黄メインSS

無「あのさ、黄色」

黄「何?」

無「光熱費だってタダじゃないんだから、道楽でカレー作るの控えたら?」

黄「い、色無はカレー嫌いなの?(涙目)」

無「別に嫌いじゃないけど、毎回3時間4時間平気で煮てるじゃん」

黄「カレーは煮ないと美味しくならないよ」

無「それでも煮過ぎだと思わないのか?」

黄「それじゃ、色無は普通にカレー用の牛肉買うといくらか知ってる?」

無「知らないなぁ」

黄「この辺で1番安い角のお肉屋さんでも100g380円もするのよ!」

無「ふ〜ん」

黄「それが赤味スジ肉だと100g200円、スジ肉なんか100g160円で買えるんだよ!」

無「ウチは人数が多いから結構変わってくるんだろうな」

黄「全く、肉代とガス代、どっちが高いと思っているのかね、君は!」

無「はい、スイマセンでした」

黄「もう少し君は社会と数学の基礎からやり直し給え。うむ」

黒「そんな優秀な黄色が、毎回社会も数学も赤点取ってくるのはなぜかしら?」


黄「お〜い、みんな〜。晩ご飯できたよ♪」

一同「はぁ〜い(どうせまたカレーなんだろうな)」

黄「今日はちょっと違うからね」

一同「……(でも、この匂いはどう考えてもカレー……)」

黄「今晩はお肉もお魚も野菜もいろいろと入ったチャンコ鍋だよ〜♪」

一同「おおお!(それじゃ、この独特の匂いは)」

黄「もちろん、スープのベースは黄色ちゃん特製カレーでぇす♪」

一同「やっぱり……」


無「お〜い、今晩のオカズ何?」

黄「かれいだよ!」

無「また、カレーかぁ〜。ビーフ? ポーク? それともチキン?」

黄「ブッ、ブ〜♪ お魚の鰈だよ」

無「(ああ、助かった!)それ、焼いたやつ? それとも煮たやつ?」

黄「から揚げにして、上から根菜類タップリのカレー餡をかけてあげるね [heart]

無「やっぱり……」


黄「あったかカレーまん〜♪」

無「お前はホントにカレー好きだよな」

黄「他にも好きなものあるよ! 今色無が持ってる肉まんとか〜」

無「やらんぞ?」

黄「そんなこと言わずにさ〜、今ならわたしのおいしいココアを半分飲む権利をつけちゃうから!」

無「うっ! それは魅力的だ……」

黄「だからいいでしょ! 半分こしよっ!」

無「……しかたないな」

黄「わーい!! ……ね、色無」

無「何だよ」

黄「何で肉まんとかココアは半分ずつにしたのに嬉しい気持ちは増えるんだろうね?」

無「……しらねー」

黄「うわ、つめた!」

無「……黄色、いきなりそんな恥ずかしいこと言うなよ」

黄「あ、なんだ照れてるんだ! かーわいー」

無「ああもう! さっさと行くぞバカ黄色!」

黄「あいあいさー」


黄「あ、色無だ! おーい、色無ー! やほー!」

無「黄……道ばたででかい声出して呼ぶなって前にも言っただろ! 恥ずかしいんだよ!」

黄「あー、そうだった。ごめんごめん。それはともかく、テストどうだった?」

無「全然反省してねえし……まあいいけど。今日は得意な科目ばっかだったし、割とできた感じかな。黄は?」

黄「あー、私はいつも通りかもー。はあ〜、何とか春休みまでには追試終わらせたいなあ……」

無「まだ当分先だろ。何回追試受けるつもりだ」

黄「それはそれとして! せっかくテストも終わったことだし、打ち上げ代わりにファミレスでちょっと豪華なランチとしゃれ込みますか!」

無「自分から話し振ってきたくせに……昼飯か。確か黄緑は用事で遅くなるって言ってたし、寮で自炊もだるいしな。つき合ってもいいぞ」

黄「やったー! あのね、駅前のお店でストロベリーデザートフェアやってるんだって! そこにしよ! ゴチになります!」

無「最初っからデザートの話かよ。ほんと女って甘い物好きだよな……つーかゴチになりますってなんだ! おごらねーからな!」

黄「ふー、おなかいっぱい。ご飯もデザートもおいしかったねー。ゴチに——」

無「何度も何度も言うが、おごらねーからな。しかしまあ、デザートにイチゴのムースとティラミス、2つも頼みやがって……よくそんなに入るな」

黄「言い伝えにもあるように、甘い物は別腹なのだよ、色無くん」

無「そんなくだらないこと言い伝えるな。どうせまたすぐにダイエットダイエットって騒ぐくせに、何でそんなに食べるかね」

黄「これも言い伝えにあるように、ダイエットと甘い物は別腹なのだよ! てか体重の話はするな! 不謹慎だぞ!」

無「いろいろと意味が分からん。それを言うなら『デリカシーがない』だろ。まあお前に気を遣うつもりは毛頭ないけど」

黄「むー、いじめっ子め……あ、アンケートがある。『お答えいただいた方の中から抽選で100名様にデザート一品無料』だって! どれどれ……」

無「おい、あんまり個人情報書くなよ。最近物騒だからな」

黄「だいじょーぶだいじょーぶ……お、これは……むふふ」

無「? なんだ、含み笑いなんかして。気持ち悪いな」

黄「ねえ、これ何番選んだらいいと思う?」

 『問3.本日はどなたとご一緒にご来店いただきましたか? 1.ご家族 2.ご友人 3.恋人 4.その他』

無「……」

黄「ねえねえ、どれだと思う? ねえってば」

無「しつこいなあ……2でいいんじゃねーの? それが普通だろ」

黄「……ふーん。私と色無って『ご友人』だったんだ。そっかー。へー。そっか……」

無「……あーもう、そんなしょげた顔すんなよ! 分かったよ、ほら貸せ! ……ほら、3に○つけたぞ。これでいいんだろ?」

黄「えへへー、色無大好き!」

無「わ、馬鹿、やめろ! みんな見てるだろ! おごるから! おごるから離せ!」


 黄色が新妻だったら

無「ただいま〜」

黄「おかえり! カレーにする? お風呂にする? それとも、わ・た・し?」

無「今日の夕飯もカレーかぁ……」


『かれーのきせつ』

黄「色無、春よ!」

無「春だな」

黄「春といえば、カレーの季節」

無「お前、冬といえばカレーの季節とか言ってなかったか」

黄「……冬もカレーの季節。体が温まるしね」

無「夏は?」

黄「暑いときはやっぱりカレーよね」

無「秋は?」

黄「秋野菜とカレーのコラボは絶品よね」

無「どうみても一年中カレーです、本当にありがとうございました」

黄「いつだっておいしいのがカレー、異論は認めないわ」

無「で、カレーの季節がなんだって?」

黄「春野菜のカレーを作ってみました、感想をどうぞー」

無「今食っていいのかよ」

黄「いいのよ、試作品だから。ほら早く」

無「試作品って、実験台かよ。まぁ食べるけど」

黄「どう?」

無「……普通にうまいが?」

黄「だめだなー色無は、普通においしい、はほめ言葉じゃないよ」

無「……じゃあ、何で嬉しそうなんだよ」

黄「おいしいといわれて嬉しくない料理人がいるとでも?」

無「まぁ、付け合せのキャベツもいい味だし。俺は好きだな」

黄「なるほど、色無はこういうのが好きなのね」

無「俺はな、でも他のみんながどう思うかは別だし、他のやつにも聞いたほうがいいんじゃないか?」

黄「聞くけどね、とりあえずメモメモと」

無「すごいな、料理メモ2冊かよ」

黄「片方は特別製だからねー、将来のための」

無「将来? 調理師志望だっけ?」

黄「そうよ、将来の夢は専属料理人」

無「大変そうだな、でも、お前ならきっとなれるよ。それだけ熱心なんだからな」

黄「ありがと、でも競争率高いのよねー」

無「そうなのか、健闘を祈る」

黄「手ごたえはあるから、もっとがんばるわよ」


「いろなしー」

「んー?」

「あつ(ペシ)いったぁい……」

「いいか黄、その言葉を言うんじゃあない」

「ぅなー……だってぇ、このままじゃとけちゃうよぉ……」

「よし、じゃあちっと待ってろ」

「逃げるなぁー」

「いや逃げるも何も、すぐそこの冷蔵庫行くだけだから」

——ガラガラガラ、カランカラン

「ほれ、氷」

「……」

「し、死んでる」

「まだいきてるよ、バカぁー!」

「なら何か反応してくれよ」

「ふつうここはアイスがでてくる展開だと思うのです」

「悪かったな期待ハズレで」

「あー」

「あ?どした?」

「あーん」

「はいはい。ほれ」

「んく。~ぅあー、ひゅめひゃい」

「まだまだあるぞー」

「いひょなひはたへひゃいの?」

「くたばったお嬢様を復活させてからな」

「(ガリガリ、コクン)んー……しょうがないなぁ。はい、あーん」

「やめなさい」

「食べてくれないと灰から教えてもらったタンスの下から二段目右奥あさっちゃうぞ☆」

「あーん」

「よしよし、いいこさんだねー」

「あー、うまいな氷」

「だねー。もひとつちょうだい?」

「ん、あーん」


黄「ねー、色無は猫と犬、どっちが好き?」

無「猫。断然猫」

黄「そっかー、猫かぁ……(ごそごそ)」

無「それがどうかした、か……!?」

黄「にゃーん♪」

無「そ、そのネコミミは!?」

黄「どうにゃん?」

無「ぐ、グレイト! ワンダフル! パーフェクト! マァァァベラス!!」

黄「気に入ったかにゃん? 一緒に遊んでにゃん♪」

無「で、何やってんのお前?」

黄「急に素に戻んないでよ……」

無「いや、冷静に考えてみたらな」

黄「似合わない?」

無「いや、似合ってるけど、何してんのかなーと」

黄「……色無が猫好きだって言ったから」

無「それだけ?」

黄「……最近、色無あんまり構ってくれなかったから」

無「お前……ほんとバカだなぁ」

黄「しみじみと言うなぁ!」

無「ま、そんなとこがわいいんだけどな」

黄「む、むぅ……」

無「さてと。そんじゃまっ、遊びにでも行きますかね」

黄「どこに行くにゃん?」

無「それはもういい」


無「ただいまー……っと」

黄「zzz……」

無「まーたリビングで寝ちゃって。暖かいからって油断してると風邪ひくぞ? おい、起きろ」

黄「んー……あと1時間〜……」

無「長いな、それは」

黄「色無ぃ〜……zzz」

無「……俺が帰るの、待っててくれたのかね」

黄緑「あら色無さん、お帰りになってたんですか」

無「黄緑、しーっ」

黄緑「あらあら、黄色ちゃんこんな所で眠っちゃって……風邪ひいちゃいますよ」

無「黄緑、このバカの事は俺に任せてくれていいよ」

黄緑「そうですか? それではお言葉に甘えて。宜しくお願いしますね?」

黄「……ふぁ……あれ、あたし寝ちゃってた?」

無「よう、起きたか」

黄「おあ!? い、色無、なんで!? っていうかいつ帰ってきたの!?」

無「ざっと2時間ぐらい前からってとこかな」

黄「ありゃー、完全に寝ちゃってたか……まさか、2時間前からずっとそこにいるとか言わないよね?」

無「いたけど何か?」

黄「うえ〜ん、色無に視姦されちゃったよ〜ぅ」

無「やかましいよバカ」

黄「……ごめんね。ちゃんと待ってて、『おかえり』、って言ってあげようと思ってたのに。逆に起きるの待たせちゃったみたいで」

無「別に構わねえよ。良いもの見せてもらったし」

黄「色無……その言い方、なんかエチぃ。っていうかやっぱ視姦してたんじゃん」

無「俺はまだ何を見たとは言ってないが? ま、お前の可愛い寝顔の事なんだけどな」

黄「ほらっやっぱり」

無「お前それ自分で自分の事可愛いって言ってるみたいだぞ?」

黄「誰かさんが前に『かわいい』って言ってくれたからね。自信持つことにしたの」

無「ったくこいつは……」

黄「えへへ……ねぇ色無?」

無「ん?」

黄「おかえり」


TV『今週の検索数急上昇キーワードは、カレーソーセージです!』

黄「色無〜、これ食べに行こ〜! カレーソーセージ!」

無「お前、いくらカレーだからって……それにこんなもんなら自分でも作れそうじゃないか?」

黄「バカだな〜。本場のものを食べてからじゃないと、自分では作れないんだよ〜?」

無「バカにバカって言われた……!」

黄「ぐだぐだ言ってないで、レッツゴー!」

黄「ふぅむ、これはなかなか……(ぱきゅっ!)」

無「ドイツでは若者に人気のファストフード、だそうだ」

黄「ケチャップもかかっちゃってるけど、悪くはないな……(ぱきゅぱきゅ)」

無「ひょいひょい食べれるな」

黄「ごくごく、ぷはっ! これっ、ビールによく合うね!」

無「まぁ正にドイツって感じだしな。っておいこら未成年! 何飲んでんだ……!?」

黄「い〜じゃ〜ん! 黙ってればバレないって! ね〜、いいでしょ〜?(頬すりすり)」

無「! ……あぁもう知らんぞ!」

黄「ふふっ! ありがと、色無!」

無「……俺にも一口くれ」

黄「はいどーぞー。これで色無も同罪ねー」

無「ばれたらお前に罪全部なすりつけてやる……」

黄「まーたそんな事言っちゃって。結局全部自分のせいにしようとしてるくせに?」

無「んなわけあるか」

黄「『俺がこいつに無理矢理飲ませました』って言うつもりでしょ? だから今色無も飲んだんでしょ? そんな事してもかっこよくないよ?」

無「……」

黄「けど、大好き」

無「……ふん」

黄「ね? これ、朱色さんに買って帰ろっか?」

無「あぁ、あの人なら喜ぶだろうな、つまみとして……」


 『カレーがスタンダード?』

 『あのさ、黄……』

 ん? なに色無、どしたの? 珍しく真剣な顔しちゃって。 

 『もういい加減、はっきりさせておかないか』

 え? はっきりさせるって……? んー? なんかモヤモヤしてることあったっけあたしたち。

 『俺もう耐えられないんだ。お前が俺以外のことに夢中になって、目キラキラさせてんの……』

 な、ちょっと何言ってんのよー! あたしが好きなのは、その、あんただけだよ? ずっとそう言ってるじゃん! 浮気とかするわけないじゃん! 色無、なんか勘違いしてるよ、きっと……。

 『だから今はっきりさせよう。お前にとって本当に大切なものがどっちなのか』

 もーわけわかんないー! ちゃんと話聞いてってば! 一人で話進めないでよー!

 『……黄。お前、俺とカレーとどっちがお前にとって大切だと思ってるんだ? 俺とカレーのどっちが好きなんだ?』

 ……ちょっとドキドキな雰囲気かと思えば、何よーこのオチはぁ。あーあ、あいつが夢に出てきた朝って、気持ちいい目覚めを迎えられたためしがないなぁ。

 まあ、わかってましたけどねー。あたしだけの夢の中でさえ、色無は色無で、なぜか全然あたしの望むとおりに動いてくれたりしないんだもん。夢の中では恋人気分とか、それこそ夢のまた夢ってもんだよ。

 それに、別に味わいたくもないしねーそんなもん。甘い夢なんて、目が覚めたら余計みじめになるだけじゃん。夢の中でだけ自分を特別に扱ってくれて、現実ではその他大勢とおんなじ扱い。そんなの逆に耐えらんないもん。それで満足できるなら、それは相手のことが本当はたいして好きじゃないからだと思うな、あたしは。

 でもでもでもさー、今日のこれはなんなの? 色無ぃ、あんたヘタレ過ぎでしょ。なんで自分の比較対象に「カレー」をチョイスしちゃったかなー。それ食べ物じゃん。食べ物にジェラシー感じるってどんだけ卑屈なのかね。いくらあたしがカレー命だからってさ、あんたを好きって思ってる気持ちと比較なんてできるわけ……。

 でも実際あいつがもしこんなドヘタレなこと聞いてきたら……うぬぅぅ。カレー好き歴と色無好き歴って、正直カレーのほうがはるかに長いし。色無のことなんでも答えられるかって言われたら遺憾ながら無理だけど、カレーのことなら任せとけっ! って思ってるし。色無はあの天然女たらしっぷりがたまに嫌になっちゃうこともあるけど、カレーはあたしを裏切らないし……あれ? 何この結果? 色無の完敗? 『色無<カレー』の不等式成立? ってぇダメダメダメダメ! 何真剣に比較しちゃってんのあたしは! これじゃあドヘタレ色無と同レベルになっちゃうじゃん!

 色無は人間! 男の子なの! カレーは食べ物! 生きる糧なの! 2次元と3次元ぐらい違うんだからね! バカ! あたしってバカ……あれ? 『カレーは生きる糧』? なんかこれって、すっごくウェイト大きくない? 『カレーがあれば生きていける』的であり、『カレーがないと生きていけない』的でもあり、そんなニュアンスを感じるような。うぬぅぅぅ……はぁ、ダメだああたし。やっぱりカレーとおんなじくらい色無のこと、っていや逆! 逆! これじゃカレーが基準になっちゃうから! はいやり直し! はぁ、ダメだああたし。やっぱり色無とおんなじくらいカレーのこと好きなんだあ……うぅーんごめんね色無。ごめんねカレー。


男「ただいま、新郎新婦のお色直しが終わったとの連絡が入りました」

他「おお〜」

男「それでは新郎新婦は入場後、初めての共同作業を開始させて頂きます!」

赤「何するんだろうね?」

青「ケーキカットかしら?」

群青「あら、でもケーキは届いてないわよ?」

灰「もしかして公開子作り——」

黒「そんなに死に急ぎたい?」

灰「いえ、滅相もございません。お姉さま」

橙「キャンドルサービスじゃない?」

黄緑「そんな雰囲気ですね」

男「色無君と黄色さんの入場です。盛大な拍手でお迎え下さい!」

 パチパチパチ

黄「一晩寝かせた黄色ちゃん特製カレーをこれからお配りさせて頂きま〜す♪」

無「……」

他(まさかとは思ったけど、やっぱり……)


無「お〜い、起きろ〜」

黄「むにゃ〜?」

無「今日はお前からデートに誘ったんだろ? 起きれー」

黄「……おはようのちゅー」

無「あ?」

黄「おはようのちゅ〜う〜。してくれないと起きれない〜」

無「……目ぇつむれ」

黄(わくわくてかてか)

無「……バカやってないで起きろっつーの(ほっぺたぷにっ)」

黄「むー。愛が足りないー」

無「む、このやわらかさは……思った以上に……(ぷにぷにぷに)」

黄「むにゅ〜。話聞いてるー? ほっぺたぷにぷにするなーぁ」

無「あぁ、悪い。けど起きたみたいだな」

黄「ちぇっ。いいけどさ、別に……」

無「……(ちゅっ)」

黄「……ん」

無「ほら、お姫様のリクエストにも答えたんだからさっさと準備しろよ」

黄「もう1回してくれたら、お姫様は大喜びなんだけどなー」

無「ったく、ワガママなお姫様だこと……(ちゅっ)」


黄「ひざまくら〜♪ いーろなしーのひざまーくら〜♪」

無「野郎の膝枕がそんなにいいか?」

黄「んー。男の子の、っていうか色無のがいいんだよ?」

無「あーそうかい」

黄「もう、リアクション薄いなぁ。うりうりぃ〜」

無「頭ぐりぐりすんな。くすぐったい」

黄「だったらこうだ! にゃんにゃん♪」

無「だぁっ、こら、べたべたすんな」

黄「いいじゃん別に! 最近寒いんだし」

無「最近寒くなってきたから暖房つけ始めて、今は若干暑いんだよ!」

黄「え〜? あたしはあったかくて気持ちいいけどなぁー」

無「オ・レ・は・暑いの!」

黄「まーたまた。愛しの黄色ちゃんとにゃんにゃんできて嬉しいくせに。照れ隠しかい?」

無「バカも度を過ぎると哀れだな」

黄「うるさいやい! 黙ってカイロになってな!」

無「……お前、そんなに冷えんのか? なんか温かい飲みもんでも持ってくるか?」

黄「んーん。こうしてれば、平気(ぎゅっ)」

無「そうかい」

黄「うん。色無が傍にいてくれれば、ずっとあったかいから……だから……」

無「わぁったよ。飯の時間までだぞ?」

黄「ん……」

 だから、このまま。


 石焼〜芋〜、焼き芋がおいしい季節となりました、いしやきぃいもぉおいもぉ〜

黄「あ、焼き芋屋さんだ!」

無「もうそんな時期なのか」

黄「やっきいも! やっきいも! 今年最初のやっきいもっ!」

無「……なんだろう、すごくデジャビュなんだが?」

黄「おいもー」

無「そういや春先に『今年最後の焼き芋』って、たかられたような」

黄「細かいことはキニシナイ! お礼に寮でおいしいカレー作るからさ」

無「それじゃいつも通りじゃねーか。まぁいいや、あ、焼き芋下さーい」

黄「え? それって? あれ?」

無「ほれ、デカイのにしたから半分こな?」

黄「あざーす、やっぱ色無は優しいねぇ……アチッ」

無「いきなりかぶりつくなって。焼き芋は逃げないんだから」

黄「いや、おいしそうだったから、つい」

無「(モグモグ)あ、でもホントうまい」

黄「(パクパク)甘くておいしー、あー幸せだー」

無「安いヤツだなぁ」

黄「うるさいなー、みんな大好き焼き芋なんだから仕方がないじゃん」

無「何だよそれ。まぁでも子供から大人まで人気あるよな」

黄「やっぱりお芋だけに」

無「ん?」

黄「おいも若きも、なんちってー」

無「……」

黄「あ? あれ?」

無「つまんないので焼き芋はボッシュートとなります。チャラッチャラッチャー」

黄「あ、ちょっと待って! ってかあたしの分食べるなー!」

無「皮は残しといてやるから」

黄「ひどーい。ちくしょー、こうなったらそっちを食べてやる(パクッ)」

無「俺の分にかぶりつくんじゃない!」

黄「うるひゃい、こっちの焼き芋はいただいた!」

無「わ、わかったから落ち着け。ほら、俺の分やるから」

黄「ふふーん、わかればよろしい」

無「何いばってんの? つかオマエの分ほとんど残ってないじゃん。食べるの早すぎ」

黄「色無が食べるの遅いんだって。お芋が増えたー、エへへ」

色無(まぁうまそうに食ってるからいいか)

黄「ごちそうさまでした。そういやさっき」

無「ん?」

黄「『いつも通り』って言ったじゃない? あれってさぁ」

無「あぁ、『おいしいカレー作る』って言ったからな」

黄「えーと」

無「オマエの作るカレーはいつもうまいからなぁ」

黄「あ、ありがと」

無「何かこんな話してたらさぁ、カレーが食べたくなってきたかな」

黄「あ、うん、じゃぁ今日は『すごくおいしいカレー』作るね!」

無「それは楽しみだ。あ、でも寮に材料あったっけ?」

黄「うーん、何とかなるかも知れないけどわかんない」

無「じゃぁ買い物行く?」

黄「うん!」


黄「いろなし〜、えへへ〜♪ いろなしぃ〜」

無「酔っぱらってやがる……弱いんだからそんな飲むなってあれほど……」

黄「なんですか〜いろなしくーん?」

無「なーんでもございませんよ」

黄「むー、またあたしに言えないようなこと考えてたの〜? えっちいろなしー。きゃはははは!」

無「ちげえっつーの。声でけーっつーの。酔っぱらい」

黄「はーい酔っぱらいでーす!」

無「認めたよこの子」

黄「なによーいろなしのくせにー」

無「え? 俺のび太君みたいな扱い?」

黄「うぅ、いろなしなんて、いろなしなんてぇ……」

無「笑って怒って泣いて、大忙しですね」

黄「いろなしなんてぇ……だいすきだーーーー!!!」

無「知ってる」

黄「いろなしはぁ?」

無「あ?」

黄「いろなしはあたしのことすきなのー? ねーえ?」

無「いつも言ってるだろ?」

黄「いま聞きたいのぉ、ねぇどうなのー?」

無「……好きだよ。愛してる」

黄「えっへへー♪ あたしもすきー。だいすきー!(がばっ!)」

無「あぁもう酒くせーなぁ、ったく……(ぎゅっ)」

黄「いろなしー……好き……」

無「……俺もだよ(ちゅっ)」


黄「色無ー、テストの結果はどうだった?」

無「まぁ悪くはねえな。お前は……聞くまでもないか」

黄「おっと、舐めてもらっちゃ困るなー。見よ!(ばっ!)」

無「こ、これは……ぎりぎりだが、赤点はない!」

黄「へっへーん。どーよ? がんばったんだから!」

無「普段のお前を考えれば、これはもはや奇跡だ!」

黄「それはちょっと言い過ぎだよぅ……」

無「お前もやりゃできんじゃん」

黄「そうなの! あたしはやればデキル子! ……ということで、ご褒美ちょーだい?」

無「え? そんな約束してたっけ?」

黄「してないけど、がんばったんだもん。大丈夫、たいしたことじゃないから」

無「まぁそれならいいけど……で、何が欲しいんだ? カレーか?」

黄「頭撫でて」

無「お?」

黄「だーかーらー、頭ナデナデして、って言ったの!」

無「いやまぁ、やれっつーならやるけどさ(なでなで……)」

黄「はぅあー……♪」

無「よくできましたー、よくできましたー(わっしゃわっしゃ)」

黄「うにゃー♪」

無「これが目的で今回がんばったのか?」

黄「まぁそれもあるけど……」

無「けど?」

黄「補習になっちゃったら、色無と一緒にいる時間減っちゃうじゃん」

無「……あぁ、なるほどね。そりゃ俺でもがんばるわ(ぽんぽんっ)」

黄「えへへー♪ もっとなでてー」


『え?』

黄「うーん。困ったよぉ〜〜」

無「何? どうしたんだよ」

黄「この前の歴史のテスト直しが分からないんだよー。あとここだけなのに」

無「ん? どれができないんだよ。見しちみ」

黄「えっとね……ここ」

問)織田信長は、「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」、徳川家康は、「鳴かぬなら鳴くまでまとうホトトギス」、では、豊臣秀吉はなんでしょう。

答)鳴かぬなら私が鳴こうホトトギス

無「え?」

黄「え?」

無「……ええ?」

黄「何よぅ」

無「え……普通に考えてここは『鳴かぬなら鳴かして見せようホトトギス』だろ。何で秀吉が鳴くんだよ」

黄「あ、そっかー。さすが色無! あったまいいー!!!!」

無「いやいやいやいや……お前だってホトトギスの代わりに鳴かないだろ? それと同じだって」

黄「え? 私、色無の前では鳴いてもいいよ?」

無「何それ。誘ってんの?」

黄「え?」

無「……いや……別になんでもない。気にすんな」

橙「なにあの二人……甘すぎるわ……」

桃「ムカつくねぇ」

橙「本当に」

桃「天然は私のキャラなのに……!」

橙「え? そっち?」


無「あ゛〜、疲れたー……」

黄「お帰り、色無!」

無「うおっ、黄色! お前まだ起きてたのか?」

黄「今回はちゃんと起きてました」

無「こんな時間まで起きてて……」

黄「こんな時間までバイトしてたのはどこのどなたかな?」

無「む……」

黄「しかもここ最近毎日じゃん! そんなんじゃ体壊しちゃうよ!?」

無「やっぱこの時期は稼ぎ時だからさ……わりぃ、心配掛けて……寂しい思いさせた」

黄「だ、誰も寂しいなんて……」

無「ちがった?」

黄「……さみしくはなかったもん。ただ、いつも色無が一緒にいないのが嫌だっただけだもん……」

無「悪い。けど、今日で一段落したからさ。もう、大丈夫だから(ぽんぽん)」

黄「ん」

無「よーしよしよし(わしゃわしゃ)」

黄「ムツゴロウさんみたいにして……動物じゃないんだから」

無「嫌だった?」

黄「……別に」

無「そうかそうか(なでなで)」

黄「あったかいなぁ、色無は……こんな風に思うのも久しぶりなんだけどなぁ」

無「悪かったって」

黄「バツとして、今日は朝まで抱っこの刑ね」

無「はいはい……罰なのかねぇ、これ」

黄「うるさい! さっさと寝る!」

無「へいへい……おやすみ、黄色」

黄「ん……おやすみ、色無」


黄「今年ももう終わりだねー」

無「そうなー。あっという間だったなー」

黄「ほいできた。年越しカレーそば」

無「ん、サンクス」

黄「今年一年、振り返ってみてどうですか? 色無君は」

無「いい年だったよ。うん、幸せだった」

黄「うん。あたしもすっごい楽しかったし、嬉しかったし、幸せだった。色無がいたから」

無「俺も……まぁ、お前と一緒にいりゃ暇することはなかったわな」

黄「いい意味で受け取っときますよ」

無「どうぞどうぞ」

黄「っていうかソバ食べれ。伸びるから」

無「お前から話振ってきたんだろーが……(ずるずる)」

黄「来年も、ずっと一緒にいようね? 色無」

無「来年だけでいいの?」

黄「え? あの、えと……」

無「十年先も、二十年先も、な」

黄「うん……一緒に」


『失恋キャンディ』

「はあ……」

 いつもどおりの帰り道。俺は足元をただただ見つめてトボトボ歩く。

 虹色高校1年生、俺色無は、初失恋をしてきました。

 お相手はクラス1可愛い水。そんな水が、今日赤とキスしてるとこ見ちまった。

 つくづくタイミング悪いよな、俺。

「はあ……」

 ため息をついてると、後ろから元気な足音が聞こえてくる。

「色無の旦那〜!!」

 声の主は黄色だ。振り向かなくても分かる。テンションがいつも爆発してるアイツと今一緒にいるべきか迷うが、取り合えず返事。

「よぉ」

 黄色はテンション低めの暗い顔した俺に戸惑った風に目を大きく開いた後、またいつもどおり笑った。

「なーにー? ふられちゃったあとみたいな顔して!」

 グサッ。こいつ無駄に観察力鋭くね?

 少し頭に血が上ってくる。いや、怒ってるわけじゃないんだが。

「え! まさか……本当に……?」

 だーかーらー。こういう観察力とか期待してないんだけど。

「……そのとおりですよ……」

「嘘! 誰に、誰に!」

 やっぱこうくると思ったぜ……まあ隠す必要もないし言おう——。

「あっ! 水ちゃんか!」

 さすがにコレは……!

「何で知ってんだよ〜。そんなに顔に出てた?」

 予想外の観察力にはまいった。そんな俺を見て急に黄色は顔を赤らめて、

「そっそうよ! 顔にでまくりよ! ……別に色無をずっと見てたわけじゃ……」

 そっかー、顔にでまくりかー。恥ずかしいー。

「……ま、まあ! 元気だしなって! 私も失恋したばっかなんだ!」

「え! うそだろ!」

 こいつに好きな人なんかいたのか!?

 黄色は少し顔を曇らせ、

「……うん……。たった今、ね」

 そうつぶやいた。それからパッと笑顔の顔を上げて、

「ほら、これあげるから元気だしなって!」

 俺に黄色い袋をくれた。

「何でキャンディ?」

 手のひらにはレモン味と書かれた飴がひとつ。

「失恋したときは甘いものがいいよ。それ食べて元気だそ!」

 そう言って黄色は自分のキャンディを口に含む。それから大きく手を上げて、

「いつかこんなに大きいキャンディ食べたいね!」

 と言った。それはまるで太陽を持ち上げてるみたいで、すごくきれいだった。

「……そうだな!」

 おれはキャンディを口に入れて、笑顔で答える。今度は黄色にソーダ味のキャンディをあげようと思いながら。


『黄色ちゃんと一緒!』

無「あーあ」

黄「入学式だよ! 入学式!! 一緒のクラスだね!!!!」

無「そうだな……」

黄「なあにぃ? そんなしょげて。あ、男と学校違うから?」

無「ああ……まったく……」

黄「えー。いいじゃん。私と一緒だし」

無「……(チラッ)はあ〜」

黄「ちょ!! 何その態度!! ひっどー」

無「だって……お前だぜ?」

黄「何その言い草!! 私のどこが不服よ!!」

無「口でかい。うるさい。寸胴。足遅い。頭悪い。どこをとっても不服」

黄「そんなことばっか言うとキスして口ふさぐよ?」

無「うーわ。どんびき」

黄「うーるーさーいー!! 何はともあれ、色無はこの黄色ちゃんと一緒よ!!」

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無「はいはい、そうですねー(スタスタ)」

黄「ちょっ! 待ちなさいよーーー!!」

橙「何か……あの二人を近づけたら危険かも……」


黄「さあ今日もカレー作るぞー!!!」

青「……なんかさ」

黄「へ?」

青「何かいつか、黄色ちゃん、カレーになっちゃいそう……」

黄「カレーになる?」

青「そう。なんかこう……大鍋にカレーと一緒に入ってグツグツみたいに」

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黄「カレーと一緒に……」

青「まさか……。変な考えおこしてないよね?」

黄「はっ !いやいや、全然!カレーと一緒になりたいなんてこれっぽっちも!!」

青「(バリバリ考えてる……)ならいいけど」

黄「(一人暮らししたら大鍋を買って……)ふふ♪」


無「あー、テスト勉強疲れたー。っと、もう1時かよ」

黄「あれ、色無、まだ起きてたの?」

無「おお、黄色。まあ最後の悪あがきだよ。お前は?」

黄「お腹すいたから夜食ー。色無も食べる? カレーうどん」

無「やっぱカレー系なのな。食べるけどさ」



黄「へい、できましたよっと。食いねえ!!」

無「いいねえー。蕎麦屋さんのカレーうどんの味がする」

黄「ふっふ。私の作ったカレーがまずいわけないじゃない」

無「うんうん。あ、そういえば黄色。この前、数学で“円周率を小数第20位まで求めよ”っていうお遊びテストあったじゃん」

黄「うん」

無「あれさー、黒すらも解けなかったんだけど、学年で1人、解けた奴がいたらしいぜ。一体誰だろーな。その超天才脳のやつは」

黄「あー、それ私」

無「は?」

黄「あの小テストでしょ? あれ、私満点だったもん」

無「……! い、いやいや、そういう冗談はいらねってw」

黄「本当だよー」

無「じゃあ言ってみろよ、覚えてるとこまで」

黄「3.14159265358979323846264338327950288419716939937510582097494459230781640628620899862803482534211706798214808651328230664709384460955058223172535940812848111745028410270193852110555964462294895493038196」

無「ちょ、ちょーっとストップ!!! ……え?」

黄「なによー。まだまだ言えるのに」

無「うん、分かった。お前が超人なことは分かった。……何で覚えてんの?」

黄「えー。小学生のころ、やたら円周率が気になってさあ。計算してみたのさ」

無「計算って……どうやって」

黄「筆算で」

無「…………え。……お前って、この前の中間テスト、数学何点だった?」

黄「31点よ」

無「…………」

黄「あ、もうこんな時間だ。私先に寝るねー。おやすみ」



無「黄色……もしかしたら凄い奴かも分からんね……」


 私が帰宅するとき、ちょうど雨が降り始めた。

 やれやれ、しょうがないな、と鞄から折り畳み傘を取り出そうとする。

 けど、下駄箱に一人の少女を見つけてその動作を止める。

 綺麗なショートヘアーの後ろ姿。水色だ。

 水色は置き傘を取り、帰ろうとしている。

 私はその小さな体に飛びついた。



「水色〜! 今帰り? 傘がないから入れてー」



 水色の返事を待たずに、私は傘の中に入る。

 水色は少し苦笑して、小さな声でいいよ、と言った。



「しっかし凄い雨ですなー」



歩き始める私たち。私は雨の音に負けないよう、少し大きめの声で話す。



「うん、じめじめしてて嫌な感じだねー」



 水色は足元にできる波紋を見ながら、優しく呟いた。

 その顔に嬉しいことがあった表情が貼りついているのを私は見逃さない。

 だって、水色のことを今までずっと見つめてきたから。



「みーず? どうしたの、ニヤニヤしちゃってえ」



 水色は笑顔でこっちを向き、ばれちゃったかあって笑った。



「実は、色無君とつき合うことになったんだ!」



 衝撃。

 水色の朗報は、私にとってトゲ以外の何ものでもなかった。



 笑顔の水色と目を合わさないように、祝福の言葉をかける。

 上手く言えたかどうかはわからない。

 だって私は水色のことが好きだったから。



 でも、女の子同士だから、この思いは伝えられることはない。

 水色が色無とつき合った今は、なおさらだ。



「あ、私急用を思い出した! じゃあね!!」



 水色と同じ傘の下にいることが苦しくなり、私は走り出す。

 水色が後ろから何かを叫んだけど、聞こえないふりをした。



 私の涙は雨に、嗚咽は雨音に消されていった。


黄「ヴぅぅ……」

橙「あちゃあ……夏風邪か……しょうがないな」

黄「馬鹿じゃないよ! 私馬鹿じゃなぅうゲッ……ゲホッ……ッ……!!!」

黄緑「もう、お腹出して寝るからですよ。待ってて、お粥作ってくるね」

黄「ありがとうママ——黄緑さぁん」



黄緑「はい、黄色ちゃん。カレーお粥よ。あーん」

黄「あん。うまい! お粥のとろみにカレーの風味が加わって、まさに食のアジアンビューティーや!」

黄緑「あらあら。美味しい? はい、あーん」

黄「あーん」



黄「ケホ。そろそろお昼か。そういや黄緑さん、学校行く前に『じゃ、黄色ちゃん。お昼用意しとくから食べてねー』って言ってたなぁ。冷蔵庫冷蔵庫っと」

 ガチャ

黄「おぉ、冷やしカレーうどんだ!!! さすがママ——じゃなくて黄緑さん!!!」



黄「なんか甘いもの食べたいなぁ」

橙「(ガチャ)よう! 夏風邪! お菓子買ってきたぞ! 食べる?」

黄「ありがとう、ちょうど甘いものが」

橙「でも病人にお菓子かぁ」

黄「いや、でもそれとこれは」

橙「ウソウソ、ほら! スープカレーキャラメル!」

黄「え? それって甘いの……?」



黄「さっきのカレーキャラメル、結局甘くなかったなぁ。塩っ辛いから喉が」

桃「黄色ちゃーん! 飲み物買ってきたよー!」

黄「オッパイナーイス! ちょうど喉が渇いてたんだよねぇ」

桃「はい、カレーサイダー!」

黄「……」



黄「ゲッフ。びょ、病人にサイダーはねーよ。ふつーねー……ゲフ」

黄緑「体調はどう、黄ちゃん」

黄「まぁまぁよくなってきたかな」

黄緑「まぁ! それじゃ晩ご飯もみんなと同じのでいいかな?」

黄「うん、それで」

黄緑「じゃ、カレーもってくるね!」

黄「え?」

黄緑「カレーって先に教えちゃうと『絶対そっち!』っていいかねないから黙ってたのよ」



黄「なんでこんなにもカレーが苦痛に思えた日はそうそうない……」

無「黄色! 風邪は大丈夫か?」

黄「うん、明日には学校行けそう。色無、なに持ってるんだ?」

無「お前へのプレゼントだ」

黄「へ! 色無が私に! あ、ありがとう!」

無「まぁ、あまり面白味はないし、持ってたかもしれないけど」

黄「ううん。色無がくれるなら私なんでもいいよ!」

無「そっか! よかった、このカレー風味の歯みがき粉が無駄に」

黄「もういらねーよ!!!!!!」


みんなで黄色がバイトしているカレー屋さんに行ってみた

店員「いらっしゃいませー」

無「メニュー結構あるな」

桃「私は牛肉あいがけカレー」

橙「私は夏野菜カレー」

紫「じゃあシーフードカレーで」

無「俺は手堅くカツカレー」



桃「黄色ちゃんどこいるんだろう?」

橙「休憩か?」

紫「んー……っぽいね」

無「休憩中呼ぶのも可哀想だしなぁ」



店員「お待たせしました」

無「みんな揃っ」

紫「いただきまーす」

桃「(パク)ん……」

橙「なんだこれ」

無「すごい、食べた記憶のある味なんすけど……」

橙「す、すいません」

店員「あ、はい」

橙「ここ、黄色ってカレーオタクの……」

店員「あ、カレー長ですか? 今厨房入ってますよ」

無「カレー長……」



店員「合計で3,150円になりまーす」

無「それじゃ3,200円で」

紫「あ、向こうに黄色いるよ!」



黄『黄土色ぉ! スパイス薄いよ! なにやってんの!』

黄『いい仕込みだ! 厨房裏でレモン色のことファックしていいぞ!』

黄『私のカレーは旨いんだ! 黙って食え!』



無「うん、楽しそうで何よりだ」







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Last-modified: 2012-10-21 (日) 03:30:12