黄メインSS

黄「おうちへかえ〜ろお〜♪ カレーを食べ〜よう〜♪」

無「お、今日はカレーか、楽しみだな」

黄「あ、色無、ちょうどいいところに。今出来たところだから味見してくれる?」

無「おう、いいぞ」

黄「(フーフー)はい、あーんして」

無「ちょ、なんでそんな必要が……」

黄「いいからいいから。あ〜ん」

無「あ、あ〜ん(パク)」

紫「あ……」

無「あ……」

黄「あ……」

紫「えっと……はは、あはは……おじゃましました〜」

無「あ、おい、紫!?」

黄「……へへ、見られちゃったね」

無「なんか異様に恥ずかしいな……」


 暑い。暑すぎる。体温を軽く超えるぐらいの温度を叩き出している外のせいか、クーラーをガンガンに効かせているはずの室内でも涼しく感じない。

「飽きた〜。いい加減外に出ようよ〜」

 暑さで脳がいつの間にかやられたのか、幻聴が聞こえてくる。ってか人の家のコントローラーを投げ捨てんな。

「ねぇってば〜。そ〜と〜」

 気にしないようにしても聞こえてくる幻聴。やっぱり耳がいかれてるのかな。それよりベッドの上で跳ねるな、スプリングがいかれるだろうが。

「おっでかっけ、おっでかっけ、さっさとおっでかっけ!!」

「うるせぇ一人で出掛けろ。ってか何で俺の家にいるんだよ」

 ベッドをボフボフ叩きながら妙なリズムで騒ぐ幻聴——もとい黄に、思わず相手をしてしまう。

 ……最悪だ。折角ここまでノーリアクションを貫き通してきたのに、一気に無駄になってしまった。

「お? やっとリアクションしてくれたね? ほらほら、無駄な抵抗はやめて外にいこ〜よ?」

 黄はその表情を満面の笑みって言葉以外表現できないってくらいイイ笑顔にして、こちらににじり寄ってくる。

「いいから寄るな喋るなウロチョロするな、暑苦しい」

 これこそ無駄だと分かっていながらとりあえず牽制をしてみるが、黄はにこやかにこう返してきた。

「きっこえませ〜ん!」

 そう言うが早いか黄は俺に飛び掛ってくる——が、事あるごとにこのパターンにつき合わされてると慣れてくるもので、黄のダイブを華麗にかわして彼女との距離をとる。

「何で避けるのよ!? 照れ隠しはいいから大人しくしてなさいっての!!」

「……」

 うー、とこちらを威嚇するように唸って黄が文句を言ってくるが相手にしない。今度こそ完璧に無視しきってやる。

 確実に無理だろって自分でも理解してる誓いを立てて、俺は手に持ったマンガに目を落とした。

 

「いい加減こっち向きなさいよぅ……」

「……」

 若干元気が無くなってきた黄の言葉をスルーしつつ、ぬるくなったジュースに口をつける。

 ってか、お前は人の家の物だと思って1.5リットルのペットボトルをラッパ飲みしてんじゃねぇよ。あ、全部飲み干しやがった。

 暴れる姿を無視し、こちらに近づいてくる黄を避けて30分ほど経過。こんな事してる時点で無視できてないだろって頭の中から聞こえてくる意見を、むしろ無視する。

 いくらクーラーをかけてる部屋の中とはいえ、あれだけ動き回ればさすがに汗ばんできた。特に黄なんて俺の倍以上動いてるから普通に汗をかいてるのを見ても無視。

「……ば〜か」

 すると、一言残して黄が部屋を出て行った。また使い古された手を使いやがって。誰が騙されるかっての。

 当然座ったままで無視を決め込むが、続けてトントンという階段を降りる音が聞こえてくると少し不安になってきた。

 ……いやいや、さすがにそれなりの技を使えるな。くそっ、だ、騙されるかっ。すぐそこで『や〜い、騙されたぁ〜』って言うために待機してるに決まってる。

 ちょっと追い掛けそうになるが、何とか自制。早く戻ってこいっての、バカ。何故かイライラしながら待ってみるものの、戻ってくる気配はない。

 ……マジで? そういえば、出て行く時に一瞬見えた横顔に何か流れてたような気がする。どうせ汗だとタカをくくってたけど、まさか——涙? いやいやそれこそまさか、だ。

 強がってみてもやっぱり正直なもので、自分でも呆れるほどにドアをチラチラ見ているのがよくわかる。

 ……あぁ、俺の負けだよコンチクショウ! どうせドアを開けたらニヤニヤしながら立ってるんだろ?

 ヤケクソ気味にドアの前に立ち、ノブを回そうとした瞬間、向こう側から思い切りドアが開かれた。

「よ〜っし、心機一転言わせてもらうわよっ、お〜で〜か——アレ?」

「……」

 もちろんそこに立っていたのは黄で、俺が想像しかけていたようなそぶりは全くなかった。というか、むしろさっきよりテンション上がってる。

「……お前、何してたの?」

「さっき水分取り過ぎたし、トイレに行ってたに決まって——って何言わせてんのよあんたはっ!?」

 自分で勝手に言いだしたくせに、俺に対してキレてくる。何て言うか、自由だなこいつ。ため息しか出ないっていうのはこんな気持ちの時に使うんだって事が身を持ってわかった。

「お? ついに諦めるて行く気になった? なったでしょ? なったって言いなさい!」

「わかったよ、今回はお前の粘り勝ちって事にしてやる。でもな、次はもっと涼しくなってから誘いにこい。じゃないともう次はないからな」

 何か理不尽な物を感じないでもないけど、どうでもよくなってきたので黄の台詞に了解を出す。ただ釘だけはきちんとさしておかないと、またこんな事をされたらたまったもんじゃない。

「りょ〜かいりょ〜かいっ、じゃあ早速しゅっぱあ〜つ!!」

 人の話を聞いているとは思えない返しをしてくる黄に、どうやってもため息しか出てこない。

「ってかさ、どこに行くんだよ。それぐらいは教えろ」

「駅前の喫茶店っ。あそこに夏季限定・カップル限定のデザートが出てるってオレンジから聞いたのよ。それを食べない手はないでしょ?」

 そう答える時間も惜しいとばかりに引っ張ってくる黄について外に出て、その熱気にちょっとだけ後悔する。

 ……オレンジの食い物に対するセンスに間違いはないし、こいつと出掛けるとそれなりに楽しいし。ま、いいか。

 自分に言い聞かせるように小さく呟いて、黄の横に並ぶべく俺はちょっとだけ小走りをした所までは夏のいい思い出になったと言えるだろう。

 デザート? あぁ、美味かったよ……一週間に12回も食べるハメにならなけりゃあな。

 俺の分かりきってたはずな教訓。オレンジのネットワークは皆に繋がってます。


無「あ〜、あちぃ。9月も半分終わってるのにまだセミが鳴いてるよ」

黄「そんなときには、黄色ちゃん特製カレー!」

無(無視)「そうだ、爺ちゃんと婆ちゃんにプレゼント送らなきゃ!」

黄「そんなときにも、黄色ちゃん特製カレー!」

無(無視)「連休なのに軍資金が……」

黄「そんなときこそ、黄色ちゃん特製カレー」

無「黄色、只でカレー食わせてくれるのか!?」

黄「もちろん!!!」

無「それじゃ、大盛で頼む!」

黄「はいよ!黄色ちゃん特製カレー1丁 大盛&黄色ちゃん付で〜!」

青 「なんだか不吉な予感がするわ!」


黄緑「みなさん、ご飯ですよ〜♪」

朱「なんだ、オハギばっかりじゃん」

黄緑「今日はお彼岸ですから」

朱「それにしてもいろいろあるなぁ」

黄緑「粒あん、こしあん、青海苔、きなこ、胡麻と5種類作ってみました」

無「もしかして、今夜はオハギだけ!?」

黄緑「ごめんなさい。昨日から準備してたんですけど、時間が足りなくって……」

黄「そんなときこそ、黄色ちゃんのカ(ry」

全「カレーは黙ってろ!」

黄(理不尽だ!!!)

黄「旦那、旦那!」(小声で)

無「なんか用?」

黄「いくらなんでもオハギだけの夕飯って虚しくないっすか?」

無「別に。美味かったから腹一杯食ったもん」

黄「そんな言わずに、素直に黄色ちゃん特製カレー食べないっすか?」

無「だから、いらないって言ってるだろ」

黄「ババ臭い黄緑ちゃんのオハギより、ピチピチ黄色ちゃんの……ハッ!?」

黄緑「黄色ちゃん、ちょっといいかしら?」

黄「色無、助けて〜!!!」(><)

無(ドナドナドナド〜ナ〜♪)


『かわらないもの』

無「ただいまー」

黄「おかえりなさい色無、ご飯にする? 私にする? それともカレー?」

無「……なんというか、変わらないよな、お前」

黄「なによ、何か不満なの?」

無「いや、なんかホッとするよ」

黄「そう?」

無「ただ、外でカレーを食べられなくなったのはちょっとあれかな」

黄「ふふっ、私のカレーは特別製だからねー」

無「時々同僚と外で食べようって話になるんだけど、どうしても黄のカレーと比べちゃうんだよな」

黄「当然よ、特別配合のスパイスと色無への愛情がたっぷり入ってるもん」

無「じゃあ今日は黄とカレーにするぞ?」

黄「……ぅ、うん」

無「……自分で言っておいて照れるなよ」


無「きいろー」

黄「ん?」

無「お手!」

黄「わんっ」

無「おかわり!」

黄「わんっ」

無「……」

黄「……何さ?」

無「……いや、別に」

黄「……軽い女だなー、みたいな?」

無「……まぁ、悪い意味じゃなく、ね」

黄「ひっどいなー。色無だからやってるんだよ?」

無「他の男だとどーなる?」

黄「愛想笑いで終了!」

無「黄色の愛想笑い……」

黄「見たことないでしょ?色無は。そのくらい大切にしてるの!」

無「……ありがとな」

黄「いえいえ」

無「……よし。お手!」

黄「わんっ」

無「おかわり!」

黄「わんっ」

無「伏せ!」

黄「わんっ」

無「ちんちん!」

黄「てやっ!」

無「ぐはっ!?」


黄「こんなに寒かった今日の晩御飯には……鍋ですよ!」

 どんがらがっちゃん!

黄「え?何いまの」

赤「どうしてそこで鍋なんだよー」

橙「黄=カレーは暗黙の了解でしょーに」

青「はっ!?まさかカレー鍋……」

黄「そんな訳あるかー!……やってもいいならやるけど(ボソ」

緑「……本気で止めてよね」

茶「カレー鍋かぁ、美味しいかなぁ……」

水「茶ちゃん!カレー鍋は危険です!」

黒「どれどれ……うーんちょっと熱っぽいんじゃない?」

白「大変だよ!?お薬お薬!」

黄緑「はいはいお静かにー、夕食が出来ましたよー」

一同「はーい」


無「今日の昼飯どうする?」

黒「私がサラダね」

青「私はメインのものを作るわ」

黄緑「それなら汁物は私が」

薄黄「で、デザートは私が作ります」

黄「ご飯は私に任せて!」

全員「貴方(お前)は何も作らないで(作るな)」

黄「そんなぁ……」


黄「……どう?」

無「ん? あぁ、何かいつもより美味い気がする。ってか美味い。これ美味ぇ」

黄「でしょ〜!! カレーの元祖、インドから直接スパイスを取り寄せ、3日も熟成し、野菜や米も国産の——」

無「うめぇwwwwww」

黄「んもー! あたしのウンチクちょっとは聞けー!!」

黄(こんな雰囲気じゃあたしの愛情のスパイスも入ってるなんて言えないや……)


黄「今日の夕飯〜、カレーが食べたい!そう思って〜、野菜を煮込んでいたら〜、黄緑さんに〜、シチューにされた〜! でもそんなの関係ねぇ!でもそんなの関係ねぇ!」

黄「と、いうわけで今からカレー粉いれちゃいま〜す♪」

黄緑「黄色ちゃん、今から何をするんですか?(ニコニコ)」

黄「……黄緑さんに見つかった!でもそんなの関係ねぇ!」

黄緑「何が関係ないんですか?(ニコニコ)」

黄「……え、えーと……お、おっぱっぴー?」

黄緑「じゃあとりあえずその手に持ってるカレー粉は没収しちゃいますね」

黄「……」


黄「おっはよ! ……あれれー色無どうしたん? 伏目がちで……。あれか、黄ちゃんの魅力に気が付いちゃって、照れてんのか?」

無「あー……悪い、もう少し声のボリューム落としてくんねぇ?」

黄「おりょ?」

無「どうやら風邪引いたみたいなんだ……頭がぼーっとする……」

黄「そっか、色無って馬鹿だったんだ……」

無「あ?」

黄「いや、夏風邪は馬鹿が引くって言うから」

無「お前なぁ……」

黄「あー……無理してしゃべらない方がいいよ、部屋行って寝よ? 後で何か消化にいいもの作って持ってくから」

無「お、おう……サンキュ」

無(……流石にカレーはないよな……)

 コンコン

黄「できたよー」

無「どうぞ」

 カチャ

黄「黄ちゃん特製のおかゆなのです」

無「おー、美味そう。カレー以外の物も作れんのな」

黄「失敬な。……ほれ、あーん」

無「え?」

黄「いいから、あーん」

無「あ、あーん(……何この素敵シチュ)」

 ぱく

黄「どう?」

無「ん……美味い。味付けも濃過ぎず、薄過ぎず、ちょうどいい感じ……」

黄「そっか……良かった。それじゃ私もいただきますか」

無「……ん? 黄は別に普通の食事でも良かったんじゃね? 別に俺に合わせなくたって……」

黄「だって、色無と一緒の物食べたかったんだもん。……それに、おかゆ美味しいよ?」

無「……何か黄がおかしい。可愛く見える」

黄「熱のせいじゃない?」

無「あー、そうかー」

黄「そうそう」

無「……」

 数時間後。

黄「すりリンゴだよー」

無「お前……ひょっとして何か企んでるんじゃないか?」

黄「あはは、いやだなー。そんなことあるわけないでしょ」

無「そうか?」

黄「そうそう。ささ、ぐびっと」

無「お、おう(……ぐびっと?)」

黄緑「ということがあったわけですが」

水「ぐす……」

茶「ぬ、抜け駆けはよくないと思いますっ」

橙「そうだそうだー」

緑「……」

黄緑「黄ちゃんは今度からそういうときにはちゃんとみんなに教えてくださいね」

黄「は、はい。わかりました……(怖いよ……顔は笑ってるのに目が笑ってないよ……)」

紫「べ、別に私は教えてもらわなくたって」

桃「ふふ、紫ちゃんかわいいー」

紫「ちっちゃいゆーな!」

青「そ、そうよ。別に色無がどうなろうと知ったことじゃないわ」

空「罪な人ね……」

青(ビクッ)

黄緑「それでは次の議題に移りましょう。最近寮を無断で改造する人が——で、無視できない状態に——」

赤「えー、ずるいよそんなのー!」

白「一緒に寝てるなんて……」

灰「……」

黒「どこ行くの? しっかり座ってなさい」

灰「はい……」


『香り』

無「お、変わった香水のビンだな」

黄「いいところに目をつけたね、色無」

無「え?」

黄「実はわたしが作った特製の——」

無「カレーか?」

黄「ひどいよ色無、私がちょっとカレー好きだからって」

無「……ちょっと?」

黄「ハーブを調合して作ったんだよ」

無「そうなのか」

黄「色無に合うように調合したんだから」

無「……俺に?」

黄「これを使えば色無の魅力も大幅アップよ!」

無「じゃあ、ひょっとしてモテるようになるのか?」

黄「……」

無「な、なんだよ?」

黄「……なんでもない」

無「とりあえず使ってみ——」

黄「あー、てがすべったー」

無「うわっ! ……カレー粉?」

黄「……色無はそれで充分」

無「カレーは好きだけど、これは勘弁してくれよ」

黄「……色無はそれでいいの!」

無「え? おーい……」

黄「……鈍感」


紫「おなかすいた〜。黄緑、今日の晩ご飯なに?」

黄緑「今日は鏡開きで割ったおもちがいっぱいあるから、それを使ったお料理よ」

無「餅……餅か。あんまりぜいたく言うと罰が当たるが……」

青「言いたいことは分かるわ、色無。赤が正拳一発で鏡餅を粉々にしたのはすごかったけど、ね」

赤「なんだよー。トンカチがなかったんだからしょうがないじゃん」

桃「さすがにお餅も食べ飽きちゃったよねー」

黄「じゃーん! そんなこともあろうかと! 今夜のメニューは黄色ちゃん特製、劇辛お餅カレーです!」

 『……』

黄(さあ、心の準備はOKよ……いつでも来なさい!)

黒「さすがね、黄色」

緑「正直見直したわ」

橙「でかした! さすが私の黄色ちゃんは空気読める子!」

紫「黄色のカレー、だーい好き! ありがとー! いただきまーす!」

無「いつ食っても黄色のカレーはうまいなー」

黄「え? あ……うん。いっぱいあるから、おかわりしてね……」

黄(なんだろう……嬉しいはずなのに、手ばなしで受け入れられるとなんだか物足りない……)


黄「お前〜一体どっちなんだ〜はっきりしろ〜」

黄「そんな曖昧な態度とりやがって〜」

黄「世の中はっきりしなくちゃいけないこともあるんだぞ〜?」

黄「いい加減に白黒つけろ!」

無「……で、お前はさっきからパンダのぬいぐるみに向かって何をしてるんだ」

黄「いや、なんとなく」


黄「いいの?あたし寝ちゃうよ?」

黄「ホントに困んない?寝ちゃうからね?」

黄「ホントに寝ちゃう5秒前〜」

黄「れっつ、ごーとぅーべ〜っど……」

黄「う〜ん、ふかふか〜」

無「コイツはなんつー寝言を言ってるんだ……」

黄「むにゃ……」


黄「お願い!止まって!行かないで!」

黄「そのバス、止まれええ!!」

黄「待てええええ!!!」

無「で、多く入れた百円玉のために次のバス停まで追いかけたと?」

黄「財布が……はあはあ……ピンチで……はあっ……」

無「むしろお前のHPがピンチな気がするが」


TV『これが世界一高い建物です』

黄「ほえ〜たっか〜」

黄「でもさ、科学の力を使いまくれば地上5万メートルくらいのビル建てらんないかな?」

無「お前はエレベーターで宇宙に行く気か」

黄「え、そんなんになるの?じゃあ逆に地下5000階のビルとか!」

無「間違いなく一番下はマグマだな」


黄「やば、視力落ちてるかも」

無「見えなくなったのか?」

黄「うん、こりゃ視力、5.0ぐらい落ちたなー」

無「……目とお前の常識、どっちを先に対処したらいいんだろうな」


黄「あたし、あんまり馬鹿な人とは関わりたくないなー」

無「……よかったな、俺がそういう人間じゃなくて」


 コンコン。

「はーい、開いてる——」

「うぅ〜つーかーれーたー」

 最後まで言い切る前に黄色がずかずかと入ってきてベッドにダイブした。

「お前最後まで聞いてから入って来いよ」

「え〜別にいいじゃん」

黄色はうつ伏せのままくぐもった声で答えた。

「もし着替え中だったらどうするんだよ」

「それはそれでラッキー?」

「俺が困るわ!!」

「も〜いちいち細かいこと気にするなっての、あたしチアの練習で疲れてるの」

「なら俺の部屋じゃなく自分の部屋で休めよ」

「ちょっとぉ、美少女が来てるのにそれはないっしょ」

「誰が美少女だって?」

「あたし」

「……」

「あ〜!!今鼻で笑ったな!!」

 がばりと起き上がりこちらを振り向きながら何かを投げる。

「ぶっ……いてーなってお前、これ俺があげたやつじゃないか大切に扱えよ」

 投げつけられたのは俺が誕生日にあげたヌイグルミ。

「いつもは大切にしてます〜、大体色無は……」

 ぶつぶつと文句を言い始めた黄色の顔を見て俺は吹き出してしまった・

「あははははは、おまっその顔なんだよ」

「?ああこれね、今日の練習でちょっと擦りむいちゃったんだ。てかそこまで笑うことなくない?」

 黄色が唇を尖らせて抗議してくる、正直ちょっとかわいい。

「いや悪い悪い。大丈夫か?」

「今更とってつけたような心配なんているか、手とか足とかならしょっちゅうやってるからいいけど」

「同じチア部なのに橙や翠緑と違ってお前はボロボロだもんな」

「うっさい、翠緑は元々向こうでチアやってたみたいだし、橙は運動神経良すぎなの、はぁ〜痕残ったらやだなぁ」

 鼻のところに貼ってある絆創膏を撫でながら黄色がぼやく。

「女の子の顔に傷があったらまずいもんなぁ」

「あ、でもそうなったら色無があたしのこと貰ってくれるからいっか」

「!?」

 いきなりそんな事いうものだから言葉に詰まってしまった。

「黙るなよ〜、もっと他に言うことあるだろバカ」

「あ、ああ……」

 そしてまた沈黙。そのまま数分が経過して。

「ダメだこいつ、もぉ〜すっごく恥ずかしい。帰る」

 照れて赤い顔をしながら黄色はヌイグルミを俺の手からひったくって部屋から出て行く。黄色を引き止めなくては。

「ちょ、黄色待っ……」

「べーっだ」

 バタンとドアは閉じてしまった。俺はアホの様に口を開け、呆然としたまま黄色を追いかけることも出来なかった。

 

 寮の廊下で追ってくる気配のないことに呆れ、

「全く普段クサイ台詞とかいうのに、いざって時にヘタレなんだからバカ無」

 と文句をいいながら黄色は自分の部屋へと帰っていった。


無「……」

黄「い〜ろ〜な〜しっ」

無「……」

黄「色無?」

無「……」

黄「……ねえ、元気だしなよ」

無「……少し、黙ってろ。うるさい」

黄「……だって、色無がいつまでもそんな顔してるんだもん。つまんない」

無「……笑ってられるわけないだろ!!」

黄「ッ!?」

無「あんだけ頑張って、今まで勉強してきたのにさあ!こんなひどい結果で……暗くならない方がどうかしてる」

黄「……」

無「……ごめん、俺、おかしくなってるんだ。……ホント……ごめん」

黄「……でもあたし、知ってるよ」

無「?」

黄「遊んでくれなくてつまんなかったけど、でも、色無ずっと頑張ってたもん。夜遅くまでとか朝早くとか」

無「……それなのに——」

黄「だから!だから大丈夫!!色無なら、次で挽回できるよ!」

無「二次でか?」

黄「うん。まだ終わってないよ!あたし、もうちょっと遊んでもらえなくても我慢するから。応援するよ。そうだ、あたし毎日夜食カレー作ってあげる!」

無「重すぎるだろ。それに毎晩はちょっと……」

黄「あたしができる最大の応援なのに」

無「お前はホントにカレーばっかだな。……はあー、そうだよな。いつまでも引きずってても仕方ないよな。切り替えなきゃな」

黄「そうそう」

無「黄色……やっぱり夜食カレー作ってくれ」

黄「お、マジで?合点承知!勉強どころじゃなくなるぐらい美味しいの作ってあげる!」

無「ははは。……黄色」

黄「なんだい?」

無「……ありがとな」

黄「いいってことよ♪」


「寒い日はおでんだよなー」

 学校の帰りにコンビニで買ったおでんを食いながら歩いていると、

「お〜い色無ぃ〜!!」

 と後ろから大声で呼ばれたので振り返ると黄色が走って追いついてきた。

「よく俺だってわかったな」

「まぁね勘ってやつかな。あ!おでん食べてる分けて〜」

「あいよ、どれがいい?」

「ハンペン」

「俺も食べたいから半分残せよ」

「うんうん」

「ほれあーん……」

「あーん、はむっむぐむぐ……」

「あ、おいこら全部食うなよ」

 ちょっと油断したらハンペンは全て黄色にとられた。ああ……俺のハンペン。

「いっぱい入ってるんだからケチケチしないでよ」

「人からたかっといてどの口が言うんだ!」

「あっ、気をつけないと汁零れるよ」

「おっと」

 と俺がカップの方に気を取られていたら、

「隙あり〜」

 箸を奪われ瞬く間に黄色の口の中に消えていくちくわとがんもどきと餅入り巾着。

「あー!!なんてことしやがる!!」

「はふはふ……ごくっ、いやぁさすがに熱かった」

 なんて笑ってやがる。

「お前ひっでぇな」

「ごめんごめん、大根とか玉子とか残しといてあげたから」

「そうゆう問題じゃねぇだろ、はぁ……」

「やだ、ちょっとマジにならないでよ」

 へこんでたら黄色が慌ててフォローしてきた。

「今度埋め合わせしてあげるから」

「本当だな?」

「覚えてたらね」

「当てになんねぇー」

 おでんをとられないように警戒しながら黄色と並んで帰っていった。


黄「あーダブルベッド欲しいなー。色無、買ってー」

無「な、なんでダブルベッドなんだよ?誰と——」

黄「だって思いっきりジャンプしたいんだもん」

無「……お前にとってダブルベッドは跳ねるためのもんなのか」

黄「え?あと他にどんな使い方があるの?」


黄「寒い〜、待ってよ色無」

無「早くしろよ。昨日駄々こねて買い物行きたいと言うから付き合ってるのに」

黄「だってこんなに寒くなるとは思わなくて……」

無「じゃあ帰るか?」

黄「やだ」

無「なら我慢しろ、俺だって寒いんだ」

黄「う〜……むむ!たこ焼きの屋台はっけ〜ん。ちょっと買ってくる」

無「え?お、おい……」

黄「いやぁ、おいしいね〜」

無「お前は計画性がないな」

黄「あたしが計画立ててもどーせ潰れるし、いつどこで楽しいことがあるか分からないのがいいと思わない?」

無「行き当たりばったりなやつめ……けど、たまにはこうゆうのもいいかもな」

黄「でしょ」


無「お、ゲームしているのか黄色」

黄「うん、灰ちゃんに借りてやってるの」

無「ふーん。で、何やってるんだ?」

黄「脳トレのやつ」

無「お前が!?珍しいな」

黄「そういえば灰ちゃん貸してくれる時やけにニヤニヤしてたような」

無「お前がバカだからじゃないのか?」

黄「え〜!!あたしそこまでばかじゃないって」

無「じゃあ結果見せてみろよ」

黄「もうちょい待ってね……」

DS『あなたの脳年齢は72歳です』

黄「ええ〜!!嘘だ!!!」

無「あははははは、72だってありえねー」

黄「むかつく〜!じゃあ色無やってみてよ」

無「俺か?いいぜ……」

DS『あなたの脳年齢は68歳です』

無「ば、ばかな……」

黄「あはははは、68だって。あんなに自信満々にやってたのにあはははは」

無「それでも俺の方が上だからな」


赤「さてと、運動した後の糖分補給を……あれ?ない!?冷蔵庫に入れておいたのに!!」

青「なに騒いでるのよ」

赤「ボクのチーズプリンがなくなってるんだよ!!楽しみにしてたのに!!!!」

橙「誰かが食べたんじゃないの?」

赤「そんなぁ……一体誰が?」

橙「誰かは予想できるけ……」

黄「ふっふっふ、お困りのようだね。この黄色ちゃんに任せなさい!ズバリ犯人はこの中にいる!!」

赤「な、なんだって!?」

黄「真実はいつもひとつ!」

青「盛り上がってるところ悪いんだけど、黄色。あなたの口の周りについてるのは何?」

黄「え?あ、本当だ」

赤「きーいーろー!!覚悟はできてるよね?」

黄「あ……あはは、おいしそうだったからつい……ご、ごめっ、赤、許し……ぎゃーー!!!」

橙「ほらやっぱり。面白そうだからあたしも混ぜて♪」

青「はぁ……やめておきなさい」


水「あれ?緑ちゃんから借りた本がない……おかしいなカバンに入れたはずなんだけど(ゴソゴソ)」

黄「そんなときはこの黄色ちゃんにお任せ!怪しいのはこの教室ね!!」

水「(びくっ!)え!?え!?」

橙「あの子またやってるよ、止めなくていいの?」

青「頭痛くなってきた……」

黄「おかしい……あたしの推理が外れるなんて……次は色無を尋問よ!!」

水「あ、あの机の中にあったんですけ……行っちゃった」

橙「あったの?よかったじゃん」

水「はい」

青「それじゃ帰りましょ」

水「え?でも黄色ちゃん探してくれてるんだから、見つけたって言わないと」

青「いいのよ、色無とじゃれてるうちに目的を忘れてるだろうから」

水「で、でも……」

橙「いいからいいから。あ!どこか寄っていこ」

青「あら、いいわね。じゃあ行きましょ」

水「は、はい(いいのかな……?)」

黄「たっだいまー!色無が新にエロ本隠してることが判め……あれ?誰もいない?……はっ!新たな事件だ!!」


久しぶりに寝違えた。首が一定以上左を向かない。

今日は休日、特にやるべきこともないし、起きて早々だけどまた寝に入ろう。湿布貼って一日ゆっくりしてればすぐ治るだろ。

そんな楽観的なことを考えながら大あくびをしていると、勢いよくドアが開いて

「やっほー色無!今日はどこ行くー?」

黄色の、元気のよすぎる声が響いた。

「あー、おはよう」

「ん?どしたの色無?……あー、わかった。黄色ちゃんの笑顔がまぶしすぎて直視できないんだなぁ?」

顔の向け方の異変にいちはやく気づき、そのまま超ポジティブな方向へ解釈していった。

「寝違えただけだよ、アホなこと言うな」

「寝違え……?大変だ、これよりバチスタ手術を行う!」

言うや否や、俺の首に飛びかかってくる。

「痛い!本当に痛いから!無理に曲げないで!」

「麻酔!」

脇腹に軽く痛みが走る。つねられた。それがお前の麻酔か。

「痛っ!どけってもう!」

一通り相手をしてやると満足したようで、案外簡単に解放してくれた。

「やーい怒ったー」

「だいたいバチスタはまったく関係ないだろ……痛てて」

一応突っ込みを入れておく。

「湿布貼って寝てればー?今日休みだし」

「そうするところだったんだよ」

「じゃあ持ってきてあげる、湿布」

「悪い」

数分後、またしても勢いよくドアが開き、

「持ってきた!」

「よく出来ました」

「貼ってあげる!」

「気が利くねぇ」

俺は寝巻き代わりにしているジャージの首部分から片腕を出し、黄色が貼りやすいように金さんスタイルになった。

「このへんでいい?」

「うん、ちょうどそこ」

「……はい、おしまい」

もう一悶着あるかと思ったが、すんなりと作業を終えてくれた。

「ありがと」

「……」

珍しく黙っている黄色の目線の先には、俺の寝床があった。

「……黄色?」

にたぁ、と……違う、にやぁ、と……違うな、にまぁ、と……そう、まさににまぁ、と、口の端がつりあがった。

「……寝るんだよね?」

嫌な予感がする。そしてきっと的中するだろう。

「寝ます」

「よろしい、寝なさい」

「はい」

言われるままに、俺はさっさと横になる。

「そこじゃない!もっと左に詰めて!」

……やっぱり。

「よし、黄色ちゃん投入っ!」

「よし、じゃない!寝るなっ!寄るなっ!顔が近いっ!」

「へっへー、逃げられないよー?」

実際、逃げられなかった。右腕は完全に絡み取られているし、顔は左に向かない。常にこいつの方を見ていなければいけない状態。

これが狙いだったのだ。

「嫌?」

「へ?」

「嫌なら本気で振りほどいてもいいよー?」

その声の調子に、悪びれた様子はない。

「そこまで嫌じゃないけど……照れるよね」

「あっはっは!可愛いやつめ!」

「撫でるな!」

「じゃ、おやすみー」

目を閉じて、嘘のいびきをかく黄色。

「早っ!もう少しいびきのタイミング考えろよ!」

「くかー……いいから寝ろー……くかー……いいから寝ろー……」

「どんないびきだよ!」

「むにゃむにゃ……もう食べられないよ……カレーは別腹だけど」

「お前なら言いかねないから怖い!」

「カレー……いいから寝ろー……カレー……いいから寝ろー……」

「もはやいびきじゃない!」

……いつの間にか寝ていたらしい。あの後もくだらないボケ突っ込みを繰り返したのはおぼろげながら覚えているんだけど……。突っ込み疲れってやつか?

黄色はまだ俺の腕枕で寝ている。人の頭というのはなかなか重いもので、血液がせき止められてもう手の先の感覚はない。

でも、ま、こんだけ可愛らしい寝顔をこの距離で見れてるんだ。安い安い。

黄色、それ以上よだれを垂らさないでくれよ。っていうか結局何をしに来たんだ。

黄色の向こうに朱色さんらしき足が見えたのは気のせいだ。きっと気のせいだ。いたとしても、やましいことなんて何もやってないんだから俺は堂々とし

「——色無ぃ!!」

「おぅふ!?」

腹に鈍痛が——。


黄「おっにはそと♪おっにはそと♪」

無「いて!いてぇよ!つか鬼は今のお前の格好だ」

黄「ふふん、似合う?」

無「色気が足りない」

黄「え?なんだって?」

無「だから色気が──いたた!!何でさっきから鬼が豆投げんだよ!」

黄「発想の逆転♪鬼の復讐だー!」

無「くそっ!お前の頭の悪さを追い払ってやるから豆をよこせ!!」

黄「おっと、嫌だね。どうしてもっていうなら力ずくできなさーい」

無「上等だ!後悔させてやるよ!!」

黄緑「それが寮内を豆だらけにした理由ですか?」

黄「(ヒソヒソ)顔笑ってるのに恐いよー」

無「あれは本気で怒ってるよ」

バン!

黄緑「ちゃんと聞いてるんですか?」

黄「(びくっ)も、もちろん!!」

無「聞いてます!!」

黄緑「じゃあ寮内の掃除お願いしますね(にこにこ)」

無・黄「「はい!!」」


『コーンポタージュ』

黄「うー……下のコーンが食べれないよー……」

無「飲む前によく振ったか?」

黄「そ、そんな!振ったら大惨事に……」

無「炭酸じゃないんだから大惨事にはならんだろ。まあ今回は諦めろ」

黄「だってもったいないじゃん。意地でも食べてやる」

無「……缶の底でも叩いてみるか?」

黄「それだ!よーし、食べるぞー」

無「でもそれ失敗すると——」

黄「痛ッ!」

無「歯に缶が当たるんだって」


黄「いたたた……橙。もうちょいゆっくり」

橙「はいはい」

無「黄と橙じゃん。部活じゃないのか?」

橙「この子また部活中にヘマしてね、腰打ったっていうからこれから保健室に行くところ」

無「大丈夫か?」

黄「大丈夫じゃないよー、せっかくだし連れてって。あ、橙はもう戻っていいよ」

橙「……」

黄「いた!ちょっ、ちょっと急に動かな──いたたた!!!」

橙「ふざけたこと言ってるんだから平気でしょ。ほらさっさと来る!!」

黄「本気でいたいって!せっかくのチャンスが……いーろーなーしー」

無「……お大事に」


黄「さて問題です。黄色ちゃんは今暇です、色無はどうしたらいいでしょうか?」

無「丁重に追い返す」

黄「ぶぶー!!てか追い返すなよ!!」

無「……黄緑さんの手伝いでもしなよ」

黄「ちがーう!!そんなのはお子様の紫にでもやらせとけばいいの!正解はおでかけでしたー。どこか行こうよ」

無「えー……」

黄「なんでそんな反応するのさ!?青とか橙とか桃とかとよく出かけるくせに!!ずるーい!!」

無「いやそれは──」

黄「いい訳なんか聞くか!!このハーレムマスター!!」

無「いてっ!叩くな!!わかったよ、どこか連れて行けばいいんだろ」

黄「わーいやったー!!」

無「(紫よりもお前の方がお子様だよ)で、どこに行きたいんだ?」

黄「考えてない。とりあえずぶらぶらしながら考えよ」

無「でた無計画」

黄「なに?悪い?」

無「別に。もう慣れたし、ほれさっさと支度して来い」

黄「ラジャー」


黄「すう……すう……」

(ペタ)←黄色の顔に手を押し付ける

黄「うわ冷た!!いたっ!!膝打った!!なに!?なんなの?」

無「おまえ食堂なんかで寝てると風邪ひくぞ」

黄「なんだ色無かー。じゃなくて普通に起こしてよ!」

無「いや、こっちの方が目覚めいいかと思って。寝るなら自分の部屋いけよ」

黄「ここのストーブがあったかくてつい……それに、あたしの部屋の暖房あったかくなるの時間がかかるし」

無「気持ちはわかるが風邪ひいたら大変だろ?気をつけな。んじゃ」

黄「はいはーい。あっ!待った色無!!」

無「なんだ?」

黄「あたし黄緑に買い物頼まれてたんだった。ちょっとつき合ってよ」

無「は!?俺今帰ってきたところなんだけど」

黄「かわいい娘に重たい物もたせるつもり?いいからついてこーい!!」

無「こら!引っ張るなって!!強引なやつめ」

黄「ごーごー♪」


黄「なんと!色無見てみてー」

無「どうした?」

黄「これこれ」

無「んー……」

黄「どうよこれでちょっとはカレーの凄さがわかったんじゃない?」

無「いやお前、朝はパン食べてるじゃん」

黄「今日から始めるの!」

無「でもこれ本当に効果があるのか微妙だし……」

黄「なら明日から試してみる?色無のためだったら毎朝作っちゃうよ?」

無「いや、朝からカレーはちょっと……」

黄「朝用に改良するからさぁ〜一緒に始めようよ〜」

無「……まぁ、1週間だけなら」

黄「よぉし!今日から張り切っちゃうぞー!」

 その後、寮に帰った黄色は徹夜でカレーを製作し、その反動で授業中は爆睡していたとさ。

無「意味ねぇじゃん……」


『マイフレンド』

優しく明るくかっこよく、そしてみんなの人気者、それが色無。あたしの友達。

「色無ー、昨日のはねとび見た?」

「途中までなら見た」

「えー!最後のほう見てないの!!面白かったのにー」

「マジで?うわ、やっちまったー」

「人生の半分を損したね」

「比重重ッ!俺どんだけ薄っぺらい人生送ってんだよ!」

「うーん……インコ以上猫以下?」

「基準がすでに人じゃない!?」

すっごく楽しいよ。それこそあたしの学校の楽しみの半分は色無だね。

「ははは……ホンットお前と話してると楽しい」

「あたしもー♪」

気付いてる?あたしがこんなに笑顔でいられるのはキミのおかげなんだよ?

他の人じゃあできない、ホントのあたしを引き出すことをキミならできるんだ。

「すー……すー……」

「お、色無クン、オヤスミですかい?」

放課後、教室でくたばっている色無を発見。とりあえずほっぺたをつついてみる。……反応ナシ。

「マジで寝てるし。……つまんない」

色無といるの、ホントに楽しいなぁ。いつまでもいたいなぁ。

でも……この気持ち、どうすればいいんだろ。

「教えてよマイフレンド。……ううん」

たぶん、あたしはフレンドを越えたいと思ってるんだと思う。だけど、あたしはこの気持ちの扱い方をまだ知らない。

だから……今はまだ、

「好きだよ、マイフレンド」

そうつぶやいて、色無の髪を撫でた。……これでいいや。


『料理』

黄「色無、ちょっと味見して?」

無「おでんか?」

黄「うん、どうかな?」

無「ぱく……けっこう味が染み込んでて美味いな」

黄「煮込み料理は結構得意なのよ」

無「煮込み、というかカレーが得意なんだと思ってたからちょっと意外かな」

黄「カレーは別格だけどね」

無「……まさかこれもカレー味にするのか?」

黄「色無がそっちの方が好きならそうするけど?」

無「いや、このままがいい」

黄「そう? じゃあこのままにするね」

無「でもせっかくだから他の料理も食べてみたいな」

黄「いいよ……な、なんだったら、一生作ってあげようか?」

無「なんだよ、専属料理人にしろってのか?」

黄「……頑張っていっぱい稼いで私を雇ってよね!」

 バシッ!!

無「痛っ! わ、わかったよ」

黄「今度のカレーは色無だけ辛さ十倍決定、と……あれ?」


『彼女の魅力』

無「……はあ」

黄「どしたの色無?珍しく真剣な顔して。気持ち悪いよ?」

無「気持ち悪いってことはないだろ」

黄「まあまあ。で、なんかあったの?」

無「色々、な」

黄「ふーん。ところで色無、今日の晩御飯なんだと思う?」

無「青が肉じゃがだって言ってた気がしたけど」

黄「ブー!正解は……『カレー風味の肉じゃがのカレーあんかけ、カレーの女神の微笑みを添えて』でした!」

無「なにそのカレー地獄!?最後の方意味わかんないし!」

黄「イタリアンっぽくない?」

無「むしろインドだろ。……で、なんでそんなものができるんだ?」

黄「それはね……あたしがカレー粉をぶち込むからさ!!」

無「それしか理由ないだろ。断固として止めさせてもらう」

黄「ふ、それが君にできるかな色無くん?カレーの力に勝てるとでも?」

無「だが……肉じゃがは負けない!」

黄「面白い……はははははは!」

無「……バカだな、俺ら」

黄「そだね。……ね、色無」

無「なんだ?」

黄「元気、出た?(ニコ」

無「——ああ。ありがとな、黄色」

黄「どーいたしまして♪」

 問答無用で俺の心を明るくする。それが、誰より明るい彼女の魅力。


 いしやき〜いも〜、今年最後のおいも〜

黄「あ、色無、焼き芋屋さんだよ」

無「今年最後の石焼芋かぁ、もう春だもんなぁ」

黄「やっきいもっ! やっきいもっ! こっとしさいごのやっきいもっ!」

無「……なんで俺を見る?」

黄(ウルウルワクワク)

無「ちっ、しゃーねーなー、金ないから半分こでいいか?」

黄「ありがとー色無。愛してるー」

無「そういう台詞は安易に使わないように。あ、焼き芋ください」

黄「えーっスルーですか? せっかく黄色ちゃん頑張ったのに」

無「ほれ、半分こ。つーかこっちの大きい方やるよ」

黄「さすが色無わかってらっしゃる。アザース」

無「でもなんで焼き芋屋さんのはこんなに甘いんだろうな?」

黄「なんかねぇ、低温でゆっくり焼くと甘くなるんだって」

無「食いモンには詳しいなぁ、さすが色気より食い気」

黄「ぶーぶーぶー、黄色ちゃんにも色気位ありますよーだ」

無「でもこの甘さは病み付きになるなぁ」

黄「でしょ?」

黄「ねぇ色無」

無「何?」

黄「私たちもゆっくりやっていけば、甘くなれるかなぁ?」

無「(ブフォッ)な、何!?」

黄「そしたら色無も私に病みつきになってくれるんでしょ?」

無「えと、その」

黄「どう? ちょっとは可愛げあったでしょ? へへへ」

無(何この満面の笑み? つかすでに黄色に病み付きなんだけどね)


 ガチャ

黄「いーろなしっ♪ 遊びに行こう!」

無「……」

黄「なんでそこであからさまに嫌そうな顔をするの?」

無「嫌そうってか嫌なんだけど」

黄「なんでー!?」

無「人に重たい荷物を持たせてあっちにふらふら、こっちにふらふら。そこまではいいけどな、気がついたらいなくなってるし、俺だって腹減ってるのに自分だけなんか食ってるのはどうかと思うぞ」

黄「食べたそうな顔してるからちゃんとわけてるじゃない」

無「そうだっけ? とにかくだお前とどっか行くと余計に疲れる」

黄「そっか……こんな無計画な娘とじゃ嫌だよね。ごめんね、大人しく部屋に戻るよ……」

無「待て待て!! やっぱ嫌じゃない、その……確かに疲れるけどその分楽しいからさ。な!」

黄「本当に!? じゃあ今すぐお出かけしよう」

無「は!? おまっ、演技かよ!!」

黄「えへへ、このぐらい見抜けないと女の子の相手に苦労するよー」

無「もう十分お前で苦労してるよ」

黄「なにか言ったー?」

無「なーんも言ってねえよ。んじゃ行きますか」

黄「ほーい」

黄「次はあっち行こう! んー、やっぱこっち。いやいや向こうにしよう」

無(やっぱ疲れる。決めた、こいつとはもう絶対出かけない)


無「黄色。ほれバレンタインのお返しだ」

黄「わーい、ありがとう。三倍返しは何かなー? アクセサリーとか?」

無「ふざけたことを言ってるのはこの口か?(ギュー)」

黄「いひゃい!! ごめんあひゃい! ごめんなひゃい!」

無「ったく、そんなの欲しがるなんてこっちが損じゃないか」

黄「えーそんな事ないし、世間では送ってくれたりするんだよ」

無「ああそうかい。じゃこれはいらないんだな」

黄「あ! いるいる。返してー」

無「素直に貰っとけばいいんだ」

黄「素直に貰いましたー。ただアクセとかかなーって言っただけなのに色無が取り上げるんだもん」

無「すいませんね。アクセサリーとかそういったシャレたものじゃなくて」

黄「別に悪いとは言ってないし、結局これなに? 開けるよ」

無「おう」

黄「なにかな、なにかな♪ おっ、クッキーとマフィンとマシュマロだー。食べていい?」

無「どーぞどーぞ」

黄「じゃあマフィンから、はむっむぐむぐ……おぉー!! すごくおいしいね何処の店のやつ?」

無「いや俺の手作りだけど」

黄「本当に!? 見た目もいいし器用だね」

無「大げさだな、薄黄に指導してもらったんだ。ほら、お前バレンタインの時手作りだったから俺もそうしたんだ」

黄「へぇー……なんか乙女のプライドを打ち砕かれた」

無「は? 急に何言ってんだよ」

黄「だってさ、あたしよりうまいんだよ? ちょっとショックだなー」

無「いや、そんなこと言われても……」

黄「よし! こうなったら来年は物凄いの作ってやるんだから!! 首洗って待ってなさいよ」

無「え!? いや意味わかんねぇし。お前さ、俺も腕上げてお返しするという事は考えないの?」

黄「……うわーん色無のいじわるー!!!」


桃「グシュッ」

水「グスン」

無「おはよー、ってどうした? 二人とも」

桃「おはよう色無くん、その花粉症が(グスッ)」

水「おはようございます。私も花粉症で(グスン)」

無「あ、そうか。大変だなぁ二人とも、薬飲んだ?」

無(それにしても桃と水の涙目は破壊力あるなぁ)

黄「おはよー色無っ!」

無「おう、おはよう黄色」

黄「それにしても、美少女の涙目はそそりますなぁ、ねぇ色無?」

無「おまえはオヤジかよ?」

黄「朝から見とれてた色無に言われたくないですよーだ」

無「み、見とれてた訳じゃねーよ、ただ大変だなぁ、って」

黄「そういうことにしといてあげるね」

無「うるせぇ。つかオマエは花粉症になってないの?」

黄「黄色チャンには花粉なんか敵じゃないです」

無「敵とかじゃなくってさぁ」

黄「花粉が怖くってカレースパイスの調合はできません」

無「いや、意味わかんねぇって」

黄「じゃあさ、私も花粉症になって涙目で見つめてあげよっか?」

無「いや遠慮しとくよ」

黄「何それー? せっかくサービスしてあげるっていうのに」

無「それにオマエは花粉症になれないよ」

黄「え? なんで?」

無「だって、うちで花粉症なのは桃と水だろ?」

黄「うん」

無「ということは大きくないと(ボゴッ)」

黄「うるさーい、このおっぱい星人、どっか行けー!」


黄「桃と橙と黄緑は3人でお色気担当なんだって」

無「まぁ妥当なところだな」

黄「むぅー、なんか悔しいなぁ」

無「まぁでも桃のあの大きさは、なぁ」

黄「正直ありえない大きさだよね」

無「ウエストも細いし」

黄「なんか不公平」

無「橙は?」

黄「大きさじゃなくって、なんていうかエチっぽいの」

無「ふーん、そういうもんなのか?」

黄「うん、女の子同士でもドキドキする位」

無「黄緑さんも何気に大きいような」

黄「そそ、結構着痩せするタイプ」

無「それになんか色っぽいよな」

黄「なんていうか、大人の魅力って感じ?」

無「大人って言うより人づ……」

黄「どうしたの?」

無「これ以上喋るのは、何か凄くいやな予感がする」

黄「そ、そうね。ところで色無」

無「何だ?」

黄「この黄色チャンはお色気担当になれるかな?」

無「無理だね」

黄「って即答ですか、ヒドーイ」

無(それに色気あっても困るしな)

黄「え?なんか言った?」

無「なんでもねぇよ」

無(これ以上魅力的になられたら理性が吹っ飛ぶだろうが)


黄「おはよーっ色無っ!」

無「うぃー、おはよう黄色」

黄「なによそのゲーム機みたいな挨拶は」

無「眠くってさぁ、春眠暁を覚えずって」

黄「まったく、しっかりしてよね新2年生さん」

無「オマエもだろ、って何? 留年でもしたか?」

黄「な訳ないでしょ、バッカじゃないの?」

無「バカはオマエだ、はぁ、毎度進歩のねぇやつ」

黄「ふふーん、黄色ちゃんは去年から進歩してますよー」

無「どこがだよ?」

黄「こう見えても2センチアップなのですよ?(エッヘン)」

無「……ウエストが?」

黄「バストがっ!」

無「へ、へぇー(チラチラ)」

黄「……って見るなー、バカエロ無ー」

無「わ、悪かったから殴るなってば」

黄「あ、ほら急がないと遅刻だよー」

無「ちょ、置いてくなって」

黄(意識されたらハズいじゃない)


TV『俺がガンダムだ!!』

黄「ほえー」

無「おもしろい主人公だな」

TV『俺は──俺がゼロだ!!』

黄「これだ!」

無「どれだよ?」

黄「きいてきいて! 今日の夜ご飯はあたしが作るよ。なぜならあたしがカレーだ!!」

無「春だなぁ」

黄「ちょ!? なにその反応あたしがバカみたいじゃん」

無「みたいってかバカなの。だいたいお前=カレーってのは知ってるし、今黄緑さんが晩飯の支度してるんだけど」

黄「しまった! ならカレーは明日──」

無「却下」

黄「なんでー!? おいしいのを作って──」

無「無理。飽きた。ダメ、絶対」

黄「なんだよー!! 色無なんか福神漬けでも食ってろバーカ!!」

無「なんだよその捨て台詞」

黄「べーっだ。エロ無! 巨乳マニア!!」ダダダ

無「こら! 誤解を招くようなことを大声で言うな待ちやがれ──ん? このパターンはもしかすると」

黄『ご、ごめ、黄緑!! もう走り回らないから!! いたたた、頭が割れる!!』

無「やっぱりかやめといて正解だ」


黄「某ハンバーガーショップでバイトを始めました」

無「なんだいきなり。……あ、お前まさか」

黄「らんらんるー♪」

無「……やると思った」

黄「黄色は楽しくなるとついやっちゃうんだ♪」

無「お前、それやりたかっただけじゃないのか?」

黄「失礼な。ちゃんと働いてますよ」

無「ふーん。サービスでスマイルしてんのか」

黄「そりゃあもう。無料の笑顔を振りまいてるよ」

無「じゃあ今度からかいに行くかな」

黄「あ、でも色無にはサービスのスマイルはできないよ」

無「なんでだよ。友達だからってそういう手抜きは——」

黄「色無を見たら、きっと自然と笑顔になっちゃうから。サービスなんてできないよ」

無「……え?」

黄「えへへ。じゃ、そろそろ時間だから。……お待ちしております♪」

無「……やられたなあ。……今日の昼飯、ハンバーガーにするか」


『不機嫌』

黄「色無ー、遊ぼーぜぃ」

無「あー……パス。今日は他の奴らの相手してて疲れた」

黄「何それー。他の子の相手はするのに何であたしは放置なのさ」

無「仕方ないだろ。文句なら灰とか赤とか青に言ってくれ」

黄(……ちぇ、やっぱりあたしだと相手にしてくれないんだ。ふん、色無のばーか)

 翌日

無「おっす、黄色」

黄「……おはよ」

無「……なんか今日お前変じゃないか? もしかして怒ってる?」

黄「怒ってないし」

無「怒ってんじゃん。昨日のこと根に持ってんのか?」

黄「違うもん」

無「ごめんな、昨日はホント疲れててさ」

黄「だから、別に怒ってないから。謝んなくてもいいよ。あたし、もう行くから」

 授業中

黄 チラッ

無「ごめんなー(小声でジェスチャーをつけている)」

黄 ぷいっ

 昼休み

無「黄色、ホントごめんな」

黄「……」

 放課後

無「黄色ー……」

黄「色無ー。もういいよ、許してあげる」

無「えっ! マジで!?」

黄「うん。ごめんね、あたしこそ変な意地張っちゃって」

無「いや、黄色は悪くないよ。……でも、何で?」

黄「なんでもなーい♪(だってさ、色無、今日はずっとあたしのことばっかり気にしてたじゃん。……あたしのことも、ちゃんとかまってくれるんだね)」

無「……ま、いいか。黄色、今から一緒に買い物行かないか? 欲しいものがあるんだけど」

黄「OK、付き合ってやんよ!(こんなこともあるなら、不機嫌な日も悪くはないかも……なんてね♪)」


黄「何で昨日とか寒かったのに今日は暑いのさ! ゲジ眉呼んでこい!!」

無「いや、俺に切れられても」

黄「コンビニいこ、コンビニ」

無「いってらっしゃい」

黄「色無も来るんだよ。アイス買ってよ」

無「人にたかるな。ちょっと古い気もするが硬貨の裏表で決めようぜ」

黄「よし乗った。あたし数字かいてあるほう」

無「裏だな。んじゃいくぞ、よっと……表だな」

黄「ちょや!(ペシン)奢らなくてもいいからついて来なさい」

無「お前、横暴だな」

黄「アイス、アイスー♪」

無「さっさと会計に行くぞ」

黄「待った、ガムも買うから。どれにしよう……ん? ぷぷーっ色無、ちょっと来て」

無「んー、どうした?」

黄「オコト香るガムだって、へんなのーこれ買いなよ」

無「あはは。ネタにはいいかもな。買ってみるか」

黄「それどんな味?」

無「花を食べてるみたいだ。匂いもすごいし、食うか?」

黄「いらなーい。絶対美味しくなさそうだもん」

無「勢いに任せてこれを買った俺はいったい……」

黄「バカだねー」

無「その通りだが、お前に言われるのは何か納得行かない」


黄「もうすぐ夏休みだねっ!」

無「あぁ、黄色は帰省するのか?」

黄「あたしは今年はずっと寮にいるけど、色無は?」

無「俺も今年はずっと寮だな、バイトもあるし」

黄「そっか(よかった……)」

無「ん? なんか言ったか?」

黄「ううん、みんな8月は帰省するみたいでさ、黄色ちゃん一人ぼっちかと思って」

無「そっか、誰もいないのか……」

黄「黄色ちゃんだけじゃさびしい?」

無「そ、そうじゃないけどさ(つーか二人っきりなのか?)」

黄「あー、二人っきりとか想像してエロい事考えたでしょー?」

無「ば、ばーか、そんな訳ねーよ」

黄「ホント? 怪しいなぁ、ウリウリ」

無「そ、それより黄緑さんもいないと飯どうすっかなぁ……」

黄「黄色ちゃんがカレーを作ってあげるから安心して!」

無「それじゃ毎日カレーじゃねーか」

黄「え? ちゃんといろんなカレー作ってあげるよ?」

無「……そういう問題じゃなくってさ」

黄「じゃ、交代で作ろっか?」

無「そうだな」

黄「じゃ、ナベアツ式にしよー!」

無「なんじゃそりゃ?」

黄「3の付く日と3の倍数の日はあたし、5の倍数の日は色無」

無「はぁ、でそれ以外の日は?」

黄「一緒に作ろうよ。ね?」

無「まぁいいけど……」

黄「んじゃ、けってーい! あ、予定表書かなきゃ」

1日・2日「二人で作る」

3日「カレー!」

4日「二人で作る」

5日「色無が作る」

6日「カレー!」

7日・8日「二人で作る」

9日「カレー!」

10日「色無が作る」

11日「二人で作る」

12日「カレー!」

13日「カレー!」

14日・「二人で作る」

15日「色無がカレー作る」

16日・17日「二人で作る」

18日「カレー!」

19日「二人で作る」

20日「色無が作る」

21日「カレー!」

22日「二人で作る」

23日「カレー!」

24日「カレー!」

25日「色無が作る」

26日「二人で作る」

27日「カレー!」

28日・29日「二人で作る」

30日「色無がカレー作る」

31日「カレー!」

無「結局カレー作るのかよっ!」


無「あぢ〜、暑くて何もする気になれん……黄緑さん、クーラーつけていい?」

黄緑「なるべくエアコンには頼りたくないんですよね……電気代もかさみますし……」

無「む〜、かといってうちわじゃ限界が……」

黄「そんなときはカレーだよ♪」

無「このクソ暑いのにカレーなんぞ食ってられっかー!!」

黄「そ、そんなに怒鳴らなくてもいいじゃん……」

無「ああー、悪い、暑いからつい」

黄「せっかく夏にぴったりのカレーを作ってきたのに……」

無「ほうほう、どんなのだ?」

黄「(食い付いた!)その名も、冷やしカレー!!」

無「……は?」

黄「ほら、冷やし中華とかあるじゃん。それを見て思いついちゃったんだよねー。キンキンに冷えたカレーとご飯が織りなすハーモニー! あたしって天才?」

無「こ、これはさすがに……ねぇ、黄緑さん?」

黄緑「エアコン入れましょうか……」

黄「あ! ひっどーい! せっかくのあたしの苦労の結晶が〜……」

無「う、うまい……!」


黄「ねえ、私ってそんなに空気読めてない……?」

無「うっ(やばっ)」

黄「私は皆が楽しくなればと思ってしゃべってるけど、皆はそうじゃないのかな……?」

無(完全にやさぐれモードだ……)

黄「うざいとか言われちゃったらさ、なんかもう、どうしたらいいかわかんなくなるよね」

無(そんな顔すんなよ……何でそんな笑ってられんだよ……)

黄「ねえ色無、私どうしたらいいと思う?(ぽろぽろ)」

無「!!!」

 がばっ! ぎゅぅ……

黄「え!? ちょっと色無!?」

 そのとき俺は何で気を抱きしめたのかはわからなかった。けど、なんとなくそうしないとダメな気がしていたんだ。

黄「色無、ありがとね……もう大丈夫だから……」

無「バカ、こんな時ぐらい強がるな……俺でよかったら、幾らでも頼れ」

黄「色無ぃ……色無ーーー!!!!」

 こんな時にこいつをかわいく、愛しく思うのは不謹慎かな?


無「眠い……暑い……寝苦しい……」

 コンコン

無「ん〜、誰だ〜?」

 がちゃ

黄「そんなときはこれだよ!」

無「もうカレーはこりごりだ……」

 バタン

黄「……扇風機持ってきてあげたのに……」


黄「打ち水ならぬ……」

無「打ちカレーとかやったらぶっとばすぞ。食べ物粗末にすんなよ。ホントにカレー好きなのかどうか疑問に思えてきたぞ」

黄「なによ! あたしカレー好きだもん! 色無と同じぐらい大好きだもん!!」

無「え?」

黄「え? や、やだなぁ、色無も私と同じくらいカレー大好きだよね? ってことだよ!」

無「な、なぁんだ。そういうことか。俺もカレー大好きだぞ」

黄「うふふ♪」

無「はは(そういうこと……か。残念なようなこれで良かったような……)」

黄(ごまかしきれたかな?こんなカタチで告白なんてしたくないもんね……)

無・黄「はぁ」


黄「夏といえば!?」

桃「海♪」

灰「すいかー」

青「こ、怖い話……」

赤「マラソン!」

黄緑「風鈴♪」

黄「なんか変なの混じってたけど違う! 夏といったらこれでしょ!」

 ばちばち しゅおー 

橙「花火、ねえ……珍しく用意がいいじゃない?」

黄「へっへー、あたしはやれば出来る子なのだ!」

橙「……」

黄「ちょっと、そこ! 黙んないで! せめてつっこんで!」

赤「ひゃっほー! たーのしー!」

紫「わわ! 走りながら花火振り回すなー! この体力バカー!」

白「きれい……」

黒「そうね……(白、こんなに喜んで……黄色、たまにはいい仕事するじゃない)」

橙「オチは?」

黄「へ? ないよ?」


黄「色無、このカレーを食べてみてくれ」

無「別にいいけど……なんかしゃべり方変じゃないか?」

黄「何を言っている? 私のどこが変だって?」

無「何か変なもんでも食ったか? まぁいいや、いただきます」

黄「(ふふ、これぞ『普段とは違う私を見て!』作戦! 一気に畳みかけてやる!)どうだ色無、私の愛情たっぷり愛妻カレーはうまいか?」

無「な!? ど、どうしたんだお前! 頭でも打ったか!?」

黄「(うぅ、恥ずかしいけど、確実に効果はある!)何を言っている色無? さぁ、もっと私の愛を受け取ってくれ!」

 ガシッ!!

黄「ふぇ?」

焦「それは私の専売特許だ」

黄「焦茶さんいたの!? 痛い痛い! 許して、ほんの出来心なの〜!!」

焦「許さん。それと色無、愛してる」

黄「ふえぇ〜ん、色無ぃ〜……」

 ずるずるずるずる……

無「やっぱこっちの方が自然だよな〜(ぱくぱく)」


白「んしょっと……」

紫「白ー、そっち大丈夫?」

白「うん、平気だよー」

紫「ったくー、重いんだよこいつ……あ痛っ! 蹴ったな!」

無「んー? なんだなんだ? 騒がしいな」

紫「あ、色無」

白「色無くーん、見て見てー」

無「うわぁー、でっかい……何これ?」

白「てるてるボウズだよ!」

無「てるてるボウズかー。ここんとこ雨続きだもんなぁ」

白「紫ちゃんと黄色ちゃんと一緒に作ったの!」

紫「あのバカが白の前で変なこと言い出すからさぁ……あ痛っ」

無「はは……それはいつものことだろ。で、黄色はどこに?」

黄『ここさっ!』

無「……?」

白「ふふ♪」

紫「はぁ……」

黄「ここだよ! てるてるボウズの中!」

無「(ぴら)あ、ほんとだ」

黄「くぉら! 下から覗くなんて最低!」

無「また何やってんだよお前……」

黄「私はてるてるボウズと一体化した! 私が雨を止めてしんぜよう! さぁ、吊るせ!」

黒「……そうね、できるだけ高いところのほうがいいわよね。中庭の鯉のぼり用のポールなんてどう?」

黄「……黒!!」

黒「あんた何白に重労働させてんのよ(げしっどかっ)」

黄「あぁやめて! 見えない! 防御できないから! 全部クリティカルだから!」

無「何がしたいんだよこいつは……」


無「今の気温何度だよ……って34度!? おかしいんじゃねぇの、雨も降らないし」

黄「雨が降らないなら降らすまでよ!!」

無「ちっ、どっから沸いて出てきやがった」

黄「いやーん。色無くんつーめーたーいー」

無「こんなくそ暑いのに、お前みたいなバカ相手にしたくねー」

黄「何だとう! こうしてやる!!」

無「くっつくなよ!! 暑いだろーが!!」

黄「はいはい。色無かまってないで早くあれやろうっと」

無「あれって何んだよ?」

黄「ん? 雨乞いだよ」

無「……」

黄「ちょっとそんな可哀想な人を見るような目はやめてよ。それにね、過去に降らせたことがあるのだよ」

無「へーすごーい。頑張って降らせてみろ」

黄「まっかしといて!!」

無(どうしたらこんな発想が出来るのかね? いいやアイス買いに行こう)

橙「ねぇ色無。さっき庭で黄色と紫と水ちゃんが傘を上下に振ってたけど、あれ何?」

無「(あー二人とも巻き込まれたか)さあ? 本人が言うには雨乞いだとさ。てか何で俺に聞くの?」

橙「や、知ってそうだったから」

無「そうかい。なんか聞こえるな。花火? 今日どこか祭りあったっけ」

橙「んー、ないよ」

無「じゃあ何の音だろう?」

 ゴロゴロゴロ……

黄緑「あっ! 二人とも、雷が鳴り出したの! 雨も降ってきたし、洗濯物入れるの手伝ってください」

無・橙「マジで!?」

黄緑「本当ですよ。さ、はやくはやく」

 ピシャッ ゴロゴロゴロ……

黄「やったー降ったー!!」

紫「ほ、本当に振るなんて……」

水「すごいです……」

黄「へへーん」


黄「夏といえば?」

無「は?」

黄「だーかーらー夏といえば?」

無「あー、はいはい。ちょっと待ってろ」

黄「わかってくれた」

無「ほれ。これだろ」

黄「そうそう冷たい麦茶。じゃあ一気にゴクゴク……ゲホッ何これ!?」

無「めんつゆ」

黄「なんてことするんだよぅ!! 思いっきりむせたじゃん」

無「はっはっは。ただの嫌がらせだ、気にするな」

黄「何で嫌がらせするんだよぅ」

無「この時期にお前が来ると、体感温度が上がる。帰れ」

黄「ことわ──」

無「ほれいった、いった」

黄「わっ! ちょ、押さないで──」

無「はーい、はいはい。さようならっと」

 バタン

黄「くそー、覚えてろー!!」


 ガチャ

黄「色無ー。流しそうめんしようぜー」

無「……どこの野球少年だ。ってか寮では無理だろ」

黄「ふっふっふ。これがあるから大丈夫なのだ!!」

無「なにこれ?」

黄「知らないの? 家庭用流しそうめん機」

無「こんなのどうしたんだよ、買ったのか?」

黄「違うよ、朱色さんの部屋から借りてきた」

無(あの人は何故こんなのを、いや深く考えるの止めよう)

黄「ねぇ。やーろーうーよー流しそうめん」

無「俺はそこまでしてやりたいというお前の考えがわからん」

黄「だって夏だよ!?」

無「意味分かんねぇよ。あ! いいこと思いついた」

黄「え? なに、なに?」

無「まあ、楽しみにしとけ」

無「今から特製流しそうめんをはじめたいと思う」

黄「いえーい!! ってこのつゆ何か薄くない?」

無「気にするな。じゃあ流すぞ」

黄「バッチこーい!! あれ? 白滝っぽいんだけど」

無「んなことはない。れっきとした麺類だ」

黄「ま、いっか。いっただきまーす! むぐっ!?」

無「どうよ。特製そうめんの味は?」

黄「酸っぱいし、辛い。何これ?」

無「ビーフンをトムヤンクンで食べる。タイ風流しそうめんでしたー」

黄「なんじゃそりゃー!! あたしは和風が食べたいの!!」

無「でも不味くないだろ」

黄「まあね」


黄「色な──おりょ?」

 ガチャガチャ

黄「鍵をかけるとは卑怯な。おらー出てこーい! いるのはわかってるんだぞ」

 バンバン

無「なに借金取りみたいなことしてるんだよ」

黄「(ビクッ)おわっ!! なんで後ろから来るんだよー」

無「DVDを借りに行ってただけだ。それより何の用?」

黄「あ、そうだった。夏といえば──」

無「恐い話だろ。ちょうどそのDVD借りに行ってたんだ。見るだろ」

黄「もちろん」

無「うし、今鍵開けるからな」

 ガチャリ

黄「ねえねえ、これってあのヒゲの人のやつ?」

無「いいや、つまみなんとかって人」

黄「ふーん、この人初めてみるよ」

無「へえ。結構恐いぞ。んじゃスタートっと」

 5分後

黄「無理! 部屋かえる!!」

無「ばっか! まだ最初の方だろ最後までいろ!!」

黄「もうやだー」

無「なんでヒゲの方は平気でこっちはダメなんだよ」

黄「だってあの人のは人から聞いた話が多いからあんま恐くないんだもん」

無「恐い話には変わりないだろ。観念して座れ」

黄「うぅー……」


黄「夏はやっぱりカレーよね」

無「……」

黄「なによ、色無」

無「いつも変わらないなと思って」

黄「……変わったほうがいいかな?」

無「いや、明日から急にそば最高とか言われても、違和感あるな」

黄「なるほど、それならカレーそば?」

無「麺とカレーの組み合わせは冬のもんだろ」

黄「えー」

無「えー、じゃ無くて」

黄「仕方ないなー、今度の冬に特製カレーそば作ってあげよう」

無「冬って、気の長い話だな」

黄「……すぐだよ」

無「ん?」

黄「色無と一緒なら、すぐだよ」

無「黄……おまえ」

黄「私の助手してくれれば、カレーそばなんてすぐ作れるから大丈夫。あははは」

無「……」

黄「どうしよう、水ちゃん。何で私っていつもこうかな」

水「えっと……元気出してください」

黄「はぁ、肝心なところで話をそらすこの性格がうらめしい」

水「えっと、あ、そうそう、今度寮の菜園でハーブを育ててみようと思うんですけど、なにがいいでしょうか?」

黄「え! ハーブ!? そういうことなら任せてよ、こう見えてもちょっとは詳しいから」

赤・青「黄……」


黄「あ〜、色無ずるい、なんかいい物食べてる!」

無「ただのインスタントラーメンで大袈裟な。黄色も食うか?」

黄「あ〜ったりまえじゃん。いただきっ!」

無「全部は食うなよ?」

黄「わかってるって」

 ずるずる〜っ

黄「……! えほっえほっ、ナニこれ?」

無「何って、ただの味噌ラーメンだけど」

黄「そうじゃなくって、なんで胡椒が入ってるのよ?」

無「いいじゃん別に。好きなんだよ」

黄「だったら先に言ってよ! 私辛い物ダメなんだから!」

無「は? なんだって?」

黄「私は辛い物ダメなの!」

無「ごめん、聞いてなかった。もう一度頼む」

黄「わ・た・し・は・か・ら・い・も・の・ダ・メ・な・の!!」

無「カレーの女王が何をワケのわからんことを」

黄「カレーは辛くてもいいの! 色無のわからず屋ぁ〜!!」

無「鈍感だ鈍感だとはよく言われるけど、ここまで理不尽なのは初めてだ……」


 ピシャッ  ゴロゴロゴロ……

水「ひゃあ!」

 ピシャッ  ゴロゴロゴロ……

水「……怖いです……」

無「大丈夫だよ水色ちゃん。結構遠くだから」

水「あ、はい……ごめんなさい……うぅ」

黄(……ウズウズ)

無「……?」

 ピシャッ  ゴロゴロ……

水「ひゃう!」

黄「おぉー」

無「……黄色は雷平気なのな?」

黄「うん。むしろわくわくする。凄くない? 大自然の怒りだよ?」

無「怒りかどうかはわからんけど……」

黄「これ使って何かできないかなー……そうだ!」

無「ん?」

黄「ちょっと電気消すね!」

無「何するんだ?」

黄「次まで待って」

水「何も見えないです……」

黄「あ……来そう」

 ピシャッ

水「きゃあああ!!」

黄「へっへっへー」

無「お前……アホなことを」

水「うぅ……ぐすっ」

黄「でも結構おもしろかったでしょ?」

無「いいからそのスクリームのお面を外しなさい。水色ちゃん怖がってるから。っていうかどこにあったんだ」


黄「あち〜」(ぱたぱた)

無「俺のうちわ返せ〜」

黄「……昔さー」

無「聞いてないし」

黄「でっかいうちわ両手に持てば飛べると思ってたんだよね」

無「いやーあついなー」

黄「ちょっと! 遠い目をしないで! 現実を直視して!」

無「お前が現実見ろよ!」

灰「ふむ、実におもしろい」(福山雅治風に)

無「はい?」

灰「呼んだ? じゃなくて、人間は不可能だと決めつけちゃうと何もできなくなるんだよ」

黄「ということは?」

灰「できると思いこめば不可能なんてことはない!」

黄「よし! やるぞー! あたしに不可能の文字はない!」

 in屋上

無「どっから出したそのでかいうちわ……」

黄「鳥だ! あたしは鳥になるんだ!」

 ふわっ……ひゅー……もふんっ!!(マットひいておいた)

無「無理だろうな、常識的に考えて……」

黄「何が悪かったんだろーなー?」

無「頭じゃない?」


黄「色無〜、アンニョハセヨ〜」

無「……お〜う」

黄「ちょっとちょっと、スルー? 今韓国にはまってるのに」

無「若干古いというか、遅いというか」

黄「これがまたおもしろいのよ。ドラマとかけっこうベタベタでねー」

無「昼頃とかにたまにやってるよな」

黄「それになんといってもキムチ! カレー程じゃないけど大好き!」

無「カレーにはかなわないのな」

黄「……」

無「どした?」

黄「色無……サランヘヨ!!」

無「……」

黄「……あれ?」

無「……それなんて意味だっけ?」

黄「う……うわぁぁぁぁぁん!! せっかく勇気出したのにぃ!!」

無「意味知らない奴なんていねーよ……恥ず……」


黄「(今度こそ!)色無、我愛称(ウォーアイニー)!!」

無「うぉーあいにー? war I need? お前、大丈夫か?」

黄「え……いやー、こんなセリフが漫画であってね、色無知ってるかなーって」

無「ふーん。俺以外には止めておけよ? 勘違いされるぞ」

黄「あはは、そうするよ……」

黄「あいつは何語なら理解できるんだ!?」


pencil2_0375.jpg

黄「えっへっへー。私が料理全般が得意なの忘れられそうだしねー」

無「黄色のカレー以外の物食べるなんて何年ぶりだろうな」

黄「って会ったの高校からなのに年単位で数えないでよ!」

無「いや なんかもっと前から味を知ってるような気がしてな」

黄「うっわー、なんて古典的口説き文句。色無はっずかしー」

無「別にそうじゃないって! ただなんとなくだ!」


黄「あー……明日から学校かぁー……」

無「うちは遅いほうでよかったなぁ。隣の県はもう始まってるらしいぞ」

黄「えー……考えられん……」

無「学校楽しいじゃん。これだけ会ってないと、男にも会いたくなったな」

黄「ん、別に学校が嫌なわけじゃないよ。ただ……」

無「ただ?」

黄「んー……色無にお昼ご飯振る舞う機会が減るなぁーって」

無「……」

黄「あ、ほら、色無いっつもホントおいしそうに食べてくれるからさ、結構励み……というか元気のモトになっててね」

無「……なんだ、そんなことか」

黄「む……そんなことって……」

無「じゃあほら、弁当!作ってくれよ。学校でも黄色の美味い飯が食えるとなれば、俺としても万万歳だ」

黄「あ……そうか。あったまいいな色無!」

無「頭いいだろ。よっしゃ、おかずの買い出し行くか?」

黄「行くか!」

青「どうやったらお互い照れずにあんな会話が……羨ましい」


黄「あ〜、あと数時間で夏休みが終わる〜」

無「そしてお前のことだから宿題残ってんだろ」

黄「失礼な! まったくあたしを何だと思ってるの!? 失礼な!」

無「終わってるのか?」

黄「……ある意味ね」

無「はー、そんなことだと思った」

黄「そもそも夏休みとは休む為にあるもんでしょ!? 遊びとか遊びとか遊びのためにあるんでしょ?」

無「休みの時も気抜くなって話だ」

黄「ぐむぅ……ねぇ色無君?」

無「見せん」

黄「うっ! やだなぁ、おしえてっていおうとしたんだよ?」

無「図星かよ……しゃーない、一緒にやるか」

黄「色無も残ってるんじゃん!」

無「俺は今日やればもう終わるっつーの。お前はどうなんだ?」

黄「……正直しんどい」

無「ま、最後まであきらめずにやってみますか」

黄「さすが色無!(くくく、今回ばかりはあたしの計画通り! これで色無と二人っきりのラブラブタイム!)」

桃「ね〜え、色無君。宿題一緒にやろ〜?」

橙「あたしもちょっと残ってたんだよねー」

青「あんた達だけじゃ不安だろうから見ていてあげるわ。しょうがなくだからね!? 勘違いしないでよね!」

黄「何故だ〜!? 我がカレー神はあたしを見放したもうたかー!?」

灰「神は死んだ」


黄「イチローすげ〜」

無「まぁ、日米通算3000本はすごいし、9年連続200本とかも目前だしな」

赤「スポーツならボクにおまかせ!」

黄「出たランニングバカ」

赤「黙れライトニングバカ。イチローといったら走者を楽々と刺すレーザービーム! そしてなんといっても足を活かしての盗塁と内野安打がボクには魅力的だな!」

無「さすが走りのスペシャリストは目の付け所が違うな」

赤「色無もボクのことランニングバカとか言うつもり!?」

無「言わないよ。お前はただ走るのが好きな普通の娘だろ? 俺はお前の走ってる姿好きだぜ?」

赤「色無……」

黄「みんな大切なこと忘れてるよ?」

無「守備のうまさとかか?」

黄「違う違う! 3打数5安打とか、ホームランボールとったらすでにサイン書いてあるんだよ? すごくない!?」

赤「……」

無「……とりあえずお前がやっぱりバカなのはわかった」


黄「かぜひいたー」

無「今度はお前か……迷信は確信に変わったな」

黄「うー、色無のがうつったんだー。責任取って看病しろー」

無「はいはい、原因はともかく看病ぐらいしてやるよ」

黄「お腹空いたー」

無「だだっ子かお前は……カレーでいいか?」

黄「風邪ひいてる時にカレーはないよぅ……」

無「ほう、しかし俺の時にはお前は『カレー食べときゃ治るよ!』とか言ってたそうじゃないか」

黄「う〜、過去に囚われてはいけにゃいよ……」

無「ああもう分かったから。ろれつ回って無いから。とりあえず作ってきてやるよ」

黄「楽しみ〜」

黄「(何だかんだ言って、色無優しいんだから……大好き……)」



無「ほいできたぞ、お粥カレー」

黄「お前は何にも分かってなーい!出てけーー!!」

無「そんだけ叫べんなら、治ったんじゃね?」

黄「あれ?」


黄色「はぁ……」

色無「どうした?ため息なんかついて」

黄色「だって、”需要なさ気”とか”黄色はいいっす”とかさぁ」

色無「そんなの気にすんなよ」

黄色「たまに出てくると思ったら”カレーまみれにしてやる”って」

色無「まぁ、黄色=カレー、だしな」

黄色「うぅっ」

色無「あ、その、個性ってことだよ」

黄色「……どうせカレーしかないんだよね……」

色無「そんなことないぞ?」

黄色「だって」

色無「テンプレにもあるだろ?ムードメーカーって」

黄色「でも、お調子者って書いてあるし……」

色無「みんなが知らないだけで、俺はオマエのいい所を知ってるつもりだぞ?」

黄色「……」

色無「前向きで明るくって笑顔が似合う、一緒にいるだけで明るい気持ちになれる」

黄色「えっ……」

色無「だから、元気出せよ」

黄色「うん、ありがと(ニコッ)」

色無「やっぱ笑顔の方が似合ってるよ」

黄色「え、あ、その、それって?」

色無「う、お、女の子は笑顔が一番、ってことで…」

黄色「ふ〜ん?そうやっていつもタラシてるんだ?」

色無「あ、なんかちょとおなかすかない?」

黄色「話をそらすなー!」

色無「いや、黄色特製カレーが食べたいなぁ、とか」

黄色「仕方がないなぁ、色無のために特別においしく作ったげるね!(ニコッ)」

色無(やっぱその笑顔は反則だよ)

黄色「ほらー、色無手伝って!早く!早く!」


黄「はいは〜い!文化祭ウチのクラスはカレー喫茶が良いと思いまーす!」

青「……はい、他に案が有る人ー」

黄「ちょちょちょ、無視は無いんじゃない!?」

青「あんたはカレー以外能が無いの?」

黄「うぅ……カレーはおいしんだぞ……」

無「良いんじゃないか?カレー喫茶」

青黄『色無!?』

無「だって黄色のカレーがめちゃくちゃ美味いのは青も認めるだろ?絶対売れるって」

青「まぁ、確かにそうだけど……」

無「じゃ決まりだな。良かったな、黄色。お前のカレーを披露するチャンスだぞ?」

黄「よーし、みなぎってきたーーーー!!」



ありがとうございましたー!

黄「ふいー!これで完売だよ!嬉しー!」

無「良かったな。これは売り上げ学校1位も夢じゃないぞ」

黄「……色無、何で助けてくれたの?あたしでさえどーせ皆にネタ扱いされると思ってたのに……」

無「まー何というか、やっぱり黄色のカレーが美味いと思ってるから、かな?お前のカレーに対する思い

は本気だってのも分かってるしな。いっつも見てたら分かったんだ」

黄「色無……それってどういう……」

無「カレー作ってる時とか、それを俺とかが美味そうに食ってるとき、お前1番可愛い顔してるもんな」

黄「え?……ぇええ!?ちょ、もう一回言って、特に最後の方!!」

無「恥ずかしくて言えるか、何回も……ま、とにかく片づけるか」

黄「色無ぃ……今言った事全部本気にしちゃって良いの?私バカだからすぐ本気にしちゃうよ?」

無「……本気にしてくれると、助かるんだがな」

黄「ほえ?」

無「あ〜!とにかく、お前のカレーが美味いのも、お前が可愛いのも俺が保証する!絶対に!!」

黄「色無……あ、そうだ」

無「何だ?」

黄「へへ、実は少しだけ残しておいたんだ。ホントはあたしが食べちゃおうかと思ったけど色無にあげる!」

無「お、助かるね。さんきゅ」(ぱくぱく)

黄「どうかな?」

無「うん、やっぱり美味いな!今日のは特に最高だ!」

黄「そりゃとーぜん!たった今さいこーのスパイスを入れてあげたからね!」

無「何だ?スパイス余ってたのか?」

黄「ノンノン!あたしの特製スパイスの名前は、あ・い・じょ・う♪だよ♪」

無「……そりゃ美味い訳だ」

黄「色無顔真っ赤♪」

無「お前だって、恥ずかしくなるぐらいなら言うなっつーの」

黄「色無……だ〜い好き♪」

無「……おう」

黄「『おう』じゃなくて、こういうときは何て言うのかな〜?ん〜?」

無「へっ……俺も好きだよ……これでいいか!?」

黄「うん、合格♪さーて、一口も〜らい!」

無「だ!?俺にくれるんじゃなかったのかよ!?」

黄「うるさ〜い!これからもっと食べさせてやるんだから、覚悟しときなさいよ!!」


黄「メイクレジェンドか〜」

無「ん?お前野球見てたっけか?」

黄「いやー、なんだか騒いでるもんだから。ちょっと気になるだけ」

無「騒いでんのは一部だけだろ。それにそんな事言ってても結局中日とか阪神が勝つんだよ、最後には」

黄「はーあ、まったく面白みのない事を言うね〜、色無君は。もっと夢のある事言えないの?」

無「俺は事実を言ったまでだ」

黄「っかー!つまんねー!これが夢を見る事を止めた少年の末路か!」

無「……なぜそこまで言われにゃならんのだ」

黄「悔しかったら何か夢のある事言ってみな!面白い事でも可」

無「お前は何様だ?しかし、夢のある、面白い事か……」

(黄『あたし気付いたの!今はカレーよりラーメンの時代だって!』)

無「ないない」

黄「?」

(黄『ちょっと、静かにしてくれる!?読書に集中できないんだけど!!』)

無「ふふ」

黄「なによー、にやにやしちゃって。なんか面白い事思いついたの?」

無「いや、お前の事考えてたら面白いなーと」

黄「な!?それどういうことよー!何考えてんのか洗いざらい吐けー!!」

(黄『ごめん、すごく寂しいの……一人にしないで?』)

無「だっはっははは!無いって!黄色に限って!」

黄「んもー!!知らない!!」



黄「どういう意味なんだろう……一緒に居て面白いって事なのかな……?ねぇ色無、あたしはあんたといてすっごく楽しいよ……?」


黄「いろなしー、ちょっとみてよこれ!ねぇ!」

無「ん?なになに……『黄 食欲の秋』、合ってるんじゃないか?」

黄「ヒドーイ!」

無「え?まさか食欲が無いのか?」

黄「食欲はあるけど……、ってそうじゃなくって」

無「じゃぁ何だよ?」

黄「黄色チャンといえば、カレーの秋に決まってるでしょ」

無「(決まってるのか?)つーかオマエ年中カレーじゃねーか」

黄「わかってないなぁ、秋には秋のカレーがあるんだよ?」

無「秋のカレー?」

黄「そそ、秋の味覚満載!!」

無「何だよその安物グルメ雑誌のコピー、で秋の味覚って?」

黄「やっぱきのこかなぁ?あと新米の季節だし」

無「きのこカレーか、確かに秋だな」

黄「でしょ?あ、そうだ、黄色チャン特製きのこカレーを作るね!」

無「そういや向こうのスーパーで秋の味覚セールやってたなぁ」

黄「ホント!?じゃ、早速買い物に行こー!」

無「わかったから服引っ張るなー!」

黄「♪おいしーきのこは、ほ○と アタッ!」

無「その北斗じゃねー」

黄「きのこカレーお待ちどうさま!」

無「お、いい香りがするな。では早速いただきます(モグモグ)」

黄「どうかな?」

無「うまい!きのことカレーが絶妙にマッチしてる、やっぱり黄色の作るカレーはうまいなぁ」

黄「えへへ〜、あ、お代わりもあるからね?」

無「うん(モグモ…ポキ)ん?」

黄「どうしたの?」

無「ときどき入ってるこの硬いのは何?」

黄「え?あ、多分き○この山の軸と思う」

無「何ですと?」

黄「きのこカレーにちなんで入れてみました」

無「まさかこのためにさっき買ったんじゃ……」

黄「え?でも半分しかいれてないよ?」

無「半分で十分だ」

黄「だって、カレーにチョコレートいれると、口当たりが良くなるんだよ?」

無「だったらチョコだけでいいじゃん!」

黄「え?でも隠し味なんだし」

無「隠れてねぇって」

黄「ダメだった?」

無「いやまぁ、ダメじゃないし、案外いけるんだけど」



無「ところでさぁ、秋のカレーはわかったけど、他は?」

黄「春はマイルドで付け合せに春キャベツとか、冬は体が芯から温まるようなカレーでしょ?夏はやっぱり夏野菜とか」

無「なるほど、それはそれで楽しみだな」

黄「うん、ねぇ、また季節のカレー作ったら食べてくれる?」

無「あたりまえだろ、黄色の作るカレーなら大歓迎だ」

黄「……ありがとう」



黄(ほんとは毎日でも作ってあげたいんだけどね)


黄「色無しー、来週の土曜さ」

無「んー?」

黄「デートしよう!」

無「あー、いいよ」

黄「やたっ!じゃあ10時出発ね!」

無「おー、わかった」

黄「遅れんなよー!」



黄「………?」



無「どうした?戻ってきて」

黄「いや…ほら、デート、だよ?買い物に付き合うとかじゃないよ?いいの?」

無「ん、いいよ。黄色となら。むしろ黄色とがいい」

黄「……そんなこと、真顔で言うなよ!」

無「怒られた!」

黄「もっとこう……ドギマギしてよ!」

無「あー…ごめんなさい?」

黄「はい、やり直し!……デートしよう!」

無「で、で、デート!?」

黄「カァーット!やりすぎ!もっと自然に!……デートしよう!」

無「えー…俺絶叫系はちょっと…って言ったそばから!」

黄「カァーット!なんですでにデート中!?しかも遊園地に決まっちゃってるし!……デートしよう!」

無「…あぁ灰色…今日は疲れたからゲームは無理だよ…寝かせてくれよ…」

黄「カァーット!もう終わってるし!」



朱「いちゃついてるのか漫才なのか…微笑ましいことに変わりはないけどな」


黄「はーい、今日のご飯はカレーだよー!」

青「あんたの当番の日はいつもカレーじゃない」

赤「ほぼ週一でカレーだよね」

黄「いいじゃん! カレーおいしいじゃん! みんなも好きでしょ!?」

橙「まぁ、嫌いではないけど……」

赤「ここまで頻繁に出てくると、ねぇ……?」

黒「飽きるわね」

黄「えー!? みんなひどくない!? ねえ、色無はどう思う!? (カレーの事)好きだよね!?(ずいっ)」

無「え!? 俺は、その……(ちらっ)」

黄「ん?」

無「好き、だけど……」

黄「やった! ほーら、わかってくれる人もいたでしょ? だから色無だ〜い好き♪(むぎゅっ)」

無「おわ! バカ、抱きつくな!」

青「(色無が好きだって言うなら)しょうがないわね……」

赤「ボクもカレー大好きだよ!」

黄「何この手のひらの返しよう!?」

無「あ〜、俺女々しいなぁ……こんなカタチでしか、言えねえのかよ……」

黄「あれ? もしかしてあたし勢いで告白まがいのことしちゃった!? どうしよう……色無、気づいてないよね……」

無・黄「「はぁ〜……」」


無『……ん、ここは何処だ……つか、なんだこのにおい』

 むわわわ〜ん

無『何だかいつも嗅いでるにおいのような』

 ……どどどどどどどどどど!!

無『ん? 何だ? って、カレー!? カレーのビッグウェーブ!?』

 どどどどどどどどどどどどど!!!

無『ぎゃー!! カレーに飲まれる!! いやだー!!』

 がばっ! むにゅっ!

無「ぬおわーー!! はっ! 夢か! よかった……」

 むにゅむにゅ

無「さっきからのこの柔らかいむにゅむにゅとした感触は一体……!?」

黄「えと、その……」

無「えーと、隣で添い寝してらっしゃるのは黄色さん、ということはボクが触っているのは」

黄「いや、色無があまりにも無防備に寝てたから、つい隣で寝ちゃって……ね?」

無(き、黄色の、む、むむむむ……!)

黄「どこ触ってんのよこの変態ーーーー!!」

 どばきぃ!!!

無「俺今回なんも悪くないよねー!?」

黄「まったく……なんつーことしてくれたんだか」

無「お前が勝手に俺の部屋に入って、勝手に俺のベッドに入ってきたのが悪いんだろがー!!」

黄「う、うるさい! たまにはいいじゃん! 一緒にいて欲しいときもあるの!!」

無「え……それは」

黄「あ……ば、バーカ! エロ無!!」

 ぴゅー!

無「逃げやがった……なんたる気まずさ……」


黄「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!(バンバンバンバンバンバン!!)」

無「お前何やってんだ?」

黄「これ? ランボーのガンシュー」

無「それを嬉々としてやるのはちょっとどうなのよ」

黄「……あれ? あたし端から見ればちょっと危ない人?」

無「そう見えるな」

黄「いやーね、色無君。こんなの単なる遊びじゃない? あ・そ・び」

無「それですめばいいんだけどね」

黄「あたしが怒りのアフガンになる時はカレーを馬鹿にされた時だけだよー」

無「そんなに簡単にああなっちゃうの!?」

黄「これは馬鹿にされたカレーの分! そしてこれは汚されたカレーの分だー!!」

無「結局全部カレーじゃん」

黄「……そしてついでにあたしの分だー!!(バシバシ!)」

無「痛え! ガンコンで叩くな!! めちゃくちゃ痛え!!」


黄「色無ー。カレーできたよー」

無「おう、さーんきゅ」

黄「色無には、はいこれ! 特盛りカレー!」

無「おいおい。もともとお前が食べたいって言ったんだぞ?」

黄「……女の子には、我慢しなきゃならないときが……が、我慢しなきゃ……!」

無「黄色さーん?」

黄「やっぱ我慢できねー! すべてのカレーはあたしの物じゃーい!!」

無「ぎゃーっ! ケダモノー!! そこはらめえええ!!」

黄「ジークカレー! ジークカレー!(ばくばくむしゃむしゃ!!)」


無「ただいまー」

黄「夜遅くまで乙カレー様♪ まずはカレーにする? それともカレーにする? やっぱりカレーにする?」

無「選択肢ないじゃん……というか、ごめん。遅くなるってわかってたから夕方に少し食べたんだ」

黄「なぁにぃ!? 愛しの黄色ちゃんカレーを差し置いて、何を食べて来たっていうんだい!?」

無「カレー」

黄「よりにもよってカレーとな!? なんたる、なんたる屈辱……!」

無「だけどなーんか違うんだよなぁ……美味いんだけど、美味くないというか、なんというか」

黄「何それ?」

無「お前のカレーは、他はとちょっと違うんだろうなぁ」

黄「そりゃもう! なんてったってあたしが何年も研究して作ったカレーだもん! 既製品に負けるもんか!」

無「はは、そりゃ美味いはずだ。もうお前以外が作ったカレーは食えないな」

黄「ふっふーん♪ 色無君はもはやあたしのカレーの虜となったようだな♪」

無「『カレーの』じゃなくて、『お前の』虜、なんだけどな」

黄「ななななぁ!? 何恥ずかしいこと言っちゃってんのYO!!」

無「なんとなく、そういう気分だったんだよ」

黄「ぬぅ……これでも食って、さっさと寝ろ! お休み!」

無「赤くなっちゃって……(ぱくっ)あっ、美味い」


無「黄色、何読んでんだ?」

黄「今週読書週間じゃん? だから緑ちゃんにいい本ないか聞いたら、これ読めって」

無(うわーお! 『猿でもわかる経済学』!!)

黄「いやー、やっぱり経済っていろいろあってむずかしーんだね」

無(確かに経済学は難しいが、その本は『猿でもわかる』んだぞおおおお!?)

黄「どうしたの、色無?」

無「……今度動物園行こうか?」

黄「え!? なんで!? まぁいいや! わーい動物園! お猿さんだー! ウッキー♪」

無(黄色、お前って奴は……ホロリ)


黄「コタツでぬくぬくしながら食べるカレーはおいしいね〜♪」

水「ねー♪」

黄「毎日でも食べたいよね〜♪」

空「えー?」

水「ま、毎日はちょっと……」

黄「あれれー? みんなカレーは嫌いかなー?」

茶「あれ? みんなはカレー嫌いなの? 私はこんなに美味しいカレーだったら、毎日でもいいかも……」

空「駄目です茶先輩! そんなこと言ったら……」

黄「だよね! だよね! フヒヒwww明日はどんなカレー作ろうかなぁ……」

空「ああ、やっぱり……」

茶「ふええ!?」

水「ご、ごめんね、空ちゃん……」

空「なんで水先輩が謝るんですか!?」

黄「本当はわかってるよ、私だってさぁ……みんなが実はカレーそんなに好きじゃないってことくらい……」

橙「まあまあ、落ち込むなって。その残ったカレー、一緒に食べてあげるからさ」

黄「うう……橙ぃ……(ガバッ)」

橙「よしよし(ナデナデ)」

赤「それでボクのところに来た、と」

橙「はい……残しちゃいけないと思って……」

黄「ごめん……橙……道連れにして……」







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Last-modified: 2012-10-21 (日) 03:27:47