああいう人に限って……あ、桃先輩」

桃「そ、空ちゃんおはよう!なんの話してるの?」

空「緑先輩(♂)の話ですよ」

桃「……どんな話?」

空「緑先輩みたいなおとなしそうな人に限って寝像が悪かったりするんですよーって」

桃「そんなことないよ。緑は寝てるときすごくおとなしかったよ」

空「へぇーそうなんですか。それで……」

灰「どうしてそんなこと知ってるのかなー桃ちゃん」

桃「!!(は、はめられたー!!)」


空「今年もあと少しで終わりですね」

水「そうだね」

空「今年もいろんなことがありましたね」

水「うん。緑先輩が来たりくろちゃんとしろちゃんも来たり」

空「去年よりもいっそう賑やかになりましたね」

水「来年はさらに賑やかになるのかな?」

空「なりますよきっと」

水「そうだといいね。部屋数が足りないくらい人がくればいいね」

空「そうですね……水先輩?」

水「うん?」

空「寮の部屋足りるんですかね?」

水「……えっと」

空「私と灰ちゃんは部屋数が足りないからお姉ちゃんと一緒なんですけど……」

朱「足りるに決まってるだろ」

空「朱色さん」

朱「緑は来年で卒業だしな」

空「あ……」

朱「いつまでもずっと一緒ってわけにはいかないんだよ」

空「そうですよね……」

水「ホントにそうでしょうか?」

空「水先輩?」

水「だって私たち去年から進級し……もごっ!」

朱「……」

空「朱色……さん?」


空「個性が欲しいなー……」

水「え?」

空「私といったらこれ! ってものが欲しいなーって思ったんですよ」

水「そういうことか」

空「黄色先輩ならバ……カレーとか緑先輩なら本とか」

水「うーん……確かに空ちゃんってそういうのないような……」

空「そうなんですよ」

水「青ちゃんみたくポエムでも書いてみるのは?」

空「あれはちょっと……ヒドイ出来じゃないですか」

水「う、うん……そうだよね。私もそう思う」

空「何かないかなー……」

水「空ちゃん」

空「はい?」

水「今、空ちゃんの話を聞いてて思ったんだけど……」

空「はい」

水「毒舌だよね。空ちゃん」

空「……!!」

水「どうしたの?」

空「先輩にそういうこと言われるとすごい傷つきますね……」


空「おねーちゃんここ教えて欲しいんだけど……あれ? いない。んー……どこ行ったんだろう? いいや、暇だし物色してよ。このノートは何だろう? またポエムかな? ん? これは……ポエムじゃない……」

青「ただいまー。あれ?空どうしたの?今、お茶淹れてあげるから待っててね」

空「おはようの 一言だけで 暖かい 一足早い 春の訪れ」

青「!!」

 ガチャーン

青「そそそそ、空!?」

空「今度は短歌なんだね……お姉ちゃんは多趣味でいいね」

青「なんでどうして知ってるの!?」

空「なんでだろうね?」


黄「空ー……」

空「どうしたんですか?」

黄「私みたいなキャラって損だよね……」

空「……何があったんですか?」

黄「橙と桃と白と水と話してたんだけどね……」

白『私、小さいころ種があると何でも植えてたんだ』

水『私もー』

白『だよね! やっちゃうよね!』

水『うん!』

橙『二人は可愛いねー』

黄『私も、カレーが生えてくると思って植えたことがあったなー』

白『……』

水『……』

桃『あー……やっぱり黄色ってそのころから……』

橙『やっぱりアンタはバカね』

黄「って言うんだよ! ひどくない?」

空「そ……うですかねー……」

黄「う、植えるよ! だってジャガイモは生えてきそうじゃん!」

空(なるほど……そうくるか……往生際が悪いな……)


黄「青!これなんて読むかわかる?」

月極

青「え?『げっきょく』」

黄「え……」

空「……」

青「え……?違う……の?」

空「うん」

黄「本気で言ってるの?」

青「そうだけど……」

黄「あおー、こんなのも読めないの?私でも読めるよー」

青「よ、読めるわよ!」

黄「じゃあなんて読むか言ってごらんよー」

青「い、いいわよ!……えーっと……つ……つー」

黄「ほらほらー早く言ってごらん」

空(お姉ちゃん、退くに退けなくなってる……)

緑「……それは、黄色でも読めるものを読めないのが青には気に入らない」

空「丁寧な解説ご苦労様です」

緑「……いいえ」


灰「さ、さむ……ねえ空、もういっぱい見たからいいじゃん。部屋に戻ってコタツ入ろうよ」

空「ダメダメ! まだ一回も願いごと言えてないんだから——あっ、流れた! ……もう、灰ちゃんが話しかけたからまた言えなかったよ!」

灰「はあ……これって私がつき合う必要あんの?」

空「一人で空を見上げてぶつぶつ言ってたら、なんかテンションのやけに高い頭のおかしい子みたいでしょ?」

灰「自覚はあるんだ」

空「あ、ひどい! 灰ちゃん、私のことをそんなふうに思ってたの!?」

灰「頭がおかしいかどうかはともかく、テンションやけに高いってのはその通りじゃん」

空「私がテンション高いんじゃなくて、灰ちゃんがテンション低いんだよ!」

灰「どーかなー」

無「おーい、夜にあんまり騒ぐと近所迷惑だぞ。この寒いのに二人して屋上で何やってんだ?」

空「あ……色無先輩! 大声出しちゃってすみません! 今日は双子座流星群の日だから、灰ちゃんと流れ星を探してたんです」

灰「私は例によって無理矢理つき合わされただけだけどね」

無「流星群? ああ、そう言えば今朝のニュースでやってたっけ。今日が極大日ってやつで、一番見えるんだってな」

空「そうなんです。たくさん見えれば願いごとも言えるかもって思って」

無「はは、流れ星に願いごとしてたんだ。空ちゃんらしいね」

空「むー、それって子供っぽいってことですか?」

無「いや、かわいらしいってこと」

空「え……そんな……」

灰「はいはい、もうつき合ってらんないよ。そんじゃ色無、バトンタッチってことでよろしく。私はコタツとゲームが呼んでるから部屋に戻るねー」

空「ちょ、ちょっと灰ちゃん!」

無「おお、またコタツで寝落ちしないようになー」

無「それにしても空ちゃんは元気だね。寒くないの?」

空「へ、平気です」

無「あ、流れた! ほら、空ちゃん! ……あれ? 願いごとしないの?」

空「……もう叶いましたから」

無「?」

灰「全部言えなくても願いって叶うんだなー。せっかくだから私も『レアアイテムドロップしますように』とかお願いしとけばよかったよ」


 先輩の部屋を通り過ぎようとしたらお姉ちゃんの声がしました。それと、ちょっと開いていたドア。

 これは覗かないワケには行きません。

「師走ってのはまさに字の如くだな。ほんっと疲れた」

「それはわかるけど着替えくらいしなさいよ」

 ベッドにうつ伏せる先輩と、その脇で小言を浴びせるお姉ちゃんが見えました。

 先輩は本当に疲れているようで、お姉ちゃんの言うことを聞く素振りも見せません。

「まったく」

 呆れたようなお姉ちゃんのため息。あれはたしかにちょっとマイナスかも。

 きっと先輩を叩き起こしてさっさとお風呂に入りなさいって追い出すんだろうな。私にいつもそうしてるように。

「色無、ちょっとそのまま動かないでよ」

 部屋に戻ろうとしていた私は耳を疑いました。そして、今度は目も疑いました。

「おー、きもちいー」

「んっ……」

 おもむろにベッドへ上がり、うつ伏せている先輩に跨るお姉ちゃん。それも膝立ちじゃなく、腰のあたりにしっかり座って。

 あぁ、腰掛けるってこういうことを言うんでしょうか。ってそんなとぼけたこと考えてる場合じゃないですね。

「ごくらくー。青、うまいなー」

「一応、運動部の出だもの。赤のほうがじょうずかもしれない、けどね」

 どうやら肩と背中をぐいぐい揉んでいるようです。あれで先輩が仰向けだったら……おっとなんでもありません。

 これ以上覗いてるのもなんだかなので、そろそろ帰ることにしましょう。バレないようにこっそりと、でもドアを閉めてっと。

「ふぅ、疲れた……あら空」

「なにしてたの? お姉ちゃん」

「へ!? ちょ、ちょっと……し、朱色さんに年越しソバ作るの手伝えって言われたの! それでこう、生地をこねてね!」

「ふーん。そっかそっか、それじゃあ明日のおソバ楽しみにしてるね。手作りだよってみんなにも言っておかなきゃ!」

 せっかくだからお腹空かせないとねと、満面の笑顔を浮かべます。わずかに引きつるお姉ちゃん。

 これは明日が楽しみです。うふふふふ。


 21:31

空「どうしたの灰ちゃん」

灰「今から……」

空「今から?」

灰「今から、時計の長針が5の倍数を指した時だけバカになります」

空「……へ?」

 21:32

灰「……」

空「……」

 21:33

灰「……」

空「……」

 21:34

灰「……」

空「……」

 21:35

灰「さーんじゅご」

空「灰ちゃん、無駄に長い」


空「先輩。せんぱい?色無せんぱ〜い!」

無「……くかー」

空「こんなとこで寝ちゃ風邪引きますよ?」

無「……すかー」

空「本当に寝てます?」

無(ギクリ)

空「これだけ盛大にいびきかいてるんだし、寝てるよね……」

無「……ぐ、ぐごー」

空「(キョロキョロ)……い、今なら誰もいないよね。……よーし」

無「……?」

空「(色無の耳元で)起きて下さい?……あ・な・た」

無「ぶっ!?」

空「きゃぁっ!!せ、先輩っ!?」

無「そ、空ちゃん……それ反則」

空「す、すいません!気を悪くされましたか?」

無「いや……その、萌え……ううん、何でもない」

空「ていうかやっぱり起きてたんですね?狸寝入りだなんて酷いですよ!」

無「はは、ごめん。(でもおかげで空ちゃんのお茶目なところを見れたし)」


空「お姉さま」

青「な、何よいきなり!?」

空「お姉さん」

青「だから何?」

空「青姉」

青「??」

空「うーん……やっぱお姉ちゃんが一番しっくりくるね!」

青「はぁ……?」


黄「おーい!」

空「黄色先輩、どうしたんですか?」

黄「突然だけど、胸が小さくて困ったことはない?」

青「ホントに突然ね」

黄「で?困ったことは?」

青「困ったことはないけど……なんか小さいと悔しいかな……」

黄「そちらのお二人さんは?」

空・水「いいえ特には」

黄「……あっそ」

青「……で、なんでそんなこと聞いたの?」

黄「実はね、近々そういう人のための救済をかねたグループを作ろうと思ってるんだ!」

青「……そんなもの作っても意味ないでしょ……」

黄「私は世界を変えたいんだ!貧乳が胸を張って歩けるそんな世界にしたいんだ!」

桃「ない胸を張っても空しいだけだよ」

黄「……貧乳には道を歩く権利もないというか!貧乳に人権はないのかのか!」

桃「そういう意味じゃ……冗談で言っただけなんだけど……」

青「名前とかは決まってるの?」

黄「決まってるよ!その名も……『HIV』だ!」

青「H……I……V……? エイズ!?」

黄「それってHISじゃないの?」

空「それは旅行会社です」

青「それで……どんな意味なの?」

黄「(H)貧乳でも (I)いいじゃないか!」

青「『V』は?」

黄「ぶい!」

青「いい加減にしなさい!」

空・水「どうもありがとうございました」


無「んー……」

焦「どうした?私に見入ってるのか?」

無「いや、違いますよ……ずーっと思ってたんですけど……」

焦「本当か!?」

無「まだ何も言ってませんって……」

焦「何も言わなくていい。色無がずっと思っていてくれたことを聞けただけで満足だとも」

無「……」

茶「お姉ちゃん……」

空「お互い姉のせいで苦労しますね……」


空「ヒツジなんて数えても眠くならないのに、なんでそう言われてるの?」

灰「なんでだと思う?」

空「う〜ん、きっと単調作業を繰り返してるうちに眠くなるからかな」

灰「あ〜、なんかそれっぽい感じはするね。まぁホントはシープとスリープの発音が似てるから眠くなるって話で、日本語じゃ全くの無意味な行為なんだよね」

空「へ〜、じゃあ日本語でやるとしたらねるねるねるねを数えるとか?」

灰「素直に寝ようよ」


灰「お姉ちゃん♪」

黒「何よ」

灰「うう、そっけない……」

黒「大抵アンタがそうやって近づいてくるときは、何かよからぬことを考えているときって決まっているもの」

灰「私、信用ないんだね……」

黒「ええ」

灰「ずっきーん! 妹は傷付いた! お姉ちゃん、可愛い妹の心にポッカリ穴がひとつ開いたよ!」

黒「あらそう」

灰「ぶー。つまんない。かまってー!」

黒「空ちゃんの所にでも行って来なさい」

灰「えーやだよ。空って無駄に明るいんだもん」

空「む、無駄に明るい……」

灰「あ、空……いつからいたの……?」

空「無駄……」

灰「い、いや……ほら、それがむしろ空の良さっていうか、一緒に居ると元気になるっていうか、でも今はそんな気分じゃなかったっていうか——」

空「無駄……」

灰「あ、空!? おーい! 行っちゃった……」

黒「後で謝って来なさいね」

灰「うん……(酷いこと言っちゃったな……)」

空「ただいまー」

青「あら? 灰ちゃんのところに行ったんじゃなかったの?」

空「えへへ、ちょっと懲らしめてきた」

青「???」







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Last-modified: 2012-10-21 (日) 05:42:46