色鉛筆男×女

「ん、あれは…」

『あっ、黒君』

「白。どうしたんだ、今日は」

『今日はちょっと調子がよかったから…』

「本当か?無理はしていないか?」

『だ、大丈夫だって。だからおでこくっつけるのは…』(///)

「ならいいが。あまり無理はしないでくれよ?君と共に一緒に学べるのは至福だが、それによって君が不利益を被るのなら…」

『もう。だから心配しないでよ。それにね…君がいるからだよ』

「?」

『君がいるから…私もつい無理しちゃうんだよ?』

「それは…困ったな。つまり僕が学校に来なければいいが、それでは…」

『い、いいからもう行こう?遅刻しちゃうよ?』(///)

「む、そうだな。が、その前に…」

『?』

「愛しているよ、白」

『…もう』(///)





「………」

『おはよう、緑君』

「…黄緑か」

『今日は何の本を?』

「………」

『もう…』

「なんで君は僕なんかに構うんだい?」

『えっ?うーん、そうね…仲良くなりたいから、じゃ駄目?』

「…君は変わっているね」

『ふふふ』

「…ありがとう」

『え?』

「いや、なんでもない」





水×青



『ほら、早くしなさい!』

「ま、待ってよ青ちゃん…」

『急がないと遅刻するでしょ!?』

「う、うん…」

『だいたいなんでアンタいつもこんな起きるのが遅いのよ?』

「朝はちょっと…」

『情けないわねぇ…』

「…ゴメン」

『あーもう謝るな!うじうじするのやめなさい!男でしょ!?』

「ご、ごめん…次からは気をつけるよ…」

『言ってるそばから謝るな!』

「う、うん…ねぇ青ちゃん」

『?』

「なんでここまでしてくれるの?」

『…ただの幼馴染のよしみよ』

「め、迷惑ならさ、やめてもいいよ?」

『何言ってるのよ、今更。ほら行くわよ』

「…うん」





青×白



『けほけほ…』

「来てやったぞ」

『あっ…青君…』

「ったく…世話の焼ける…」

『あはは…』

「いつも言ってるだろ?無理して学校来ることないって」

『んー、でもやっぱり家で寝てるのは暇だから』

「それで倒れたりしたら元も子もねーだろ…」

『…いつもごめんね』

「何言ってんだ、こんなの昔からのことだろが。気にすんな」

『はいはい、そこ。桃色空間禁止』

『あれ?黄ちゃん』

「べ、別にそんなんじゃねーよ」(///)

『またまたー。白ちゃんが倒れたって聞いて保健室にすっ飛んでったくせにー』

「なっ!?で、でたらめ言ってんじゃねぇ!」(///)

『…そうなの?』

「ち、違う!コ、コイツがでまかせ言ってるだけだ!」(///)

『おやおやー?いいのかなぁ、そんなこと言って。ねーねー白ちゃん実はこの間白ちゃん倒れたとき保健室まで運んだのって…』

「やめろー!」(///)





白×青



『白ー、いるー?』

「あれ…青…?どうしたの、急に?」

『プリント届けに来てやったのよ。まったく…なんで私が…』

「そうなんだ…ありがとう、青」

『っ!そ、それで!ぐ、具合はどうなの?』(///)

「うん…朝はちょっと辛かったんだけど、今は大丈夫。明日は多分学校行けるよ」

『ふ、ふーん…ね、ねぇ…』

「?」

『な、なんなら…む、迎えに来てあげようか?』(///)

「いいの?迷惑じゃない?」

『べ、別に…どーせ通る道だし…』

「うーん…じゃあ、お願いしてもいい?」

『か、感謝しなさいよ?こーんな美人がアンタなんかのためにわざわざ迎えに来てあげるって言ってるんだから』(///)

「うん、ありがとう」





青×水



『ほらお弁当…』

「ありがとう」

『いい?残したりしたら承知しないからね?』

「わ、わかってるよ。それにせっかく青ちゃんが作ってくれたんだから残すわけないよ」

『!ふ、ふん!』(///)

「でもホント悪いなぁ、なんかお返しできればいいんだけど…ゴメンね」

『!そ、そうよ、だいたいアタシがただでお弁当作ってきてあげてるんだからアンタはそれ相応のお返しをすべきよね…よし決めた!』

『今度の土曜!荷物持ち!』

「ええっ?」

『文句ある?』

「わ、わかったよ…でも二人で買い物ってなんかデートみたいだね」

『!!!ううう自惚れてんじゃないわよ馬鹿ぁ!』(///)



「あーっ!あ、姉貴が男と一緒に帰ってきた…」

「誰だ、コイツ?」

『お、弟の紫…ほらちゃんと挨拶して』

「…よろしく」

「ああ、俺は青。よろしくな」

「で?姉貴とはどういう関係なんだ?」

「今日から付き合うことになった」

「何!?ほ、本当か、姉貴!?」

『う、うん…』

「へ、へー…」

『わ、私ちょっとお茶入れてくるね』

「ああ」

「…ちょっとこっち来い」

「うお…なんだ、こんな所に連れて来て」

「これだけは言っておく…水の姉貴のこと泣かしたりしてみろ。手前のこと地の果てまででも追いかけて殺してやるからな」

「…わかってるよ。誰が泣かせたりするもんか」

「ふん…」

『ど、どうしたの、二人とも…』

「ん?ああいや、ちょっとこの生意気な弟クンと話をな」

「姉貴、フられるなよー。じゃあなー」

『こ、こら紫!もう…』

「…いい弟さんだな」

『あ、ありがと…』


白×黒



「今日ほど雨でよかったと思ったことはない…」

『うぅ…恥ずかしいよぉ…』

「そうか?僕達はもう恋人同士なんだからなんら問題はないと思うが」

『そ、それはそうだけど…やっぱり恥ずかしいよ…相合傘なんて…』

「そうか」

『い、嫌ってわけじゃないんだよ?で、でもやっぱりその…明日黄色ちゃんあたりにからかわれると思うと…』

「ふむ…白がどうしてもというなら予備の傘を出すが」

『え?よ、予備があったの?』

「ああ。たまに赤あたりが無断で拝借するのでな。いくら親友とは言え何か一言あってしかるべきだと…どうした?何か不機嫌そうだが」

『…黒君の馬鹿』

「…すまない。今鞄から出そう」

『もういいよ…それにさっきも言ったでしょ?嫌じゃないって』

「…そうか」

『たまにはこういうのも悪くないね…ちょっと頑張って学校に来たかいがあったかな…』


赤が青に勉強を教わっているようです

赤「んあーわかんねぇー。青ー、教えてくれー」

青「さっきからうるさいっ!少しは自分で考えてから人に聞きなさいよ!」

赤「考えてもわかんねぇんだけど」

青「アンタ、授業ちゃんと聞いてんの?」

赤「いや、全然」

青「この部活バカ…。面倒見きれないわよ」

赤「頼むっ!顧問のヤツが赤点とったら次の大会出さないとか言いやがるんだ」

青「全く…。他の人に頼んだりはしないの?」

赤「ん。いや、俺はお前に教わりたい」

青「———え?」

赤「わかりやすいし、なんだかんだ言いながらしっかり教えてくれる。あと、一緒に勉強してて楽しいしな」

青「なっ、何言ってんのよ!勉強は集中してやるもんでしょ!」

赤「えー…確かにそうだけどさー」

青「ま、まあ教えてあげるわよ。感謝しなさい」

赤「ははー、青大明神サマー」

青「わかったらさっさと勉強する!」

赤「へーい。………青」

青「何?」

赤「———ありがとな」

青「お、お礼なんか言わなくていいわよ。……別に嫌じゃないし…」

赤「え、聞こえなかった、今最後なんて言ったんだ?」

青「何でもないっ!」


青×白



『アンタって細いわよね』

「へ?」

『体型の話よ。痩せてるってこと』

「確かにそうだけど…なんで急に?」

『別に。ただなんとなくよ』

「うーん、やっぱり何か部活に入ろうかな…」

『だ、駄目よそんなの!』

「な、なんで?」

『そ、それはその…も、もし部活中に倒れたりしたらコトでしょ。だから入っちゃ駄目』

「でもやっぱり身体鍛えておかないと…」

『その事については反論しないけど…でも無茶しちゃ駄目よ』

「わかってるよ」

(部活なんて入られたら一緒にいられる時間減るじゃない…)


緑×黄緑



緑は昼休みにひたすら本を読んでいるようです

緑「………」

黄緑「………(ニコニコ」

緑「………」

黄緑「………(ニコニコ」

緑「…黄緑、お前楽しいか?」

黄緑「うん、楽しいよ?」

緑「……お前に好意を寄せてる奴は多いだろ。そいつらの相手をしたりはしないのか?」

黄緑「うん。その人達と一緒にいるより、あなたと一緒にいるほうが楽しいから」

緑「(///) お前、馬鹿だな…」

黄緑「馬鹿でもかまわないわ。私は今、幸せだから」

緑「(///) (ったく、さっきから本の内容なんか全く頭に入らねえ…)」

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水×緑



『ね、ねぇ緑君』

「ん?なんだ、水さんか。どうしたんだ?」

『あっ、えっと、何の本を読んでるのかなって』

「これかい?小説だよ」

『い、いつも本読んでるよね』

「まぁ好きだからね。水さんは読まないの?」

『す、少しは読むけど…』

「ふーん…そうだ、今度オススメの本を貸してあげようか?」

『ええっ!?そそそそんな悪いよ…』

「そんなことないよ。まぁ水さんが嫌じゃなければ、だけど」

『じゃ、じゃあお願いしようかな…』

「わかった。明日持ってくるよ」

『あ、ありがとう…(やった…これで緑君と話すチャンスが増える…)』


青×茶



青は茶の幼馴染のようです

青「茶ー、迎えに来たぞー」

茶「おはよう、青くん」

青「忘れ物はないか?教科書ノート弁当宿題財布ケータイ、スカートのはき忘れは…今日はないな」

茶「だ、大丈夫だよぅ。それにスカートのはき忘れなんて…」

青「いーや、お前ならありえる」

茶「酷いなあ…確かに昔はやったけど」

青「(今もたまにやりそうになるから困るんだ…)まあいい、ないなら行くぞ」

茶「———ねえ、青くん?」

青「なんだ?」

茶「なんで青くんは毎日私を迎えに来てくれるの?」

青「っ!?べ、別に……まあ、幼馴染だしな。それにお前は放っておくと色々やらかしそうだし」

茶「むー、でも否定できない……青くん、いつもありがとね(ニコ」

青「(///) さ、さっさと学校行くぞっ!」

茶「あ、待ってよー」

青「(あ、やべ、このタイミングは…)」

ぽてっ さっ

青「こけると思った…」

茶「あ、ありがとう…」

青「ったく。ほら、ゆっくり歩いてやるから。行こうぜ」

茶「う、うん!」


紫×水色



水色が男子生徒に日直の仕事を押し付けられているようです

男A「水色ー、頼むよー。俺今から外せない用事があるからさー」

水「え、…でも」

男A「なっ、ほんと頼む!一生のお願い!」

水「……じゃあ、…いいけど…」

男A「マジで?さんきゅー♪」

紫「なっさけないな、お前」

男A「うわっ、紫っ?!」

紫「水色が断れないのをいいことに仕事を押し付けんのかよ。用事っつってもBとかと遊ぶだけだろうが」

男A「う、うるせえよ!水色がいい、って言ってんだからいいじゃねえか!なあ水色」

水「あ、…えっと…」

紫「そこが情けないっつってんだよ。お前、仮にも男だろ?」

男A「うっせーよチビすけ!ガキみてーな体で偉そうにしてんじゃねえよ!」

紫「自分の仕事もちゃんとしねえで遊びに行く奴の方がよっぽどガキだと思うけどな」

男A「…ちっ」

紫「あっ、逃げんじゃねえよ負け犬。…ったく」

水「…あ、……ありがと…」

紫「ん?気にすんな。ってか、水色、お前ああいうのちゃんと断れって」

水「……でも」

紫「でもじゃない。大変なのはお前だろ?」

水「…別にそんな大変じゃないし、……私は遊んだりもしないから…急いでる人がいるなら…変わってあげても…」

紫「…お前、優しすぎだって」

水「…そんなことないよ…用事が何もない私がやったほうが、悲しむ人が少ないでしょ?」

紫「うーん…。そうだ。こうしようぜ」

水「え?」

紫「俺が放課後、水色を待ってるよ」

水「…え?」

紫「それなら水色は俺が悲しまないように一人で居残って仕事したりしないよな」

水「…あ、……うん」

紫「よし、決まりだ。…もう、アホどものせいでお前に負担なんかかけさせたりしねえからな」

水「…ねえ、紫くん?…じゃあ、今日も待っててくれる?」

紫「バカ」

水「へ?」

紫「今日の仕事は一緒にやるんだっつーの」

水「…あ、…うん!」


紫×水色



紫と水色が二人で一緒に帰っているようです

紫「でな、内藤が壮絶にこけたわけだ」

水「あはは」

紫「にしても、あっついなー。大丈夫か水色?」

水「…あ、…大丈夫」

紫「若干きつそうだな…。アイスでも食ってくか?」

水「…うん。…あ、でも…今日お金、あんまりないかも…」

紫「別に金なら俺が出すよ」

水「…でも、…悪いし…」

紫「気にすんな。俺は男だしな」

水「…うん。…ごめんね」

紫「謝んなくていいよ」



紫「おいしいか?」

水「うん。おいしい。…ありがと」

紫「どういたしまして」

女性「ねえ見てー、あの2人『姉弟』かな?2人で仲良くアイス食べてるよ。かーわいい」

男性「声でけーって。…ああ、そうじゃないか?おまえんとことは反対だな」

女性「うわー失礼ー」

紫「ピク)………(姉弟…)」

水「…どうしたの?紫くん」

紫「いや、なんでもねえ。(やっぱもうちょい背、欲しいな。…せめて水色くらいは)」

水「?」

紫「(待ってろ、すぐに追いついてやる。…そしたら。そのときは)」

水「…ねえ、紫くん。……アイス、溶けてる」

紫「ん?うわっ!!」


今日も紫と水色は一緒に帰るようです

水「ねぇ、紫くん」

紫「ん?なんだ?」

水「私、ちょっと日本史のプリント提出してくるから、…少し、待ってて」

紫「わかった。てか一緒に行こうか?」

水「それは…いいよ。…悪いし」

紫「別に俺はいいけどな。まあいいや、じゃ昇降口で待ってっから」

水「…うん」

水「(先生、職員室にいなかったし…。資料室にいるって言われたけど、遠いなぁ…) ふぅ、着いた。失礼します…」

先生「誰だ?ああ、水色か。ちょうどよかった。水色、散らかった資料を片付けるの手伝ってくれないか?たしか部活もないだろう?」

水「え…でも、私…」

先生「なあ頼むよ水色、手伝ってくれ」

水「………はい (すぐ終わるよね…)」

一時間後

水「(なんで資料整理でこんなにかかるの……紫くん、怒ってるよね…帰っちゃったかなぁ…) …あ」

紫「…スゥ…スゥ…」

水「む、紫くん?」

紫「………ん?…ああ水色か、わりぃ、寝てた」

水「…それはいいけど、…待っててくれたの?」

紫「? だって約束しただろ。待ってるって」

水「だって、私、一時間以上…」

紫「どーせ、またなんか頼まれてたんだろ?悪いな、手伝えなくて。俺も後から職員室には行ったんだけどよ」

水「…そんな、別に…。…ねぇ、紫くん。…怒ってない?」

紫「? なんで怒るんだよ。待ってるって言ったのは俺だろ?…まあいいや、行こうぜ水色」

水「あ、うん。…紫くん?」

紫「ん?」

水「…ありがとう(微笑)」

紫「(///) (ヤバい、可愛いっ…)お、おう」


上限の月が鮮やかに輝くよく晴れた夜、俺は紅と一緒に近所で行われていた七夕祭りにやってきた。

広い公園の周りを屋台が囲み、中心にぽっかりとあいたスペースに大きな笹が飾ってあった。

皆思い思いの願い事を書いては吊るしている。親子連れやカップルなどもたくさん訪れている。

一年に一度、織姫と彦星が会うことを許された日。

ロマンチックな設定である七夕の日には自然とムードも盛り上がるのだろう。

と思っていても、俺の隣に居る紅はと言うと、

「やっぱりんご飴は美味いっ!」

などと両手に五本ほどりんご飴を持ち、口に一本加えながら満面の笑みで俺に言う。

コイツは周りの空気とやらが読めないのか?

いや、あえて読んでないというべきなのかは定かではない。

紅は赤のショートカットの髪に映えるように赤を基調とした着物を着ていた。

薄い赤地に濃い赤でツツジが描かれており、帯は黄色にタンポポの絵柄だ。

対する俺はというと、ノーフレームのメガネに大きく「青龍」と書かれた青地のノースリーブにジーパン。

肩には様々なもの、特に紅が買いあさりそうな物品を詰め込むために持ってきた鞄がある。

俺は笹の周りに置かれたベンチに腰掛け、周囲の状況を見ながら大きくため息をつく。

白も黒も茶も紫も桃も、女性陣も男性陣も皆「用事があるから」などとありふれた理由で俺の誘いを断った。

んで、途方に暮れている俺に対して誘ってきたのがこの紅だ。

「そういえばさあ」

紅がもごもごとりんご飴をほお張り、俺の隣に座りながら俺に問いかける。

「短冊吊るしたー?」

「いや、まだだ」

俺は短冊を持っているし、願い事もちゃんと書いている。

俺がまだ吊るしていない理由はただ一つ。

「お前は吊るしたのか? というより、ちゃんと書いたのか?」

そう、紅が吊るしたかどうか、書いたかどうか。それだけが気がかりだった。

「ん? あたし? あ、あたしは……ほら、七夕信じてないから」

はっきり言って、意外だった。ルパン三世が「実は俺、金に興味ないんだ」と言うくらい意外だ。

てっきり、紅の方から誘ってきたから短冊はきっちり書いてきたものだと思っていたのだが。

「ほら、余りを一枚やるから書けよ」

俺は鞄の中からオレンジ色の短冊とシャープペンを取り出し、紅につきつける。

紅はなめおわったりんご飴の棒をベンチの横にあるゴミ箱へ投げ入れたあと、

「え、で、でも、あたし」

などといいながら両手を前に突き出しぶんぶんと首を振っている。

「いいから。 願掛けぐらい、いいだろ?」

「う、うん」

俺の声に背中を押される形で、紅はりんご飴をベンチから落ちないように置き、短冊を書き始めた。

とはいえ、書き始めるとすぐに俺に背を向けた。

俺が覗き込もうとすると「だめっ!!」と大声で叫ばれて拒絶された。

なぜだ、気になる。

やることもないし、ふと時計を見てみる。

夜の11時55分を回っていた。あとちょっとで七夕終わるじゃないか。

「急げよ、あとちょっとで終わるんだから」

「あ、あとちょっと!」

周囲を見渡すと、すでに撤収準備に入った家族連れや、片づけをし始める屋台が目に入る。

俺もなんか買っておけばよかったな。

ベンチに座りながら明るい月を見て、俺はぼーっと考えていた。

紅と俺は幼い頃からの知り合い。いうなれば幼馴染だ。

懐かしい。

子供の頃、一緒に七夕でお願いしたこと、こいつは覚えているのだろうか?

『おおきくなったら、あおくんと(くれないちゃんと)けっこんできますように』

たどたどしい字で書かれた、長く途方も無い願い事だった。

まだ幼かった紅や俺は、今聞くと赤面ものの台詞を簡単に言ってのけたのだった。

いつからだろう、俺がコイツに対して素直になれなくなったのは。

今から1年前、高校に入ってから俺はコイツに対しての反応に何かしらの違和感を感じていた。

いつもバカやって二人して怒られて、後に二人とも笑って。

それでいいのか?

恋愛関係になると「バ、バカ! い、今はそんな話じゃないだろう」と茶を濁していた。

……それでいいのか?

こんな疑問があったからこそ、俺はもう一度、あの願いを書くことにしたのだ。

口にするのは恥ずかしいし、もしかしたら逆のことを言ってしまうかもしれなかったからだ。

「でーきたっ!!」

紅が雄叫びをあげ、短冊をぎゅっと握り両手を突き上げガッツポーズ。

って、短冊が潰されてくしゃくしゃになってるぞ、紅。

「へ? あーっ! せ、せっかく書いたのに……」

肩をがっくりと落とし、明らかに落胆する紅を見て、俺は苦笑いを浮かべる。

既に十二時を回り、七夕ではなくなっていた。

「ま、とにかく吊るそうぜ。 今なら織姫も彦星も、見逃してくれるだろ」

「ん」

胸の前で短冊を両手に持つ紅は心なしか恥ずかしそうだった。

いつもの溌剌としたアイツらしくない。

紅の手を引き、笹の前まで連れて行く。笹は周りの灯りに照らされていて、不思議と幻想的に見えた。

俺は持ってきた短冊をポケットからひきずりだし、するすると糸で吊るしていく。

短冊を吊るし終わった俺は紅のほうを見る。不器用な紅は糸に四苦八苦している様子。

ああ、もう、じれったいな。

「ほら、貸してみろ」

と、紅の返答を聞き終わる前に紅の紐を手に持つ。

あっ、と小さい紅の声が聞こえ、俺の視界には自然と紅の短冊の内容が映る。

『大きくなったら、結婚出来ますように』

俺は我が眼を疑った。疑いはしたが、紅に気取られぬよう努めて冷静に糸を結び終える。

心臓はエイトビートを刻み、血液は頭に熱を送り込み、今すぐ沸騰しそうだ。

「あ、あの、青……?」

おずおずと俺の顔色を伺う紅は、眉をハの字にしていた。

俺は思わず紅から顔を背け、言葉を濁す。

「あ、あのな、紅、こ、これは……」

そこで俺は気づく。

また俺は同じ事をするのか。

今、本心を出さずしていつ出すのだ。

なぜ俺は願い事にアレを選んだのだ。

「お、俺の短冊、見てみろ」

紅は「ほぇ?」と呟いてからとてとて、と俺の短冊の前に回り、まじまじと見た。

正直、恥ずかしすぎて死にそうだ。今ここに細い紐だけしかなく、丈夫な紐が無かったのが幸いだ。

この笹が俺の墓標になるからに他ならないからだが。

「……あ、ああ……」

紅が両手を口にあて、眼を見開き俺の方と短冊の方を交互に見た。

うわ、やっちまったよ俺……ってよくよく考えたらお互い様か?

沈黙が続いた。本来は数秒間であったのだろうが、ひどく長い時間に感じた。

「あはは!」

静寂を破ったのは、紅の大きな笑い声だった。辺りの人間がビクッとしてこちらに首を向けた。

紅は太陽のような笑顔を見せ、その割には涙を眼にためていたが、俺の肩をバシバシと叩いた。

「よっし、あたしと青、最強タッグだね! これからよろしくねっ!!」

何を今更、と思った俺だったが、ここは紅の晴れやかな笑顔に免じて許してやろう。

「ああ、よろしくな!」

織姫と彦星は、少し遅れたピュアな願い事を聞き届けてくれたのだった。


青「七夕、終わったわね」

黒「そうだな」

青「ねえ、アンタは短冊とか書いたの?」

黒「昨日は皆で書いたからな。俺もひとつ書いたよ」

青「なんて書いたの?」

黒「これからも青と一緒にいられますように」

青「———えええ!!!?」

黒「あまり高望みはできないかもしれないが、これだけは譲れない、ささやかな願いだ」

青「…え、あ…」

黒「俺は一年に一度なんかじゃダメだ。なあ青、これからも一緒にいてくれるか?」

青「わ、私は……」

黒「ダメかな?まあこれだけでも傲慢な願いだとは自覚してはいるが」

青「———し、仕方ないわねっ!アンタの願いが叶うようにしてあげるわよ!ま、まあ感謝でもしなさい」

黒「そうか、ありがとう。俺は幸せ者だな。この一年も至福のものとなりそうだよ」

青「(///) いつも大袈裟ね、アンタは」

黒「本当のこと言ってるだけなんだが。俺の地獄に音楽は絶えないよ」

青「え?」

黒「これの少し前は…そうだな、そのうち言うよ」

青「?」


「七夕というのは元は中国の伝説なんだそうだ」

『そうなの?』

「ああ。それと日本固有の棚機女というものが合わさって今の七夕になったそうだ」

『へぇ…緑君は物知りだね』

「本からの受け売りだよ。あぁ、それともう一つ」

『?何?』

「この日に女性が技芸の上達を願うと叶うそうだ」

『…どういうこと?』

「まぁつまり茶も祈ってみたらどうだ?少しはどじが減るかもしれんぞ?」

『…!緑君の馬鹿!もう…』


「白、大丈夫か?顔色が悪いが」

『だ、大丈夫だって。元気元気』

「頼むからあまり無理はするな。君に何かあったら…」

『黒君は心配性なんだから…』

「そうは言うが(バタッ)…白?」

「おい、白?どうした!?白!しっかりしろ!」

『…あれ…ここ…』

「!気がついたのか…?」

『黒君…私いった(ぎゅっ!)え?』

「よかった…本当に…よかっ…うくっ…えぐっ…」

『黒、君…』

「このまま眼が覚めなかったら…どうしようって…うっ…うわぁ…」

『…ごめんね、心配かけて…』

「おーい、見舞いにき…」

「!あ、赤か…」

『ど、どうも…』

「あー…すまん、邪魔したな。戻るぞ、黄色」

『え?何々?アタシにも白に会わせてよー』

「いーから。今は二人の邪魔するんじゃない。それにしても…」

「?なんだ。怪訝な顔をして」

「いや…お前とは付き合い長いけど…泣いてるとこ見るのは初めてだなって」

「…まぁそうだな」

「じゃーな」

『…そういえば小さい頃は黒君泣き虫だったよね』

「言わないでくれ、そのことは…」

『ふふふ…』


赤が弁当を忘れてしまったようです

赤「青ー、恵まれない俺のために弁当をめぐんでくれー」

青「アンタ、ホントにバカじゃないの?大体、両手にかかえてるパンは何なのよ?」

赤「食べ盛りにとってはこんなパンはおやつぐらいの意味しか成さない!」

青「偉そうに言わないでよ…」

赤「だから、これだけじゃ部活中に餓死しちまう。よって!青さん、俺に弁当をわけてください!」

青「忘れてこなくたってどうせおかずをもらってくじゃない」

赤「それはそれ、これはこれ!」

青「全く、調子いいんだから…」

赤「うわ、今日の弁当は一段とうめぇな!」

青「って食べるの早いわよ!しかもそれ、私のお箸っ…」

赤「ん?あ、わりぃ。ここにあったからつい」

青「ついってアンタ………(///)」

赤「どうした、青?顔赤いぞ?」

青「だっ、誰のせいだと思ってんのよっ!」

赤「? まぁいいや。うおっ、青、これうまいぞ」

青「あ、あったり前でしょ。私が作ったんだから」

赤「だよなあ。青、お前いいお嫁さんになるぞ」

青「なっ…、あっ、…うん…」

橙「さてと黄さん。どこからツッコむべきでしょうか?」

黄「そうですねー、完全無欠な桃色空間ですねー」

橙「重要なポイントはなんですか?」

黄「天然で殺し文句を吐く赤、嫌よ嫌よと言いながら結局嬉しそうに弁当をわけている青。この二つが最大の要因と言えるかと」

橙「なるほど、解説ありがとうございました」

黄「いえいえ、こちらこそ」


橙『はーい、大富豪は緑君の負けー』

赤「やっべー、危うく俺が負けるとこだった」

黄緑『赤君も結構ピンチでしたものねぇ』

緑「あうぅ…そ、それで罰ゲームって?」

橙『ふっふっふ…これを着けなさい!』

橙『うわー…』

緑「な、なんかあんまり変わらない気もするけど…」

橙『い、いや大分変わってるわよ、ねぇ赤?』

赤「あ、あぁ…ヤバイ…俺にその気はないはずなのに…惚れそうになった…」

緑「ええっ!?じょ、冗談だよね赤!?」

黄緑『あら、でもなんだか本当の女の子みたいよ?』

緑「き、黄緑さんまで…そんなぁ…」


『ハァ…アンタよく倒れるわよねぇ』

「アハハ…面目ない…」

『…まぁいいんだけどさ。で、今回の原因は?』

「えーと貧血」

『…そう(よかった、日射病とかじゃなくて)』

「まぁもう大丈夫そうだし、そろそろ戻るよ。先生、お世話になりました」

『ん。あんま彼女に心配かけちゃ駄目よー』

『ちょっ、朱先生!』(///)

「そ、そんなんじゃありませんって」(///)

『おーおー、赤くなっちゃって。可愛いねぇ』

『ほ、ほら白、早く行こ?』(///)

「あっ、うん。お、お邪魔しましたー」(///)

『まったくあの人は…』(///)

「ね、ねぇ青…その…いつまで手ぇ握ってるのかな…」(///)

『!!!ば、馬鹿!もっと早く言いなさいよ!』(///)

「ご、ごめん、つい…その…嬉しかったし…」(///)

『んなっ!』(///)

「ア、アハハ。何言ってんだろうね僕」(///)

『見ーちゃった、見ーちゃった』

『!!!き、黄!ア、アンタなんで…』(///)

『いやぁね、お二人の様子を見に保健室へ行こうとしたんだけどね、お邪魔だったみたいだね』

『ちょっ、どういう意味よ!』(///)

『じゃーねー』

「えっと…」(///)

『この馬鹿!アンタのせいで勘違いされたじゃないの!』(///)


教室にて

青「赤、土曜日暇?」

赤「なんで?」

青「質問を質問で返さないで。暇かと聞いてるんだけど」

赤「暇じゃねぇ」

青「なら暇をつくりなさい」

赤「だが断る」

青「ぶち殺すぞ」

赤「つうかなんで喧嘩口調なんだ?。そんなに俺と話すのが嫌なら色無とか仲が良い奴とはなせばいいじゃん」

青「…もういいよ。この馬鹿!!」

赤「?」

青(あぁ…またやっちゃったよ…もう少し素直になれないかなぁ…。赤も少しは気遣ってくれても良いのに…もう酒でも飲ませて犯すしか…フヒヒ…)

茶「先生、青さんが危ない脳内妄想を繰り広げています」

橙(青も苦労してるのねぇ…)

無(俺出番ないじゃん…)


黒『こんにちは』

白「あれ、黒。どうしたの」

黒『別に。暇だったから来ただけ』

白「そっか」

黒『…まだ退院できないの?』

白「うん。七月中にはなんとか…って思ってたんだけどね」

黒『そう…』

白「出来れば海とか行ってみたかったんだけどね」

黒『行けばいいじゃない。海に行ったら死ぬってわけでもないでしょう?』

白「でも一人で行ってもなぁ…」

黒『…馬鹿』

白「え?」

黒『なんでもないわ。それなら赤とか黄とか誘っていけばいいじゃない』

白「黒はこないの?」

黒『…行っても疲れるだけだし行かない』

白「…そっか」

黒『何?来てほしいの?』

白「そりゃそうだよ。だって黒も大事な友達だし」

黒『…友達、ね…まぁ考えてあげないこともないわ。じゃあ』

白「もう行くの?」

黒『長々といてもしょうがないでしょう。それともいてほしいの?』

白「うん」

黒『なっ…!』(///)

白「だって一人じゃつまらないし」

黒『………帰る』

白「ええっ!?」

黒『うるさい。帰るったら帰る!何よ馬鹿、期待させといて…』

白「き、期待ってなんのこと?」

黒『知らない。さようなら』

白「あっ…」

黒『白の馬鹿…!人の気も知れないで…』

灰『あっ、お姉ちゃんおかえり。白さん元気だった?』

黒『いつも通りよ』

灰『ふーん…で、どうだった?』

黒『…何が?』

灰『だから夏休みに一緒に遊ぼうって言うんじゃなかったの?』

黒『………』

灰『駄目だったんだね』

黒『…別にどうでもいいわよ、あんな奴』

灰『もう、駄目だよお姉ちゃん。ちゃんと言わないと。せっかくの長いお休みなんだから』

黒『うるさい。いいったらいいの』

灰『ハァ…なんでお姉ちゃん白さんの前だとそうなんだろ。他の人には言いたい事ずばずば言うのに』

黒『…本当、なんでなんだろ…』

灰『へ?』

黒『いっつもいっつも憎まれ口ばっかり叩いてさ…こないだだって…お弁当作ったのに…渡せなかったし…』

灰『お、お姉ちゃん泣かないでよ。だ、大丈夫だって。そ、そうだ!もう一回行ってきなよ。ちょうどお昼だしさ、お弁当作って、ね?』

黒『でも…』

灰『アタシも付いていってあげるから』

白「あれ、黒。灰色ちゃんも一緒?」

灰『こんにちは』

黒『………』

灰『ほらお姉ちゃん』

黒『…こ…これ…』(///)

白「へ?何それ?」

黒『お、お弁当…作ってきたから…』(///)

白「本当に?ありがとう、黒」

黒『じゃ、じゃあ私はこれで…』(///)

白「へ?せっかくだし一緒に食べようよ」

黒『い、いいわよ。一人分しかないし』

白「ならちょうどいいや。僕は小食だし一緒に食べようよ」

黒『し、仕方ないわね…残されるのも癪だし…』

灰(まったく素直じゃないんだから…)


私には気になる人がいる

昔からうちの隣に住んでる赤だ

私は今日彼に告白する

よし、今日こそはと意気込んで自宅の玄関から家をでる

青「あ、おはよう」

赤「おいすー」

家をでると真っ赤な髪した赤がいた

朝からいつもの挨拶を交し一緒に学校に向かう

昔からずっと一緒の毎朝の行動

なにも変化はないがこの時間が一番幸せ

赤「あ〜、しかし今日は暑いなぁ……」

青「そ、そうね……」

なにを私は緊張しているんだろうか?

赤がとなりにいるから?

それとも……

赤「そこのコンビニでもいって飲み物でも買ってくるかなぁ」

青「え、ちょ」

赤は近くのコンビニに駆け込み1分もしないうちに戻ってきた

赤「ほれ」

赤からポカリスウェットが手渡される

赤「青も飲むだろ?」

青「ありがと……あ、代金」

赤「べつにいいって。俺が勝手に買ってきただけだから」

青「もう……」

彼はひじょうにマイペースだ

赤「さて学校にいきますかね」

再び歩き出したときに私は意を決した

青「ねぇ……」

赤「んー」

心臓の音が高鳴る

青「あのね……」

顔が熱い青「あの、その……」

一言が言い出せない

こんなもどかしく苛立つのははじめてかもしれない

赤「……」

赤はなにを考えたのか私の手を握った

青「!?」

突然の出来事に頭の中が真っ白になる

赤「焦らなくていいんじゃないの?」

その一言に驚いた

青「え!?私は別に焦ってなんかいないわよ!!!」

必死に誤魔化す

情けないな……

赤「とりあえず学校にいこう。な?」

無言でうなずき赤に手を引かれるまま学校に向かう

今はまだこのままでいいのかもしれない

だけどいつか彼に私は告白できるようになりたい

いつの日か……


青「……ねー緑」

緑「何?」

青「せっかくの夏休みなんだしさぁ、どっか一緒に行かない?」

緑「僕はいいよ。青は寮の皆と一緒に出かけてくれば?」

青「……じゃあいい」

緑「へ?なんで?」

青「なんでもないわよ(緑の馬鹿……)」

赤「緑ー、邪魔するぞ。っと、青も一緒か」

緑「どうしたの?」

赤「いや、古語辞典貸してくれないか?学校に忘れたみたいで……」

緑「いいよ。机に置いてあるから」

赤「サンキュー……で、なんでコイツむくれてるんだ?」

緑「さぁ?」

青「……別になんでもないわよ」

赤「……なるほど、青は緑がかまってくれなくて拗ねてるわけか」

青「!!!そ、そんなわけないでしょ!」(///)

赤「ほーう。その割には顔が真っ赤だぞ」

青「うっ……」(///)

緑「???」


?「おとーさん、あさだよ……おきて……」

黒「ん……あぁ灰か、おはよう。母さんは?」

灰「まだねてる……」

黒「そうか。起こしてきてくれるか?」

灰「うん……」

とてとて

黒「せっかくの休みだし今日はどこかへ出かけようか」

白『灰はどこか行きたいところある?』

灰「べつにないよ……あついしいえでじっとしてたい……」

白『もうこの子ったら(プルルルル……)あら電話?』

黒「灰は面倒くさがりだな。本当にどこにも行きたくないのか?」

灰「うん……」

白『ふふふ。でもきっとこの話を聞いたら出かけたくなるわよ』

黒「ん?誰からの電話だったんだ?」

白『青から一緒にプールに行かないかって』

灰「……いく」

黒「お?」

白『紫ちゃんに会えるもんね?』

灰「……」(///)

黒「なるほど……」


「茶色ー!おっはよー!」

「えっ!?あっ、き、黄色君。お、おはよう」

「いやー、今日も暑いなー」

「そうだね」

「こう暑いとプール行きたくなるよなぁ」

「寮の皆で?」

「そそ。茶色の水着姿も見たいしね」

「わ、私なんか駄目だよ……」

「いやいや、そんなことないって去年行った時にあった事故でしっかり確認を「このドスケベがっ!」あたっ!」

「ったく……」

「あ、赤君……」

「何すんだよ、いきなり!」

「やかましい!茶色はあの事気にしてんだから蒸し返すな!」

「それって水着がスライダーの途中で流れたこと?」

「も、もうその話はやめてよー」

「だからお前は紫にガキとか言われるんだ」

「何だとぉっ!?てかアイツだってチビじゃないか!ちくしょー、覚えてろー!」


黒「青は赤とどこまでいったの?」

青「え!?」

黒「だからどこまでいったのよ?もうここまでいっちゃった?」

黒が指で輪を作り指を通す

青「ちょ、そんな////」

黒「赤は他人にあまり自分から馴染まないから青自身からアタックしてみれば?」

青「あ、あなたこそ白とはどうなってるのよ?」

黒「私?それはもちろん男女の契りを……」

白「ちょっとまって」

黒「いつのまに?」

白「そこから先は駄目です」

黒「あらあら、一回やったら獣みたいに……」

白「なっ/////」

赤「若いなぁ」

青(男女の……/////)


「白、来てあげたわよ」

「すぅ……すぅ……」

「あっ……寝てる……ふふっ、可愛い寝顔……」

「くろぉ……」

「!!!」

「すぅ……すぅ……」

「ね、寝言か……びっくりした……い、今なら……キスしてもバレないよね……」(///)

そーっ

「んっ……」

「!!!!!」

「ん〜……!あれ……黒……?来てたの……?」

「お、おはよう……」(///)

「今日はどうしたの?」

「べ、別に。たまたま通りかかったから……」

「わざわざありがとう」

「そ、それよりもうすぐ退院出来るんでしょう?ち、調子はどうなの?」

「うん。だいぶいいよ。これなら夏休みは色々遊べそう」

「そ、そう……」(///)

「楽しみだなぁ……」

「あ、あの!」

「?」

「も、もしよかったら……い、一緒に……花火、見に行かない?」(///)

「いいの?」

「ほ、他に誘う相手もいないし……」

「もちろん喜んで」

「そ、そう……じゃあ、私はこれで……」(///)

タタタタタ……ばふっ

「やったやったやった……!白と一緒に花火だ……♪どんな浴衣にしようかな……」


「お待たせ〜」

「………」

「どう?似合う?」

「………」

「…赤?ど〜したの?」

「えっ!?あ、あぁ、ゆ、浴衣の話だな…よ、よく似合ってるよ」(///)

「ホント!?えへへ…♪じゃあ行こっか!」

むぎゅっ

「!!!お、おまっ、あ、あた、当たって…!」(///)

「?当たってるって何が?」

ぎゅーっ

「だ、だから…胸が当たってるんだよ!」(///)

「…えいっ♪」

ギュッ

「!!!!!」

「赤は…おっきい娘は嫌い?」

「い、いや…そ、それは、その…」(///)

「い〜から行こ!ね?」

「…わかったよ」(///)


青「緑、いる?」

緑「あれ?どうしたの青」

青「ちょっと付き合って」

緑「へ?付き合うって?」

青「いいからちょっと来なさい」

緑「え?え?え?」

青「というわけで荷物持ちお願い」

緑「それなら僕じゃなくても赤とか誘えばよかったのに……」

青「……いいから来なさい!わかった!?」

緑「は、はい……」

青「まずは服を買うわよ!」

青「どう?似合う?」

緑「あっ、うん、よく似合ってるよ」

青「じゃあこれは?」

緑「それもよく似合うよ」

青「……さっきからそればっかりじゃない!」

緑「ご、ごめん……でも本当にそう思うよ?」

青「そ、そう?ならいいんだけど……」(///)

緑「ところで青、後で本屋行ってもいいかな?ちょうど買いたい本があって……」

青「……可愛い女の子とデート中によくそんなこと言えるわね」

緑「えっ!?そ、そうだったの!?」(///)

青「なっ、あっ、ば、馬鹿!た、ただの言葉のあやよ!」(///)


『ねぇ○○君、宿題見せてほしいんだけど……』

「桃ちゃんの頼みなら喜んで!」

『ありがとー♪大好き!』

ぎゅっ

『またそういう事して……』

『あら、橙ちゃん』

『まぁ騙されるほうも悪いからとやかく言わないけど……』

『騙してはいないわよ。自分の魅力を最大限に生かしてるだけ』

『あのねぇ……』

『あらあら。じゃあ桃ちゃん今度は彼を狙ってみたら?』

『彼?』

『緑君よ。彼勉強も出来るし誘惑する価値はあると思うわよ?』

『へぇ……』

『ねぇねぇ緑君、お願いがあるんだけど……』

「?貴女は……?」

『私は桃っていうの。それでね、お願いなんだけど……宿題見せてくれない?』

「宿題……ですか……」

『駄目?』(上目使い)

「駄目です」

『え……?』

「宿題は自分でやらないと何の意味もありません。わからないところを教える、というのなら喜んで引き受けますが」

『……』

「……行っていいですか?」

『あっ……どうぞ……』

「失礼します」

『やっぱり駄目だったみたいね』

『いや黄緑あれは相手が悪いって』

『……面白いじゃない……』

『え?』

『見てなさい緑君……私になびかない男なんていないのよ……必ず振り向かせてみせるわ!オーッホッホッ!』

『……黄緑』

『なぁに?』

『こうなるってわかってたでしょ』

『だって面白そうじゃない♪』

『確かに♪』


やっぱりまずは相手の事を調べないとね

『というわけで黄緑ちゃん、緑君の趣味知らない?』

『彼ならいつも図書館にいるわよ』

『図書館ね……』

『ん……あれは……』

確か……水君?

「ふぅふぅ……」

『こんにちは水君』

「あっ、桃さん」

『どうしたの?』

「うん、緑君の手伝い。いつもお世話になってるし」

真面目だなぁ……

『水ー、これはどこに……あっ、桃』

『紫ちゃん』

この娘は水君の彼女の紫ちゃん

『あなたも?』

『水がどーしてもって言うから仕方なく』

「いつもごめんね……」

『いいわよ別に』(///)

『……仲いいよねぇ』

なんだか微笑ましいな……

「あ、ありがとう……」(///)

『そ、それで桃は何しに来たの?』(///)

『緑君を落としに』

「ちょ、直球だね……」

『さっき司書さんと話してたから多分あっちにいるよ』

『ありがと』

「……ねぇ紫ちゃん」

『?なぁに?』

「止めなくてよかったのかな」

『大丈夫でしょ』

『こんにちは』

「あれ……桃さん?」

『何してるの?』

「本棚の整理ですよ。週に一度確認してるんです」

『ふーん……でも大変じゃない?ここは広いし』

「そうでもないですよ?これはこれで楽しいんですよ」

『へぇ……』

ホントに本が好きなんだ……でもこれからは私を一番にするわよ!

「それで今日はどうしたんですか?」

『うん、本を借りに来たんだけど「本当ですか!?」ひゃっ』

「嬉しいなぁ……赤や黄はスポーツばかりであまり本を読まないんですよね。もちろんスポーツも大切なんですけど」

い、今……緑君笑ってたよね……いつもは無表情なのに……

「それでどんな本を?」

『え、えーっと、私そういうのわからないからさ、緑君が選んでくれない?出来れば小説とかがいいな』

「わかりました」

「どうぞ」

『ありがとう』

「読み終ったら感想を聞かせてくださいね」

そう言ってまた笑った瞬間……

トクン……

「?桃さん」

『う、うぅん、なんでもない。わざわざありがとう』

……なんだろう、今の。胸が……ドキドキして……

橙『え?え?まさかそんなことが?』

黄緑『あらあら♪』


橙「黒君ってさぁ」

黒「なんだ」

橙「なんでいつも一人でいるの?」

黒「しらん」

橙「そんなツンツンしてもしかしてツンデレ?」

黒「はぁ?」

橙「そんなツンツンしてると妹の灰色ちゃんにも愛想つかされるよ?」

黒「しるか」

橙「冷たい人だねぇ」

黒「俺に用でもあんの?」

橙「一回黒君と話してみたかったんだよねぇ」

黒「俺は話したくない」

橙「うわ、いまものすごい傷付いた」

黒「はいはい」

橙「ねぇねぇ、なんか喋ってよぉ」

黒「なんで」

橙「ちょっとは相手してくれてもいいじゃない」

黒「お断りだ。目障りだからどっかに行ってくれ」

橙「じゃあ目の前にいなければいいんだね?」

ガバッ!!

黒「おい」

橙「なぁにぃ?」

黒「後ろから抱きつくな」

橙「目の前にいなければいいんでしょ?」

黒「胸が当たってる……」

橙「当ててるのよ。なに?照れちゃってんの?」

黒「ち、違う……」

橙「顔を赤くして可愛いなぁ」

黒「///」

橙「かまってくれるまではなさないからね……」


 昼休み

黒(さて、弁当食べるかな)

昼休みになりお弁当を開ける黒。しかしそのお弁当にとんでもない事態が!!

黒(な、なんだ?このなんとも形容しがたい可愛らしい弁当は!?)

 灰色の教室

空「そういえば灰色ちゃんってめんどくさがりだけどお兄ちゃんのお弁当はつくってあげてるよね」

灰「まぁねぇ」

空「家族愛ってやつ?いいなぁ」

灰「えへへ……あ、お兄ちゃんのお弁当と間違えて持ってきちゃった」

 黒の教室

黒(このうさぎの模様が入った弁当を俺に食えと?我が妹よ……)

橙「あれ?黒君なんか挙動不振だけどなにかあったの?」

黒「!?」

急いでフタを閉じる黒

黒「な、なんでもないぞ!?」

橙「なんかあやしいなぁ……そのお弁当に秘密がありそうだ」

黒「ちょ、ま……」

ぱかっ

橙「こ、これは!?」

黒「……」

橙「なんて可愛らしいお弁当なの!!(お蝶婦人風に)」

黒「返してくれ……」

橙「ふぅん、黒君にこんな趣味があったとはねぇ」

黒「誤解だって……」

橙「んじゃあこのことは黙っててあげるからさ、一つお願いを聞いてもらっていい?」

黒「はい……」

橙「あ〜んして?」

黒「(゚Д゚)」

橙「私がお弁当食べさせてあげる♪」

黒「だが断……」

橙「みなさん、黒君のお弁当……」

黒「わかった。わかったから黙ってください。お願いします」

橙「素直でよろしい!!」

 灰の教室

灰「……」

空「お兄さんのお弁当っていつものりべんなの?」

灰「黒だけに……」


黒「……」

橙「黒君」

黒「……」

橙「黒君ってば」

黒「……」

橙「お〜い」

黒「Zzz……」

橙(眠ってるよ……)

橙「起きてぇ〜」

黒「う……」

橙「起きなさい」

黒「あと5分……」

橙(仕方ない……あれを言うか)

黒の耳元に顔を近付ける橙

橙「お弁当……」

黒「うおぉ!?」

橙「あ、起きた」

黒(いま凄まじいなにかを感じた……)

橙「学校で眠っちゃって、疲れてるの?」

黒「別に……」

橙「顔に出てるよ?」

黒「気のせいだろ……」

橙「ほんとかなぁ?よし!!お姉さんがマッサージしてあげよう!!」

黒「???」

橙「宇宙最強絶対無敵前代未聞のマッサージ、その名もぱふぱ……」

黒「丁重に断る」

橙「(´・ω・`)」


 灰と黒の自宅

灰「お兄ちゃん」

黒「ん?」

灰「最近同じクラスの橙さんと仲がいいらしいんだってねぇ?」

黒「誰から聞いた?」

灰「空色ちゃんのお姉さんの青さんから」

黒「……」

灰「お兄ちゃんも私にばかりかまってないで自分のこともすこしは考えてみたら?」

黒「ん?」

灰「亡くなった父さんと母さんの代わりにバイトしてお金稼いで、昼間は学校に行っての繰り返しじゃ高校生活なんてすぐに終っちゃうよ?」

黒「んなもん知るかよ」

灰「ほら、そうやって人の話を聞かない。もう十分苦労したじゃない。そろそろ楽しいことしてもいいんじゃいの?」

黒「うるせぇな。人のことなんて考えないで自分のこと考えろ」

灰「な!?少しは人の話しを聞け!!お兄ちゃんの馬鹿!!もう寝る!!」

 灰の自室

灰(お兄ちゃんは何考えてるのかわからないよ……いつも一人で突っ走って……なんであんな性格なんだろう……はぁ……)


黒「……」

橙「ねぇねぇ、黒君」

黒「ん?」

橙「放課後暇?」

黒「なんで?」

橙「暇なら黒君の家に行っていい?」

黒「はぁ?」

橙「だから黒君の家にいっていい?」

黒「またなんで……」

橙「行きたいからにきまってるでしょ」

黒「むぅ……」

橙「女の子の誘いを断る気?」

黒「んなもん知るか」

橙「もしかして黒君って……うほっ?」

黒「うほっじゃねぇ」

橙「え〜、だって女の子を家にあげないなんてうほっしか……」

黒「もう家にくれば……」

橙「やったぁ♪」

黒(こんなんでいいのか俺?)

橙(ちょっと脅せばちょろいもんね。これで黒君を私のものに……ふふふ……)


 黒と灰の自宅

橙「お邪魔しまぁす」

黒「とりあえずソファーにでも座ってくれ。なにか飲み物持ってくる」

橙「はいはい」

灰「あれ?橙先輩?」

橙「あ、お邪魔してます」

灰「そんなかしこまらなくていいですよ」

橙「それもそうね」

黒「コーヒーもってきたぞ」

橙「んー、いい匂い」

黒「砂糖は自分でいれてくれ」

橙「わかった。黒君は砂糖いれないの?」

灰「お兄ちゃんは甘いのが苦手だからいつもブラックでのむんですよ」

橙「その若さでブラックとは」

灰(お兄ちゃんも女の人を家に呼ぶってことはこの前のこと考えてくれたのかな)

黒「今日は機嫌がいいな」

灰「まぁねぇ」

橙「そういえば御両親は?」

灰「!?」

黒「2年前に死んだ」

橙「あ、ごめんなさい……」

黒「別に橙さんが気にすることじゃない」

橙(波乱万丈なんだなぁ……そういえば灰色ちゃんに聞きたいことがあったんだっけ)

橙「あのね、あとで灰色ちゃんの部屋に行っていい?」

灰「いいですよ」

 灰色の部屋

橙「お兄さんについて聞きたいんだけど、昔からあの性格なの?」

灰「そうですね。無骨で人当たりが冷たくて友達もあまりいなさそう男ですね……」

橙「ちょ、言い過ぎ」

灰「あ、すみません。でも根はいい人なんです。親の遺産を私が家を出ていくときの為に使わないでくれたり、自分でお金稼いだり世話になりっぱなしですよ」

橙「立派なお兄さんなのね……」

灰「性格が難ですけどね。ただ私が兄の荷物になってるんじゃないかなぁって……」

橙「そこは黒君が決めるところじゃない?」

灰「そうなんですけど……やっぱり足手まといって考えちゃうんですよ……なんかめんどくさいですよねぇ、こういうの……」

橙「なるほどね……」

灰「あ、愚痴ばかりいってすみません」

橙「いえいえ。黒君の事が分かっただけでもよかったよ。ありがとう」

 夜

橙「お邪魔しましたぁ」

灰「また来てくださいね」

橙「もちろん」

黒「……」

灰「なにかいいなよ」

黒「帰り気をつけてな」

橙「把握しました。あ!!お別れのチューはしてくれないの?」

黒「はい?」

橙「だからキスですよ」

灰(なんと大胆な……)

黒「んなもん知る……」

チュッ……

黒「!!??」

橙「次は頬じゃなくて唇でお願いしますね?」

黒「///」


 買い物中

猫「にゃ〜」

黒(捨て猫か)

猫「にゃぁん」

黒「……」

 灰と黒の家

灰「あ、おかえり……ってその猫どうしたの?」

黒「拾った」

灰「猫を拾ってくるなんて珍しいね」

黒「気まぐれ」

猫「にゃあ」

灰「いやぁ、でも……これは可愛いですね」

黒「……」

灰「名前は?」

黒「まだ決めてねぇけど」

灰「じゃあ真っ黒な猫だから黒……」

黒「ふざけんな」

灰「冗談だってぇ〜」

黒(冗談にきこえなんだよなぁ)

灰「まあ名前は今度決めとくね」

黒「まかせた」

灰(橙さんに猫のことメールで送ろうっと)

 次の日の学校

橙「くーろ君♪」

黒「ん?」

橙「この衣装すんごい可愛いと思わないかい?」

黒「はぁ?」

橙「この猫耳と尻尾がさぁ」

黒「そんな趣味はないぞ」

橙「またまたぁ。猫好きなくせにぃ」

pencil_0668.png

黒「???」

橙「猫拾ってきたってメールが灰色ちゃんからきたよ」

黒「え……」

 灰と空の教室

空「で、橙さんに入れ知恵したと」

灰「そういうこと」

空「いくらなんでも猫耳はないでしょ〜」

灰「これぐらいのサプライズがあったほうがいいの……ってメールが来た」

相手 黒

本文 今日の晩飯抜きな

灰「そんなぁ……」

空「ははは……」


橙「あ、黒君」

黒「ん?」

橙「どうこのポニーテールは?」

黒「どうと言われても……」

橙「似合ってる?」

黒「……可愛いんじゃねぇの?」

橙「え?いまなんていった?もう一回いってみて!!」

黒「もう言わねぇ」

橙「え〜、お願いだからもう一回いってよぉ」

黒「知るか」

橙「けちぃ。言わないとお弁当のことばらすよ?」

黒「それだけはやめてください。お願いします」

橙「じゃあもう一回いってみようか♪」

黒「わかった、わかった……」


橙(ん〜、どうしたもんかなぁ)

いま私は同じクラスの黒君にアタックをかけているんだけど、黒君の反応が薄い。あまり感情的じゃない彼の性格もあるけど。毎回行動を起こしても「知るか」の一言でダウン。妹の灰色ちゃんの協力やお弁当の脅しでも駄目。手詰まりな状態。

橙「はぁ……」

自然と溜め息が漏れる。もう真正面から告白した方がいいかもしれない。でもなぁ、そんな簡単に出来たら苦労しないよねぇ……

いや、もうやるしかない!!ここで告白しないでどうする私。

橙「よし!!」

気合いを入れ意気込む。放課後になったら屋上に呼び出そう。それぐらいしか思い付かないし。うん、それでいこう。こんなところで前に進むのをとめるわけにはいかない。

橙「黒君」

私の呼び声に彼が反応した。

黒「ん?」

いつも通りの反応だ。私はいつも通りじゃないから緊張してくる。

橙「あのね、放課後になったら屋上に来てもらえる?」

よし、よく言った自分。ここで駄目と言われたらそこでおしまいだけど……

黒「わかった」

やった。呼び出し成功!!

橙「それじゃ放課後に屋上で」

彼を呼び出すことに成功してから放課後までの時間が長く感じた。午後の眠くなる気だるい授業も緊張のせいでまったく眠くならない。いまからこんなので大丈夫かなぁ……

 放課後

終礼をし教室からみんな一斉にいなくなる。ふと彼のほうに目線を送ると彼は窓から見れる景色を眺めていた。

屋上で起こることを想像しているんだろうか?それとも晩御飯の献立?

考えてもきりがないか。

教室から彼と私以外の人間がいなくなると彼は自分の席から立ち上がり私のほうを一瞬だけみて教室から出ていった。それから少したって私も教室をでる。

いまさら心の準備なんて必要ない。足早に屋上に向かう。

 屋上

遂にこの時が来た。屋上に続く階段をのぼり扉に手をける。この扉をあけたらそこには彼がいるだろう。正直ここで立ち止まっていたい気分だけど待たせるのも彼に悪い。

そして私は扉を開けた。

扉を開けるとそこには約束とおり彼が待っていた。

橙「呼び出してごめんね。待った?」

黒「すこしだけ」

橙「そう……」

黒「……」

橙「……」

少し会話をかわすと重苦しい沈黙がこの場を包みこんだ。ここが正念場。結果なんて気にしない。告白しなければ全部無駄なんだから。

橙「あのね……」

黒「ん?」

橙「私、黒君のことが……」

黒「好き?」

橙「うんそう、好き……ってなんで知ってるの!?」

黒「灰色から聞いた」

灰色ちゃん……いつもめんどくさがりで行動を起こさないのにこんな時だけ……

黒「一つ聞きたいんだけど、なんで俺なんだ?」

橙「そんなの君が好きだからに決まってるじゃない。人を好きになるのに理由が必要?」

黒「そうか……」

私の言葉を聞き彼は黙りこんだ。

橙「あの付き合ってくれる?」

とりあえず返事を聞いてみる。不思議とさっきより落ち着いてきた。

黒「え?いや……」

橙「駄目?」

黒「その、なんだ……OKの返事の仕方がよくわからないんだ」

橙「じゃあ返事を教えればいいの?」

黒「まぁ……」

橙「いいともー!!とかでいいんじゃない?」

黒「そんなんでいいのか?」

橙「いいの、いいの!!」

黒「さいですか」

橙「じゃあ付き合ってくれるかな?」

黒「いいともー」

橙「ぷ……」

黒「笑うな!!」

橙「だってねぇ……」

黒「あー!!もう帰るぞ!!」

橙「あ、まってよ〜」

正直拍子抜けというか滑稽というか……こんな感じで私の告白は終わった。

 次の日

橙「ねぇ黒君」

黒「ん?」

橙「もう私たち付き合い出したんだからさ、敬称はいらないよね?」

黒「そうだな」

橙「んじゃ黒って呼んでいい?」

黒「好きにしてくれ」

橙「黒黒黒」

黒「連呼すんな」

橙「黒も名前よんでよ」

黒「だ、橙……」

橙「よくやった!!」

黒「はぁ……」

橙「照れない照れない♪」

明日からどうなるか楽しみだなぁ


さて早速緑君が薦めてくれた本を読んでみようかな。普段あんまり読書とかしないから少し不安だけど……

「……ねぇ黄緑」

「どうかしたの?」

「いつからうちのクラスの読書家は二人に増えたの?」

「……え?」

「どうでしたか桃さん、あの本は?」

「あっ、うん、面白かったよ!この間のも面白かったし緑君ありがとうね」

「いえいえ。僕としてもこんな風に誰かと本のことで話が出来るのは嬉しいですから」

「……っ!」(///)

「?どうかしましたか?」

「な、なんでもないの!じゃ、じゃあこれ読み終わったらまた教えてね!」(///)

「えぇ」

「……あらあら♪」

「まさか本当にこうなるとはねぇ……」

「ちょっと本人に聞いてみましょうか」

「ねぇ桃ちゃん、最近楽しそうね」

「えっ?」

「そうそう。緑のやつとも仲いいしさ。まさか惚れちゃった?」

「!!!ち、ちがっ、そ、そんなんじゃないよ!こ、これはだからその……情報収集!そう、情報収集なの!」(///)

「緑を落とすための?」

「う、うん……」(///)

[へー?]ニヤニヤ

「うぅ……」(///)

「桃ちゃん、自分に正直にね?」

「べ、別に嘘なんてついてないよ……」(///)

桃自宅

「はぁ……」

やっぱり……黄緑さんは鋭いなぁ……

「……まさかこんなことになるなんてなぁ……」

彼のことを振り向かせようと共通の話題を作るために始めた……最初はそれだけだったのに……いつの間にかどんな本を貸してくれるのか楽しみになってて……

「そのまま緑君のこと……好きになっちゃうなんてなぁ……」(///)

ずるいよ……あんな風に嬉しそうに笑って……そんな顔されたら……夢中になっちゃうよ……

「……絶対振り向かせてやるからね……」

男の子のことでこんなに真剣になったのって初めて……でもいっか……


よ、よし……今度の休みに緑君をデートに誘ってみよう!

『でもどうやって誘おう……』

やっぱり無難に映画がいいかな……でも緑君どんな映画が好きなんだろう……

『どうしたの桃?』

『あっ、青ちゃん、実は……』

『なるほど、緑の趣味ね……』

『本人に聞くわけにもいかないし……』

『赤は緑と仲いいし聞いといてあげよっか?』

『本当!?お願い!』

『りょーかい。それにしても桃が緑をねぇ……』ニヤニヤ

『あ、あう……い、色々ありまして……』(///)

『SFとかファンタジーが好きなんだってさ』

『ありがとう青ちゃん。あ、あと……この件は内密に……』

『済むと思ったのかい?』

『ひゃああっ!だ、橙ちゃん!?』

『ふっふっふ……桃さん……日曜はよろしくね?』ニヤニヤ

『あうぅ……』(///)

うぅ……絶対日曜尾行とかされるんだろうなぁ……で、でもせっかく青ちゃんが教えてくれたんだし……

『み、緑君……』(///)

「?どうしたんですか、桃さん?」

『そ、その……こ、今度の日曜日……空いてる?』(///)

「特に予定は」

『じゃ、じゃあ一緒に映画見に行かない!と、友達からチケットもらったんだけどペ、ペアチケットだから……』(///)

「……それはデートのお誘いですか?」

『!!!!!え、えと、その……はい……』(///)

「それなら僕なんかよりももっといい相手がいそうですけど……」

『……緑君じゃなきゃやだ』ぽそ

「は?」

『ひ、日頃のお礼!!!ほ、ほら、いっぱい面白い本教えてもらったし!だ……駄目、かな……やっぱり……』

「……いえ、駄目なんかじゃありませんよ。むしろ桃さんのような綺麗な女性(ひと)に誘われて僕も嬉しいですし」

『!!!!!!!!』(//////)

「わかりました。日曜日ですね。それでは」

『……はふぅ……』(///)

『桃ちゃんって意外とうぶだったのねぇ……』

『まぁ相手が本命だったらね。アタシもあんな感じだったし』

『そうなの?じゃあ今度黄色君に聞いてみようかしら?』

『そ、それだけは勘弁してください黄緑さん……』(///)


桃『緑ちゃんって青君ことが好きなの?』

緑『なにを聞いてくるかと思えば……くだらないわね……』

桃『だってねぇ、いつも青君に目線がいってるじゃない』

緑『な!?』

桃『あ、もしかして図星?』

緑『あ、あんな堅物だれが……』

桃『照れない照れない♪』

緑『そういう桃はだれが好きなのよ』

桃『私はねぇ赤君かなぁ。ストイックな感じがいいわぁ』

緑『相手にしてもらえなさそうね』

桃『そこをどうにかするのが重要よ』

緑『ふ〜ん』

桃『あ、赤君!!』

赤「ん?」

桃『とお!!』

赤「うお!?」

桃『ねぇねぇ、お弁当つくってきたから一緒に食べよう?』

赤「それより抱きつくのをやめろ」

緑『ふぅ……』

青「また桃さんは学校であんなことして」

緑『あ、青君!?』

青「どうしたんですか?本で顔を隠して」

緑『べ、べつになんでもない!!』

青「?」


桃『〜♪』

緑『今日はなにか機嫌がいいわね』

桃『今日のテレビの占いで乙女座の人は恋愛運が最高だったからねぇ』

緑『ふ〜ん』

桃『あ、いま馬鹿にしたでしょ』

緑『べつに』

桃『そういえば今日の緑はいつにまして熱心に本を読んでるね』

緑『そ、そんなことないわ』

桃『気になるなぁ、てい!!』

緑『あ、本をとるな!!』

桃『なになに?これを読めば恋愛の達人になれる本?』

緑『か、かえして!!』

桃『緑がこんな本読むなんてねぇ』

緑『ニヤニヤしないで』

桃『ニヤニヤなんかしてませんよ?』

緑『あー、とにかく返して!!』

桃『はいはい』

赤「……」

青「元気がないけど、どうした?」

赤「獅子座の今日の運勢が最悪だった……しかもコメント欄におっぱいに気を付けましょうだとよ」

青「なぜにおっぱい?」

赤「わからねぇ……」


『紫×紫』

男「ちびすけ」

女「ちっちゃいゆーな!あんただってそんな変わんないでしょ!」

男「俺のほうが5センチおっきいもんね〜」

女「赤とか青より全然ちっちゃいじゃん」

男「何だとコラァ!!」

女「事実じゃん」

男「このやろ……お前なんかジェットコースター乗るのギリギリじゃねーか」

女「うぐ……気にしてることを……」

無「はいはい、おさまれちっちゃいものクラブ」

男・女「ちっちゃいゆーな!!」


「あっ、黒。これから帰り?」

「白……ええ、そうよ」

「よかったら一緒に帰らない?」

「いいわよ」

「最近は調子いいみたいね」

「うん」

「……ところで……今度の日曜暇?」

「へ?どうだったかな……」

「も、もし暇だったら……一緒にどこかに遊びに行かない?」(///)

「うん。でもひょっとしたら何かあるかもしれないからそのときはごめんね」

「べ、別にいいわよ」

「やったやった……♪誘えた誘えた……♪」

「お姉ちゃんごきげんだね」

ピリリリ……

「!も、もしもし……?」

「黒?今度の日曜のことなんだけど……特に何も予定はなかったよ。どこに行こうか?」

「と、とりあえず映画はどう?」

「うん、いいよ。じゃあまた日曜にね」

ぴっ

「……」(///)

「お姉ちゃん?」

「……はふぅ……」(///)

こてっ

「ちょ、お姉ちゃん!?」

「幸せぇ……」(///)


あー、面白かった……やっぱり緑君が薦めてくれる本は面白いのが多いな。

群「あら、桃ちゃん」

桃「こんないちは、群青さん」

群「最近貴方もここに入り浸りね。緑君のおかげかしら」

桃「!!!そ、そんなんじゃありませんよ……」(///)

群「照れない照れない。緑君ならいつものとこにいるから。じゃ頑張ってね」

桃「ぐ、群青さん!もう……」(///)

あっ、いたいた……あれ……?どうしたんだろう、机に突っ伏して……

桃「緑君……?寝てるのかな……」

緑「……」

やっぱり寝てるみたい……起こしちゃ悪いししばらく待ってよう……

緑「ん……」

……全然おきそうにないなぁ……今なら……キ、キスとかしても……バレないかも……

桃「お、起きないでね……」(///)

も、もう少し……

緑「ふぁ……」

桃「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

緑「あれ……桃さん……?」

桃「こ、ここここんにちは……」(/////////////)

緑「どうしたんですか……?顔が赤いみたいですけど」

桃「あっ、うん、ち、ちょっと熱くて!そ、それよりまたオススメの本教えてくれない!?」(/////)

緑「いいですよ」

あ、危なかった……でもちょっと……惜しかったな……

橙「ほほう、これはこれは……面白いものが見られましたなぁ……」

黄緑「あらあらまぁまぁ♪」


 保健室

白「あ〜、大丈夫だって……」

黒「大丈夫と言ってまた体育の時間に倒れたじゃない」

白「じゃあ、次は大丈夫」

黒「次は私が与えない」

白「病も気からっていうだろ?気合いでなんとかなるさ」

黒「どんなこと言っても駄目。どれだけ元気に振る舞っても体は正直よ」

白「はぁ……なんか束縛されてるみたいで嫌だな……」

黒「束縛だろうがなんだろうがもう少し自分の体のことを気遣ったら?」

白「まあ、それもそうだけどよぉ……」

黒「なにか文句でも?」

白「いえ、なんにもありません」

黒「ならよろしい」

白「ふぅ……今日は素直に黒の言うことを聞くことにするよ」

黒「いつもそれぐらい素直ならこちらもうれしいんだけどなぁ」

白「さいですか。少し眠くなってきたから寝るよ……」

黒「おやすみのキスは?」

白「!?」

黒「だからおやすみの……」

白「おやすみ!!」

バフッ

黒「あ!!布団を頭に被るのはズルイ!!」

桃「保健室では静かに!!」

黒&白「すみません……」

桃(見せ付けられるとなかなかむかつくわね……くそぅ……)


青「なんで私達がこんな格好しないといけないのよ……」

橙「んー、でも結構可愛いしいいんじゃない?」

紫「あたしも好きだよ、この服」

赤「おぉ眼福眼福」

黄「ホントだねぇ」

青「あ、赤!なんでアンタがここにいんのよ!」(///)

赤「なんでって同じクラスなんだからいてもおかしくないだろ。よく似合ってるじゃないか」

青「あっ……べ、別に……アンタに褒められたって嬉しくなんか……」(///)

黄「橙もよく似合ってるじゃん」

橙「えへへ……ありがと♪」(///)

紫「いいなぁ……」

黄緑「あら、紫ちゃんも褒められたいの?」

紫「……うん」(///)

黄緑「ふふふ……でもそうねぇ、私も茶色君に可愛いとか……言われたいなぁ……」

?「お邪魔しまーす」

紫「!!!」

黄緑「あっ、水君と茶色君」

水「こ、こんにちは……」

茶「黄緑さん、よく似合ってるよ」

黄緑「へ?あ、ありがとうございます……」(///)

水「うわぁ……」(///)

紫「……何よ」

水「え、えと、か、可愛いと思うよ……」

紫「……あっそ」(///)

水「じゃ、邪魔しちゃ悪いからもう行くね……」

紫「あっ……ちょ、ちょっと待った!ちょ、ちょうど人少なくて困ってたから手伝いなさい!」(///)

水「う、うん……」

黒「……」

桃「どうしたの黒ちゃん?」

黒「……別に」

桃「……白君?」

黒「!な、なんでそこでアイツの名前が……」(///)

桃「あっ、図星だ」

黒「そ、そういう貴方こそ見せたい相手がいるんじゃないの?」

桃「えっ!?い、いないよそんなの……」(///)

白「こんにちは」

赤「おっ、白じゃないか!」

茶「出てきても大丈夫なの?」

白「うん」

緑「一人付き添いが付く事を条件に二日間仮退院が出来たらしい」

桃「黒ちゃんチャンスじゃない?」

黒「う、うん……あ、あの、緑君」

緑「?」

黒「つ、付き添いなら私がするわ。何かあっても私ならすぐに応急処置できるし」

緑「そうですね。じゃあ黒さん、お願いします」

白「よろしく」

黒「ほ、ほら、どこ見て回りたいの?」(///)

白「ここにいるよ。まだちょっと動くのは疲れるし。それに黒の可愛いところも見られそうだから」

黒「!!!!!こここここここの馬鹿!!!!!!」(//////////////////////)

黄緑「ふふふ」

緑「桃さんもよく似合っていますよ」

桃「あ、ありがとう……」(///)


桃「うー……」

黄緑「どうしたの、桃ちゃん?」

桃「黄緑ちゃん……」

黄緑「あら?そのお弁当箱……ひょっとして……」

桃「うん……緑君と一緒に食べようと思って作ってきたんだけど……どうやって誘おうかなって……」

黄緑「そうねぇ……とりあえずクラスの皆のを参考にしてみたら?」

例1・ツンデレ(青)

青「ん」

赤「おっ、いつも悪ぃな青」

青「別に。ほらさっさと行くわよ」

赤「いいじゃねぇか、たまには教室で食べるのも」

青「い・や」

赤「いいからいいから」

青「ちょっ、ばっ、離しなさいよ!」(///)

桃「……なんというか……私のキャラじゃ……」

黄緑「それもそうねぇ。じゃあ……」

例2・直球(橙)

橙「黄色ー!一緒にお昼食べよーっ!」

黄「わっ、ちょっ、ちょっと!」

橙「ほらほら早く早く」

黄「わ、わかったから引っ張るのは……」

桃「恥ずかしいよ……」(///)

黄緑「うーん、じゃあ普通に本教えてくれたお礼ってことでいいんじゃない?」

桃「そ、そうだね。ありがと黄緑ちゃん!」

桃「あ、あああああの緑君……」(///)

緑「?どうかしましたか?」

桃「そそそその……こ、これ!お弁当!」

緑「え……」

桃「よ、よかったら食べて!じゃあ!」(///)

緑「あ、あの!」

がしっ

桃「!!!(みみみ緑君が私の手を握ってる……)」(///)

緑「……一緒に食べませんか?」

桃「は、はい……」(///)

緑「あの桃さん」

桃「な、何?」

緑「その手……どうしたんです?」

桃「え?あっ、これはちょっとお弁当作ってるときに……あっ……」

緑「だ、大丈夫なんですか?」

桃「だ、大丈夫だよ。そ、それよりほら早く食べて感想聞かせて」

緑「はぁ……」

ぱくっ

桃「ど、どうかな?」

緑「……美味しいですよ、凄く。でも意外でした。桃さん料理お上手だったんですね」

桃「あ、ありがと……(やったやった……♪猛練習の成果あり……♪)」(///)

番外・ツンデレ2(黒)

黒「ほら」

白「あっ、ありがと黒」

黒「別に。おばさんにも頼まれてるから断るわけにもいかないし」

白「ごめんね……なんとか母さん説得してみるから」

黒「!い、いいわよ別に。私としてもちょうどいい練習台が出来たことだし」

白「でもやっぱり悪いよ。ただでさえ黒にはいつも迷惑かけてるのに……」

黒「うるさい。そう思うならこれからも練習台を続けなさい」

白「うん……」

黒(はぁ……私はしろの世話をする事……迷惑だなんて考えたことないのに……素直になるって難しい……)


桃「ねぇねぇ、黒ちゃん」

黒「?どうしたの、桃?」

桃「編み物教えてくれない?」

黒「え?どうして?」

桃「えと……私も緑君に手編みのセーターあげたいなって……」(///)

黒「なるほど。でもそれなら私よりもっといい先生がいるわよ」

黄緑「……そういうことですか、わかりました。しっかりとお教えしましょう」

桃「おねがいします、黄緑先生」

黄緑「あらあら、先生だなんてそんな「黄緑いるー?」あら?」

桃「あっ、青ちゃん」

青「へ?なんで桃がいるの?」

桃「私は黄緑ちゃんに編み物教えてもらおうと……」

青「え!?も、桃も!?」

桃「……青ちゃんもそうなの?」

黄緑「あらあら。これじゃあ他のみんなも来るかもしれないわね」

青「あっ、それなら大丈夫。橙と紫はさっきプレゼント買ってくるって出かけたし」

黄緑「そういえばあの二人はバレンタインの頃に教えてあげたわね。じゃあ始めましょうか」

桃「中々上手くいかないなぁ……」

黄緑「焦っちゃ駄目。まだ時間は結構あるんだしじっくりと、ね?」

桃「はーい」

青「……よし、と」

黄緑「青ちゃんは上手ねぇ」

桃「私の倍以上進んでる……」

青「黄緑の教え方が上手いのよ」

黄緑「うふふ、ありがとう」


桃「で、出来た……」

黄緑「お疲れ様。青ちゃんも出来たし後は当日に渡すだけね」

青「本当にありがとね黄緑」

黄緑「いいのいいの」

青「ふっふっふ……もうこれであの馬鹿にがさつ女だのなんだの言わせないわよ……」

桃「緑君喜んでくれるかな……」

当日……

緑「すいません、遅れてしまって」

桃「だ、大丈夫。私も今来たとこだから」

緑「そうですか……あぁ、そうだ。桃さん、メリークリスマス。これを」

桃「え……あ、ありがとうございます……」

緑「気に入っていただけるといいんですけど……」

桃「わ、私からもこれ!」

緑「これは……マフラー?」

桃「店で売ってるのよりはちょっと見栄えが悪いけど……」

緑「こ、これ自分で編んだんですか?」

桃「あっ……う、うん……言っちゃった……内緒にしようと思ってたんだけど……」

緑「……ありがとうございます」

桃「え、えと……それでね……あの……」

緑「?」

桃「そ、その……わ、わわわ私と付き合ってください!!」

緑「……」

桃「……へ、返事は……いつでもいいから……」

緑「……僕でよければ喜んで」

桃「え……」

緑「……僕も告白しようと思ってたんですけどね」

桃「ホ、ホントに?いいの?私なんかで?」

緑「もちろんですよ」

桃「……よかった……」

緑「それに……多分僕のほうが期間は長いですから」

桃「へ?」

緑「いつだったか文化祭でライブやったことがあったでしょう?」

桃「う、うん……一年のときだったかな……」

緑「あの時赤に誘われて見に行ったんですよ。で、その場で一目惚れしてしまって……」

桃「そ、そうだったの?」

緑「だから前に宿題を見せて欲しいって頼んできたとき……正直チャンスだって思ったんですけどその……性格上そういうのは……」

桃「その件については本当にごめんなさい……」

緑「いいんですよ」

桃「えと……じゃあさ……その……さんづけじゃなくて……呼び捨てで読んでほしいな」

緑「……桃」

桃「……ありがとう」

緑「じゃあ行こうか」

桃「うん!」

さて一方こちらでは

青「ほ、ほら!プレゼント!ありがたく受け取んなさい!」

赤「おっ、悪いな……俺からはこれな」

青「あ、ありがと……かけ?(弓道のとき手に付けるアレ)」

赤「そういうのか?とりあえずカタログ見て注文したからちゃんとした名前知らないんだよな」

青「ふ、ふーん……まぁせっかくだし大事に使わせてもらうわ」

赤「ん。ところでこのマフラーさ……自分で編んだのか?」

青「!!!ななななんでそのこと……」

赤「いやなんとなく」

青「お、脅かさないでよ!てっきり誰かが喋ったんじゃないかって……」

赤「そうかー、青の手編みかー。こりゃ墓まで持っていかないとな」

青「まったく大げさなんだから……」


空「ほら、雪だよ雪!灰、見てみなよ!」

灰「めんどくさいし寒い……こたつが素晴らしい……」

空「そんなこと言わないでさあ!雪なんだよ?すっごくきれいだ!」

灰「……雪よりも、君を見てたほうが楽しいかも」

空「なに?」

灰「なんでもなーい」


黄緑「さぁ皆で初詣に出発しましょうか」

茶「男子は全員いますかー?」

赤「いるぞー」

黄「いるよー」

緑「はい、いますよ」

水「はーい」

白「なんとか……」

茶「白君も含めて皆さんいますね……」

空「はいはーい!僕も参加しまーす!」

灰「不本意ながら私も〜……」

茶「え?えーっと確か……青さんの弟の空君?」

空「そうでーす!」

茶「はい、わかりました……黄緑さん、男子は全員揃いました」

黄緑「ご苦労様。えーっと女子は……」

青「はい」

橙「ほーい」

紫「はーい」

桃「いまーす」

黒「いるわよ」

黄緑「うん。全員いるわね……それと灰ちゃんね」

焦茶「待て、私も行く」

黄緑「あら焦茶さん……」

焦茶「可愛い弟が貴様のような危険人物と一緒なのは安心出来ないからな……」

黄緑「あらあら、うふふ……」

茶「ね、姉さんも黄緑さんも……き、今日はお正月なんだし、ね?」

朱「んじゃ気をつけて行ってこいよー」

群「準備のほうは私達がやっておくから」

黒「それにしても珍しいわね、あんたも参加するなんて」

灰「空に引っ張られてきたの……めんどくさいって言ったのに……」

黒「最近空君に押されっぱなしね……まぁいいわ、そのほうが健康的だし」

灰「薄情者〜」

紫「わぷっ」

水「だ、大丈夫紫ちゃん!?」

紫「うー、滑る……」

水「手、繋いで行こっか」

紫「……しょーがなくだからね」

水「気をつけて……うわっ!」

紫「ひゃあっ!……アンタがこけちゃしょーがないでしょ!」

水「あはは……ごめんね……」


茶「あ、あのさ水さん……こ、今度の日曜よかったら遊びに行かない?」

水「え……わ、私なんかでいいの……?」

茶「もちろん!あっ、でも用事とかあるならそれでもいいから……」

水「……じゃあ……今度の日曜日に一緒に行こう……?」

茶「わ、わかった!」

で、日曜

ざー……!

茶「……土砂降りかぁ……」

ピリリリ……

茶「はい、もしもし……あっ、水さん……うん……そっか……じゃあまた明日……いいよ、気にしないで。じゃあ」

ピッ「……はぁ……」

赤「よっ、茶色。昨日はどうだった?うまくいったか?」

茶「土砂降りで中止……」

赤「うわぁ……」

茶「ごめん。せっかくチケットまでくれたのに……」

赤「いや、気にするなよ。しかしまたか……この前はなんで駄目だったんだっけ」

茶「えっと……寮のほうで何か騒ぎがあったんじゃなかったっけ」

赤「あぁ、そうか。ボヤ騒ぎだっけ。まぁただの火災報知機の故障だったわけだけど……」

茶「なんで僕ってこう運がないんだろう……」

赤「ま、まぁ次は大丈夫だって。それより頼みがあるんだが……」

茶「宿題だね。はいこれ」

赤「スマン!昼飯でいいか?」

茶「いいよ、別に」

赤「いやそれじゃ悪いって。いつも見してもらってんだから」

茶「次から宿題してきてくれたらそれでいいよ」

赤「それは無理だ」

茶「なにそれ」


水「はぁ……」

黄緑「あらあらどうしたの、水ちゃん?」

水「黄緑さん……うん……せっかく茶色君が誘ってくれたのに……」

黄緑「昨日は土砂降りだったものね……そうだ、今度は水ちゃんから誘ってみれば?」

水「ええっ!?む、無理だよそんなの……」

黄緑「たまには積極的になってみないと」

水「でも……」

黄緑「大丈夫よ、だから頑張って」

水「う、うん……」

水「ああああの茶色君……」

茶「えっ、な、何?」

水「あ、あの……その……えっと……だから……こ……」

茶「こ?」

水「……!!!今度のお休み一緒に遊びに行きまひぇ!?」

茶「みみみ水さん!?だだ大丈夫!?」

水「いひゃい……」

茶「ほ、保健室行く?」

水「ら、らいひょーふれふ……ひょれで……えひょ……こんろのおやひゅみいっひょにあほひにいひまひぇんか?」

茶「えと……今度のお休み一緒に遊びに行きませんかって聞いたの?」

水(こくっ)

茶「も、もちろん!わざわざ誘ってくれてありがとう!」

水「ひ、ひえ……ひょ、ひょれでは……」

水自室

水「さ、誘えた……嘘みたい……ふあぁ、まだ心臓ドキドキいってるよぉ……」

水「……えへへ……何着て行こうかな……」


昼休み。授業が一区切りつき、クラス中がリラックスし和やかな空気に包まれる中、一人の少年——茶色がこれでもか、というぐらいに気合いを入れていた。

「よしっ……」

そう力強く向かう先は、たった2つ後ろの席だ。

「あ、あ、あのさっ」

その様子は、誰がどう見てもテンパっているようにしか見えない。

「……?」

声をかけられた少女は、俯き気味に茶色の方を見る。

「み、水ちゃん、お昼、一緒に食べあいっ?」

……噛んだ。しかし、茶色の伝えたいことは伝わったのだろう。

「……いいよ」

水色は恥ずかしそうにしながら頷いた。

「……」 「……」

無言。2人とも、向かい合ってお弁当を食べているが、会話はゼロである。いや、互いに努力はしているのだ。しかし、話し掛けようとするタイミングが2人が揃いすぎているのだ。例えば——

「……ねえ」 「……あの」

「「っ!?」」

「「……」」

といった感じだ。

はたから見れば、向かい合って互いに顔を赤くしながら無言で弁当を食べているおかしな2人だろう。

茶色の鞄のなかには今、水色が読みたいと言っていた本が入っているし、水色の鞄のなかには明らかに自分用とは別のサンドイッチが入っている。

2人とも、相手のために用意してきたものを今日も渡せずに、昼休みは過ぎていくのであった。

帰り道。今回も茶色が水色を誘って一緒に帰ることに成功していた。成功していたのだが——

「……」 「……」

またしても沈黙。もどかしい、そんな距離が2人にはあった。

「……さ、寒いね」

茶色が恐る恐る話し掛ける。

「……うん」

水色の返事も遠慮がちだ。

「こ、今年は雪、降らにゃいのかな?」

……また噛んだ。茶色は2度目の失態に落ち込んでいるが、水色はあまり気にしていない。

「……そう、みたい」

しかし会話は弾まない。再び、重い沈黙が訪れようとしていた。

「……あ、オリオン座……」

すると水色が夜の空の大きな砂時計を見付け、小さな声をあげた。

「ホントだ」

茶色もそれにつられて空を見上げた。澄み切った冬の夜空ではっきりとわかるその星達。

「綺麗……」

「うん……」

2人は同じ空を見つめていた。寒いはずの冬の空気が、なぜか心地よかった。

会話は盛り上がらなかった。2人で笑いあったわけでもない。それでも、2人の帰り道は何かが特別だった。


赤「緑ー、ボクとランニング行こー」

緑「やだ。寒いし、今本読んでるし」

赤「何言ってるのさ!子供は風の子!さあ、行くよ!」

緑「行かないって言ってんだろ、ちょ、引っ張んな馬鹿!」

赤「あー、気持ち良かったね」

緑「……死ぬ」

赤「だいじょぶ?」

緑「……大丈夫じゃない」

赤「あはは、ホントに死にそうだね」

緑「笑い事じゃねえし」

赤「あはは、君と走るとホント楽しいよ」

緑「……(笑ってれば、可愛いんだけどな)。……たまになら、付き合ってやるよ」

赤「ホント?じゃあ今から」

緑「却下」







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Last-modified: 2012-10-21 (日) 13:09:26